GATE クリティカルロマン砲に何故か転生した件   作:シアンコイン

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どうも、シアンコインです。
はじめましての方、こんにちは。

見切り発車、後先考えない矛盾設定が得意なシアンコインです。

駄文ですが思いつきでなんとなく頭の中で話がまとまって来たので投稿しました。

fgoやってる人からしたら、「ん?」って思うかもしてませんがどうぞよろしくお願いします。



プロローグ

「して、お前に願いはないのか?」

 

「無いね、強いて言うなら本物の銃を一回でも良いから撃ってみたかったことかな。」

 

果てのない真っ白な空間で人影にも見えるそれは老人の如く低い言葉で向かい合っている少年に問いかける。

少年は対して怯える事もなく軽い笑みを浮かべると、飄々と答えた。

 

「む? お前の経歴には銃の経験があったと書いてあるが?」

 

「すごいや、神様は何でも知ってるんだ。でも残念、それは実弾じゃなくてゴム弾で仲間内とふざけて空に一発撃っただけなのさ。」

 

後はゲームの中でしか知らないよ、とそう言葉を付け加えて黒い髪を掻き微笑む。

平然と少年が白い人影を神と呼ぶ。そう、その場を支配していたのは少年の視線の先に佇む不安定な光の塊。

 

神と呼ばれる存在だった。

 

「そうか。ならばソレを願いとして別世界に転生してもらおうか。」

 

「え? 何で?」

 

「だからさっき説明しただろう、お前の人生は終わりを迎えて死んだ。その時に抜けた魂が偶々選定により導かれて転生できる権利を得た。」

 

「ヤダよ、別に、生き返ったってどうせ同じ事を繰り返すんだから。」

 

「そうもいかねぇんだ。この選定に選ばれた者は必ず転生している、それぞれの世界の人数もある程度決まっていてそれの調整も兼ねてる。それに今更他の魂を呼ぶにも今日昇ってくる魂は居ない。」

 

ボクに関係ないじゃん、そうぶっきらぼうに答える少年。対する神は溜息を吐いたかのような動きをすると一つ提案した。

 

「分かった。今更転生するのは変えられないが、転生の際にお前の願いを好きなだけ叶えてやる。だから、頼む。神に頼まれる人間なんていないんだぞ?」

 

「えー。」

 

「そこまで嫌か?」

 

「…………分かったよ。それじゃあ転生するのは元の世界で。」

 

「他に願いは?」

 

「働きたくないから金持ちにして。」

 

「他は?」

 

「んじゃあ、この高い身長にも嫌気がさしたからあまり高くならないように。以上かな。」

 

「随分と欲が無いな。」

 

「そうでもないと思うけど。」

 

「ふぅ、それじゃ。転生してもらおうか。悪いが同じ世界にお前が転生する事は出来ない、もう定員オーバーだからな。だからほぼ同じ世界に落ちてもらう。安心して新たな人生を楽しめ。」

 

最後にその場で男性が思った事は、あぁやっぱり神様はずるいの一言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

「い、いや……!!」

 

場面は移り変わり現代社会、日本都心、東京銀座。その大通りにソレは出現した。道行く人々が一瞬呆気に取られたのを皮切りにいつの間にか聳え立っていた門から鎧を着た人間と異形。モンスターが姿を現した。

緑色の皮膚に大きな牙、そしてその腕に携えるは斧やこん棒。馬に乗った男の言葉に反応して兵士とモンスターが一斉に駆け出して街行く人々を襲っている。

 

言葉を発した女性の目前で銀色の剣で切り伏せられる名前も知らない男性、飛び散った血が頬について滴る。一瞬にして人が殺された。その事実を受け止められないまま女性は後ずさる。

悲鳴を上げたいのに口は震え、逃げ出した衝動に駆られながらも振り向くほどの勇気が彼女の中には今、存在しなかった。

 

男性を切った鎧を着た兵士、その顔は興奮を抑えきれないのか笑みを浮かべている。女性はその事に対して信じられず僅かな怒りを感じる。

 

(何で、急に出てきて人を殺して、笑っていられるの!!)

