神たる少年、人たる少女。   作:にわかな仁

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最新話上がります。

少しずつクロスオーバー要素を出していくつもりです。

早速本編へ、どうぞ!


第12話 唯の化け物ェ!?

「いらっしゃいませ!リズベット武具店へようこそ!」

 

「ほー、あんたが店主さんか」

 

 店の奥から出てきたのはなんかチャラっとした感じの少女。髪色ピンクでエプロンドレス姿だからだ。

 

「んで、今日はオーダーメイドを頼みたいんだな、友達に剣をあげたくてね、一番強いのを頼む」

 

「それならどのくらいの強さか目安を出してください」

 

「目安、か…」

 

 俺はここで固まる。目安になりそうな剣など手持ちに無いからだ。

 さて、どうするか━━━

 

「リズ~?」

 

「あ、アスナ!」

 

「…勝った」

 

 丁度いいところに来た最強ギルドのトップメンバーたち。なら………

 

「やっぱりいいかな、剣はお預けだ」

 

「何よ、謙遜してるの?剣がよくても勝てないからとかかしら?」

 

 店主が何か見透かしたように言う。だがそれはとてつもなく的外れで━━━

 

「ジンくんはなにやっても唯の化け物じゃない?」

 

「ああ、あいつはおかしい」

 

「うん、ボクなんか不戦敗だよ」

 

「勝てたらおかしいですよね」

 

「ジンが最強なのはこの世の理だね」

 

「おいちょっと待てアスナさんや」

 

「………!?」

 

 アスナが酷いのはどこへ行っても同じのようで。店主は目を丸くして驚いているようで。

 

「あんたが『死の宣告者』なの?」

 

「マジでそれやめて、誰に聞いた」

 

「ん、アス…」

 

「今日はオーダーメイドを頼みたいのっ!」

 

「オイ?」

 

 誰もが恐怖を覚える本気の威圧に、アスナは顔を真っ青にする。その後雫が落ちる音が鳴る━━━

 

「キリトの剣か?」

 

「………あぁ、そうだ」

 

「「「「「……女の敵……」」」」」

 

 化け物は何も聞かなかったことにした。

 

 

「うぅー、さぶっ、クシュンッ!」

 

「うっせ、これ着ろ」

 

 最終的に剣の素材を皆で取りに行くことになり、アスナの強い要望で俺は前衛だ。

 

「アスナもさ…」

 

「話しかけないでこの変態っ!!」

 

「ひでぇ……」

 

「ジンの自業自得だと思うけどね?」

 

 女性陣からはまだ冷ややかな視線に晒されているがそんなものはスルーする。

 

「んで、『クリスタライトインゴット』だろ?よし、この中で飛び降りがしたい人!」

 

『………』

 

「分かった、俺1人で行ってくる」

 

 死にたいかという問いには誰も答えられぬが道理、俺は1人で取りに行く羽目に………

 

「わかったわ、あたしも行く」

 

「えっリズ!?」

 

「いいじゃない、楽しそうだし」

 

 幸運にもリズベットが付いてくることに…管理者権限が使えなくなってしまった。

 

「さ、行くぞォォォ!」

 

「お、おぉ?」

 

『はぁ………』

 

 辺りは白い吐息に包まれていった。

 

 

「ひゃっほぉぉぉ!!」

 

「きゃあぁぁぁぁ!?」

 

ボスンッ!

 

 見事に着地(雪の上に五体投地)を決め、俺たちは目的地へとたどり着いた。

 

「ぷはー、死ぬかと思ったじゃない!」

 

「そんなので死なないし死んでもプログラム止めれば良いし」

 

「は?今なんて?」

 

「気にするな、それより野営の準備だっ!うぉぉぉ!」

 

 気迫の掛け声と共にアイテムをどんどんオブジェクト化していく。ベッドまで出したところで━━━

 

「finish!」

 

「これで1つの部屋完成してるってどう言うことよ」

 

「インベントリがパネェんだな、俺」

 

「へ、へぇ」

 

 そこで気付いた。そう、最後に出したベッド━━━

 

「1つしかねぇぇぇ!!」

 

「いいわ、一緒で」

 

「………分かった」

 

 後で正妻にこってりと絞られる場面を想像している間に、夜は更ける。

 

 

「ジン………だっけ?」

 

「ああ、なんだ?」

 

「この世界を作った人って、どんなこと考えてたんだろうね?」

 

 彼女は俺のことを知らないらしい。だがそれよりも先に、俺は語り始めていた。

 

「………人間とは何かを知りたかったんだ」

 

「………?」

 

「とてつもなく壮大だろ?だけどこのリアルより狭い世界なら、壮大なものも小さくコンパクトに出来ると思ったんだ。それが今のこの時間だったり、敵と戦うときもだ」

 

「………そう、あなたはそう思ってたのね」

 

