ハイスクールD×D ーマルバス家復興記ー   作:ぬがー

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第4話

「一応試してみたが……まさかマジでできるとはなぁ……」

 

 グロースとの密談の後、まずは得た情報について確認を行うことにした。

 とはいえオレはマルバス家次期当主。バアル家次期当主であるマグダランの『悪魔の駒』の使い方に口出ししたり聞き出したりできるような立場ではない。現当主である父から聞き出す、というのも無理。

 折を見てリアスをマグダランの嫁に勧めるとか、オレのところに来る患者とその家族に協力してもらって「リアスがバアル家に嫁入りすべき」みたいな空気を作っていくくらいが精々だろう。

 なので政治的な方は後回しにして、『悪魔の駒』による性転換が可能か確認することにした。

 実験対象は人間。悪魔で試して上手くいったせいで性転換が普通に行われるようになってもまずいし、堕天使や天使の捕獲は難しい。他の神話勢力の存在だと体の構造が違い過ぎるし、それを確保に行くほどの自由にできる時間はない。実験結果の社会への影響が薄く、サンプルとして悪魔に近い結果が得られそうなモノを選ぶと人間しかなかったのだ。

 こういう理由で実験対象にする種族は決まったが、次の問題は個体の選別だ。

 『悪魔の駒』は配下に下賜する物として最高の物、というのが悪魔の常識。それを実験に使い、結果だけ確認したら殺して駒を取り出す、というのはさすがに顰蹙を買う行為だ。数に限りがある以上、優秀で裏切る心配の薄い相手を選ぶ必要があった。

 そこで活用するのが原作知識だ。どうも人間界のネットを使って調べた限り、他作品の地名とか学校名などがいくつも見つかった。なので他作品キャラの中から性転換しても気にせず、上手く操縦できそうで、それなりに強くなりそうな奴を選んで探すことにしたのだ。条件に合う奴を虱潰しに探すと、オレの世間での評価がとんでもないことになるからな。

 そんなわけで女にして眷属にしたのがこいつだ。

 

「おおおぉぉぉぉ~~~ッ! マジで髪がサラサラになってるッ!! 大分伸びたし、これならツインテールにできるッ!!!」

 

 事前に説明していたとはいえ、女になったことに一切意識を向けず長く伸びた髪をせっせとツインテールにしている。

 こいつの名前は観束 総二(みつか そうじ)。『俺、ツインテールになります。』という作品の世界において主人公をしていたやつだ。かなり才能があったのか、転生に『騎士』の駒を二つ消費した。

 原作の序盤では男の自分が髪を二つに結わえただけじゃツインテールじゃないという考えだったようだが、この世界だと髪が異常に剛毛なうえ全然伸びなかったから自分の髪をツインテールにするのは断念していたらしい。そこで悪魔化すれば魔力で髪質くらい変えられることを伝えればあっさり眷属化の契約を飲んだ。男のツインテールとかオレ的には見苦しいので、肉体を変化させることも含めてな。

 まぁこの辺は原作でも幼女化していたが序盤以外は大して気にしていなかったし、ゴリラのツインテールを評価するような奴なので自分の髪もツインテールにしたいと思っていることは納得できた。原作でイッセーの顧客にいたような変人がよくいるこの世界だと、ツインテール好きが『俺ツイ』世界よりも表に出てるのは想像通りだったしな。だがこの興奮具合はちょっと予想外。

 

「あー、ちょっといいか?」

 

「お、おお! 悪い! もうちょっとで終わるから待っててくれ!」

 

 待つことしばし、ようやく納得のいくツインテールにできたのか落ち着いて話ができるようになった。

 

「悪い、待たせた。で、何の用だ?」

 

「何の用だ、じゃねーよ。お前がツインテールにできるってことに食いつきすぎたせいで、説明の途中で駒を授けたんだからな。そのせいでまだデメリットの説明してねーぞ」

 

「あ、うん。そりゃ悪かった。自分の髪をツインテールにできると思うと、他の事全部どうでもよくなっちゃってさ」

 

