ソードアート・オンライン Dragon Fang《リメイク版》   作:グレイブブレイド

18 / 106
リュウ君をはじめ、オリキャラたちの容姿やイメージキャラボイスなどが書かれているプロフィールを公開しました。原作キャラも含めると声優さんが豪華になってしまいましたが。1部のキャラは原作に登場する声優さんと被ってますが、関係がなかったり関係があったりします。


再構成版でリュウ君が主人公となる回はある意味、約1ヶ月ぶりとなります。


第11話 新たな愛剣

2024年7月5日 第63層・主街区

 

今日の攻略を終え、キリさんと一緒に酒場のカウンター席で夕食を食べていた。

 

「新しい剣が欲しい?」

 

「はい。今使っている剣も70層に到達する頃には限界だろと前にエギルさんに言われまして……。ここ最近モンスターのレベルも上がってきてますし……」

 

俺がキリさんに相談していたのは武器についてである。今俺が使用している剣は攻略組に復帰した時からずっと使用し続けてきたものだ。その剣も限界が近づいてそろそろ新しい剣に変えようと考えていた。しかし、剣を手に入れるいい手段が見つからず、キリさんに相談していた。

 

「確かにな。新しい剣を手に入れるとなれば、プレイヤーメイドのものがいいか。明日は予定空いているか?」

 

「はい。明日は特に予定は入ってないので」

 

「だったら明日の昼14時に第48層のリンダースに来てくれ。いい鍛冶屋があるんだ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年7月6日 第48層・リンダース

 

第48層の主街区であるリンダースはそこらかしこに水車があり、のどかな風景を感じさせるヨーロッパの田舎町みたいなところだ。

 

この街は気に入っており、1度は住もうかなと思ったことがあったが、いい物件はほとんど売れてしまい、今はもう1つの候補地であった第59層のダナクに住んでいる。ダナクは木と草が生い茂り、放牧地のような高地の田舎町を思わせるところでリンダースと同様にいいところだ。

 

でも、リンダースにキリさんオススメの鍛冶屋があるとはな。

 

「おーい、リュウ!」

 

「あ、キリさ……っ!?」

 

キリさんの方を見た瞬間、俺は彼の隣にいた人に驚いてしまう。

 

その人は、白と赤をベースとした騎士風の戦闘服に着て、左腰にある鞘に細剣を収めた栗色の長い髪を持つ俺より少し年上の女性。攻略組で彼女を知らない人は1人もいないくらいの有名人だ。

 

彼女は血盟騎士団の副団長にして《閃光》という二つ名を待つアスナさんだ。

 

「あ、アスナさんっ!?」

 

キリさんだけでなく、何故かアスナさんもいて少々驚いてしまう。

 

「どうしてアスナさんもここにいるんですか?」

 

「今から行く鍛冶屋は、私がキリト君に教えたところだから、私も付いていった方がいいかなって思ったの。それに、キリト君1人だと、ちゃんとリュウ君の剣を選んであげられないんじゃないのかって心配にもなってね」

 

「俺だけで十分だって言ったのによ。リュウは俺と同じ片手剣使いだし、同じ男同士だろ」

 

「でも、またキリト君が売り物の剣を折っちゃったら大変でしょ。キリト君のお目付け役としても行くんだよ」

 

「アスナは俺のオカンかっ!」

 

キリさんとアスナさんのやり取りを見ているとなんか恋人同士にも見える。

 

キリさんとアスナさんは一時期、よく攻略会議でもめることが多くてあまり仲がよくない時もあった。でも、最近はそう言うのもなくなってきたし、アスナさんも前と比べて様子がすっかり変わったような気がする。

 

2人に連れられてやって来たのは水車がある家だった。看板には《リズベット武具店》と書かれていて、どうやらこの店の名前のようだ。

 

鍛冶師となると気難しそうな老人とかをイメージしてしまう。でも、キリさんとアスナさんくらいのレベルの人がここで武器を買ったとなるとそういう人でもおかしくない。

 

リズベット武具店に入ると中は無人で、様々武器がショーケースの中に置かれ、壁にはかけられている。

 

数秒ほどすると店内の奥にある扉から鍛冶師だと思われる人が出てきた。

 

出てきたのは、赤いパフスリーブの上着に、同色のフレアスカート、上から純白のエプロン、胸元には赤いリボンというウェイトレスみたいな服装をし、ベビーピンクのふわふわしたショートヘアの少女だった。年齢はキリさんやアスナさんと同様に俺より少し年上といったところだ。

