聖天竜騎士は転生者!?   作:トナカイさん

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第二十五話 とあるお姫様の憂鬱③ 知られざる竜族の生態と決意のノア

『それは、姫様のご学友としてですか?それとも、ひとりの男性として?』

問いかけられた内容に思わず顔を赤面させてしまうアッシュ。

「な、なにをいってるんですか!姫様とは一緒に戦った仲ですし、生徒会でも一緒ですし、心配するのは当然ですよ」

動揺しているのがバレバレだがアッシュはあくまでも姫様の友人という立場を主張している。

内心は少なからず想っているとしても立場、身分の違いからか《それ》を口には出さない。

「じゃあ、そういうことにしておきましょうか。うふっ」

姫様の想い人の本心を知り思わず笑みを浮かべてしまうコゼット。

悪戯っぽく微笑むと、アッシュ達が知りたがっている本題に入った。

「ヴェロニカ様は、武闘派として有名なお方です。その性格が高じるあまり、まだ幼かった姫様に様々な訓練を施しました」

「そんなに厳しい訓練だったんですか?」

シルヴィアがトラウマになる程厳しい訓練とはいかほどか、想像すらできないアッシュはそう聞いていた。

「それはもう……過酷な日々でしたわ。湖に突き落としたり、廃墟を探検させたり、城壁を登らせたり、幽霊が出ることで有名な森の中でサバイバルさせたり……」

アッシュとレイモンは呆れて聞いていた。

「それって、もはやイジメの領域に踏み込んでいるような……」

「ちなみに、森の中ではわたくしが幽霊の役を務めました」

キリッとした表情で悪戯に加わったことを白状するコゼット。

「ちょっ!コゼットさんも加担してどうするんですか!」

「さすがは、冥土さん…半端ねぇ」

突っ込むアッシュとメイドの恐ろしさに戦慄するレイモン。

シルヴィアが臆病なのはヴェロニカとコゼットが元凶なのかもしれないとアッシュは思った。

「そんなわけで、姫様にとって、ヴェロニカ様は恐怖の象徴となってしまったのです」

「なるほど…」

なるほどと思いながらも、原因はコゼットさんにもあるのではないかなーと思ったが口には出さないでいた。

 

「鉄血戦乙女はダテじゃないってことか。でもな、アッシュ…俺は強い女性も好きだぜ」

「安心しろ。お前の好みは聞いてないから……」

レイモンの好みは『何でもあり』なんだろ!と口には出さないが心の中でふと思った。

 

 

 

「ーーーでは、翼竜、地竜、水竜……そのいずれかとして生まれてくるドラゴンは、いかなる条件を満たせば聖竜に至るのか」

アッシュがレイモンの馬鹿発言で頭を抱えている間も、講義は続いていた。

「それでは、アッシュ君。答えてちょうだい」

「はい?俺ですか?」

指名されてうろたえるアッシュ。

「えっと…わかりません」

全くもって講義を聞いていなかったアッシュはそう口にするしかなかった。

「はい、正解」

「すみません…は?正解?」

アンジェラは悪戯っぽい微笑を漏らした。

「そうよ。ドラゴンが聖竜になる条件というのは、学者たちの間でも意見が分かれていて、まだ解明されていないのよ」

アンジェラは教科書を閉じると、生徒一同をぐるりと見回した。

「でもね、古代においては、すべてのドラゴンが自然に聖竜化を果たしていたという記録が残っているわ。

絶滅の危機に瀕して以来、聖竜の数は激減したけど、どのドラゴンも聖竜になる素質は秘めているはずなの」

たちまち、教室中がざわめいた。

アッシュ自身、そんな話は初耳だったからだ。

「そこで、竜飼い人の存在が問題になるわけね。

現代では、どうして聖竜になることなく死んでいくドラゴンのほうが多いのか……もしかしたら、ドラゴンが聖竜になれるか否かの鍵は、竜飼い人が握ってるのかもしれないわね」

アンジェラがそう締めくくった時、ちょうど授業の終了を告げる鐘がなった。

コゼットに支えられ、ふらふらとした足取りで教室から出て行くシルヴィアを見送りながらアッシュは思う。

 

「姫様、大丈夫かな……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ノアは議員会館に着き会議に参加していた。

「で、あるからして被害は甚大であり、今だに復旧の目処が立たない地区があります。

例の怪物『屍灰竜』につきましても、誰がどのような目的で放ったのかはもっか騎士団が調査中であります」

議員の一人の報告が終わり、次は何故か発言を許されたノアの番となった。

「え…え〜と…ゴホン。

本来なら俺なんかが発言していい場ではありませんが今回の事件解決に携わった者の一人として申したいと思います。

まず、俺…私はノア・リーシュブルと言いまして公爵家の嫡男です。

今回たまたま事件に遭遇致しまして、パルのイヴや仲間達と共に騒動の終息に翻弄致しました。

個人的な見解と致しましては、今回の事件の背景には『帝国』が関わっていると思います」

ノアの発言で騒然とする議員達。

「何か証拠や確証があるのかね?」

議員の一人が鋭い眼光で見つめてくる。

「証拠ならあります。

まず、屍灰竜を作り出すには竜族の屍…灰が必要であり、調べましたところ今回の屍灰竜には騎士国の王族のパルの灰が使われていました。

さらに俺が出会った仮面の男は訛ったシェプロン語を話し、手には帝国軍が持つサブマシンガンを所持していました。

竜族の、それも騎士国の王族のパルの灰が使われているということは名は伏せますが『彼』が関わっている可能性があります。

さらに銃器で武装する勢力はたくさんありますが、王国や騎士国に敵意を持ちなおかつ計画的に暗躍していることから大きな後ろ盾があるということが推測できます。王国や騎士国を狙う一番可能性が高く工作員を送り込んでくるのは帝国だと私は思っています」

原作知識があるので知っています…とはとてもいえない。

 

これまでノアは自分から関わろうとしなかったがレベッカに連れられて来た議員の中に知り合いが混じっていたので原作ブレイクをすることを決意した。

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