 多少は反省しているようだが、直す気もなさそうだし、直せるとも思ってなさそうだ。まぁそれくらい図太い精神を持っていないと、『俺ツイ』世界で主人公を張ることなどできないだろう。兵藤一誠のおっぱい狂いにも似たこの精神性は戦士としては高く評価できる点だ。それに、そんなこいつだからこそこれから話すデメリットを重く受け止め、オレを裏切ることのない配下にすることが出来るだろうしな。

 

「まずオレの眷属になったんだから、オレに従属する義務が生じる。義務のきつさについてはまた後で報酬と合わせて相談だ。ぼったくるような真似はするつもりはないが、お前の価値基準と悪魔の価値基準が違うことは想定しておけ」

 

「分かった」

 

「次に悪魔になったことで悪魔の種族的弱点も備えた体になってる。聖なる力を帯びた物には弱いし、十字架を触ったり、聖書の内容を聞いたりしてもダメージを負う。神社や寺にもそこの神仏の許可をとらないと入るのはきつい。吸血鬼程じゃないが弱点が多めの種族だから気をつけろ」

 

「初詣とか墓参りに行けないのはつらい、くらいだな。海外ならともかく日本ならそこまで苦労しなさそうだ」

 

「まぁ悪魔は日本神族とは仲良くして、住みやすい国にさせてもらってるからな。その感想も間違ってはない。

 で、三つ目だが敵対種族がいる。同じ神話勢力の天使と堕天使だ。昔戦争やってた奴らで、天使は悪魔と堕天使を敵視してて、堕天使は惰性で悪魔と天使に攻撃してる。どっちも悪魔の弱点の光を使って攻撃してくるし、人間を配下に加えて攻めてくる時もあるから警戒が必要だ」

 

「漫画とかで出てくる悪魔狩り的なのか? 悪魔には悪魔崇拝者的なのいないのか?」

 

「悪魔の人間との関係はビジネスライクなのが多いからそう言うのほぼいないんだよ。天使みたいに洗脳染みた教育したり、堕天使みたいに浚って改造して尖兵にしたりしてないからな。

 で、最後にお前的には最重要な欠点だ」

 

「今さらっとおっかないこと言った気がしたんだけど……。それ以上に最重要な欠点って?」

 

「『悪魔の駒』で転生した悪魔は主の魔力を分け与えられて強化されてるんだがな、主が死んだとき与えられた魔力が暴走して、元が他種族だと異形化して理性も吹っ飛ぶことがあるんだ。そうなったときお前のツインテールが無事かはオレには保証できない」

 

 原作だと序盤に出てきたはぐれ悪魔がこれに当たる。どうもこの世界だと主と眷属の間で力の差が大きいほど、また主から眷属への悪感情が強いほどこういう事態が起きやすいようだが、具体的な発生の理由は未だ不明である。眷族の反乱を防ぐ効果、及び自分より強い相手を眷属にしようとする行為を諌める効果があるのであえて研究されてないだけかもしれないがな。

 ともかくこの情報は観束には効果抜群だったようで、ツインテールを庇うように抱えて怯えた。

 だがすぐにオレの言いたかったことを理解したようで、声を張って意志表明した。

 

「俺が死なないように守る! だから見てないとこで死ぬなよ!」

 

「おう、後で武器とか色々見せるから前衛は頼むわ」

 

 うん、やっぱり大事な物がはっきりしてる相手だとWin-Winな関係を作り易くていいな。

 他の眷属も他作品知識使って操縦できそうなのから探していくか。他作品主要キャラ眷属って転生者的には作ってみたくなるものだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なおこの後、親御さんに息子さんが娘さんになって、ついでに悪魔になったことを説明に行った際、観束の幼馴染の少女に盗み聞きされそっちも『戦車』の駒一つで眷属にすることになった。

 『俺ツイ』世界で蛮族と呼ばれた幼馴染の少女の名前は津辺 愛香(つべ あいか)。この世界でも彼女の武術の腕前は飛び抜けており、真っ当な方法かつ適正価格で眷属にしようと思ったらかなりの費用が掛かっていただろう。わざと結界張らずに説明して良かったぜ。

 




観束くんはこの後、ソーラ・ミートゥカに改名することになりました。
あと幼女化はオリ主の趣味じゃなかったのでしてません。
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