夏色の回帰   作:SANTA+

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第1話

ここは盛夏町(せいかちょう)

 

僕は毎年夏休みが終わるまで

こうして田舎のおばあちゃんの家で過ごすことにしている

 

 

別に友達が居ないわけではない。

この盛夏町に2人、幼なじみが住んでいるのだ。

僕のクラスの人達はおおかた友達同士で

映画館なんかに遊びに行く者が多いだろうか。

ちなみに今は山のふもとで幼なじみ2人を待っているところだ。

 

 

それにしても相変わらず綺麗な町だな

田舎を舞台としたアニメやなんかを彷彿とさせる。

まあ、実際田舎なのだが。

「主人公ー!今年も来てくれたんだな!」

聞き覚えのある声、完全に僕を呼んでいる。

幼なじみの1人、前田太一だ。

「ああ、約束だったろ?」

毎年ここを去る時に、来年も来ると、2人に約束するのだ。

「お前毎年それだよな」

笑いながら太一が返す。

 

 

ここで僕はいつも居る筈のもう1人が居ないことを指摘した。

「そういや、涼は一緒じゃないのか?

いつも一緒に山を降りてくるじゃないか」

「涼?涼なら俺のすぐ後ろに、、、

居ねぇ!?」

「途中までは一緒だったのか?

それなら来た道を戻りながら探そう」

「あぁ、、そうだな、道はこっちだぜ」

 

 

青木涼は僕達3人の中で、いや、この町で1番変わった奴だ。

珍しい虫や動物に目がなく、一旦見つけると捕まえてくるまで山から出てこない。

そのため、こんなことはしょっちゅうだ。

 

「涼!もう主人公が来たぜー!」

太一が懸命に呼びかけるが

「無駄じゃないのかこの呼び掛け」

ため息をつきながら僕は言う。

 

その時

ガサガサ!という音と共に山の中から何かが転がり落ちてきた。

「これは、、、?」

それは人だった。というか

「涼、、、」

涼だった。手には大きなツチノコを抱えている。

「おう、涼、今回は何を捕まえたんだ?

ってツチノコ!?」

そのツチノコは涼の腕をするりと抜け、

先ほど涼が転がってきた斜面に向かって器用に穴を掘り、そのまま姿を消した。

 

「探す手間が省けたな、涼」

「おい、お前ツチノコ気になんねぇの?」

「ほら、起き上がれるか?」

「ええ……久しぶりですね、主人公」

幼い頃、僕はこの町に住んでいた。

そこで初めてできた友達がこの太一と涼だ。

 

「本当に存在してんの!?ツチノコって!」

「ええ、去年あたりから結構見ますよ?」

「マジで!!お前言えよそうゆうの!」

立ち上がった涼と太一が会話をしている。

「そんな騒ぐほどの事でも無いでしょう。

それよりも。」

涼が僕の方を向いた、つられて太一もこちらを見る。

そして、勿体ぶったように涼が口を開く。

 

「今年も目いっぱい楽しみましょう」

 

 

 

とりあえず僕達は、

3人でおばあちゃんの家に向かうことにした

 

歩きながらふと、

太一が道端に落ちていた小石を蹴る。

蹴られた小石は、やがて僕の少し先で動きを止めた

まるで試合中にパスを貰った

サッカー選手のような気持ちだ。

僕はこう見えてもサッカーは得意なんだ。

どれ、僕がシュートを決めてやろう

そう思い、思い切り小石を

蹴った

 

 

 

 

蹴ったのだ。

先程まで、確かに仲間達と並んで歩き、小石を蹴っていた。

 

それなのに

「ここ、何処だ……!?」

突然の事で頭が可笑しくなりそうだった。

僕は見知らぬ場所に立っていた。

 

 

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