「ああ、でもそんなこと夢物語さ。俺はそれ以前にNPCを理解しているかと言われたらしていないと答えるしね」

 

 穏やかに時は過ぎる。その中で誰が今、何をしているかなど俺でも分からない。

 

「でも、私が知りたいことは今わかった気がする」

 

「そうか、聞かないでおくよ」

 

「うん………手、繋いでいいかな?」

 

「後でシオンに怒られる未来が見えるけどな」

 

「あはは、そんなの後の話よ」

 

 そういうとリズベットは俺の右手を強く握る。俺は後の祭りだと割り切り、握り返す。

 

「………温かい」

 

「俺は、こういうのを見たかったのかな…」

 

 朝は近づいていた。

 

 

「うし!器具一式しまいましょう。リズベットが起きてないから一瞬でゴーッ!!」

 

 刹那、昨日取り出したものが全て消え、アイテム欄に戻ってくる。それがベッド以外完了したところで。

 

「んぅ~、おはよう」

 

「おう、Goodmorning、さっそくベッド動かすぜ」

 

「あ、はぁい」

 

 シオンみたいに『あとちょっと~』とか言わない辺りに、何故か大人を感じる俺氏。シオンが子供過ぎるだけか?

 

シオン「ハックシュンッ!?最近風邪気味なのかな…」

 

 身支度が完全に整った頃。

 

「この上にドラゴンいるだろ?」

 

「そうね」

 

「ここ、ドラゴンの巣なんだよね、それでお目当ての金属はドラゴンの"ピ━━"なんですね」

 

「えっ!?」

 

「そこ掘ると出てくるぜ、ほらよ」

 

「えっ、きゃあぁ!?」

 

 想定通りの反応をするリズベットを尻目に、ここを出る算段を立てる━━━

 

「あっ、来た。リズ、金属を絶対離すなよ」

 

「えっ、あ、うん。ってえぇぇぇ!?」

 

 ドラゴンが戻ってきた。その背中に剣を突き刺し、ドラゴンは一気に飛び上がる。

 

「ひゃっほぉう!!」

 

「いやぁぁぁぁ!?」

 

 そして上昇が止まると。

 

「わぁ、空飛んでるぅ!」

 

「お気に召したようで何よりだぁ!」

 

「私、ジンのこと、好きぃぃ!!!」

 

「初恋料金1000円になりまぁす!!!」

 

 たわいもない会話が繰り広げられた空の上、そして地上へ落ちていき━━━

 

「よし、帰るぞ!」

 

「うん!」

 

 2人は寒さなど感じていなかった。

 

 

「なんかね~、ジンとリズがいちゃついてる夢見たんだよね~」

 

「夢は夢だろ?」

 

「そうよ、ねえ?」

 

「ああ」

 

「仲良くなってるじゃんっ!!!」

 

「「うぎゃっ!?」」

 

 帰って来て待っていたのはOHANASHIだった。シオンに全て読まれていたらしく、完全に不利であったことは言うまでもない。

 

「で?鉱石は?早くしてくれない?」

 

「あ、アスナ……怖いよ?はい、これ」

 

「なぁんだ、リズが持ってたのね、ありがとうリズ」

 

「う、うん………」

 

 アスナさんの機嫌は一向に直らない様子。本当、あれはあなたの自業自得…

 

「なにか言ったかしらこの変態」

 

「理不尽の極み!?」

 

 アスナの機嫌は後回し、それよりも━━━

 

「ギルドの仕事あるからもう行くわ、じゃあの」

 

「待って」

 

『!?』

 

 皆が驚く訳、それはリズが呼び止めたから。

 

「よし!今後とも、リズベット武具店をご贔屓に!」

 

「ははは、ああ、そうさせてもらうよ」

 

 そういって俺は店を出た。後ろから「リズのバカぁ」とか聞こえたが俺には関係ない。

 

 

「んで?また束さんがやったのか?」

 

「違うようだ、今度は外部だろうな」

 

「ちっ、てこたぁ亡国企業(ファントムタスク)か?」

 

「その可能性が極めて高いな、その辺は束に頼むとしようか」

 

「了解」

 

今話しているのは、プログラムへのハッキングについてだ。以前から、「腕試しだよ!」とか言って束さんがハッキングをしていたが今回は訳が違うようだ。

 それは現実の実働隊、束さんに頼むとして、今から話すのは………

 

「見積りよりずいぶんと早く攻略されてるよな、イベントどうするか?」

 

「それが問題ではあるが……まぁ、切り詰めてゆけば丁度いいだろう、今日はこれで終わりだ」

 

「わかった、じゃあな」

 

 この世界の『化け物』は他のものとはわけが違うようだ。




どうでしたか?束さんやらファントムタスクやらが出てきました。

リズはジンですね、ハーレムを公平に分けていくスタイルを貫きましょう。

ではまた次回で。ありがとうございました!
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