実はこの前、体調を崩しまして…完全に治り次第(やる気が出れば)もう少し投稿ペースを早めるつもりですので把握をよろしくお願いします。
それでは本編、どうぞ!
「…」
「龍雅!!」
「どうしたの?!」
「龍雅…さん…?!」
迅、リース、アスレアは焦りの表情を見せる。
「駄目よ!まだ動いちゃ──」
「黙っていてくれ、リース」
リースの話を聞こうとしない龍雅。
「落ち着け!今行っても無駄だ!!」
「迅…ついて来るなよ?」
大丈夫だ、と微笑む龍雅。
「俺はお前達を守るさ…たとえ、どんな手段を使ってもな…」
その瞬間、場にいたメンバーの誰もが凍てついた。
「さぁ…いくぞ、『戦乙女の大剣』…」
『…良いのですか?』
…構わない、これであいつを守れるなら…
『分かりました……自己修復機能、スタート。同時に魔力覚醒を実行。IPSとの同期を確認。AEの全回復と武装の修復を開始』
『戦乙女の大剣』が輝き始める。
『龍雅殿…完全修復、完了しました』
…お疲れ様、ありがとうな
『いえいえ…』
よし、と小さく声を出すと、
「道を開けろおおおおおおおおおおおお!!!」
一気にトップスピードに達し、
「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
『戦乙女の大剣』による消滅剣閃を放つ。それは見事にゴーレムを捉え、
「ご…ガァ…」
そのまま、異空間へと飛ばされた。
「行くぜ!!」
そのまま、龍雅が振り返る事は無かった。
数分が経過した時、龍雅は既に井戸に到達していた。
結界は2枚とも破り、そして井戸に入る。
ヒューーーーン
龍雅は地面に降り立つと、殺気を感じた。
「今更ノコノコとぉ!!」
恐らく、先程戦った魔族の『獄炎拳』だろう。しかし、もう龍雅は屈さない。
「なに?!」
敵の魔族は驚きの表情を見せる。
「さっきと同じと思ってもらっては困る」
龍雅は相手の拳を避け、告げる。
「貴様はもう、俺の術の中だ」
「は、ハッタリだろう?この俺を術で嵌めるなど…」
そこまで言った後、敵の魔族は体はおろか、声まで出なくなる。
「?!…ッ!?」
敵の魔族はもがこうとする。
「無駄だよ」
精神拘束魔法『
「言っただろう?俺の術の中だと…」
そう言うと、龍雅は術を強める。
「!?…!!」
いよいよ肺周辺の筋肉を硬直させ、呼吸を奪う。
「終わりだ」
そう言うと、魔族は窒息死した。
「…」
しかし、消し去ることはせず、逆に治癒魔法をかけた。
…もう…殺さない…
龍雅は今まで多くの命を消してきた。それは神魔戦争の時も変わらない。
今までの龍雅は怒りが頂点に達すると、人を殺した事さえ、忘れてしまう事が多々あった。しかし、それは仕方ないことではなく、自分が忘れたいと思ったから、無意識で記憶から消していただけだった。つまり、自分のしてきた事から逃げてきたのだ。それを示したのが、今回のベルガオールだ。
神魔戦争の時、龍雅はベルガオールを消したと思っていた。だから記憶から無かった。しかし、実際にあの黒い刻印を、ベルガオールが生きているという証拠を見た途端に、自分の記憶が全て目覚めた。自分は、なんてことをしてしまったのか、どうして忘れようとしたのか、そうやって自分を責めている時にアスレアからベルガオールの居場所を教えてもらった。だから、理性が効かなかった。あの時、忘れてしまった奴の顔はどんなものだったか、それを見るだけでも償いになると思って。
しかし、現実は違った。まるで、もう二度と来るな、と言わんばかりに徹底された警備の城。門番の憎しみの瞳。それを見た瞬間、龍雅の戦意は無くなっていた。
しかし、それでも龍雅は立ち上がった。薫を、初めて『好き』という感情を経験させてくれた、大切な少女を守るため。体力が無い状態でも、無理をしてもう1度剣を取る。あの日を繰り返さないため、それが龍雅の行動理念だ。
もう『あの時』のように、ただただ感情に任せ、己の剣を殺人剣にはしない。その決意を持って、
…今行くぞ、薫!
