神の子と生きる   作:ユキノスケ

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どうも!ユキノスケです!
久しぶりの投稿になって、自分が一番驚いてます(笑)
もうちょっとペース上げたいんですよねぇ…
このシリーズも残りわずかです!


それでは本編、どうぞ!


第8話ー覚醒ー

「…っ」

 

三条家の中で1人、動き始めた者がいた。

 

「あいつ…」

 

迅だ。意識を飛ばされてから5分ほどで復活した。

 

「どうすりゃいい…」

 

迅は頭を抱えた。

自分は背負ってやれなかった。彼の、龍雅の苦しみを。自分もあの事件の時に、共に過ごしていた仲間だというのに。なにもかもを龍雅にやらせてしまっていた。

 

「いや…ここで諦めちゃダメだ…」

 

迅は意を決し、外へと踏み出そうとする。

しかし、それを呼び止める声が発せられた。

 

「だめよ」

 

「リース…」

 

「今は、仲間を増やすのが先決だわ」

 

リースは落ち着いた声音で迅に言う。

 

「でも!…早くしないと…龍雅が…」

 

迅らしくなく、肩を震わせていた。余程龍雅が心配なのだろう。そんな気持ちを察したのか、リースは迅を抱きしめた。

 

「大丈夫…絶対助けられるよ」

 

「あぁ…」

 

しばらくの間、2人は抱き合った。

そして、

 

「リース…提案がある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪…」

 

「やっぱり、来てくれたね」

 

くすっと笑う。

 

「この世界を…消したくないからな…」

 

龍雅は瞳を伏せながら呟いた。

 

「ここじゃ場所が悪い…魔界に行かないか?」

 

龍雅が提案する。

 

「いいわよ、それで貴方が戦うというのなら」

 

そうして、場所を移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、始めましょう」

 

「…っ」

 

龍雅は辛い表情で『戦乙女の大剣』を具現化。

 

…出来るのか…あの剣を封じるなんて…

 

龍雅の目的は『魔剣ダークネス』を止めることだが、雪と剣を交える必要は無い。しかし、

 

「行きますよ」

 

雪は『輝槍ゲイボルグ』を具現化。そして、雷牙は戦闘態勢をとっていない。

 

「はっ!」

 

龍雅が悩んでいる内に、雪は槍を突き出す。

 

カキィン!

 

それを『戦乙女の大剣』で防ぐと、

 

「目を覚ましてくれ!!雪!お前は操られているんだ!!」

 

龍雅は心から叫ぶ。

 

「早く目を覚ましてくれ!!雪が俺の事を憎んでいるのは事実かもしれない。それでも!ちゃんと、雪の意思と俺は戦いたい!」

 

「何を言うかと思えば…私は操られてなどいませんよ」

 

そして、2発目の突きを繰り出す。

 

カキン!

 

「くっ…」

 

2発目はもっと重い突きだった。

 

「さぁ!戦いなさい!」

 

雪がオーラを増幅させる。

 

…まずは…雪を倒さないといけないのか…

 

龍雅は意を決し、雪に刃を向ける。

 

「行くぞ!」

 

「えぇ!」

 

とうとう、最後の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はああああああああああ!!」

 

バギィ!!

 

「せやあああああああああ!!」

 

ガギィン!

 

お互い1歩も譲らない。

 

「その程度ですか?!」

 

バチィン!!

 

「がぁ!」

 

不意を突いて龍雅の剣を大きく弾く雪。

 

「やっ!」

 

腹部が隙だらけになり、槍が吸い込まれていく、が、

 

「なっ!?」

 

雪の眼前に龍雅の姿は無かった。雪の後ろにいた。

 

「なるほど…まさか『存在』そのものに消滅の力を加えて、今度は龍雅が消え去ったという『事象』を消したのね」

 

「やっぱり、雪には分かるんだな!」

 

そう言って、剣を一閃する。しかし、それは槍の柄で防がれる。

 

「ほんと、無茶しますね!」

 

今度は雪が鋭い突きを放ってくる。

 

ガキィン!

