神の子と生きる   作:ユキノスケ

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どうも!ユキノスケです!いやぁ…前の初投稿から随分と長い時間が…(笑)私生活の方がますます忙しくなってくると思うので、これからさらに更新ペースが落ちるかと思われます。暇を見つけたらなるべく書くようにはしていきますので、気長に待っていてください(笑)

それでは、本編、どうぞ!!


第2話ー過ちー

チチチ…

朝。心地よい朝の日差しとともに龍雅は目を覚ました。

 

…昨夜は…コントロール出来たんだな…

 

龍雅は自分の剣が宿る右手をじっと見つめる。

 

龍雅が昨夜の戦闘で放った『消滅剣閃』は物体をこの世の法則に縛られること無く、塵一つ残らず消し飛ばす技である。

 

…乱用はできねぇな…

 

この消滅の力に関して、龍雅にはトラウマがあった。

 

△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー十年前ー

 

「こっちだぞー!」

 

「待てよー!」

 

「私だっているんだぞーー!」

 

人間には見えない里、『聖なる村』。勇者が住み、鍛錬を積む場所だ。

四季折々の美しい情景を見せ、都会化してしまった街にはない、人の温かさが溢れる村だ。

そこで元気よく鬼ごっこして遊ぶ、龍雅、迅、そして、『白山 雪(しろやまゆき)』。昔からの仲良しグループだ。

そんな微笑ましい情景に突如、異変が生じる。

 

ゴロゴロゴロ…

 

村の大半が赤黒く、禍々しい暗雲に覆われたのだ。

 

「龍雅…あれって…」

 

迅は龍雅に問う。

 

「結界が、崩れている…?!」

 

「そんな…」

 

この3人は子供といえど、大人とやり合える程の実力と知識を持っていたため、異変の原因はすぐに分かった。

 

「でもおかしいな…」

 

と龍雅が考えているうちに、

 

「おい!お前達!早く逃げるんだ!」

 

村の大人達が彼らに怒鳴る。どの村人も焦り、表情には徐々に絶望が反映されてくる。そしてどこからともなく声が聞こえる。

 

「コ…ロス………!」

 

村の奥、それも最奥部から数々の防壁を破って一人の男が出てきた。

その男の名は『安藤雷牙(あんどうらいが)』この村一番の剣の使い手だ。

ちなみに、この村は村長をはじめとする村の魔力が高い者達で形成された結界が張られている。その結界は本来、壊されるはずが無いものなのだ。つまり、結界が破壊されたということは、村の中枢を担う重要な人物が殺されたことを意味する。

 

「と、とりあえず、走れ!!」

 

龍雅は急に焦りだし、2人に声をかける。

 

…あれは…多分…

 

龍雅が目にしたのは、雷牙が持っていた剣だった。その剣の名は『魔剣ダークネス』この世を滅びへと導く剣だ。手にした者の肉体と精神を支配し、永遠と破滅を繰り返し続けさせる剣だ。あれは、本来、人が握るようなものではない。なのに、なぜあの剣に雷牙が支配されたのか、

 

「さあ!雷牙よ!この村を破壊するのだ!」

 

黒いローブを纏った男が命令した。

 

「ぐおおおう!!」

 

雷牙はそれに呼応するかのように剣を振るった。辺り一面瓦礫と化した。

その直後、雷牙はギロっと龍雅達を睨むと、

 

「コロス!!」

 

と叫びながら一瞬で距離を詰める。

 

「きゃあああああああああ!!」

 

雪が叫ぶ。

 

…守らなきゃ…!!

 

そう思った龍雅は己の真の力、消滅の力を使った。

あまりに緊迫し、さらに焦りもプラスされ、その力は暴走するかのように発動し、辺りの瓦礫を消し飛ばす。

 

ヒュオオオウ…

 

龍雅の目の前を荒れ果てた大地が覆った。目に見えるのは、今まで使っていた剣が変化しているのと、迅だけだった。つまり

 

「うそ…だろ…?!」

 

龍雅は雷牙を消すつもりが雪まではるか次元の彼方へと消し飛ばしてしまった。

 

△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが龍雅の過去だ。あの事件から2人は人里に降りて、1人でも犠牲を増やさないために、狙われやすい人を探していると薫に行き着いたという結果である。

 

 

例の雷牙が暴走した原因、魔剣ダークネスとは一体なんなのか。

 

