聖天竜騎士は転生者!?   作:トナカイさん

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まるまる一話、模擬戦です。

活動報告にて星刻の竜騎士、聖天竜騎士は転生者⁉︎の内容に関するアンケート始めました。
宜しけれはどうかご参加してください。


第三十四話不可視の銃弾

目の前で立ち止まる一人の竜騎士(ドラグナー)

彼との距離はおよそ20m。

彼は私との距離を詰めずにその場で手に持つ巨大な大剣を構え、全身から溢れている殺気を私に向け放っている。

お互いに相手の出方をみている状態。

グレンは私が攻撃する気が、戦う気がない様子に戸惑っている。

グレンからすれば何故武器を手に取らないのか、銃を抜かないのか理解できないのでしょうね。

私は今、銃を抜いていない。

何の構えも取っていない。

戦う事を放棄している。

そう見えているのね。

 

 

 

 

 

でも……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは間違いよ。

 

 

_____パァン!

 

発泡音が鳴り響と同時に、ビュンッ!という不快な音がした。

グレンの顔色が変わった。

その表情は驚きと焦りの顔をしているわ。

今放った攻撃はグレンの耳のすぐ側を銃弾が飛んだ音よ。

グレンの目は私の手元で弾けた閃光しか捉えていないでしょうね。

私が今した事は簡単よ。

コルトSAA(ピースメーカー)で放った_____ただの銃撃。

だけど銃が全く見えないと思うけどね。

私の得意技の一つ、〈不可視の銃弾(インヴィジビレ)〉よ。

この技は、その名の通り銃が見えない銃撃なのよ。

いつ銃を抜いたのか、いつ狙われたのか、いつ撃たれたのかさえ分からない_____反撃はおろか、人間には反応すら一切できない攻撃なのよ。

 

_____パァン!

 

2射目はグレンの左肩に被弾したわ。

 

「ぐっ……」

 

呻き声をあげるものの直ぐに態勢を立て直すグレン。

聖騎甲に身を包んでいるおかげか肉体にはさほどダメージは通ってはいないようね。

 

「硬いわね……」

 

私が狙って放った銃弾はグレンの肩に被弾したわ。けど聖騎甲(アーク)に護られた肩部にはどんなに高速の弾丸を放っても意味はないわね。

当然といえば当然よね。

聖騎甲は竜族と人を繋ぐ絆の証。

その甲冑には高い防御性と膨大な魔力が込められている。

普通に攻撃しただけでは通らない。

 

「……面白いわね」

 

強い相手と戦える!

それだけで私は満足よ。

 

肩に放っても意味はない、だけど聖騎甲には素肌が見える箇所が存在する。

そこは強硬な騎士甲冑でも護れない唯一の場所。

顔と腕、臀部、そして関節よ。

 

私は無形の構えから『不可視の銃弾』を連続して放つ。

 

パパパパパパッ!

 

私の手元で弾けた6つの閃光。

その光がほとんど同時に閃いた瞬間、グレンは身を捻り、その場を飛び跳ねて躱したけど_____ざしゅ。

勢い余って仰向けで倒れたその膝に……一筋の血を流しているわ。

 

「……凄い」

 

アッシュの呟きが聞こえたけどまだ終わりじゃないわ。

この程度の事は竜騎士なら誰だってできることよ。

 

「あら、それで避けたつもりなの。

当たったのはまだ一つだけよ?」

 

たった一撃与えただけでは終わらない。

残り5発の銃弾を忘れては困るわ。

 

_____ギギギギギィィィィィ_____ン!

 

躱された筈の残り5発の銃弾はお互いにぶつかり合い、訓練所の壁と地面の小石に当たって跳ね返り倒れているグレンの腕、大腿部にそれぞれ被弾した。

 

二重跳弾銃撃(エル・エルストライク)

 

跳弾によって跳ね返った弾丸が〈不可視の銃弾(インヴィジビレ)〉により負傷したグレンに襲いかかった。

聖天竜騎士とはいえ、その身は人間よ。

音速の銃弾を、見えない銃撃で放たれれば躱せる人はいない。

人間には躱せない。

私でもこれと同じことをされたら絶対に躱せないわ。

 

「まだ終わらせないわよ」

 

ぱらっ。

 

そう呟いた私は、空中に片手で6発の銃弾をばらまいて_____ジャキンッ!

振りかぶった銃を右から左へ、空中で銃弾にぶつけるように払らう。

ちゃきッ、と元に戻したピースメーカーの回転弾倉(リボルバー)には_____銃弾が6発とも、きちんと収まっているわ。

 

空中リロード。

私には簡単にできる手品みたいなもの。

 

私が弾の装填をしていると。

 

「うっ……」

 

痛みに耐えながら……

脚と腕の関節部を撃たれたのにも関わらずグレンは_____

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

雄叫びをあげて立ち上がった。

 

_____パパパパパパッ!

 

6連射による〈不可視の銃弾(インヴィジビレ)〉がグレンに被弾しましたが彼は今度は倒れません。

どうやら飛んできた6発の銃弾を手に持つ固有魔装、カラドボルグで斬り裂いたようね。

 

 

「さすがは〈鉄血の戦乙女〉(アイアンブラッド・ヴァルキリー)の親衛隊長ね……安心できるわ。貴方がいればヴェロニカ王女は大丈夫ね」

 

立ち上がれなくてもおかしくない状態で、それでも立ち上がるグレンの勇姿に私は感激しました。聖騎甲(アーク)を身に纏っていようがそれを使うのは人間です。

中の人間が強ければ強いほど聖騎甲も、相棒の竜族も強くなります。

 

そういった意味ではグレンは強いですね。

 

「そろそろ終わりにしましょう」

 

_____ぱらっ。

 

私はグレンとの楽しいひと時(模擬戦)を終わりにする為に再度、空中リロードで弾の補給をしました。

 

_____ジャキンッ!

 

弾の装填が終わった瞬間、私は_____

 

「………んっ……」

 

ふわぁ。

 

大きな欠伸をしてしまいました。

まだ寝るのには早い時間ですが眠くなってきました。

さっさと終わらせましょう。

 

「次で終わりです。

最後にミシェルに伝える事はありますか?」

 

私の言葉に怪訝そうな顔をしたグレンですが少し考えるような仕草をした後、声を発しました。

 

「帰ったら結婚し「では死んで下さい」……まだ途中なんだが?」

 

無形の構えから放つ6つの光。

マズルフラッシュと銃声が鳴り響く中、変態(グレン)の断末魔が訓練所内に響きわたりました。

グレンは最期まで抵抗して、カラドボルグで銃弾を斬ろうとしたが私の技の一つ、跳弾銃撃(エル・ストライク)連鎖撃ち(キャノン・ショット)により抵抗虚しく撃沈した。

 

泡を吹いているグレンの喉元にヴェロニカ王女から預かった竜の牙(トゥース)を押し当てるのとほとんど同時に試合終了の合図が鳴り響きました。

 

 

「私の勝ちよ!」

 

 

 

 

 




第三十三話、改稿しました。
後半部分が変わってます。
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