GATE クリティカルロマン砲に何故か転生した件   作:シアンコイン

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気が付いたら評価を頂いていて、感想ももらっている事実。
寝起きだったのに目が覚めてしまったので、テンション上げ上げで投稿。

感想、評価、大変励みになります!!
ありがとうございます!!

プロローグでも言いましたが、駄文注意!!!


「さぁ、決闘を始めようか(どうしてこうなった……)」

神によって、転生させられた少年。

今は名をビリー・ザ・キッドと呼ぶとする。

 

彼の伝説のガンマンに気がつけばされていた少年が、転生させられて最初に見たのは血で濡れた見慣れた大通り。

 

阿鼻叫喚、道行く平和に身を委ねていた一般人達は突如出現した門から湧き出るモンスターと兵士達に一方的に蹂躙されている。

 

(何だよ、これ……。いや、この状況って……!?)

 

少年だった彼はこの状況を知っている、これは彼が生きていた頃にテレビで物好きな親と毎週見ていたアニメと全く同じ出来事だ。

 

(それに……何だこの体、透き通ってる。服も変だし帽子にマフラー、金髪に腰に着けた赤いラインが入った銃……あ…。)

 

自分の体に何が起きているのか、瞬く間に見た目と状況判断で彼は察してしまった。

幸いにも転生しては居るものの現界はまだしていない、このままアニメの筋書き通り行くならば自分は人知れず人気のない場所で姿を現し。民間人に紛れて新たな人生をスタートできる。

 

(物語がこのまま進むのなら、自衛隊が到着しこの騒動は鎮圧される……。)

 

だけど、心の底で少年であった時の感情が見過ごす、という選択を拒否しようとしている。

仮に自身があの空想の中で設定されたキャラクターであっても、あんな大多数をどうにかする技量がこの体にあっても。

 

(出来るわけがない、ボクにそんな事は……。)

 

そこまでやるという度胸は彼には存在しなかった。

 

(ごめんよ………。)

 

アニメの中であっても人が殺されている、あのシーンに憤りを感じていた彼にこの状況は重くのし掛かった。

 

歯を食い縛り、霊体と呼ばれる状態で踵を返した、そんな時だった―――

 

「―――この、人殺し!!」

 

(っ!?)

 

震えている声で誰かが必死で声を上げている、見れば横断歩道を挟んで向こう側に逃げ遅れた女性が震えて声をあげていた。女性の目の前には嫌な笑みを浮かべている兵士が剣を振り上げている。

 

―――何もしないの?

 

彼の心に誰かが語りかける。

 

(勝てないよ……)

 

―――それで後悔しないんだね?

 

(そんな分けないだろ……!)

 

―――大丈夫、体が覚えてる。

 

(見過ごせるわけがない……!! これ以上殺させてたまるか!!)

 

―――アウトローの素質は充分だね。

 

誰かの声は愉快そうにそう告げるのと同時に、彼は霊体の状態で女性と兵士の間に入り。力を解放した。

所謂、現界、この世界に英霊、ビリー・ザ・キッドが現れた瞬間だった。

 

彼の視界は更にクリアに、現界した瞬間に生じた力の余波は光と共に砂埃を巻き上げる。

降り下ろされた剣は歴戦の英霊達には遠く及ばない、体を反らして簡単に彼は避けてしまう。

 

「―――人を殺したんだろう?だったら殺される覚悟もあるんだよね?」

 

彼の本心と英霊の"彼"の言葉が混ざり、自然と口角が上がる。その軽い笑みは英霊ビリー・ザ・キッドにとっていつも着けている仮面ともいえる。アウトローに絡まれやすいタイプであった彼は、揉め事を避けるためにいつも笑みを浮かべていたという話もあるぐらいだ。

 

そしてそんな中、ビリーは引き金を引いて撃鉄を落とす。

 

音を置き去りにして兵士の頭はザクロの如く弾け、赤い血を撒き散らした。その光景、状況に後に続いた兵士達は凍りついたがビリーの内心は穏やかだった。

 

(……何でだろう…人を殺したのに…。)

 

体が恐怖に震えることもなく、今何が自分にできるか、何が実現可能なのかが即座に理解できる。だがそんな時、思い出した。自分が誰の姿に奮い立ってこの場に姿を見せたのかを。

 

(とりあえず、笑顔は大事!!)

