『――――――――――――――――拍車!!』
イヴの声が聞こえると俺の全身は黄金色に光輝き、やがてあふれんばかりの光は輪郭をあらわにし、ついには絢爛たる騎士甲冑と化した。
不思議な感覚が全身を包み込んでいる。
見た目は重厚荘重な甲冑にもかかわらず、重さがほとんど感じない。
着ているだけで力がみなぎってくる。
「これなら、勝てる!!」
『気をつけなさいよ!!
聖騎甲《アーク》を着ているとはいえ相手は化け物なんだからね!!』
イヴが心配そうな震え声で言ってきた。
「ああ、大丈夫だ!!
必ず……守る!!」
俺はそれだけ言うとガウェインを操り屍灰竜のに再接近した。
そして魔導兵器を顕現する為の呪文を唱え始めた。
「模造品だが喰らえ!!
顕現せよ、迸る雷帝、天から降り注ぐ雷撃の鎚
その銘は、トール……。」
現れたのは巨大な鎚……ハンマーだった。
いや、ただのハンマーではない……。
雷神トールのミョルニルを模した物だ。
ハンマーを振り下ろすと激しい落雷とともに屍灰竜は黒こげとなり巨竜はアンサリヴァン市へ落下を始めた。
「くっまずい
この馬鹿竜起きろー!!」
俺は右手のヴィンダールヴの力を頼りにガウェインから屍灰竜に飛び降りて右手で竜を操り始めた。
「飛べえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
力いっぱい叫びながら右手の力を解放すると頭の中に声が響きわたった。
『感謝する……我が名は……ゼノン。
先代の守護竜騎士だ……』
「なんだ守護竜騎士《ガーディアンドラグナー》!?
マザー・ドラゴンも似たようなことをいってたような……なんだそれは?」
『いずれわかる……それより我輩を完全に滅してくれ!!
もう自我がもたない……』
そういうと再び暴れだした屍灰竜。
竜をなんとか操り街から遠ざけると俺は禁忌の竜殺し《ドラゴンスレイヤー》をする決意を固めた。
もっとも相手はすでに死んでいるが……。
「……悪いな
これで終わりだ!!
トール最大出力!!」
突如現れた雷雲から放たれた一撃は魔導兵器トールに直撃し、トールは全魔力を注がれて膨張し、それを俺は振るった。
俺が覚えているのはここまでだった。
意識を失う直前、アッシュの声が聞こえていた。
『顕現せよ・・・・・・光の恩寵を受けし剣よ・・・・・・すべての闇を祓う力を、我に与えよ・・・・・・』
『その銘は・・・・・・聖剣エクス=レ=バン!』