 

間一髪で防いだものの、龍雅の劣勢には変わりない。

 

…雪に消滅の力を使う訳にはいかない…

 

それがこの戦いで苦戦する大きな理由だった。

消滅の力を使えば、『輝槍ゲイボルグ』の力を無力化し、ただの槍に変えることが可能だが、雪との決着の時に消滅の力を使ってしまったら意味がない。かと言ってIPSを使えば、自身の力で倒したことにはならなくなる。つまり、この戦いは『戦乙女の大剣』と、自身の実力のみで勝たなければならない。

 

「やあああああああああああ」

 

次々と突きを放ってくる雪に対処し切れなくなった龍雅は一撃を喰らってしまう。

 

「かはぁ!?」

 

突かれたのは右の腹だ。全身に痛みが駆け抜ける。

 

「諦めたらどうですか?」

 

雪は龍雅に問う。

しかし、龍雅はその問を首を横に振ることで答えた。

 

「決めたんだ…絶対、助けるって…償うって…だから、俺は諦めない!!」

 

キュイイイイン!

 

龍雅は『神霊武装』を使用する。

 

「ふっ…」

 

すると、雪も『神霊武装』を具現化した。

 

「そうですか…」

 

では、と槍を構えながら、

 

「死んでください」

 

その瞬間、視覚すら困難な速さで雪は接近、

 

「やっ!」

 

心臓を狙った突きを放つ。

 

「くぅっ!!」

 

ギリギリで防ぐと、龍雅はカウンターへと繋げる。

 

「そんな技っ!」

 

しかし、雪が強引に龍雅のカウンターを弾き、更に速さを増した突きを放つ。

 

「ぐぁぁぁぁぁあああああああ!!」

 

その突きはまたもや右腹を突いた。

 

「くっ…」

 

龍雅は倒れてしまう。

 

「さぁ!諦めなさい!」

 

「嫌だ!」

 

即答だった。

 

「何度でも…何度でも…俺は…」

 

ゆらりと立ち上がる。

 

「そんなっ…2回も同じところに、それもゲイボルグの突きを…」

 

雪は口を抑える。

 

「もう、なにかを失うのは御免だ…」

 

1歩1歩、進んでゆく。

 

「嫌あああああああああああああ!!」

 

雪の感情は叫びとなり、柄で龍雅を殴り飛ばした。

 

ズガァァン!!

 

しかし、それでも立ち上がる。大切な人を失わないために。

 

「雪…」

 

右腹から血を流し、何回も吐血する。視界は眩み、意識も遠のいていく。それでも、歯を食いしばり、耐える。

 

「なんで…どうして…」

 

雪からは涙が零れる。

 

…やっと感情が戻ってきたか…

 

雪は徐々に魔剣からの支配を脱してゆく。

 

「もうやめて!!」

 

もう1度、雪は龍雅を殴る。しかし、

 

「雪…」

 

もう、吹き飛ばすほどの力は込められていなかった。

 

「これからも償うよ…その第1歩が雪を守る事なんだ。だから、傍にいさせてくれないか?これからずっと。あの日から止まった時間を、俺はもう1度進めたいんだ」

 

そう言いながら、龍雅は涙を流していた。

 

「龍雅ああああああああ!!!」

 

雪は耐えられなかった。ゲイボルグは手を離れ、その両手は龍雅の背中に回されていた。

 

「やっと…本当の意味で会えた…私、ずっと寂しかった…」

 

涙が止まらない。

 

「あの時から…龍雅の事しか考えてなかった」

 

今まで抑えていた気持ちが爆発する。

 

「いつの間にか、その感情は歪んでいた…」

 

雪は泣きながら言葉を紡ぐ。

 

「それでも…こうして…自分の気持ちで…会えた…」

 

自身の気持ちを打ち明けてくれた雪。今度は龍雅の番だ。

 

「遅くなって…本当にすまない…」

 

ぎゅっと、抱きしめる力を強くする。

 

「力不足で…すまない…」

 

龍雅は自嘲気味に喋っていた。

 

「でも…」

 

今度こそ決めていた。もう、迷わないと。

 

「俺は…ずっと雪が好きだった!心の底から護りたいと思った!」

 

龍雅もまた、押し殺していた感情が解き放たれる。

 

「だから──っ!」

 

龍雅は自分の意思を伝えようとしたが出来なかった。

とある異変に気づいたからだ。

 

ゴゴゴゴ…

 

突如、大気が揺らめき、大地が震え始めていた。

 

「ハヤク…コロ…セ…」

 

雷牙、いや、魔剣ダークネスから言葉が発せられる。

しかし、

 

「嫌よ!」

 

雪はしっかりと、答えた。

 

「もう…自分に嘘はつきたくない!」

 

「…」

 

魔剣は黙っている。

 

「気を付けろよ…」

 

「分かってるわ…」

 

2人は戦闘モードへと切り替わる。

 

およそ5秒ほどの沈黙。

 

「シャアアアアアアアアアア!!」

 

先に動いたのは雷牙だ。

 

「おおおおおおおおおお!!」

 

バギィィン!!