 

「リズベット武具店へようこそ!ってアスナにキリトじゃない!」

 

「数日ぶりだねリズ」

 

「2人とも何しに来たの?メンテナンスなら数日前にやったばかりじゃない」

 

「今日はキリト君と一緒に彼の新しい武器を買いに付き添いに来たのよ」

 

「そうだったんだ。あたしはこの店の店主のリズベット。リズでいいわ」

 

「初めまして俺はリュウガっていいます。俺もリュウで構いませんので」

 

リズさんと握手を交わす。ウェイトレスみたいな服装のせいで、この店の店主だと知った時には少々驚いてしまった。

 

「早速だけどリュウはどんな武器が欲しいの?あと、性能の目標値とかも教えてくれる?」

 

「片手剣でスピード重視のやつをお願いします」

 

「スピード重視の片手剣か……弱ったわね。スピード重視の片手剣は今品切れだし、スピード系の素材も今色んなところから注文を受けてて、リュウに回せる分はないのよね。剣は前にどっかの誰かさんが折らなければあったかもしれないのになぁ……」

 

そう言ってリズさんはキリさんの方を睨む。

 

睨まれた本人はというとリズさんから視線をそらし、知らないフリをする。キリさん、アンタ何やってくれたんですか。よりにもよってスピード重視の片手剣を……。

 

「まあまあ、折った剣の代金は賠償金も含めてちゃんと払ったからキリト君を許してあげて、リズ」

 

「アスナがそう言うならいいわ。それに、万が一の時のためにいい素材を入手できるっていう情報をいくつか仕入れておいたしね。それさえ手にいれたらリュウの剣もすぐに作れるわ」

 

「その素材の入手方法ってどういうものなの?」

 

「最近、60層にある《地下水脈の洞窟》の洞窟っていうところにいる凶暴なドラゴンを討伐するっていうクエストが見つかったのよ。そのドラゴンからは高レベルの素材がドロップするらしくてさ」

 

「ドラゴンとなると俺の時と同じやつか。となるとドラゴンの……」

 

「違うわよ!今度はドラゴンの牙よ!」

 

今度は牙ということはキリさんのときは何だったんだ。ドラゴンとなると牙以外だと鍵爪か鱗ってことかな。

 

「そうとわかれば早速出発するわよ」

 

「リズさんも行くんですか?60層って前線からあまり離れてないから危険じゃ……」

 

「心配いらないわ。あたし、こう見えてもマスターメイサーなのよ。今日は攻略組が3人もいるしね。素材の調達も鍛冶師の仕事なのよ。まあ、危険を伴うこともあるけど……」

 

「リズが付いてくるのは構わないけど、危ないからむやみやたらに前に出ないでね」

 

「はーい」

 

武器を購入して終わりかなと思ったら、まさか素材を取りに行くことになるとは……。でも、素材を手に入れてから武器が出来上がるまでの工程を見ることができていいかもしれない。

 

今ある片手剣も耐久値はまだ大丈夫だからいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年7月6日 アインクラッド第60層・《地下水脈の洞窟》

 

洞窟の内部は水色に光る鉱石などがあるため、洞窟のダンジョンの中では比較的視界がいい。そして、洞窟の奥へと繋がる道の脇には綺麗な水が流れている。どうやらこの洞窟は、名前の通り、地下水脈から湧き出ている水によってできた洞窟のようだ。

 

「ここの水って凄くきれいだね。飲料水として飲めるんだったら、調理にも使えそうな感じだよ」

 

「アスナさんは自分で料理もするんですか?」

 

「うん。料理はリアルでも得意だし、この世界は調理した方がいいものも沢山あるからね」

 

「なるほど……」

 

アスナさんが、料理が得意だというのはちょっと意外だなと思った。攻略組で料理スキルを持っている人はあまりいなく、俺が知っている中ではカイトさんくらいしかいない。

 

こうして話もしながら洞窟の最深部を目指す。途中、何回かモンスターと遭遇したが、攻略組が3人もいることもあって1,2分もしないうちに倒してしまう。

 

1時間ほどしてやっと洞窟の最深部までやって来た。

 

最深部は地底湖のようなところで巨大な湖があり、フロアボスのフィールド並に広い。湖の中心部からは綺麗な水が湧き出ている。神秘的なところと言ってもいいくらいのところだ。

 