 

平然と歩みを進める兵士、周りから聞こえる悲鳴、怒声。平和だった日常が一瞬にして戦場に変わる。女性は逃げる事を諦め震えている身体を抱きしめるようにして目前の兵士を睨んだ。

それが、彼女に出来る精一杯の抵抗だった。

 

「ーーーーーーー?」

 

「この、人殺し!!」

 

兵士から発された言葉を理解できずとも女性は声を荒げた、それをつまらなさそうに兵士は一瞥すると剣を振り上げる。

 

「ッ!」

 

もう助からない、そう感じた彼女は身体を強張らせて瞳を閉じた。

 

――――キィィィィィィィィン

 

その瞬間だった、女性の目の前に蒼く輝く魔法陣が形成され一人の人影が浮かび上がる。

 

「ーーーー!?--!!」

 

突然の事に慌てる兵士はその光る人影に目標を変え剣を振りぬいた。だが――

 

「―――人を殺したんだろう? だったら殺される覚悟もあるんだよね?」

 

軽快な声が聞こえたかと思えば一瞬の爆音が響いた。ガシャッ、そんな音が後に響いて恐る恐る瞳を開けると見えるのは銀色の鎧ではなく。

黒い革のコートに赤いマフラー金髪の髪、自分よりも一回り小さな体躯。気が付けば帽子を被った男性が目の前に立っている。

 

そんな事実と辺りが静寂に包まれている事に気付いた女性は辺りを見渡して理解する。

誰も彼もがこちらを見ている、正確には自分ではなく自分の前に立つ男性を。

 

兵士もモンスターも唖然とこちらを見つめているその状況で、男性はこちらを振り返った。

 

「やぁ、怪我はなかったかな。随分と物騒な状況だけどとりあえず、あの変な連中の視線がボクに向いている内に後ろへ下がって。」

 

「え……で、でも。」

 

「大丈夫、ボクにはこの銃があるから。」

 

男性は笑みを絶やさず女性に語り掛け片手に持った銃を見せて帽子のつばを直し、民間人と詳細不明の兵士たちの間に一人たたずむ。

幸いな事にその通りは一本道で、先駆けだった一人の兵士よりも先に前に出た者は誰もいない。

 

確かな中間地点。逃げ出した民間人たちの前に立ちはだかるように居る男は兵士たちからすれば邪魔で仕方ない。

ならばどうするか。―――無論、正面突破で殺す。

 

「やっぱり、神様って奴は嘘吐きなんだね。いい勉強になったよ。どんな理由かは知らないけどこんな体にしちゃうし。日本の筈なのに変な門もある。オマケに中世の時代から引っ張り出してきたみたいな軍団。そして広がる死体の山、冗談にしても笑えないよ。だから――。」

 

――――ドサッ

 

――――バンッ!!

 

「一方的な勝負を始めようか。」

 

音を置き去りにして衝撃が先頭の兵士にぶち当たる。何が起きたかも理解できない当人は鮮血をまき散らし地に伏した。

帽子の下で見せるニヒルな笑みは再度、兵士らを凍りつかせ戦慄させた。金髪の男の言葉は理解できない、だがそれでも言わんとしていることが理解できる。

 

これ以上、前に出れば。気づかないうちに殺されると。

 

「どうしたの? 来ないならこっちから行くよ。」

 

軽快な言葉の後に男は目にも止まらぬ速さで駆け出し先頭から二番目の兵士の目の前に飛び出す。

 

「!?」

 

動揺するも遅く突きつけられた黒い塊が兵士の顔面に突きつけられ、引き金が引かれる。

先ほどと同じ、死を呼ぶ爆音。兵士の頭は吹き飛び鮮血が舞った。言葉を失う後に続いた兵士たち。一人、また一人と爆音と共に倒れていく。

 

それに対し金髪の男は手に持った黒い塊で相手に触れず仲間を殺してく。帽子の下で見せる笑みが兵士達には死神のようにも見えた。

 

 

 

    ◇

 

 

「何だ、アレ……。」

 