 

即座にニヒルな笑みから普通の笑顔に変えて、振り替える見ればそこには自分よりやや身長が高い女性が震えて立っていた。

 

「やぁ、怪我は無かったかな。随分と物騒な状況だけどとりあえず、あの変な連中の視線がボクに向いてる内に後ろへ下がって。」

 

瞳に涙を溜めて、今にも泣き出しそうに震えていた女性に笑いかけるビリー。それに対して女性は答えた。

 

「え……で、でも。」

 

状況が理解できていない様子で言い淀む女性。そんな彼女にビリーは安心させるように片手の拳銃を自信の顔の前に掲げてまた、笑った。

 

「大丈夫、ボクにはこの銃があるから。」

 

安心させるように笑いビリーは帽子を被り直す、ゆっくりとだが頷いた女性が避難している人々の方へ向かった事を確認してからビリーは振り替える。

 

(幸いにもボクが今さっき殺したのが、奴等の先頭。これより先に進ませなければこれ以上、犠牲者は出ない。)

 

(上空にはワイバーン、地上にはオークにゴブリン、騎兵、兵士。それで多分あの目立ってるのが隊長かな。)

 

思考を巡らせ最善の策を探す彼、その顔にはまだ笑みが張り付いている。それを見た門から現れた軍団は足を進めることに戸惑っている。

先に行動を起こしたのはビリーだった。

 

「やっぱり、神様って奴は嘘吐きなんだね。いい勉強になったよ。どんな理由かは知らないけどこんな体にしちゃうし。日本の筈なのに変な門もある。」

 

まず最初に自分を転生させた神に対しての文句、これは彼の紛れもない本心だ。

 

「オマケに中世の時代から引っ張り出してきたみたいな軍団。そして広がる死体の山、冗談にしても笑えないよ。だから――。」

 

一人語りのように、言葉を繋ぐビリー、その顔は笑みを絶やすことはないが何処か異質である。

そう、言葉で言い表すなら"目が笑っていない"。

 

「―――一方的な勝負を始めようか。」

 

言葉を後に片手で拳銃を構え引き金を躊躇なく引き絞る。

いつの間にか戦意を取り戻し、こちらに突進を仕掛けようとしていた先頭の騎兵に弾丸は吸い込まれる。

 

(足止めの意味も込めての一発……!!)

 

少年だった頃の感情は今、単純な怒りで消え失せている。

一方的に、突然現れて何の罪もない人間を殺した集団に彼は今怒りしか感じていない。

 

英霊としての彼の視界は良好、元を辿れば彼のこの姿はあるゲームで実在した偉人や伝説上の人物を英霊として召喚し共に世界を救うために戦う。そんな趣旨のゲームの姿であり、実在した人物とは似て非なるもの。

そのゲームの中でもそれぞれにクラスという、それぞれの特徴にあったクラスが複数存在し、彼は『弓兵:アーチャー』というクラスに該当している。

 

弓兵の特徴は誰も皆、飛び道具に長けておりそのクラスに分類されたビリーの射撃能力は例え伝説級の英霊と戦うことになろうと、劣ることはまずないだろう。

そしてその英霊としての体は今、現界したことにより少年の魂と同調を始めている。彼の英霊ビリー・ザ・キッドの経験がその魂に刻まれていく。

 

それを体で感じたビリー、体が銃の撃ち方、戦い方を教えてくれている。相手を打倒出来ずともこれならもう一般人を殺されないで済むと理解した彼は銃を片手に本心の笑みを浮かべた。

 

「どうしたの? 来ないならこっちから行くよ。」

 

足取りは軽く、ちょっと加速したつもりがいつの間にか敵の目前。英霊の体がどれほどまでに規格外なのかを身を以て再確認したビリーは瞬きをするように自然に引き金を引く。

音は軽く、同時に鈍い音が後に続いて兵士が倒れる。軽快な足取りで状況を理解できていない兵士たちに的確に銃弾を撃ち込んでいく。

 