大昔、魔界に住んでいた『魔族』と神界と呼ばれるところに住んでいた『神族』が大戦争を起こした時、それぞれの世界の要である刀『魔剣ダークネス』と『神剣ライトニング』がぶつかり合った。その衝撃で結局どっちが勝ったか分からなくなったのだ。光と闇、魔法の中の相対的な位置に属する属性である。例えるなら水と油のように、決して混ざることはない。その二つをぶつけ合えば何が起こるかも分からない。

そして、勝敗が有耶無耶になった後、神剣ライトニングは神界へ戻り、魔剣ダークネスはその場に突き刺さったままだったそうだ。魔剣ダークネスは使い手がいなくなったとはいえ、かなりの魔力を放っていた。

 

ここで説明を入れると、魔力とは事象を書き換える魔法を使う為に使う力のことである。

事象を書き換えるとは、例えば、今ここに一つの赤いビー玉があるとする。このビー玉には主に『球体をしている』という事象と『赤い色をしている』という事象がそれぞれ原子に付随している。事象を書き換えるということは、『赤い色をしている』という事象を『青い色している』という事象に変えるという事だ。

その為にはどうすればいいか、原子に付随している事象を引き離す、もしくは、もともとの事象に新しい事象を上書きする、のどちらかだ。その二つを実行するにはどちらにもその元々あった事象に干渉する力、つまり魔力が必要なわけだ。

先程、光と闇の話をしたが、そもそも魔法には『主要六属性』というものがある。火、水、風、土、雷、氷、これが六属性。それぞれには『最終奥義(ラストテクノロジー)』たるものが存在し、各属性を極めし魔術師が作り出した最終奥義を作り出す為の式、『魔法具現式』を保存してある『魔導書』を手に入れると使えるようになる。最終奥義と言うだけあって、事象変換の規模も大きいし、次に上書きされたり、原子から引き離される事がされにくい。つまり、それだけ魔力を使わないといけないのである。魔力が高ければ高いほど強い、龍雅はそんな中を生き抜いていかないとならない。

 

そして、そんな魔力を魔剣ダークネスは、かなり強力なものを常に放っていた。それを見つけた村の先祖たちはどうにかその魔力を利用しようと試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで魔剣の魔力を応用した結界を作り出した。その結界の要であるダークネスを引き抜いたのが雷牙だったのだ。結果的に村のバランスが崩れ、暗雲に覆われ、禍々しい村に変わり果ててしまったのだ。

それっきり、雷牙の姿は見つかっていない。恐らく魔界にいるのだろう。龍雅が薫を守っているのは、失った兄貴分である雷牙と消え去った少女、雪を探す為でもあった。

 

 

 

「もう…あんな思いは…二度と…」

 

龍雅はベットから身をゆっくりと起こし、カーテンを開けた。ひとつ大きな伸びをして、体の力をフッと抜いた。心に余裕ができたその時、迅から魔法による連絡が入った。

 

『至急、ワープしてきてくれ、事情はあとで説明する。』

 

龍雅は戦闘装束を具現化し、転送魔法陣を展開、魔法を発動し、ワープを実行した。

 

 

 

パチン!ガキン!ザシュ!グチャァ…

 

龍雅が迅の魔力を辿り、ワープした先はなんと、薫の自宅前だった。人避けの結界と不可視の結界が張られており、通常の人間は全く気づかないつくりをした空間に大量の魔物と拳を鉄器化した迅の姿があった。

龍雅は正確にその場の状況を把握した上で戦闘に参加した。

 

 

「くっ…どうなっていやがる!?」

 

龍雅は半ば逆ギレ状態で迅に問う。

 

「俺が起きた時、微細だが魔力の波動を感じたんだ。場所を辿っていくとここについてな…」

 

一呼吸おいて、

 

 

「見てみたら薫の家が燃やされていて、両親の死体を確認できた」

 

さらに、と迅

 

「薫が何者か…恐らく魔族だろう。そいつに抱えられていた。多分あいつは裏山に向かったんじゃないかな?」

 

「それは、俺に行けってことか?」

 

龍雅は笑みを浮かべながら聞く。

 

「察しがいいねぇ」

 

龍雅はやれやれとした表情を見せる、その後

 

「行くのはいいが、お前だけで食い止められるか?1体ずつが弱いとはいえ、集まると厄介だぞ?」

 

龍雅が懸念を示す、しかし、

 

「俺を誰だと思っている?」

 

迅のその一言で龍雅は引き下がった。

 

「じゃた、あとは任せるぜ」

 

そういって龍雅は裏山へ向かった。

 

「さて…遊びはそろそ、終わりにしようか?」

 

そう迅は呟き、己の力を解放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…裏山…何があったか?