後方、突如現れた門から出現した軍団から逃げ出していた民間人たちの一人が声を漏らした。その視線の先には一人のOLの前に立ち拳銃のような物を構える小柄の男。

ソイツは光の中から現れたかと思うと兵士の一人を吹き飛ばした。否、撃ち殺したのだ。

 

拳銃の発砲音など本物を聞いた事はないが。それでも分かる、なんせ、そこには確かに鮮血が舞い、空を飛んでいたドラゴンらしきモノを撃ち落す姿が見えるのだから。

赤いマフラーをはためかせ、人間離れした足取りで兵士が放つ弓、振りかぶられる槍、突撃を繰り返すドラゴンを避け拳銃を撃ち続けているその様は異様だった。

 

素人目でも分かる、拳銃の装弾数は明らかにおかしい。間髪入れずに拳銃を撃ち続けているのにその銃に弾を装填する素振りを全く見せていないのだ。

あまりにも現実離れし過ぎている、これは現実なのかと混乱する者が後を絶たない中で唐突にそれは聞こえた。

 

「ビリー・ザ・キッド………!?」

 

誰が発した言葉だったか、その名前はこの世界でガンマンと呼べば必ず上がるであろう伝説のガンマンの名前だった。

だがそんな大昔の人物が何故のこの場に、いや、彼は本当にあのビリー・ザ・キッドなのだろうか。そんな憶測が飛び交う中でその言葉を発した青年は自身のスマートフォンを見る。

 

その中には過去の英雄たちを召喚し、世界を救う為に戦うという趣旨のゲームが起動されており。その中にはまさに視線の先に存在する男性と瓜二つなキャラクターが戦っている。

 

「さぁて、そろそろ避難してくれないと。ボクも本気出せないんだけど?」

 

自動車の屋根に飛び乗り銃を撃ち続けている男、道端に止められていたバイクに向け拳銃を向けて発砲し爆発を誘発し数名の兵士を吹き飛ばした。

爆炎をハイライトにこちらに向けられた顔には笑みが浮かんでいる。民間人は一気に現実に引き戻されて逃げ出した。

 

「ビリー・ザ・キッドねぇ………。本当に神様は酷い事するなぁ。」

 

何か感慨深そうに、帽子の男は先ほど聞こえてきた名前を呟くと帽子を深く被り直して投擲された槍をかわして相手を見もせず、引き金を引いた。

 

降り立った地面に薬莢はなく、広がるのは血の池。

 

姿、形は同じなれどその中身は紛れもない別人は面白悲しそうにその銃をホルダーに戻す。

 

「「「「「「オオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!」」」」」

 

その姿を隙と、好機と見た敵の一団は隊長と思われし男の雄叫びに呼応し、先陣を切った隊長に続いて駆け出した。

槍を構え、弓を番え、竜を操り、剣をかざす。

 

一対大体数。明らかな物量さ、今までその状態でその場に軍団を引き留めていたという真実さえ非現実な事。常人であれば間違いなく逃げ出すであろう現状に帽子の男は笑みを浮かべて辺りを見渡した。

 

「―――――ファイア!!!!」

 

そして、それは一瞬にして起きる。

 

「ッ!?」

 

先陣を切った隊長が突然仰け反り糸の切れ人形のように倒れる、見れば額には三つの穴が開いていた。そして――――

 

――――バァァァァァンッ!!!!!!!!

 

隊長を失ってもなお戦意を失わなかった兵士たちが帽子の男手前で爆炎に飲み込まれる。

そして、その爆炎は更に燃え上がり爆音を上げて一団を瞬く間に包み込んだ。

 

そして一番後方に居る兵士は戦慄した、前を見れば隊長を最初に、何百人もいた兵士が爆炎に呑まれオークやゴブリンは逃げ出し。

空を支配していたワイバーンは鳥のように瞬く間に撃ち落されていくその事実に。

 

そして――

 

「―――どうする? まだ勝負、する?」

 

帽子の男は無傷で爆炎の中、兵士たちの蹂躙対象だった民間人を背にまだ笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやいや、ビリーってこんな大多数と戦えるサーヴァントじゃないだろうって?
英霊(仮)だし多少はね?

因みに、作者のハートはガラス、わかって下さい。
何でもしますから。


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