間合いは適度に、離れすぎずに近すぎず。されど相手に反撃されないほどの距離を取り続け、こちらに反応を示した兵士には確実に眉間に穴をあける。

空のワイバーンは的が上に向くのであまり狙いすぎずに、こちらに近づいた瞬間にワイバーンに乗っていた兵士共に撃ち落とす。

 

「ッ!!」

 

そんな時、身体が勝手にその場を飛びのいた。

その瞬間、上空から降り注いだ矢が先ほど自身がいた場所に突き刺さって居る事に気づく。

 

心眼(偽)C――直感・第六感による危険回避。天性の才能による危険予知によって彼は、いや彼の体は見ずとも矢を避けて見せたのだ。

 

(あっはははぁ………流石英霊、半端ない…。)

 

ビリーは内心で驚いた笑いを上げると前の体の目よりもよく見える瞳で先を見据える。近場にはもう死体しか転がっていない。

標的を変えるにしてもビリーの武器は相手に正面切って突撃できるほどの広範囲武器ではない。

 

それこそ英霊のビリー・ザ・キッドであれば、囲まれてもクイックドロウで一瞬にして蹴散らす事も出来るだろう。だがまだ彼にその技術は扱えない。

まだ経験が足りない。まだ同調途中、インストール中の技術を即席で使っているにすぎないのだから。

 

生き物を初めて撃ち殺している"少年"の心にはまだ余裕がある。大丈夫、この状態で相手の進行を止められている。

無理をする事はない。確実に全力で相手を止めているだけで良いと、感じたビリーは笑みを深めて引き金を引く。

 

弾丸は彼自身の体に宿る魔力から精製される、それ故に薬莢を抜き弾丸を込める必要はなく撃ち続ける事が可能になっている。

そして魔力とは本来の英霊という存在をこの世に存在させるために、契約した魔術師から供給されるものであり言わば彼ら英霊の力の源とも言える。

 

アーチャーのクラスには単独行動というクラス別の能力が存在しそれは、契約した魔術師からの魔力供給を行わなくともスキルのクラスにもよるが、長時間現界し続ける事を可能に出来るスキル。

当然そのスキルはビリーにも付与されており、そのスキルのランクは『A』。実際の例からは外れるが、魔術師がいなくとも現界し続ける事が可能なランクである。

 

(…………まだまだ、撃てる。………疲れも少ない、大丈夫だ。)

 

元より魔力消費の少ないアーチャークラス、そして単独行動[A]という破格なスキルを備えたビリーにこの状態で限界が来る事はないだろう。

身体でそれを理解したビリーは安堵し、振りぬかれた棍棒を屈んで避け緑色の両足を撃ち抜き苦悶の表情を浮かべる異形の化け物を撃ち殺す。

 

次に突撃してくるは槍兵。突き出した槍の穂先を横に蹴り飛ばし懐に入り込む。

 

―――――――こんな槍、槍の狂戦士に比べれば欠伸が出る。

 

信じられないと、そんな顔をした兵士を容赦なく撃ち殺しその場で飛び上がる。当然のようにその場に突撃して来ていた兵士たちが彼を見上げ、ビリーは撃鉄を三回落とす。

既に彼は心眼に慣れ始めている、驚異的なスピードでビリーは完成に近づいていた。

 

 

 

      ◇

 

 

 

その姿を見ている一団の隊長は戦慄した、たった一人にもう数刻も進軍を阻まれている。最初は反撃もなく、逃げ惑うだけの哀れな民衆だった筈なのに視線の先で戦っている男がどこからともなく現れた瞬間から狂い出した。

歴戦の兵士たちが爆音と共に血をまき散らし死んでいく異様な光景、憤りを超え恐怖すら湧かせる笑み。まるで本物の化け物と戦っているような感覚に囚われた男に更に災難が降りかかる。

 

―――――――バァァァァン!!