 

移動中、龍雅は考えていた。ワープを使わないのは魔力の波動に気付かれないためだ。

 

…特になにもなかったはずだが?

 

龍雅は日頃から身の回りの安全確認は常に怠らない。

そして、裏山の頂上へ着くと、驚きの光景を目の当たりにする。

 

ジャラララ…

 

手足を鎖で繋がれ、気を失った薫がいたのだ。流石にいてもたってもいられなくなったのか、龍雅が飛び出す。

 

「薫!」

 

後先考えず突っ込んでいくと、薫に触れる直前で、視界の右から鋭利な物が入ってきた。

 

ザザッ!

 

龍雅はそれを紙一重で躱し、飛んできた方向を睨みつけた。すると、驚きの光景を目にする。

それは火の属性の高位魔法である『炎の弾丸(インフェルノバレット)』だった。火という属性では珍しく、『貫通』を持っていた。

ちなみに、魔法には主要六属性に加え、補助属性と呼ばれる、『斬撃』、『衝撃』、『貫通』がある。これは、基本、武器を使うソードタイプやファイターに多い。斬撃は主に剣、衝撃は主に拳、貫通は主に槍がある。

今回飛んできた『炎の弾丸』には貫通属性があると先程説明したが、貫通を実現するには尖ったものでないと普通はできない。氷属性のような局所的な場所を事象変換させる魔法は大抵貫通を持っている。しかし、火属性は広範囲魔法で用いられるため、なかなか貫通を持たせるのは難しい。

それなのに何故、貫通を持たせることが出来ているか。それは、まず、弾丸の中心を定め、そこに、火属性の魔力を集中させる。次に、1箇所に集まった火属性の魔力を音速まで一気に超加速させることで鋭さを持たせている。通常の炎なら加速させた時点で、気圧と風圧、摩擦に負けてしまい、自然界が持つ定理に魔法が押し潰されるのが定石。

しかし、今回の魔法は自然界の定理に負けず、炎を維持している。その所から察するに、かなりの凄腕魔法師と考えられる。

 

「誰だ!」

 

と龍雅は叫ぶ。すると、

 

フワッ

 

空から1人の魔族が降りてきた。

 

「私の名は『ゲルガ・ガーヴェイン』」

 

「ゲルガ・ガーヴェイン?」

 

誰だ?と龍雅は思う。

 

「魔王様よりご命令が出された。東薫を誘拐して来いとね」

 

「…また魔王様か…」

 

龍雅は大きなため息を吐いた後、はっきりとゲルガに告げる。

 

「残念ながら、それを容認する訳にはいかねぇな」

 

龍雅は、その聡明な碧眼でゲルガを見据える。

 

「そうですか…それなら…」

 

ゲルガはそう言った後、

 

グオン!グオオオ…

 

体から闇の粒子を解放した。

 

「へぇ…やる気だね?」

 

龍雅は問う。

 

「当たり前だ。魔王様に逆らう事はできんからな」

 

「なら、こっちも本気で行くぜ…」

 

龍雅はニッと笑った。

 

「はああああああ…」

 

グゴゴゴゴゴ…

 

大地が揺れ、風が唸る。

 

「はっ!」

 

最大限まで魔力を高めた後、自身の剣、『戦乙女の大剣(ヴァルキューレブレイド)』を具現化し、体を超高速の中に置いた。

 

「やぁっ!」

 

全力で左上に向かって斬り上げる。しかし、斬ったのは虚空だった。その事に気付いた瞬間、

 

「がはぁ!」

 

龍雅の腹の前から不可視の衝撃波が生まれ、直撃した。そして、その衝撃波は留まることを知らず、次々に迫ってくる

 

ゴスン!ズドン!バスン!ドゴン!

 

鈍器で殴ったような音が森中にこだまする。

 

「はっはっはーー!その程度か?」

 

「がっ!ぐあっ!」

 

龍雅はボコボコにされるがままだった。

 

…ちくしょう…何かいい手はないのか…

 

龍雅は必死に考えた結果、ある一つの行動に出る。

 

ヒュイン

 

龍雅がとった行動とは、武器の具現化を解いたのだ。

龍雅の剣『戦乙女の大剣』は重いのだ。その重さを利用して攻撃力を高めている。結果、パワーは上がるが、スピードが落ちるのだ。元々龍雅は『スピードタイプ』、『パワータイプ』、『テクニカルタイプ』のうちのスピードタイプに属する。スピードタイプはその名の通り速さ重視、パワータイプも力がずば抜けている。テクニカルタイプは魔力重視だ。

つまり、スピードタイプの龍雅にとっては重いものが邪魔なのだ。しかし、速いだけでは攻撃の重みが無くなるため今までこのままで戦ってきたが、この武装を解除した事により、スピードが格段に上がる。

 

ドンッ!