だけど、リズさんが言っていた凶暴なドラゴンの姿は何処にもいない。湖の中に潜んでいるのか。

 

そう思った時だった。

 

湖の中から何かが現れる。現れたのは東洋の龍の姿をした怪人だった。名前は《セイリュウインベス》というらしい。

 

「あれ1体だけですか?」

 

「そうみたいだな。でも、油断はするなよ」

 

「私たち3人で攻撃するからリズは下がってて」

 

「わかったわ。気を付けてね、3人とも」

 

俺とキリさん、アスナさんはそれぞれ武器を手に取り、戦闘を開始する。

 

少し様子を見てアスナさんが細剣で付きを放つ。だが、攻撃はあまり聞いていない。

 

「このモンスター硬い!」

 

「アスナ、ここは俺とリュウが攻撃するから一旦下がってくれ!行くぞリュウ!」

 

「はい!」

 

「2人ともお願い!」

 

アスナさんが下がり、俺とキリさんの2人係で相手する。《セイリュウインベス》が持つ鋭い爪から繰り出す斬撃をキリさんが武器で受け止め、その隙に俺が斬撃を与える。だけど、アスナさんの時と同様にあまりHPが減っていない。

 

「コイツ硬い!」

 

「リュウ、スイッチだ!」

 

俺と入れ替わるようにキリさんが斬撃を与える。AGIにスタータスを寄せている俺とアスナさんと比べるとダメージは多く与えているが、それでもHPの減りは少ない方だ。

 

「硬えんだよ!何でだよっ!ああ、痛え……」

 

「キリト、アスナ、リュウ!ソイツ、あたしのメイスの方が効果あるかもしれないわ!」

 

「確かにリズの言う通りこのモンスターには私たちのレイピアや片手剣より効果があるかもしれない!」

 

「だったら俺たち3人がかりで攻撃を受け止めるからその隙にリズは側面か後ろから攻撃してくれ!」

 

「わ、わかった!」

 

俺とキリさん、アスナさんの3人で《セイリュウインベス》による突進や鋭い爪による攻撃を受け止め、リズさんがメイスで殴りつける。先ほどとは異なり、HPの減りは多い。

 

「攻撃がさっきよりも効いている」

 

「固い相手には剣よりもメイスの方が効果があるって聞きますからね。あのモンスターがあんなに硬いなんて思いませんでしたよ」

 

アスナさんに続き、俺が戦いながらそうコメントする。

 

それを何回も繰り返す。《セイリュウインベス》はどんどん減っていく。HPがレッドゾーンに突入し、残りわずかということでリズさんがメイスのソードスキルを発動させ、《セイリュウインベス》に強力な一撃を叩き込む。これで敵はHPの全てを失った。

 

「やった!」

 

リズさんが歓喜の声をあげるが、HPを全て失ったにもかかわらず、《セイリュウインベス》はまだ消滅していない。

 

どういうことなんだと思っていると《セイリュウインベス》の体が光り出す。すると先ほどの怪人の姿から龍そのものといった姿へと変える。大きさも10メートル近くあり、浮遊している。HPゲージも3本に増えた。

 

《セイリュウインベス》は咆哮をあげると俺たちに攻撃してきた。

 

「避けろ!」

 

キリさんが叫び、俺たちは間一髪攻撃を避ける。

 

「きゃあっ!」

 

「リズ!」

 

リズさんだけ、回避するのに少し遅れてしまい、攻撃を少し受けてしまう。倒れているリズさんの元にアスナさんがすぐに駆け寄る。

 

「リズ、大丈夫っ!?」

 

「平気よ。でも、アスナたちと違ってあたしのレベルじゃ、強化体の相手をするのはちょっと厳しいかな」

 

「いいの。ゆっくり休んでて。あのモンスターは私たちが倒すから」

 

アスナさんは細剣を持つとすぐに《セイリュウインベス》に向かって走り出し、細剣スキルの《シューティングスター》による攻撃を与える。キリさんも片手剣ソードスキル《ヴォーパルストライク》による突きを放ち、2人に続くように俺も片手剣ソードスキル《シャープネイル》を発動させ、3連撃による攻撃を与える。先ほどとよりHPは多く減少している。

 

どうやら、強化体になると防御力が下がる代わりにHPとか他のステータスが上昇するようだ。

 

「攻撃をかわしつつ、反動の少ないソードスキルで攻撃するぞ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