 

その一撃を龍雅が受け止める。

 

「やああああああああああ!!」

 

そして、剣を目掛けて雪が槍を振るう。

 

「キシャア!!」

 

「せぇやぁ!!」

 

バチィイ!!ガギン!!

 

「やぁ!!」

 

ザシュッ!

 

とうとう、雪の槍が雷牙の手首を捉えた。これで雷牙から魔剣ダークネスが離れれば全てが終わる。

しかし、

 

シュルル!!

 

「きゃっ!」

 

「なっ!?」

 

魔剣ダークネスから謎の触手のような物が飛び出し、雪に巻きついた。

 

「これ…は…?」

 

「まずい!切ってくれ!!」

 

龍雅は警告しながら切りかかる。だが、手遅れだった。

 

「きゃああああああああああ!!!」

 

戦場に響き渡る悲鳴。

 

「雪!」

 

触手から解放された雪をすぐさま抱き上げる。

 

「しっかりしろ!雪!」

 

…魔力が…ほとんどない?!…

 

どうやら、あの触手には相手の魔力を吸収する効果があるらしい。

 

「…」

 

雷牙に目をやると、意識を失っていた。

龍雅は魔剣ダークネスを睨みつける。

 

「よくも…」

 

龍雅のエネルギーが周囲を包む。

 

「よくも…」

 

許さない。許さない。許さない。

 

「うああああああああああああああああ!!」

 

一気に負の感情が爆発する。

 

バゴオオオオオオオ!!

 

大地は一気に崩れ、龍雅を中心に力の奔流が生まれる。やがて、その力は龍雅に集まり、

 

「必ず…破壊する…」

 

膨大なエネルギーとなった。

 

そして、魔剣ダークネスも、顕在化していた。

その姿は、まるで地獄を生き物にしたかのようなおぞましさを持っていた。6本の手のようなものに、剣、斧、槍がそれぞれ2本ずつ付いていた。体長は都会の高層ビルよりも高いだろう。

 

「…やるしかない…」

 

龍雅はIPSを起動させる。

 

「『戦乙女の大剣』よ!もう一度力を!」

 

そう言って剣を空へ掲げた。

 

ヒュイイイイン…

 

静かに龍雅へと力が溜まっていく。

そして、

 

ダンッ!!

 

大地を蹴り、魔剣ダークネスとの交戦を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおおおおおお!!」

 

「グワォォォォォウゥゥゥ!!」

 

バギィン!!

 

互いの全力がぶつかる。しかし、顕在化した『魔剣ダークネス』はあまりにも強大だった。

 

「くっ…!!」

 

IPSのエネルギーの半分を費やし、さらに『戦乙女の大剣』へも力を集中させたというのに相手の武具にはひび一つ入っていなかった。

 

「やぁっ!!」

 

「グルゥウ!!」

 

バチィン!!ガキィィン!!

 

龍雅はスピードで攻めるが、6本も生えている腕に簡単に防がれてしまう。

 

…どうすれば…

 

と、考えている内にもどんどん攻撃を繰り出してる『魔剣ダークネス』。

 

ガキィィィィン!!

 

一際大きな金属音を鳴らすと、龍雅は、

 

「があああああああああああ!!!」

 

宙に浮いた状態で斬撃を受けてしまったため、激しく地面に叩き付けられてしまった。

 

「かはぁっ?!」

 

そのダメージはかなりものだった。IPSの武装を軽々と壊し、龍雅を吐血させるほどの破壊力。

もう、今の龍雅には対処し切れなかった。

 

ブォオン!

 

大きく剣を上げた『魔剣ダークネス』。動けない龍雅を真っ二つにするつもりなのだろう。

 

「くっ!!」

 

必死に動こうとするが、動けない。

 

「グルゥゥゥアァァァ!!」

 

ビュオン!!

 

その大剣が振り下ろされた瞬間、

 

ガギィィィィィィン!!

