一応、王女やアッシュもチラホラ出す予定です。
シルヴィアの『騎士王宣言』とか、アッシュが『天空の竜騎士』みたいな活躍をするシーンとかは書く予定です。
あくまで予定ですが……。
「はぁはぁはぁ」
街中を全力で駆け抜ける。
街の路地裏や通りでは騎士団とテロリストの激しい攻防が繰り広げられている。
テロリストの中には、『山の民』の傭兵戦士がいて俺は今こいつに追いかけ回されていた。
「ちっ……なかなか手強いやつらだね」
普段より瞳を鋭くして、口調も若干キザっぽくなっている俺は追いかけてきた傭兵に向けて手に持っている銃で彼を撃つ。
「ふんっ!餓鬼が、俺に銃撃戦を挑むとは命知らずな奴め。
山の民一の銃使いと呼ばれた俺の銃技で、死にな!」
俺が撃った弾を躱しながら傭兵は手に持つ帝国製のサブマシンガンを乱射してきた。
放たれた7つの弾丸。
秒間7発で乱射できるサブマシンガンから放たれたその銃弾は真っ直ぐ、俺に向かって飛んできた。
俺はその弾丸を……。
そもそも何故俺が傭兵に襲われているのか……それは数日前に遡る。
ヴェロニカがアンサリヴァン市に来訪した日。
レベッカやシルヴィアなど名高い面々がいる生徒会メンバーの中で何故か俺だけは一人魔導艦に連れて行かれた。
魔導艦シルヴァヌスの中、豪華絢爛なロイヤルルームに入るとそこに置かれているソファに腰掛けて待つようにと俺をここまで連れてきたヴェロニカ付きの従者と護衛の騎士に言われた。
待つこと数十分。
何もすることがないので部屋の隅に置かれていたボードゲーム『オセロ』を一人プレイしていると、暇を持て余したのか騎士が話かけてきた。
「そのゲーム、どうやるんです?」
遊び方を知らないみたいなので一から説明をし、試しに対局してみたところなかなか飲み込みがいい人だったのですぐに打てるようになった。
異世界初のオセロ仲間ができそうだ。
せっかくだから打とうと彼を誘い、二人で打ち始めた。
前半は初心者な彼の相手を務めているだけあって気を使い打っていたがやがて慣れてきた彼といい勝負をするようになった。
初心者にいい勝負されているとか泣けてきたが、ヒステリアモードを発動させていない俺ではゲームはそこまで強くないのでこんなもんかと自分に納得させた。
「……と隊長に言ったんですが隊長はあの通りなんと言うか、その……特殊な嗜好をしていますから見当違いな返答が返ってくるんですよ」
後半はすっかり打ち解けたものの、何やら仕事上の愚痴まで聞かされるようになってきた。
「大体隊長は普段とギャップがありすぎるんですよ!
普段ミシェルがいない騎士団の前や王家の前ではキリッとしているのにミシェルがいると王家の前でも暴走しでかすんですから……」
「わかるわかる。
あんなに変わるのはシルヴィア殿下の写真を隠し持つヴェロニカ王女くら……「なんの話だ?」……ッ⁉︎」
世間話に花を咲かせていると俺の背後から悪魔のような恐怖を感じさせる声がかけられた。
あまりの恐怖に向かいに座る騎士に助けを求めようとしたが騎士もその顔を恐怖に歪ませていた。
「こ、これはこれはヴェロニカ様。
お、お久しぶりです……」
あまり関わりたくなかったがソファから立ち上がって背後に立つヴェロニカ第1王女殿下と向かいあって挨拶をした。
多分俺の顔も恐怖に歪んでいただろう。
「ふん。本当に久しぶりだな。
ずっと貴様とは会いたかったぞ?
ノア・リーシュブルよ」
「俺はあまり会いたくなか「貴様!王女に向かってなんということを」……たく、喧しいな。俺は王女様に話てるんだよ。
王女専属騎士だからってつかかってくんな!」
俺がまだ話しているのにつかかってきた若い騎士の1人にそう返すとその騎士は俺を睨みつけてさらに絡んできた。
「貴様!」
ああ、もう面倒だな。
俺はヴェロニカと話してんだよ。
そう思っているのがばれたのか、俺と騎士とのやりとりを静観していたヴェロニカが口を開けて声を張り上げた。
「よい!」
「しかし……」
「なんだ貴様、この私に文句でもあるのか?」
「いえ、ありません……」
ヴェロニカの有無を言わせない迫力により引き下がる騎士。
『暴君』と言われることだけあって彼女には人を従える絶対的なカリスマ性がある。
「この者には畏る態度や敬語を使わなくてよいと私から頼んでおる。
昔からよく知っている仲だからな。
最後ノアと会ったのはいつ頃だったか……」
「確か、学院に入学する直前かな……」
「ふむ、もうそんなに経つのか。
時間とは速いものだな。
ところで『アレ』は誰にも言ってないよな?」
「モ、モチロンサー」
「何故棒読みなんだ?
まぁ、いい……後で尋問はするとして……」
ヴェロニカの言う『アレ』とは先程俺が口走りそうになっていた彼女の、最大の秘密を指している。
この事を知っているのはごく少数の限られた者だけだ。
俺も知っているからたまにからかうネタとして使おうとしてはヴェロニカに知られ、ボコられてきた。
シルヴィアとはあまり面識はなかったが、それは原作に巻き込まれたくなかった為で、他の王女とはわりと連絡をとっていた。
といっても、カサンドラは最後まで心を開いてはくれなかったが……。
「さて、本題に入ろう……グレン。
このアホにさっき決めた作戦を教えろ!」
「御意!」
グレンはヴェロニカの前で片膝をついていたがゆっくり起き上がって姿勢を正すと、部下の一人から書状を受け取り俺に見えるように開いて口を開いた。
「ヴェロニカ様と我々で話し合った結果、ノア殿にはアンサリヴァン市内の『清掃』を一緒にしてもらうことになった。
清掃対象のテロリストの中には未確認だけど『帝国兵』や『山の民』も含まれるから用心した方がいい。
それと作戦を行うにあたって、シルヴィア様や君には『餌』になっていただくからそのつもりで……「断」断ったら今この場で断罪するよ?
なぜなら機密情報を話したから……。
王女から直々に下された『勅命』だから光栄に思いなさい。
あ、そうそう。ミシェルも参加するから妹を泣かせたり、傷つけたり、傷つけられたのを放置したら君をコロスよ?」
「理不尽だろ⁉︎特に最後‼︎」