ここから先はネタバレしそうなので本編へ。
どうぞ!
「我ら、『月夜の黒猫団』に乾杯!そして我らの恩人、キリトさん、ジンさんに、乾杯!」
『乾杯!!』
「「か、乾杯?」」
俺たちは今、第11層主街区、タフトのとある酒場にいる。まず、そこまでの経緯を説明しよう。
俺とキリトは、丁度ギルドの休みが重なったので、ストレス発散も兼ねてキリトの剣の強化素材集めをするために第11層まで降りてきていた。
と、そこでモンスターに囲まれているプレイヤーの集団を発見する。なので俺とキリトはそのモンスターを退けて助けることにした。それがこの『月夜の黒猫団』だった、というわけだ。
「俺の名前はケイタって言います。失礼かとは思いますが、お2人共レベルは幾つぐらいですか?」
「ああ、敬語はなしでいいよ。で、レベルだけど俺は45。こっちが…」
「こいつと大体同じだ!」
「……まぁいいか。」
「すごい!攻略組なんだ!」
「ああ、そうだ。」
「そうっすね。」
俺は色々誤魔化したが、相手は攻略組じゃないのでわからないだろう。
「あの…出来ればうちのギルドに入ってもらえたりしないかな?」
衝撃。ついに知らないやつが出てきたか。
「無理だわ。」
「そ、そうか。ちなみに理由は?」
「こいつは『黒閃義勇団』の団長さんだ。で、俺は秘匿だ。」
「こいつ『血盟騎士団』の副団長な。」
『!?』
俺たちと話していたケイタはともかく、その奥で料理を食べていた4人も驚いている。まあ、キリトは超有名人だしな。
「そ、そんな人だったのか!」
「おいどういう意味や。」
「いや、失礼。でも少しお願いがあってね。こいつ、サチって槍使いなんだけどさ、うちって前衛があそこのテツオだけなんだ。だからこいつも片手剣に転向させたいんだよ。だから指南をお願いしたい。」
「何よ、人をみそっかすみたいに。」
と、ケイタに頭をポンポンされてるサチという少女は俺の知る人だとナナに近い気がする。そうするとどういう性格がおおよそ読める───
「モンスターに腰が引けてるから戦闘自体に向いてない。うち後方支援職足りなくてさ、よかったらうち来ない?」
「何勧誘してんだ。」
…ハッ!?いつの間にか宣伝していた!
「と、取り敢えず腰が引けてるのは事実だ。そんなんじゃ前衛なんぞ務まらむ。後方支援が天職だと俺は考えるかな。」
「…そうか。実は俺、攻略組を目指してるんだ。俺らと攻略組の違いってなんだと思う?」
「「情報量だな。」」
「それもあるかもしれない。だけどさ、俺は意思力だと思うんだ。いつかこの世界から皆を解放するんだ、っていう。」
まてまてまて。意思も大事かもだけどさ、そんな崇高な志を持ってるやつなんて居るのか?
「そうだな、それも大きいのかもしれない。いつか帰るんだ、とかな。」
キリトそこ乗るんだ!?で、俺にターンが回ってくる、と?
「その志、買った!ギルドを総合的に強化してやろうじゃないか。俺はギルドで育成係やってるから、任せろ。レベルは攻略組クラスまで上げる。2週間だな。」
「ほ、本当か!?」
「男に二言は無いッ!」
啖呵を切るように育成を約束した。皆レベルは20位だったから…40目指すか!
「レベル2週間、プレイヤースキル1週間といこう。地獄ってどんな場所かわかるようになる素晴らしく有意義な時間を作るつもりだ。」
『!?』
これには隣のキリトも驚いている。ま、俺がいつもやってるやつに近いんだけど………荒らしじゃ無いっていってるじゃないか!
「う、うわぁ、ど、どうしようかな?」
「サチさんにのみ拒否権ありだ。理由は戦闘面だからな。他の理由だと俺より怖いやつに殺られる!」
『………。』
また黙り込んだ皆。そこで黒い厄がいやらしい事をしてきた。
「これ全部シオンに言っとくか。」
「やめろぉぉぉぉ!!!」
その場はまた、喧騒に包まれていった。
その晩。サチがいきなり居なくなったという一報を受けた俺は、彼女を探していた。
「悪気はないぞ?『プレイヤーID識別"サチ"』。」
必殺、管理者権限(チート)を使ってサチを探すと、タフトの小運河の畔に居た。
「なにやってるんだ?」
「!?あなたは…」
「おう、ジンさんだ。探しに来た。」
「そんな……。」
「いいのさ。それよりも君が今、何を思っているのかを聴きたい。」
話を本題に持っていく。何を答えるかはわからないが何ができるかは解るつもりだ。
「私、死んじゃうのが怖い。攻略組の人たちやジンはそう思わないの?」
「誰だって怖いさ。だがその覚悟が無いとここで死にゆくのも確かだ。だから俺は生きることを考える。」
「ジンは強いね。その強さがほしいよ。」
「明日からくれてやるよ。安くはないぜ?」
死にたくない。それは人類共通の願いであり、永遠の夢でもある。それを叶えるのが俺の役目?ハッ、それは宗教に任せるぜ。
「さぁ、帰ろうぜ。望むものはてに入れればいい。死にたくないなら強くなるんだ。体が強い人は心も強い。その逆もしかりだ。」
「うん、私頑張るよ。今夜……その強さを分けてね?」
「?」
最後の言葉が気になったが、忘れようか。取り敢えず俺はサチを連れ戻すことができた。
夜、ベッドに入ってきた少女の匂いは絶対に忘れられないだろう。変態じゃねえからな!
