神たる少年、人たる少女。   作:にわかな仁

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お待たせしました、第十一話です。

お気に入り等の件数も増え、感想(ご指摘ありがとうございました)も頂き、嬉しい限りです。

さっそく本編へ。


第11話 圏内事件なんて無かったんや

「フィールドボスを、村へ誘い込みます」

 

「やぁだ、アスナさんひどぅい」

 

「訂正します。攻略組は迷宮区攻略の準備、ジンさんが1人で倒してくれるそうです」

 

「ノォォォォォ!?」

 

 最近、アスナの当たりが強い。俺なんか悪いことしたっけ?シオンもだんだん過激になってきてるし。

 

 

 あまりにもあんまりなことが確定した次の日。パーフェクトな気象設定だったので俺は野原で寝ていた―――

 

 

「あ、寝てる!フィールドボス倒されてなかったんですけど?」

 

「断固拒否だっ!やるなら飯奢れ!」

 

「わかったわ、シオンちゃんとキリトくんも呼ぶから」

 

「え、あ、はい、ありがとうございます、喜んでボスを殺ってきます」

 

 通りすがりのアスナに捕まった。逃げようとするも俺が折れてしまった。フィールドボスを瞬殺する。

 

 

「うんめぇなぁこれぇ」

 

「なぜ秋田弁」

 

「知らね、浪漫な車の下り、新宿から6駅目だ」

 

「訳わからないわよ」

 

 57層主街区『マーテン』にて。ご褒美の飯にがっつく今日この頃である。

 

 そして渾身のボケが空回りした時。それは聞こえた。

 

『きゃあぁぁぁぁぁ!?』

 

「急ごうっ!」

 

 急いで外へ向かうと―――

 

「あ、人吊ってる」

 

 重そうな鎧を着こんだ男がロープで吊られ、心臓の辺りを短槍が貫いていた。

 

「今なら権限行使を許すわよ?」

 

「ったく、ばぁん」

 

 謎の掛け声を出しながら槍とロープを消滅させる。男が落ちてきたところをキリトがキャッチした。

 

「あ………カインズ!」

 

「よ、ヨルコ…」

 

「感動のシーンは後でにしてもらえねえか?」

 

 ふてぶてしくそういうと一言。

 

「何であんなことしたんだ?」

 

「「え?」」

 

「「「は?」」」

 

 当事者や俺の連れも驚いている様子。そりゃあそうだろう。彼らを半分人殺しだと言っているようなものだからだ。

 だが、俺は続ける。

 

「圏内じゃあHPは減らない。だけどああやってHPが減るように見せてたのは何でだ?死ぬときのポリゴンの形1つまで俺は覚えているからな、誤魔化せねえぞ」

 

「「………」」

 

 彼らは押し黙る。連れの3人も口を挟める状況ではないと理解しているようで喋らない。

 場の沈黙を破ったのはヨルコと呼ばれていた女性のほうだった。

 

「そう…ですよね。あなたがこの世界を作ったんですよね…」

 

「ああ、単純だな、最後に1つ聞こう。復讐か?」

 

「そうです…私たちは…」

 

 そういって話し始めた内容を簡単に纏めるとこうだ。

 

 彼らは『黄金林檎』という少人数ギルドに入っていたのだが、ある日敏捷を20も上げるレアな指輪を手に入れたことでギルド内の意見は対立、そして多数決の末に売りに行くことが決まり、それを売りに行ったギルドリーダーが殺されたらしいのだ。そして彼らはそれの犯人を炙り出すためにこのようなことを―――

 

「ふーん、でギルドリーダーって結婚してた?」

 

「していました。ついでですがギルドリーダーは女の人です」

 

「そうかそうか。なら犯人は夫だな。お前らを殺そうとするかもだからそいつを捕まえるぞ」

 

「「え……」」

 

 俺のフル回転グレーな脳細胞全力オートファジーには追い付いて来れないご様子なので、そのまま突き進むことにした。

 

「じゃ、明日そのギルドリーダーさんと関係がありそうな場所を教えてくれ、そこでまた集合かな、フレ登録しよう」

 

「「は、はい……」」

 

「「「………」」」

 

 無理矢理に話を切り上げるKOB流を貫きつつ解散とした。

 

 

 そして次の日。また昨日のメンバーで集まったその場所は―――

 

「ほう、墓まで作ったのか」

 

「はい………せめてもの報いになればと」

 

「そうか………来たな」

 

「「「「「??」」」」」

 

 皆が頭の上に?を浮かべるのも束の間、彼らに戦慄が走る。

 