城へ踏み込んだ。
カツ、カツ、カツ…
城には誰も居なかった。聞こえるのは自分の足音だけ。そんな空間の中に、自身の足のペースとは異なる二つの足音が聞こえる。
「今更来たのか…」
ベルガオールは怒りを滲ませた声で龍雅に圧をかける。しかし、もう龍雅は自分で自分を偽らない。
「あぁ…薫を助けにな…」
そう言うと、ベルガオールの隣にいた薫に目をやる。
「龍雅…君…」
薫は泣いていた。まるで全てを知っているかのように。
「だめだよ…どうにかなる相手じゃないよ…」
やめて、と懇願する薫。
「そうだな…でも、」
しっかりと理性を持った瞳で応える。
「もう、後悔したくないんだ…自分の過ちを認めず、偽り、後で後悔するくらいなら、ぶつかりたいんだ」
そこまで言うと、龍雅は自身の最初の理解者、『戦乙女の大剣』を具現化する。
「それに、俺自身の償いもしなければならない」
すまない、と薫に謝る龍雅。
「これは、俺の戦いなんだ。いくら君の願いでも聞けない…」
「まだ俺と戦うというのかぁ!!!」
ベルガオールも自身の契約刀、『
「行くぞ…ベルガオール!!」
龍雅の声と共に、戦いは幕を上げた。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
龍雅の連撃を、
「はああああああああああああああああ!!!!」
ベルガオールは的確に捌いていく。
ギンッ!ガギッ!バキィ!
お互いに、徐々にスピードを上げていく。
「どうした!その程度なのか!?『あの時』の力はどうした!?」
ベルガオールは一気にスピードを上げ、勝負をつけようとする。しかし、
「りゃああああああああああああああああ!!!!!!」
龍雅はベルガオールの黒刃が当たる直前、IPSを起動する。
バチィン!!
ベルガオールの『絶命の大剣』が当たる直前にIPSの粒子変換を行ったため、その際のエネルギーでベルガオールの攻撃を弾いたのだ。
「おらぁ!!」
しかし、ベルガオールは弾かれた後も、剣を振り下ろしてくる。
ガギィィィン!!
それを『戦乙女の大剣』で防ぐと、
「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
『銀龍剣』を具現化し、横薙ぎを放つ。
ヒュン!
しかし、斬ったのは虚空で、ベルガオールは宙を舞っていた。
「死ねぇ!!」
空中から繰り出された、体の捻転と重なった斬撃が龍雅を襲う。
パチィン!バギィン!カキィン!
「がっ…!!」
その連撃を防ごうとするが、全て防げるはずもなく、
ザシュ!
一筋の剣閃が龍雅の左横腹を斬った。
「龍雅君!!」
薫が悲痛の感情を含んだ声で叫ぶ。
「終わりだ…三条龍雅!!」
そう言って、『絶命の大剣』に闇属性のオーラを纏わせ、振り下ろそうとしたその時、
「まだだ!!」
龍雅は『絶命の大剣』が斬りつけてくるよりも先に、己の力を解放した。
ズオオオオオオォォォォォン!!
激しい力の奔流が周囲を包む。その衝撃でベルガオールは後方へと吹き飛ばされた。
「なん…だと…?!」
ベルガオールが龍雅を見た時は、龍雅は地に『戦乙女の大剣』を突き刺して、剣の方へ右手を伸ばし、掌を開いていた。
そして、呟き始める。
「『我、神より力を奪われし、戦神なり』」
龍雅は『詠唱』を始めた。
詠唱とは、超強力な魔法や、自己強化を行う時に使う魔力を高める方法である。
「『我、世の始祖と理を知る者なり』」
ゆっくりと、龍雅は詠唱を続ける。
「『ここに力を示さんとし、汝を魂の集う場所へと誘わん』」
そう言った途端、龍雅の体は神々しい光に包まれ、全ての身体能力が飛躍する。
「まさか…その姿は…」
ベルガオールは知っていた。龍雅の姿が『あの頃』と全く一緒だと言うことを。
「『神霊武装』!!」
龍雅はそう叫ぶと、IPS以外の武装を身に纏う。
神霊武装とは、神々の力を宿した者達が、神の力を具現化する事である。通常は神の力は何かしらの武具に眠っている。例えば、龍雅の剣に宿る『戦乙女』の力は、『戦乙女の大剣』に宿っている。『戦乙女』は神界では『戦神』という位置づけになっている。
今、龍雅は『戦神』の力を解放するために詠唱をしたのだ。
輝きが消えると同時に龍雅の姿が目視できるようになる。
「龍雅…君?!」
薫は驚きを隠せなかった。
蒼と銀の色を基調とした色の鎧を纏い、目は蒼く光り輝いていた。さらに、神族特有の光のオーラを滾らせ、『戦神』の名に相応しい姿になっていた。
「IPS!同期開始!!」
そう龍雅が叫ぶと、
キュイン!