《セイリュウインベス》は咆哮を上げ、俺たちに突進してくる。俺たちはそれを避け、ソードスキルを叩き込む。《セイリュウインベス》は攻撃に怯むことなく、俺たちに鋭い爪による斬撃を与える。

 

俺とキリさん、アスナさんは攻撃を受けてしまうが、最前線のボスクラスのモンスターと比べたらまだマシな方だ。体勢を立て直してすぐに反撃する。2人とスイッチを繰り返しながらHPを減らしていく。

 

HPゲージは最後の1本となり、レッドゾーンへと突入する。

 

《セイリュウインベス》は最後の手段だというかのようにその巨体を宙に浮かせ、口から青い炎の玉を放つ。

 

「俺たちを舐めるなぁぁぁぁっ!!」

 

俺は鍛え上げた軽業のスキルと敏捷性を活かし、洞窟内にある岩や壁を忍者のように駆け上る。そして、《セイリュウインベス》の背中に飛び移り、片手剣スキル《ハウリング・オクターブ》を発動。5連撃による突きからの斬り下ろし、斬り上げをし、最後に全力の上段斬りをする。

 

《セイリュウインベス》は断末魔の叫びをあげると、ポリゴン片になって消滅した。

 

《セイリュウインベス》が消滅したのと同時に地面に着地する。早速メニューウィンドウを開いてドロップアイテムをオブジェクト化する。名前は《セイリュウの牙》。リズさんに詳しく鑑定してもらう。

 

「これならリュウの要望の通りの武器を作れるわ」

 

「本当ですか?やった!」

 

「よかったね、リュウ君」

 

「早速リンダースに戻ろう」

 

メニューウィンドウから取り出したポーションを飲み、HPを回復させるとリンダースに戻ろうとする。

 

最深部の部屋から出ようとしたとき、キリさんは何故か後ろを振り向く。

 

「キリさん、どうかしたんですか?」

 

「なんか誰かに見られていた気がして……」

 

「誰かに見られてた?でも、俺の策敵スキルには特に反応はありませんよ。キリさんの方は何かあったんですか?」

 

「いや、俺の方も特に反応はなかったな。多分、気のせいだろ」

 

このことをあまり気にすることなく、元来た道を辿って洞窟を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年7月6日 第48層・リンダース

 

リズベット武具店に戻ってくるとリズさんにさっき手に入れたインゴット……《セイリュウの牙》を渡す。

 

インゴットを炉に入れて真っ赤になるまで熱するとリズさんはそれを取り出し、鍛冶用のハンマーで叩き始めた。

 

カン、カンと金属を叩く音が響く。

 

こうやってインゴットから剣が作られるのを見るのは初めてだ。何十回……何百回も叩いたところで、インゴットが眩い白光を放った。

 

インゴットから姿を変え、出来上がったのは片刃状の片手剣だった。

 

刃は薄く青がかった銀色をしており、持ち手や刃の中央部分は青や金がベースとなっている。まるで青龍の鍵爪や牙をイメージしたかのような剣だ。

 

「名前は《ドラゴナイト・レガシー》。要するに龍騎士の遺産って意味ね。あたしが初耳ってことは今のところ情報屋の名鑑には乗ってない剣のはずよ。ステータスも魔剣クラス並みのものだね。試してみて」

 

《ドラゴナイト・レガシー》を左手で手に取り、何回か水平斬りや垂直斬り、突きを行う。更に《シャープネイル》を発動させて使ってみる。

 

手によく馴染み、耐久値が高い割にとても軽い。俺好みの剣だ。

 

「リズさん、この剣凄く気に入りましたよ!」

 

「気に入ってくれてよかったわ。こんなにいい武器が出来たのはこれで4回目よ」

 

「4回目?俺とアスナ、リュウを合わせると3人じゃないのか?」

 

「実は他にもう1人良い武器が作ることができた人がいたのよ。その人のおかげでキリトとリュウの剣が作れたっていうのがあるかな」

 

「なるほどな」

 

その人はいったい誰なのか気になるな。

 

「ところでこの剣の代金っていくらなんですか?」

 

「代金ならいらないわよ。リュウたちがあのモンスターを倒したおかげで、インゴットも手に入れることができたしね。あとはこんなにいい武器が作れたからそのお礼っていうのもあるかな」

 

「ありがとうございます」

 

「これからもリズベット武具店をよろしく。キリトとアスナもね」

 

リズさんは笑顔でそう言い、俺たちは当然「もちろんだ」と答えた。

 

