ソードアート・オンライン Dragon Fang《リメイク版》 作:グレイブブレイド
この数か月間、忙しいかったことに加え、スランプに陥ったりして投稿が遅れてしまいました。申し訳ないです!
早速本編と行きたいところですが、今回はリハビリで番外編……リュウ君とリーファのイチャイチャ回とさせていただきます。早くカイトとシノンのイチャイチャシーンも書きたいですね。
ところでリュウ君、その血が付いたビートクローザーは何なんですか(汗)
「リュウ君、次は防具屋に行かない?機能的でオシャレな防具を置いているオススメのお店があるんだけど、そろそろ新作が店に並ぶ時期だから何かいいのないかなって見てみたくて」
「ああ、いいよ」
俺とリーファが今いるのは、アルヴヘイムの南西に位置するシルフ領の首都スイルベーン。見てわかる人も多いと思うが、俺たちはここで今デートの真っ最中である。
買い物をしたり、何かを見たり、美味しいものを食べたりと普通のデートだが、こうして最愛の人と過ごす時間はいつまでも続いて欲しいと思うほど幸福な時間だ。
そんな思いを抱きながらリーファに案内されてスイルベーンにある防具屋へと来た。
「ねえねえ、リュウ君。このスカートどうかな?」
店内に入るなり、リーファが真っ先に俺に見せてきたのは今の彼女が着ている服と同じ緑色のミニスカートだ。色合いもシルフであるリーファには間違いなく似合うと思う。だけど、それにはある問題もあった。
「これってリーファが着るんだよな?」
「そうだよ。そのために君に見てもらっているんだよ」
「似合うと思うけど、リーファってよく空を飛ぶだろ?だから俺としてはミニスカートはちょっと心配なんだよな……」
「うっ、言われてみればそうだよね……」
俺の指摘にリーファは頬を少し赤く染める。
「でも、別に戦闘の時じゃなくて、リュウ君と街中でデートする時専用の服にしてもいいんじゃないかな?」
「なるほど、そういう方法もあるか」
「そういうこと。…………まあでも、リュウ君にだったら見られてもいいけど……」
最後の方は何か小声で言っていてよく聞き取ることができなかった。
「なあ、何か言ったか?」
「ううん!何でもない!何でもない!それよりも試しに試着してみるよ!」
リーファは慌てた様子でミニスカートに加え、いくつかの衣類を手に取り、試着室に入った。俺は何かあったのかと思いながらも試着室の前で待つことにした。
数分後、カーテン越しにリーファの声が聞こえてきた。
「リュウくーん!着替え終わったよ!」
そしてカーテンが開かれて、中からリーファが出てきた。
今のリーファの恰好は、緑と白をベースとしたジャケットに緑のミニスカートと全体的にいつもの彼女の恰好に近いものだ。でも、いつもと違う雰囲気があってとても似合っていた。
「どうかな?なんか全体的にいつもと変わりないものになっちゃったけど……」
「そんなことないよ。ミニスカート姿もリーファも似合っているよ」
「ホント?だったらコレ買おうかな。あーでも、せっかくだから他のも着てみるよ」
そう言ってリーファはカーテンを閉めて試着室へと入り、今度は女侍をイメージした赤と紫の和服姿で出てきた。しかも両手には作り物の刀が握られている。
「応とも!任せて!」
しかも完全に役になり切っている様子だった。
「どう?なんか二刀流使いの女侍をイメージしたっていう衣装なんだけど……変かな?」
「いや、リーファ……スグって剣道少女だから違和感があるどころか全くないよ。いかにも女侍って感じがしてさ」
俺に褒められてすっかりデレデレになってしまったリーファ。
「ホント?よーし。この調子でどんどん行くよ!」
俺に褒められたのが嬉しかったのか、リーファはすっかり熱が入ってしまい、そのまま彼女のファッションショーになってしまった。
頭に赤いターバンを着用し、白色を基調とした軍服に赤いマントを羽織い、レプリカのサーベルと小銃を手にした女将軍のようなものから、白い和服に新選組の羽織を着た女剣士など様々な恰好をして俺に見せてきた。
ファッションショーは30分ほど続き、その間に披露してきたリーファの姿はどれも似合っていた。
「ふー。なんかあたしだけが楽しんじゃったね」