 

全速力で接近する。それが功を奏したのか、

 

「なっ!」

 

ゲルガは驚いたまま体が一瞬硬直した。その隙を龍雅は逃さない。

 

「はぁっ!」

 

一瞬で武器を具現化し、一気にゲルガの魔導書を切り裂いた。

 

「なっ…がはぁ!」

 

魔導書を切り裂いた後、ゲルドの脇腹を斬った。

 

「そろそろ終わりだな…」

 

龍雅は己の魔力を剣に込める。

 

「水剣『蒼の衝撃(アクア・インパクト)』!」

 

剣に水を纏わせると、その水の威力を一気に増し、相手に向かって水の波動を繰り出す。それは、ものの見事にゲルガの体を捉えた。

 

バシャァァァン

 

「ぐっ…あああぁぁぁぁ…」

 

もろに水の衝撃を受けてしまったため、ゲルガはその場に倒れ込み、

 

シュイイイン…

 

あまりのダメージ量にゲルガの体力は0になり、体が粒子化し、虚空へと消えた。

ちなみに、魔力を扱える人間は、体力が0になると自身の魔力と共に虚空に溶けてしまう。

 

「ふぅ…」

 

龍雅は自身の武装を解いて、薫の元へ歩み寄る。ゲルガを倒した事により拘束具は外れていた。

 

「大丈夫か?薫?」

 

軽く体を揺するとしばらくしてから目を覚ます。

 

「んっ…ううぅん…」

 

薫は目を擦りながら龍雅に視点を合わせる。

 

「…龍雅…君?」

 

「やっと目を覚ましたか…体調はどうだ?」

 

龍雅は聞く。

 

「うん…大丈夫だよ」

 

と、答えたが、目は今にも雫が零れそうだった。

 

「その…ごめんな…怖い思いさせちまったな…」

 

「うっ…うっうっ…お父さんが…ヒクッ…お母さんが…」

 

薫は泣き出した。まるで、幼い子供のように。

 

「…」

 

龍雅は無言で抱いた。すると、

 

「うわああああんんん!!」

 

とうとう抑えられなくなったのか泣き声が大きくなった。

 

「今は泣いていいよ…俺が、全部受け止めてやるから…」

 

「ん…あり…がと」

 

薫は少し顔を赤らめてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから10分程した後、

 

「迅の様子を見がてら戻るか」

 

「うん、そうだね」

 

それからしばらく歩くと、

 

「なっ!」

 

「きゃっ!」

 

二人が見たのは血だらけになった迅の姿だ。龍雅は傍に駆け寄り、

 

「意識はあるか?」

 

問いかけながら脈を測る

 

…うーむ…ちょっと危ないかな…

 

微かに頷いた。

 

「もう動くな」

 

龍雅は真剣な顔つきで言う。

 

「薫、1回俺の家に来てくれないか?まだ不安要素が多いからな」

 

「分かったわ」

 

「こっちに来てくれ」

 

その言葉の後、龍雅は転送用魔法陣を自宅に接続し、家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1通りの施術を終えた後、

 

「はぁ…疲れた…」

 

「お疲れ様!」

 

そう言って薫は冷えた麦茶を差し出す。

 

「おっ…サンキュー…」

 

龍雅はコップを受け取り、1口飲む。冷えた麦茶が体を巡り、スッと目を覚ます。

 

「ふぅ…」

 

すると、安心したのか、急に眠気が込み上げてくる。

 

「迅…やべぇぜ…」

 

「そうだね…」

 

二人の顔は曇ったままだ。

 

「あいつの再生能力なら、数日で回復するとは思うが…」

 

龍雅には大事な友達を失った過去がある。二度と同じ過ちは繰り返さない。そう心に誓った。

 

「ふわあぁ…寝るか…」

 

「そ、そうだね」

 

龍雅は自分の部屋へ行く途中に足を止め、

 

「そうだ、薫の寝床だが…俺の隣の部屋を使ってくれ」

 

「あ、ありがとー…」

 




いかがでしたか?第2話。ここでは、龍雅の過去とこの小説における魔法の定義を書かせていただきました。中盤の説明の部分はなかなか根気のある方じゃないと読み切れないと思います(笑)
次回の内容はほぼほぼ未定ですが、迅をボコボコにした人物を中心に書いていこうと思います。

それでは次回、お会いしましょう!
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