 

突然の爆音、死を呼ぶ爆音よりも強烈なそれは突如として起き。燃え上がる爆炎と共に兵士、ゴブリン、オークを包み吹き飛ばす。

火薬を撒けと命令した記憶は男の中にはない、何処からこの爆発は起きたのか、これもあの男の仕業なのかと視線をそちらに向ける。

 

見れば相手は鉄の箱の上に乗り、顔後ろに向けて何かを喋っている。もう既に兵士の半数はアイツに殺された。

ゴブリンやオーク共はもう脅えて使い物にならない。だが、こんな場所で引き下がれるものかと男は決心した。

 

「脅えるな同胞たちよ!! 敵を目前にして逃げる事は許さん!!」

 

「今我らに刃向い戦っているのはあの男一人、武器を掲げよ!! あの男の首を獲った者には極上の褒美を与えようぞ!!」

 

声を上げ、兵士達に喝を入れる。ここで負けてなるのものか、新天地に足を進めいの一番に手柄を上げて自分は欲望のままに伸し上がると息巻く隊長。

戦意を徐々に取り戻し始めている兵士たちを見て、隊長は支持を出し脅える亜人、オーク達を見捨て隊列を組む。

 

もう一度、相手を見据えれば戦意を喪失したかのように視線を下げて、その手に持った得物を収めている。

 

「今こそ好機だ!! 私に続けぇぇぇぇ!!」

 

「「「「「「オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」」」」」」

 

武器を構えた兵士たちを引き連れ馬を操り塊となり突き進む。

一点突破、このまま奴をひき殺してやる。そう興奮気味に不敵な笑みをした所で―――――

 

 

「―――――――ファイア!!!!」

 

 

帽子の男の声と共に隊長の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 

「ビリー・ザ・キッドねぇ………。本当に神様は酷い事するなぁ。」

 

時は数分巻き戻り、ビリーは自分の言葉を聞いて慌てて逃げていく一般人を背に先ほど聞こえた一般人の言葉に少し落ち込んでいた。

彼はある程度気づいていた、自身の身なりが、武器がゲームの中のビリー・ザ・キッドに酷似している事に。

 

この身体がビリーということを既に経験して実感しているのに、何処か否定したい部分が彼にはあったのだ。

何故なら。

 

(これじゃ絶対、平穏に暮らせないよね!? 神様何してくれてんのコンチクショウ!!)

 

妥協で転生したのにもかかわらず、すでに物語の大部分に接触してしまい。一般人には姿を見られこのビリー・ザ・キッドが登場しているゲーム『Fate/Grand Order』がこの世界で存在している事に気づいた彼はもう別の意味で後悔していたのだ。

一般人に紛れ込んでもこの容姿は目立ちすぎる、うまく逃げおおせても絶対政府から追われるだろう、最低限、協力するとしても絶対平穏な時間はない。

 

そう悟ってしまった彼に投擲された槍が迫るが、心眼により見もせず避けて相手を撃ち殺す。もう手馴れ始めていた。

深くため息をついて彼は自動車の屋根から飛び降りて辺りを一瞥する。目ぼしいのは自動車とバイク、幸いここは銀座、路上注意など気にもしない連中の駐車違反の車が鎮座している。

 

しめしめとちょっとした作戦を考え付いた彼は、自身が今奥の手を使えるのかを身体で確認している。その技術はもう使えるようになった、魔力の量も申し分ない。

いける、この作戦が上手くいけば相手を戦意喪失に追い込めるかもしれないと希望を抱いて拳銃をホルスターに戻した。

 

「「「「「「オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」」」」」」

 

考え事をしている内に敵が戦意を取戻しこちらに一丸となって突撃して来ている事に気づいたビリーは、呼吸を整え始めた。

 

(…………撃つのは三か所、一つは隊長、後二つは両脇の自動車のガソリンタンク!!)

 

全神経を研ぎ澄まし、この攻撃に賭ける。

 

英霊の奥の手。宝具と呼ばれるそれは、その英霊の代名詞ともいえる彼らが生前に築いた伝説の象徴であり武器やアイテムが大多数だが。

ビリーの場合は愛用していたと言われるコルトM1877ダブルアクションリボルバー、通称サンダラーから繰り出されるカウンターの三連射撃。彼に纏わる逸話が宝具となっている。

 

そして、その威力は――――

 

「――――――ファイア!!!!」

 

――――バァァァァァンッ!!!!!!!!

 

敵の一団を吹き飛ばす事はなくとも、一瞬にしてあらゆるものを確実に撃ち抜く(・・・・・・・)!!