『白雅』はそれに応えるように音を出すと、
──『白雅』、神霊武装との同期を開始、──完了。武装を展開。及び、第二形態『白蒼刃』起動します。
機械のアナウンスの後、龍雅を覆う武装はより強力になり、背中には八本の浮遊剣があった。
第二形態、『白蒼刃』。AIによる自動追尾と使用者の意識による随意攻撃の二種類が可能な浮遊剣である。
「もう…恐れない!」
決意の言葉を口にすると、龍雅は『戦乙女の大剣』の形状を変え、刀のような形態にする。それを腰だめの姿勢で構え、抜刀の準備をする。
「はぁ!」
全速力でベルガオールに接近。左腰からの抜刀で斬り上げを狙う。
「くっ!」
ベルガオールは間一髪の所で『絶命の大剣』で防ぐ。
しかし、避けたと思ったのも束の間、すぐさま自動追尾のよる浮遊剣が4本、一気に襲いかかる。
「ぜらああああああああああああ!!」
それをベルガオールは全て受け流すが、その後、龍雅の横薙ぎの一閃を喰らう。
バゴオオオオオオォォォォォォォォン!!
凄まじい勢いでベルガオールは城壁へと叩きつけられる。
「ごっ…がはぁ…?!」
ベルガオールは盛大に吐血した。
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
そして、ベルガオールもまた、自身の力と剣の力を解放する。
「『邪霊武装』!!」
邪霊武装。魔のオーラを持つ神々の力を具現化することである。『絶命の大剣』の中にある『タナトス』は死そのものを神格化したものであるため、魔のオーラを宿している。魔のオーラを持つ神々の剣を『魔剣』と呼ぶ事もある。反対に、『戦乙女の大剣』のような聖のオーラを持つ神々の剣を『聖剣』と呼んだりする。
「行くぞおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ベルガオールは一際大きな声を上げて龍雅に斬りかかる。
「せやあああああああああああああ!!」
「はああああああああああああああ!!」
二人の全力の一撃がぶつかり合う。その後も、龍雅は『白蒼刃』で、ベルガオールは『絶命の大剣』から繰り出されるオーラによる攻撃で追撃を始める。
ギィン!ガギィ!バチィ!ゴギィ!
甲高い金属音が絶えることなく鳴り響く。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
龍雅は『白蒼刃』でベルガオールに牽制をかけつつ、宙へ浮かぶ。その直後、
「りゃあああああああああああああああ!!」
上から一気に剣を振り下ろす。
三条流剣術『
「ぬぅん!」
しかし、ベルガオールはその剣閃を両手持ちで受け止め、
「ぜらああああああああああああああああああ!!」
上へと弾き返すと、
「はぁ!」
龍雅の心臓を狙った突きを放つ。
ガシュ!
心臓こそ突かれなかったものの、左横腹をもう1度攻撃され、龍雅は空中でバランスを崩してしまう。
…くそ…このままじゃ…
龍雅は必死に打開策を講じようとする。
カキン
龍雅が行ったのは、鞘を具現化し、剣を納刀したのだ。
「はっ!何をしようとしているかは知らんが、この俺の剣を止めることは出来ねぇ!!」
ベルガオールはもう1度突きを放つ。
「死ねぇ!!」
ガギィン!
その一撃を龍雅は
「ふん、鞘の重みごときで俺の突きを相殺など出来ない!!!」
そう言ってベルガオールは力で龍雅の防御を切り崩そうとする。
「あぁ…たしかに相殺は出来ないが!!」
龍雅は鞘で受け止めていた突きを滑らかに抜刀する事で突きを受け流した。
「なぁ?!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そして、放たれた剣閃はベルガオールの左肩を斬る。
三条流剣術『
「がぁ!!」
ベルガオールは苦しみの声を上げる。
「りゃあああああああああああああああああああ!!!」
龍雅は次々と剣技を放つ。
ザン!ザン!ザン!ザン!