新たな愛剣《ドラゴナイト・レガシー》を手に入れることができて凄く嬉しかった。この剣でゲームクリアを目指してこれからも頑張っていこうと決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年7月6日 アインクラッド第60層・《地下水脈の洞窟》

 

時は2時間ほど前にさかのぼる。

 

リュウたちが《地下水脈の洞窟》を後にしようと最深部の部屋から出た時だった。

 

「気付かれそうになったときは一瞬ビビったぜ。流石キリトだな」

 

「相変わらず、お前は《黒の剣士》がお気に入りのようだな《PoH》。まあ、俺は《青龍の剣士》の方が興味あるがな」

 

物陰からリュウたちの様子を見ていたのは、黒いポンチョで身を隠した2人の男だった。その2人はフードを深く被っているため顔は見えない。

 

「《青龍の剣士》、あの青いフード付きマントの奴か。《アビス》、お前はどうして《青龍の剣士》……リュウガに興味があるんだ?実力は閃光よりまだ少し下か同じくらいといったところだろ」

 

「アイツは()()()()()()()()()()()なんだよ。最後にアイツだけが生き残ってそのまま死ぬかなと思っていたが、アイツはそれを覆させた。ハイドを使って見ていたが、ゾクゾクするようなくらい凄いものだったぜ」

 

「それは8ヶ月ほど前にお前が言ってことか。それなら俺も興味があるな」

 

「おい、お前には《黒の剣士》……キリトがいるだろ。1人締めするなよ」

 

「ノープロブレムだ。《青龍の剣士》……リュウガはお前のだろ」

 

会話している2人のところに3人のプレイヤーがやって来る。

 

「ヘッド、アビスさん!こんなところにいたんスか?」

 

子供っぽい口調で2人に話しかけてやって来たのは、《ジョニー・ブラック》という名の頭陀袋を思わせる黒いマスクで顔を隠した男だった。その男と一緒に、髑髏みたいなマスクを付けた男と、黒いニット帽を深く被りって白い布で顔の下半分を隠した男もやって来る。

 

「ジョニーか。それに《ザザ》と《ソニー》も一緒だったのか。途中でキリト達に遭遇しなかったのか?」

 

「俺たちは別ルートを使ってここまで来たんですよ。だからキリト達とは会わなかったッスよ」

 

「ここに来たということは、今回のターゲットは始末したようだな。俺とPoHにもその結果を見せてくれよ、ソニー」

 

黒いニット帽の男は、赤と黄色の玉が着いた算盤のようなものを取り出して見せる。

 

「今回は6人か。次のターゲットはどうするんだ、PoH?」

 

「次のターゲットは攻略組の《ナイツオブバロン》だ。リーダーの刀使いとサブリーダー槍使い……特に刀使いは攻略組トップクラスの実力を持っているから注意しろ。まずは他の3人から始末しろ。コイツらはザザとジョニーに任せる。ソニーは俺とアビスと一緒に他の攻略組ギルドをやるぞ」

 

ソニーとザザ、ジョニー・ブラックはPoHという男の言葉に頷いた。

 

「攻略組の奴らの方が手ごたえあって楽しそうだぜ」

 

「楽しみなのは、俺も、一緒だ」

 

「同じく……。強い方がゲームも盛り上がる」

 

そして、アビスという男の口が開く。

 

「攻略組のプレイヤーたちよ。さあ、地獄を楽しみな」

 

「イッツ・ショウ・タイム」




今回リュウ君が手に入れた剣《ドラゴナイト・レガシー》は仮面ライダーブレイドが使用する醒剣ブレイラウザー(強化型)みたいな感じのものとなっています。もちろん、ラウズカードを収納する機能やカードの読み込み機能は付いていません。

主要人物のオリキャラ全員が使用する武器が、仮面ライダーが使用する武器をモデルとしているような (笑)

今回出てきた《セイリュウインベス》は仮面ライダー鎧武に登場した怪人です。そちらではヘルヘイムの果実を食べて強化体になりましたが、うちの作品ではHPが減ると強化体になるという仕組みになっています。体の色も緑から青になっています。まあ、SAOにヘルヘイムの果実が存在したらかなりヤバいですが。


そして再構成版でもラフコフが本格的に動き始めました。原作よりも主要幹部が2人増えて強化されている中、リュウ君に何か関係がありそうなことを言い、ターゲットとなる《ナイツオブバロン》。アインクラッド編の第2部は大きな波乱を呼ぶことになると思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。