聖天竜騎士は転生者!?   作:トナカイさん

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第二十八話役者と王女と変態騎士⁉︎

『この私をコケにするとは……いい度胸だな、影武者よ!』

 

ヴェロニカのその言葉は周りの人々に衝撃を与えた。

 

「「「影武者⁉︎」」」

 

一瞬の沈黙をおいて、驚きの声をあげた歓迎団。

 

「ふっ……そんなことだろうと思った」

 

アッシュの脇で、レベッカがぼそりとつぶやいた。

レベもシルヴィアが入れ替わっていることに気づいていたらしい。

 

「やっぱりベレも気づいてたのか……」

 

「当然だろう?シルヴィア王女殿下はああみえてかなりの臆病者だからな。

あの女は堂々としすぎた。初対面の相手みたいに普段彼女と接しない相手ならば騙されていたかもしれないが普段の彼女の様子を知る者ならば簡単にわかる。

気づいてたのは私達だけではないぞ?」

 

そう言ってベレは歓迎団の中にいるミシェルをみた。

ミシェルは周りの議員が慌てる中平然として、その場に凛とした姿で立っている。

こちらの視線に気がついたのかピースサインをしてきた。

そんな彼女に近づく『魔の手』があった。

兄のグレン・マクガイアだ。

グレンはミシェルに近づき人目があるのにも関わらずミシェルに抱きついて自身の頬を嫌がるミシェルの頬にスリスリと頬ずりをしだした。ミシェルが助けてと叫んでいるが止めれる者などいなかった。

皆、ドン引きしている。

そんな光景の中、ヴェロニカに向かいあうシルヴィアは口を開いた。

 

 

「うふっ。さすがはヴェロニカ様」

 

シルヴィアだと思われていた人物は、ベリベリと音をたてて、金髪の(かつら)もろとも、変装道具を顔面からむしり取った。

 

その下から現れた素顔は_____。

 

「コゼットさんっ⁉︎」

 

驚きの声をあげたのはアッシュだ。

市長をはじめ、総勢二十名の歓迎団にしても、もはや言葉もなく、この珍事を唖然として見つめている。

 

「やはり、ヴェロニカ様の目はごまかせませんでしたわね」

 

姿を晒したコゼットは、〈鉄血の戦乙女〉(アイアンブラッド・ヴァルキリー) ヴェロニカ・ロートレアモンを前にしても怯まずににっこりと微笑んでいる。

ヴェロニカ相手に平然とした態度で接することができるなんてとてつもない精神力だ。王族に付き添う従者(メイド)だからなのか、はたまたコゼットだからなのかはわからないが……。

 

「当然だ。貴様からは、私への恐怖心が微塵も感じられなかったからな!この私に怯えぬシルヴィアなど、シルヴィアではないわ!」

 

「うふふ……今後の参考にさせていただきますわ」

 

「惜しむらくは、貴様ほどの女が私の部下にならなかったことだ。どうだ、コゼット?

今からでも遅くない。私に付いてこい!」

 

ヴェロニカ王女の発言に周りは息を飲んで見守ったが言われた当の張本人であるコゼットはあくまでも、毅然とした態度で応じた。

 

「私がお仕えするのは、シルヴィア王女殿下____ただひとりですわ」

 

民衆の集まる、公衆の面前でコゼットはなんの迷いなく口にした。

 

「あんな臆病な小娘の、どこがいいというのだ?」

 

ヴェロニカにそう尋ねられてもすぐさま……。

 

「すべて、でございます」

 

誰もが度肝を抜かれたほど素早く、迷いなくそう言いきった。

その忠誠心はまさに信頼関係の現れだ。

 

「ちっ……無駄話はここまでだ。さあ、白状するがよい。シルヴィアはどこにいる?」

 

「そ、それは……」

 

さすがのコゼットも真顔になっていいよろんだその時_____

 

「わ、私なら……ここにいますっ!」

 

歓迎団の人混みの中から制服姿のシルヴィアが前に出てきた。

間違いなく本人だ。彼女は膝をガクガクと震わせている。

 

「お……お前は下がっていろ、コゼット」

 

シルヴィアはコゼットに下がるように命令をだした。

 

「かしこまりました、姫様」

 

命を受けたコゼットはすぐさま、厳粛な面持ちで引き下がった。

 

対峙する『鉄血の戦乙女』と『蒼氷の姫君』

 

「どうした、我が妹よ。膝が笑っているぞ?」

 

「そ、そんなことは……ありません。このシルヴィア・ロートレアモン、姉上を心より……か、歓迎、いたしております」

 

「ちっ。どうやら成長したのは胸と尻ばかりのようだな」

 

男が言ったら100%セクハラにあたるような発言をする第一王女。

 

重い鉄靴の響きとともに、ヴェロニカが一歩を踏み出した。

 

「あらためて言わせてもらう。シルヴィアよ、貴様には失望したぞ!」

 

ヴェロニカがシルヴィアの頬を叩こうとした時、まったく同じタイミングで乾いた音が鳴り響き、ヴェロニカが率いる騎士団の一員であるグレン・マクガイアが頬を抑えながら地面に倒れた。

グレンの前には仁王立ちしている金髪の天使(エンジェル)がいる。

腕を組んで頬を膨らませて怒りに顔を歪ませていた。

 

「辞めちぇていっちゃよね、お兄ちゃん?」

 

声を振るえさせながら兄であるグレンに詰め寄る。

 

「し、仕方ないじゃないかー。忙しくて普段会えないのだ。妹成分(ミシェニウム)が不足しているんだ!

まだ抱き足りない!」

 

グレンがそう言ってミシェルに近づいた。

 

「黙って俺に抱かれろー!」

 

シスコン(変態)かっ⁉︎」

 

スパンとグレンの頭を落ちてたハリセンでぶっ叩いた。

ハリセンをみると取手に小さく『ミシェル』とカタカナで書かれていた。

どうやら彼女の私物らしい。

 

俺に頭を叩かれたことにより正気を取り戻したらしいグレンはヴェロニカに呼ばれてアッシュを拘束しはじめた。

アッシュの奴も大変だなーなんて他人事のように傍観していたら何故かヴェロニカ王女が俺の名前を読んだ。

返事をして行くと何故か簀巻きにされ、魔導艦シルヴァヌスの中に連れていかれた。

どうなってんだ?

アッシュならまだ理解できる……けど俺はただの一竜騎士なんですけど……。

 

 

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