 

先頭を行く隊長の頭を吹き飛ばし、一団の両脇に止められている車のガソリンタンクをほぼ同時に撃ち抜き爆発させる。

並ぶように止められていた車は連鎖爆発を起こし一団を包み込んだ。

 

まさに地獄絵図、自身らがほぼ同じことをしていた事も知らず叫びをあげて逃げ惑うその姿をビリーは無表情で見据えると帽子の再度被り直して笑みを作った。

オークやゴブリンたちが門の先に逃げていき、辛うじて爆発に巻き込まれなかった兵士達を見つけたビリーは声を上げる。

 

「どうする? まだ勝負、する?」

 

(諦めて引き上げてくれれば御の字なんだけどなぁ…………。)

 

言葉は通じなくても雰囲気さえ伝わればいい程度の意味だったのだが、何故か悲鳴に近い声が聞こえた事に落ち込みつつ。

背後から無数の足音とガチャガチャ騒がしい音が聞こえたので彼は振り返ってみた。

 

「動くな!!」

 

「………え?」

 

そんな彼の後ろにあったのは緑の服や黒の服に身を包み、その腕には銃器を携えている。自衛隊と特殊部隊だった。

しかも、その銃口が向けられているのは門から現れた一団ではなく自分である事に彼は気づく。

 

(ヤッベェェェェェェ!! 自衛隊が来るの忘れてたぁぁ!! ああ、もう明らかにボクが不審者で悪者雰囲気醸し出してるし!!)

 

(そんな悪人面してないよね、ビリーは!! あ………アウトローだった…………。)

 

内心穏やかではないビリーは笑顔の下で全力で取り乱す、本来なら普通の少年から別の人物に転生して急に戦う事になった時点で動揺するものだが。

 

「聞こえているのか!! ゆっくりこちらを向いて手に持った武器を地面に置きなさい!!」

 

そんなビリーの内心は自衛隊には届かない。無慈悲である。

ゆっくりと言葉通り振り向いたビリーは笑顔のまま自衛隊を見た、そして口を開く。

 

「聞こえているよ、けどね。ボクにこの銃を置けっていうのは無理があるなぁ。」

 

(ちょっ、何言ってんの!?)

 

今更だが、彼の言葉には度々、ビリーの口調がうつる時もあり勝手に言葉を変換してしまうことがある。

今がその状況である。

 

「ッ!! これは警告だ!! 警告に従わない場合実力行使に出る!!」

 

「へぇ、ボクと決闘するの? いいよ、やろうか?」

 

(よくないよくない!! ほら、あっちも顔険しくなってるって!! こんな所で自衛隊と撃ち合ったら今までの苦労がぁぁぁ……!!)

 

本音で悲鳴を上げて上っ面はやる気満々、自衛隊との修羅場に突入しそうになったその時に、その人は現れた。

 

「―――――待って下さい!! 彼は、私たちを守ってくれたんです!!」

 

「あっ、君はさっきの。」

 

その場に飛び込んで来たのは先ほど彼が助けた女性である。自衛隊との間を縫って出て来たのか長い髪は乱れて服はよれよれになっているがビリーが助けた女性だった。

 

「だから、やめて下さい!! 私たちの命の恩人なんです、貴方も銃を下ろして。」

 

「えっ、いや。でも。」

 

流石のビリーも突然の事に笑みは剥がれて慌てる。ビリーと自衛隊の間に割って入った女性はビリーの元まで行くと銃を構えたビリーの手をつかんだ。

 

「ッ!! その男は危険です、離れて!!」

 

自衛隊の一人が声を荒げて警告したその瞬間だった。

 

ビリーの手をつかんだ女性の手に赤い稲妻が一瞬走る。その光景に誰もが息を止めビリーでさえも硬直した。

 

「ッ!! いったぁ……。」

 

―――――そしてビリーは見つけてしまう、女性の手に赤い文様が浮かび上がって居る事に。

 

「え? 何この模様?」

 

(ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?)

 

女性が驚いた様子で腕の模様を見る中、ビリーは固まり内心で大絶叫する。

 

内心穏やかではない彼を他所に交わった世界の運命の歯車は回りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






え?思ってたのと違う?

許してヒヤシンス。


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