ジェシカの実家うんぬんの件は物語の中か補完で番外編でいずれ書こうと思います。
どうしても知りたい方は原作2巻を読めばいいんじゃないかなー。(おススメ)
生徒会室に入り近くの椅子に腰を下ろし体にかかっていた力を脱力させる。
ぐだ~と机に腕を伸ばし意味もなく張っていた気を抜くと全身に心地よい感覚が染み渡る。
部屋に入った時に気づいたが部屋中にアロマ的な匂いが散布されていてとても落ち着く。
あまりの心地よさにだら~と机に寝そべってそのまま寝てしまいたい衝動が起きる。
睡眠という欲に負けそうになる。
「レベが香水をするなんて珍しいな」
会長席に座る幼馴染にそう声をかける。
声をかけたのが嬉しかったのか笑いながら匂いの元を指差した。
「うむ、実はな我が実家ランドール家の領内で生産されているアンサルを使った新商品だ。
昔ノアが書いたメモを参考に作ってみた芳香剤とかというやつだ。
香水に似ているが物にかけれるように研究中の代物でこれはその試作品だ」
手に持つ水吹きのような入れ物を見せるレベッカ。
「まだ濃度や一度に吹きかける量の調整、値段設定などと課題も多いがいずれ貴族、平民関係なく使える品物として販売をしていこうと思っている。
領内では試験的に販売を始めた。
今のところ順調だ」
子供の頃、地球の文明が懐かしくなって俺は紙にいろいろな物の絵を描いた。
昔から絵はわりと得意で前世で絵画教室へ通っていたほどだ。
といってもたいした絵は描けない。
この世界にはない物だからその存在の意味を知らないとわからないと思う。
だから走り書きで説明文を加えてある。(詳しい構造までは説明できないが)
自動車や自転車、リボルバー式の銃、日本刀、サッカーボール、戦車、野球道具、オセロ盤など覚えてる限りの文明の機器を紙に書いた。
それもこの世界の言語で。
いや、誰かに見せるものでもないからいいやって思っちゃたんだよ。
しょうがないじゃん。
失くしたと思っていたメモを幼馴染がちゃっかり拝借してるなんて思わなかったし。
「レベ、売れたら半分「何を言う夫婦の共有財産じゃないか」よこ…え?」
「実はなある武器商人はこれに書かれている連射ができる銃に興味をもっていてな、父と相談した結果試しに製作してみようという話になったんだ。
で、2ヶ月前に試作品が完成したからノアに報酬代わりに渡そうという話になったんだ」
「うん?その話と夫婦共有財産がどうとかという話に繋がりが?」
「すまん。
銃の制作費に芳香剤の売り上げは全て消えた」
「え!?」
頭を下げるレベッカ。
頭を下げているが今下げる瞬間笑ってたよな?
「…本当にすまない。
お詫びに今すぐ結納をして領地を譲ろう。
それで二人で領地の経営を」
「全然懲りてねぇぇぇぇ―――――――!!」
それはお詫びじゃなくて策略だろ!!
駄目だ。
早くなんとかしないと。
「これができた銃だ」
渡されたのは漆黒のリボルバー式銃。
銃や武器にはあまり詳しくないが好きなラノベで出てきた銃で《早撃ち》に適している。
《普段の俺》では扱えないかもしれないが《あの状態の俺》ならできるはずだ。
あのキャラの技を。
「これ名前はあるのか?」
レベッカや周りの連中は興味深そうに俺の持つ銃を見ている。
「ああ。
この銃の正式名称は
通称
骨董品みたいな古い銃(現代日本からみると)だが、拳銃史において1、2を争う、《早撃ちに適した銃》だ。
装弾数、連射能力、命中力。
ほとんどの面では近代的(地球目線)な自動拳銃の方が有利だが、《早撃ち》という曲芸に限っていえば回転弾倉式の拳銃の方が有利なんだ。
俺に銃を渡し終えるとレベッカは自身とジェシカとの関係について話し始めた。
すでに《知ってる》俺は銃の手入れをしながら聞き流す。
『あ~。
やっぱり銃はいいよなー。
これ作れた職人すごいなー。
今度紹介してもらおう。
もしかした世界最強のM500《象殺し》とかもいける(作れる)んじゃないか?』
自分の世界に入っていくうちに時は流れ、《本命》の用件へと入った。
「実はだな……本日より1週間後、あのヴェロニカ・ロートレアモン第一皇女が、このアンサリヴァン市に起しになる―――との知らせを受けた。
あと、大変不本意だがヴェロニカ王女はノアとの面会を望んでいる。
わかってると思うが第一皇女にも手出すなよ?」
「は?」
知ってたけどつい驚きの声を上げてしまう。
な、なんで?
ヴェロニカに目をつけられる理由がない。
俺にそう告げている幼馴染の顔をみると。
「げっ…」
レベの顔が怖い。
笑顔だが。
「ちっとも笑ってねえ―――――!!」
「いやぁあああああっ1」
俺の他に悲鳴をあげたシルヴィア第四王女。
「どうした、シルヴィア?」
レベッカの問いにかけに、しかし、シルヴィアは答えなかった。
「あ、姉上が……あの暴君が……」
シルヴィアの激変ぶりに一同はぽかんと呆けるばかり。
「アンサリヴァンに、来る……だと?」
完全に血の気を失った彼女は世界の終わりにでも会ったような顔をして、机の下にもぐりこんでしまった。
ガクガクと震えて、頭を抱えている。
日ごろの気丈な態度とは裏腹に、シルヴィアには臆病な一面がある。
「大丈夫か、姫様?」
心配そうな顔をしたアッシュが声をかけた。
そうか。
くるのか。
あの暴君が…。
アッシュやシルヴィアを見ながらその異名を思い出した。
その異名とは―――