「そんなことないよ。俺もリーファの色々な姿を見ることができたからな」
リーファは俺の言葉に頬を赤く染めてデレデレする。
「もうリュウ君ったら。ねぇ、せっかくだからリュウ君の服も見てあげるよ」
「俺は別にいいよ」
「リュウ君って、いつも青系のフード付きマントを羽織ってて服の色も全体的にクローズカラーって感じじゃん」
「何なんだよ、クローズカラーって……」
「お兄ちゃんが言っていたんだけど、ALOのリュウ君って全体的に青いドラゴンがモチーフの変身ヒーローみたいなカラーリングだからって……」
「何故か知らないけど、しっくりくるな。まあでも、俺ってこの恰好以外にもエスニック風の服とか持っているだろ?」
「でも、いつもと違う服を楽しんでみるのも悪くないよ。これなんてリュウ君に似合うんじゃないかな?」
そう言ってリーファが持ってきたのは、全体的に白がメインカラーとなっている騎士風の衣装だった。
「この服、フランクの王様をイメージしたものらしいよ。なんか一目見た時からリュウ君に似合いそうだなって思ったんだ」
「リーファがそこまで言うなら試しに着てみようか」
「じゃあ、1つ目はこれに決まりだね。あとはこれだね」
そう言って見せてきた2つ目の衣装は、白いシャツ、黒いベストにズボンといった執事やホストに見えるものだった。
「なあ、リーファ。これって完全に執事かホストの衣装じゃないか?」
「えー、別にいいじゃん。リュウ君なら絶対似合うよ。それに、リュウ君が執事ならあたし喜んで雇うし、ホストだったら毎回指名しちゃうよ!…もしリュウ君が執事やホストだったら…あんな事やこんな事してもらったりして…えへへ…」
リーファはデレデレし、完全に自分の世界に入ってしまう。最後の方に何か小声で呟いていたが、よく聞き取れなかった。
「おーい、リーファ。そろそろ自分の世界から戻ってきてくれないか?」
自分の世界に入っていたリーファを引き戻し、リーファが持ってきたくれた衣装へと着替える。着替えるとリーファは、「リュウ君ヤバイ!すごくカッコいいよ!」とテンションがものすごく上がっている状態だった。
それから今度は俺のファッションショーとなってしまい、俺以上にリーファの方が盛り上がっていたのだった。
防具屋を後にした俺たちは、スイルベーンの外れにある広場のベンチに腰掛けて休んでいた。
「ふー。結局一番最初に着たのを買っちゃったよ。他のもよかったけど、無駄遣いはあまりよくないからね。リュウ君は何も買わなかったけどよかったの?もしかして、あたしが選んだもの気に入らなかった?」
「いや、そんなんじゃないよ。別に今急いで買う必要じゃないかなって……。それに、俺はこの方が落ち着くっていうか……」
「まあ、あたしもリュウ君の青いフード付きマント姿も好きだからいいけど」
リーファにそう言われて少々照れてしまう。
「ねえ、次は何か美味しいものでも食べに行かない?今スイルベーンで話題になっているスイーツがあるんだ」
「話題のスイーツか。なんだか楽しみだな」
「決まりだね。じゃあ早速…………キャッ!」
移動しようと立ち上がろうとした瞬間、俺たちがいる広場に強い風が吹いた。
「うわっ。すごい風だったな……」
「スイルベーンってたまに今みたいに強い風が突然吹くことがあるの」
「風妖精の街らしいな」
「ふふふ、そうだね。あ、ごめんリュウ君。ちょっと先に行ってて」
「ん?どうしたの?」
「強い風だったからリボンを直そうかなって……」
「ゲームの中だからリアルみたいにその心配はないと思うけど……」
「こういうのは気分の問題なの」
「そういうものなのか」
夏に2人で海に行ったときにも、リーファは俺に「日焼け止め塗ってと欲しい」とお願いしてきたけど、女心ってなんだか複雑だな。
「まあ、そのぐらい待つよ。急いでるわけじゃないんだし」
「ありがと。じゃあちょっと待ってて。すぐに直しちゃうね」
そう言って髪を結んでいたリボンを外すリーファ。すると、ポニーテールは解かれて金色の綺麗な髪が風でなびいた。
リーファの髪を下ろした姿はこれまでに何度も見たことがあるが、俺は思わず見とれてしまう。
「どうしたの?」
「いや、リーファの髪を下ろした姿はやっぱりいいなって。もちろんいつものポニーテール姿もだけど」