「よう、『地獄の王子』。元気にしてたか?」

 

「ケッ、お前の方がお似合いだ、『死の宣告者』。」

 

「ハッ、丁重にお断りしよう。取り敢えず帰れ」

 

「言われなくてもそうするに決まってるだろう?てめえら、行くぞ」

 

 そして彼らは去っていった。

 

「………ラフィンコフィン…」

 

「ああ、んでそこにいるのが呼んだ奴だ、カモン」

 

 人気の無い茂みに声を掛けると、1人の男が歩いてきた。その人物は―――

 

「グリムロックさん……!?」

 

「やあ、久しぶりだね」

 

「犯罪者は黙っとれ。貴様の考えは読めてるからな」

 

「ほう、言ってみたまえ」

 

 まだ自分が優位だと考えているようなので、軽く本気で、心を読む。

 

「なるほど、妻が豹変したのか。それでそれを恐れて記憶の中の彼女を取り戻すと正当化して殺した。合ってるだろ?」

 

「………」

 

「悪いがそんなもん間違ってるね。俺はシオンが何をしたとしても支え合える存在で居るつもりだ。それが愛であり、お前が持っているのは所有欲に他ならない」

 

「………」

 

 俺の言葉を聞くたびに俯く彼に止めを刺す。

 

「お前がやったことは悪だ。ちゃんと裁いてもらえるまで大人しくしろ」

 

「………君は何者なんだ?」

 

 目の前の男からの問い。それは俺の中で最も答えに困るものであった。だが、今なら言える―――

 

「誰かを愛し、助ける存在だ」

 

 

 その後、彼の処遇はヨルコ達が責任を持つと言って地面に崩れ落ちたグリムロックを抱え去っていった。

 

 いつの間にか日は落ちていて、心地よい夜風を感じながら俺たちは動かなかった。最初にその沈黙を破ったのは愛しの彼女だった。

 

「ジン………ありがとう」

 

「はは、当然のことを言ったまでさ」

 

 俺たちはゆっくりと近づいていき、唇を重ねる―――

 

「コホン、帰りましょう。あとジンくんには聞きたいことがあるから寝ないでね」

 

「「!?」」

 

 愛し合えるのは少し後になりそうだ。

 

………ちなみにキリトは少しも喋っていない。なぜなら手ぬk「ではなく、コミュ障だから」……だそうだ。

 

 

「ちょっくら散歩行ってくる」

 

「私もいきたい」

 

「待っててくれ、すぐに戻るさ」

 

 いつの間にか買われていたプレイヤーホーム(しかも高級住宅地として設計した第61層主街区『セルムブルク』)に半強制的に住まわされ、シオンと同居が始まってから1週間が経過した頃、俺はあることを計画していた。

 

 

「お邪魔しまーす!」

 

「おいちょっと待て聞いてないぞ」

 

「あんたがそんな動揺してちゃ元も子もないぜ、『地獄の王子』。他の奴がいないときに話がしたくてな」

 

「WOW、良いじゃねえか、野郎共ここを出ろ」

 

 そして目の前のSAO最悪のプレイヤーと俺が2人きりになると―――

 

「この度は大変申し訳ございませんでした」

 

「分かってるじゃないか、オイ。ターゲットがシオン何だって?死にてえか?」

 

「いえ、滅相もない。今話せているだけでありがたい限りでございます」

 

………これを他の者が見たらなんというだろうか。ひょろっとした中学生に、この世界で最も恐れられている殺し屋が土下座をしている―――

 

「ったくよ、お前は裏じゃまだ若造だろ?だったらターゲットなんかを決められたらもっと違うやつに回せば良いのに」

 

「そしたら俺は生きていけなくなります」

 

「ターゲット次第で金はやるよ。俺の身辺狙ったら全部消えるけどな、組織ごと」

 

「はい、最善を尽くさせていただきます」

 

「ならよし、これで終わりだ。今回の処罰としてはラフコフ対攻略組を無しにして俺が全員投獄する。幹部は残しとくからそいつらで償いを考えとけ」

 

「わかりました。ありがとうございました」

 

「あと1分でスタートだ」

 

「!?」

 

 

………その後辺りは光に包まれ、そこに居た人間全員が牢獄で目を覚ました。その中で彼らの上に立っていた3人はリーダーの焦り具合に驚愕しつつもその場を抜けたため、無事だったそうだ。




もう、原作準拠諦めました。

ジンくんの正体はますます闇に包まれて…

というか謎です。

取り敢えず今作はどうだったでしょうか。

次回をお楽しみに、ありがとうございました!
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