それから1週間。ここは最前線第30層迷宮区。黒猫団の皆は音を上げずに頑張っている。いつもはキリトが1人で見に来ているのだが、今日は違った。
「ねぇ、ジン。あの、あそこにいるのは…?」
「あれか?あれが『黒閃義勇団』のトップメンバーたちさ。」
『!?』
見学者がとてつもなく豪華なメンバーなのだ。だからだろう、皆今日は少し動きが堅い。
「リラックスっすよ。あそこのやつらは皆より経験が多いだけ。すぐに迷宮区とかで会えるさ。」
「そ、そうだね。よし、早く追い付かないと!」
だが最近、サチの進化率が異常で嬉しい悲鳴だ。片手剣を極めるためのコツを感覚ではなく、理論で叩き込んだからだろう。
ちなみにコツとはソードスキルにと一緒に自分でも腕を振るうというあれである。
そんなとき、遠方から何かが刺さった気がした。その方向を見ると。
「!?」
目が死んだシオンが居た。多分会ってないからだろうなぁと思っているとメッセージが飛んできた。
『他の女の子と仲良くしないこと!OK!?─
なんだ、そんなことだったのか。
─罰はいつも通りでね。』
なん、だと……!シオンを見ると何か勝ち誇っているように見える。
「やった!やったよ、ジン!レベル40!」
「早いな!一番乗りだぞ!」
「今日こそ一緒に寝てもらおうかな?」
「ぐはっ、シオン、頼む。悪く思わないでくれ!…そうしようか。」
「やったぁ!」
よくよく考えてみると相手は大学のサークルのメンバーの1人、つまり大学生なのだ。ちょっと不純?でもそしたら全裸でベッドに入ってくる中学生ってどうなんだ?
「よし、諦めよう!シオンは謎!」
『ジン、聞こえたよ。あとでOHANASHIしようっか?』
「!?」
聞かれてしまった。心が叫びたがったらそこで試合終了なんだ。なるほど、悪くない。
「ジ~ン!こっちも!俺たちもあと少しだからアドバイス頼む!」
「あ、ほいほーい!」
鍛練は続き。今日の日がくれる頃には。(迷宮区の中なので日は見えない)
「よっしゃ!俺もついに40Lvだ!」
「これで皆レベルは攻略組だな。次は本命、プレイヤースキルだ。頑張って鍛えッぞ。」
『はい!!』
今日は解散となった。
そして次の日。休みにする、というと皆ざわついた。
「どうした?何かあったのか?」
「いや、ギルドホームを買おうと思ってね。」
「ほぅ、いいな。ケイタが買ってくるなら俺はちゃんと監視役やるぜ?」
「はは、助かるよ。」
そうこうしてケイタが酒場を出ると、ササマルがこういった。
「皆、ホームの家具買うための金集めに行こうぜー!」
皆が同意の様子なので、
「よし、ならいくか。場所は任せる。」
「おう!」
そして向かったのは第27層迷宮区。宝箱が多いからだそうだ。その代わりトラップが多く、訓練ではここを飛ばしていた。一行は準備を済ませると出発した。
探索もほどほどにした時、テツオがなにかを見つけた。
「あっ、隠し扉だ!」
そのまま開こうとする。確実にトラップなのだが止めない。実力をこれで計ろうと考えたのだ。そして全員がそこに入ると…
『!?』
「トラップか。転移『タフト』!…クリスタルが使えない。よし、俺たちの本気を見せてやろうぜ!」
『おう(うん)!!』
結果は言わなくてもわかるだろう。モンスターハウスは皆のレベル差とプレイヤースキルによって殲滅した。
「終わったな、これからも鍛練は続けるべきか。」
『!?』
「ま、気にするな。さ、帰るぞ!」
新しく買ったギルドホームには、買った家具が入らなくなったという事件があったが、皆は仲良く過ごすことができた。
どうでしたか?
月夜の黒猫団は生存です。多分サチしか出ません。
キリトだけがハーレムではない!
とここに記しておきます。
それでは次は第八話で。ありがとうございました。