俺の言葉に、リーファは頬を赤く染めてデレデレする。
「もうリュウ君ったら。そんなこと言われると嬉しくなっちゃうじゃん」
そう口にしながら髪を元に戻そうとする。
「あれ?結局戻しちゃうのか?別にこのままでもいいのに」
「リュウ君がそう言うなら、今日はこのままでいるよ」
これを聞いて俺は内心でガッツポーズしてしまう。
「そういえば、リュウ君は髪の毛長いほうが好きだったりするの?」
「うーん。そうだな……。どっちが特別好きってわけじゃないけど……」
「そっか。うーん……、リアルでも髪伸ばそうかな……」
「リーファ……というかスグはそのままでいいと思うよ。スグの今のボブカット姿も十分似合っているし」
またしてもデレデレするリーファ。
「そ、そう?それじゃ、無理に伸ばしたりしないでそのままでいようかな……。もう、リュウ君ったらいつもさらっとそういうことを言うんだから……。これだから余計に君のことが好きになっちゃうんだよ……」
「ん?どうした?」
「なんでもない。ね。リュウ君、キスしてよ」
「ぶふっ!」
突然のリーファの発言に思わず吹き出してしまう。
「いきなり何言うんだよっ!」
「えー?あたし達付き合っているんだからキスするなんて別におかしくないでしょ。それに、リュウ君だってあたしに髪下ろしたままでいてってお願いしてきたんだから、あたしのお願いも聞いてもいいじゃん」
こう言われると反論もできないな。まあ、ALOでキスするときは俺よりもリーファの方からキスしてくることが多いから、今回は要望通り俺からするか。
両手で自分の頬を数回軽くパンパン叩き、覚悟を決めたところでリーファと向き合った。リーファの翠玉のような瞳は、ジッと俺の方を見ていて今すぐに来て欲しいと待ちわびているようだった。
逆に俺は心臓の鼓動が一段と早くなる一方だった。それでも目を閉じてゆっくりとリーファの顔に近づけていく。そして俺たちの距離が0になった瞬間、俺達の唇が重なった。
10秒ほどで唇を離し、目を開ける。すると、目の前には顔を真っ赤にしているリーファがいた。恐らく俺も彼女と同様に顔を真っ赤にしているだろう。
リーファは俺と目が合うと恥ずかしくなったのか、顔を逸らして俺の手を掴んで立ち上がった。
「リュウ君、早くいかないと話題スイーツがなくなっちゃうよ!」
「あ、おい!そんなに強く引っ張るなってっ!」
今回の話はホロウフラグメントでもあったリーファが髪を下ろすイベントを元にしました。本作でも初デートの時に既に披露しましたが。
いきなり話変わりますが、ついに昨日からアリシゼーション編最終章のアニメが始まりましたね。一言で表すと最初から最後まで最高だっていうくらいのものでした!
中でもリーファのところが一番よかったです。本作でもリュウ君が一瞬だけ怪人へと変貌してしまったところを見た後でも彼を守ろうとしてましたし、彼女のそういうところにリュウ君も惹かれたのではないのかと思いました。
ただ、ディーアイエルに関しては本当に殺意を抱きました。本作ではリュウ君に制裁してもらう予定です。もう遠慮なんていらないです。
ちなみに、昨日の放送終了後に奴への処刑シーンをTwitterの方で一部公開したので、こちらにも載せておきます。
リュウは勢いよく地面を蹴り、高くジャンプ。そして龍の頭部を形作った蒼炎を身体に纏わせ、ディーに一気に強烈な突きを放つ。同時に爆炎を引き起こした。
「ぎゃあああああああっ!!」
ディーは絶叫を上げながら、後方へと吹っ飛ばされて地面に転がる。なんとか身体を起こすも、この時点で全身がボロボロとなり、最初に見せていた余裕はすっかりなくなっていた。
一方で、リュウが左手に持つ剣の刃からは蒼炎が溢れ出ており、勢いがおさまるどころか増していく。
「もう誰にも、止められねぇえええっ!!」
ディーへの怒りと殺意がこもった叫びを上げ、ディーに目掛けて勢いよく地面を蹴る。
こんな感じで奴は原作以上に叩き潰すつもりです。ちなみに、この時点で総ダメージの半分といったところです。あとは処刑用BGMとしてJ-CROWN&Taku from 1 FINGERさんの「Burning My Soul」を用意するといいかもしれないです。
長文失礼しました。次回は本編に戻りたいと思います!