『堕追斬』を始めとし、『風廻斬』、相手を空中へと押し上げる様に斬る『
「ぐっ…があああああああああああああああああ!!!」
ベルガオールは怒りに身を任せ、突進攻撃を繰り出してくる。
「龍雅君!!」
薫が焦りの声を出した瞬間、龍雅は爆ぜるように動き出す。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
龍雅が繰り出そうとしているのは、斬撃の中で最も殺傷能力が高い、突きだ。
「──ッ?!」
「終わりだ!!」
ベルガオールは龍雅の突きが、ただの突きではない事に気が付いた。
ガキィィィィィィィン!!
大きな金属音の後、ベルガオールはその場に両膝をついた。
ベルガオールの体には深い、九つの傷がつけられていた。
三条流剣術『
「ごはぁ…私は…私は…」
「もうやめろ、ベルガオール」
龍雅は戦いを再開するのを止めた。
「貴様なんかに…」
瞳に確かな殺意を持ったベルガオールは、
「タナトス…もっと…もっと俺に力を!!」
そう言うと、ベルガオールは『タナトス』の力を完全に解放してしまう。
「馬鹿野郎!魔剣の力を解放したら…!!」
魔剣の力は性質上、扱うのは困難である。聖のオーラよりも魔のオーラの方がコントロールが効きにくいからだ。
そして、魔剣の力を扱いきれなかった者達は、剣に呑み込まれ、体の自由を奪われてしまう。
ゴオオオオオオオオオ…
城全体が軋む。
「ガウウ…」
ベルガオールはもう魔族ではなく、『タナトス』に体を支配された人形になってしまった。
「くそ!」
龍雅は『タナトス』の力を強制的に封印することを試みるが、
「シャア!」
龍雅の斬撃はいとも簡単に弾き返されてしまう。
「グルァ!!」
ザシュ!
ベルガオールの袈裟斬りが龍雅を捉える。
「くっ…!!」
…どうする…聖のオーラはカウンターにしか…そうか!…
龍雅はある事に気付いた。
通常、聖のオーラはカウンター、魔のオーラは先に攻撃するときに力を発揮する。現在、ベルガオールの魔の力が強すぎるため、いくらカウンターで攻撃力が上がるといってもベルガオールの力には対抗できていない。『白蒼刃』の自動追尾による攻撃でなんとか凌いでいるが、いつ切り崩されるか分からない。
しかし、もしカウンター攻撃に乗せて消滅の力を使えばどうなるか。ある程度ベルガオールの力を消滅させ、対等の力で渡り合えるはずだ。そう思った龍雅は、
「ふっ!」
再び『偽刀斬』を放つため、消滅の力を宿した鞘でベルガオールの剣を受け止める。
「せやぁ!!」
そのまま流れる様にベルガオールの左肩を狙って攻撃を仕掛ける。しかし、
「グルァァァァ!!」
まるで猛獣が吠えるかのように叫んだベルガオールはオーラを増幅させることで擬似的な結界を一瞬だけ張り、龍雅を吹き飛ばす。
「くっ…」
「ゴアオオオオオオオオオオオ!」
龍雅が迷っている間にどんどん次の斬撃が迫ってくる。
弾く、躱す、受け流す。反撃の隙がない。
「シャアアアアア!!」
すると、突然ベルガオールは体勢を低くして、回転して龍雅へと迫る。よく見ると、ベルガオールは『絶命の大剣』だけでなく、自らの魔力で創り出した剣を持っていた。
その剣は、いわば魔力の塊を実体化したようなもので、形や大きさ、重さ、色などとありとあらゆる条件を自分で定めて創る武器の様なものだ。
ベルガオールが選択したのは『絶命の大剣』ほどの大きさで少し軽めのものだ。
重い剣による重撃と軽い剣による連撃。この二つが回転剣技のなかにあった。
…俺に当たる初撃をどうにかすれば…
龍雅は『流襲斬』を放つ姿勢に入り、ベルガオールが初撃当てる瞬間に放つ。
バチィィィン!!
その直後、龍雅は、
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
裂帛の気合と共に繰り出すのはもう一回転してからの右への斬り上げだ。
「ガルル!!」
しかし、その意表をついた攻撃でさえ、防がれてしまう。それどころか、
ザシュッ!