 

間に雪がゲイボルグを具現化し、大剣を止めていた。そして、

 

「やあああああああああああ!!!」

 

バチィィン!!

 

力で強引に弾き飛ばし、仰け反らせると、

 

「やぁっ!!」

 

ドシュン!!

 

相手の頭と思われる部分に突きを入れ、地面に倒した。

 

「ギャオォウ!」

 

今度は『魔剣ダークネス』が必死に立ち上がろうとするが、出来なかった。

 

「雪…お前…!」

 

「平気…よ…」

 

雪はかなり強い重力魔法を展開していた。龍雅ですら止めきれなかった大剣の一撃を止め、さらに『魔剣ダークネス』を抑え込んでいる雪の苦しさは計り知れないだろう。

 

「これを…託すわ…」

 

重力魔法を続けながら、雪は『輝槍ゲイボルグ』を龍雅に手渡した。

 

「なんで…!?」

 

「あの『魔剣ダークネス』は純粋に戦っても勝てないわ。だから、こっちも『神剣ライトニング』を召喚するの」

 

「でも、どうやって…」

 

『神剣ライトニング』は全ての聖属性の神器の頂点に君臨する武具である。その力を顕現させるには、かなり高位の神の力を使わなければならない。

龍雅の『戦乙女の大剣』に宿る『戦神』、雪の『輝槍ゲイボルグ』に宿る『光神』はいずれも高位の神とされている。

そして、『神剣ライトニング』を扱うには、三つの高位な神器と契約しなければならない。

今現在あるのは2個の神器だけだ。

 

「大丈夫。君の仲間を信じて、龍雅」

 

しっかりとした瞳で見つめる雪。

 

「分かった」

 

その言葉を信じ、龍雅は『戦乙女の大剣』と『輝槍ゲイボルグ』を地面に突き刺した。これは、詠唱前の準備だ。

 

「グワアオオオオオ!!」

 

敵は今も必死に抵抗している。

 

「くっ…!」

 

どうやら雪に限界がきたようだ。

 

バリィィィン!!

 

重力魔法が切れてしまった。

 

「ギャオオオオ!!」

 

『魔剣ダークネス』が真っ先に向かったのは詠唱準備中の龍雅だった。

 

「龍雅!!」

 

「はあぁぁっ!」

 

ズオオン!!

 

龍雅はそれを詠唱開始したときに現れる魔法陣で防いだ。

 

「ギャオオウ!!」

 

しかし、神器に意識を集中するあまり、結界に綻びが生じてしまう。

 

「くそっ!」

 

「グワオオオオ!」

 

「龍雅ーーーーー!」

 

どうすることも出来ない龍雅は死を覚悟し、目を瞑った。

 

「────っ?!」

 

ギリギリギリ…

 

しかし、目の前にはIPSを起動させ、拳で突撃を止めている迅がいた。

 

「なんで?!」

 

「見捨てられるわけないからだっ!」

 

ズガァァァン!!

 

その拳に一気に力を込め、『魔剣ダークネス』を吹き飛ばした。

 

「龍雅さーん!」

 

どこからともなく声が聞こえる。その方角に目をやると、

 

「まさか…楓加?!」

 

「受け取ってください!」

 

ビュオン!と風切り音をたたせながら投げられたのは1振りの刀だった。

 

「これは…『緋焔刀』?!」

 

『緋焔刀』、神器の中の火属性の最上位武具だ。

 

「なぜ、こんなものが!!」

 

「村の人を必死に説得してきました!」

 

さぁ、早く!と叫ぶ楓加。

 

ヒュオオオン…

 

「…『目覚めよ、光の王よ。』」

 

ゆっくりと言葉を紡ぐ。

 

「『我が三種の神器の名の元に、ここに万物の理を示せ』!!」

 

ギュオオオオオオオ!!!

 

詠唱が終わった途端、龍雅の魔力が一気に増幅した。

 

「さて…」

 

全く違う姿になった龍雅は、神々しく光る剣を構え、

 

「反撃開始だ」




如何でしたか?急いで書いた部分が多く、稚拙極まる小説になってしまい、すみませんでしたm(_ _)m
やっと現代で雪を出せた…というやりきった感を感じております(笑)

次回はいよいよ最終回となります。

それでは次の投稿で、お会いしましょう〜
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