「ぐわぁ!!」
『絶命の大剣』で防ぎ、軽い魔力による剣で斬る。この戦闘スタイルが確立されたベルガオールは敵無しと呼べる程の強さだった。
もう、龍雅の出来ることは無くなってしまった。
…やれることは全部やった…
龍雅は瞳を閉じ、己の最後を待つ。
…ごめんな…薫…君だけは…守りたかった…
龍雅はその時、一筋の涙を頬に伝わせた。
…もう、俺はなにもできない…薫を喜ばせることも、幸せにすることも、守ることも…
しかし、龍雅の闘志を奮い立たせる声が龍雅の耳に届く。
「龍雅君!!」
薫だ。
「お願い…勝って…勝って、私を守ってよ!」
薫も泣いていた。
龍雅はベルガオールにズタズタに斬られながらも薫の言葉には耳を傾けていた。
「貴方は言った…黙って守られろと…真剣な眼差しで…あれは嘘だったの?!」
薫の声が、心に染みる。
…でも、もうなにもできないんだ…
龍雅は心の中で謝る。
「できないんじゃない!」
薫は読心術などは覚えていない。しかし、その時だけ、龍雅の気持ちが分かった。
「やるんだよ!!一緒に!一緒に…また出掛けて、買い物して、遊ぼうよ!」
薫の涙の訴えは続く。
「そのためにも、勝って!龍雅君!!」
その薫の声は龍雅を再起させる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
静かに闘志を滾らせる。
「シャア!ガウ!ゼヤア!グオウ!」
ベルガオールの斬撃は続くが、龍雅には関係ない。
「はぁ!!」
龍雅は一気にオーラを解き放ち、ベルガオールを吹き飛ばした。
「決着だ!」
「グオオオオオオオオオウ!!」
二人は同時に動き出す。龍雅は抜刀する姿勢。ベルガオールは肩の上から構える独自の突きの構え。
バヂィィィィン!!
初撃はどちらとも1歩も譲らない。しかし、
「シャルア!!」
二撃目。ベルガオールの二刀流が圧倒的に速かった。だが、
ガギィ!!
その二撃目を龍雅も二刀流で防いだ。
龍雅が二本目として選んだ剣は、『白蒼刃』を『大剣モード』の切り替えた、武器名『
「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「ゼラァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
バギィ!ガギィ!バチィン!ゴギィン!
互いに全力の剣技をぶつけ合う。
「はぁ!」
龍雅が『堕追斬』を放てば、
「シャアアアアア!!」
ベルガオールはそれを躱し、回転剣技を放つ。
「せやぁ!!」
その回転剣技を龍雅は『流襲斬』で初撃を相殺し、ベルガオールの体勢が崩れた所に横薙ぎを放つ。しかし、その横薙ぎも弾かれる。
一進一退の攻防の中、先に動いたのは龍雅だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
全力で『風廻斬』を放つ。しかし、それも当然受け流されるが、
「まだだ!!」
一気に『風廻斬』による風圧を高める。
ゴオオオオオオオ!
その暴風はベルガオールの体勢を崩すには十分なもので、
「せやああああああああああ!」
体勢を崩したベルガオールに向かって『九元龍閃』を放つ。
「グゴォ!」
ベルガオールはその衝撃で壁へ叩きつけられる。
「終わりだ!!」
龍雅は『絶命の大剣』へと消滅の力を使う。
キュイイイイイイン!!
眩い光と共にベルガオールは『タナトス』の呪縛から解放され、その場に倒れ込む。
「…」
龍雅はベルガオールの傍に行くと、
「すまなかった…」
それだけ言い残すと薫の元へ歩んでいく。
「龍雅…君…」
「怪我はないか?」
龍雅は笑って見せた。あんな命と命のぶつかり合いを経た後にも関わらず、優しさと、ほんの少しの悲しみを含んだ笑顔で薫に問いかけた。
「ごめんね…また、私のせいで…」
ポロポロと涙を流す薫の手を龍雅はそっと握った。
「俺は…薫を守る為に力を使う…だから、気に病む必要はないんだよ…」
「でも…でも…!」
龍雅は少しだけ手を握る力を強めた。
「もう終わったんだ…」
龍雅はそう言いながらも、
…まだ終わってない…俺の罪は…こんなものじゃない…
龍雅は決意した。
…必ず…守り抜いてみせる…そして…俺自身の『答え』を見つけてやる…
「帰ろうか、薫」
薫は涙を拭って、
「うん!」
嬉しそうに頷いた。
如何でしたでしょうか?
6話は過去からの繋がりを意識して書いてみました。最近SAOにハマっているせいか、感化されてる部分が出来てしまい、申し訳ありません…
次回は、まだ大筋すら考えてませんが、頑張って執筆するのでよければ見てくださいね!
それではまた次回、お会いしましょ〜