聖天竜騎士は転生者!?   作:トナカイさん

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最後の更新から一年以上経ちましたが、お久しぶりです。
心機一転。再スタートします。
といいながらまた一年とか経ちそうですが。
ま、気長にお待ちください。

初めて読む方は最初の頃と書き方微妙に違ってると思いますが、何卒よろしくお願いします。
かなり初期の頃書いた作品ですので。


第四十四話 見えない絆

「殺す、だと? 竜族もいないただの竜騎士風情がこの俺を殺せると本気で思っているのか?」

 

セルゲイが挑発するように、話してくる。

怒りに震えた俺は奴に向けて、手に持つ銃を発砲するが。

俺が放つ銃弾は全て避けられてしまう。

 

「ふ、弾道が見え見えだ。そんなんではこの俺を殺すことなぞ、出来んぞ小僧」

 

そう言ってセルゲイが銃口を向ける。

セルゲイが放つ銃弾が俺に迫るのをヒステリアモードの俺は、スローモーションの世界で見える。

身を捻って躱そうと考えたが、連射された全ての銃弾を躱しきることはできないことに気づく。

……それなら!

 

「なっ! ……馬鹿な、貴様、何をした⁉︎」

 

セルゲイが驚愕の顔を浮かべた。

何って、ただ。

銃弾で銃弾を弾いた(・・・)だけだが?

 

____銃弾撃ち(ビリヤード)

 

この技はその名の通り、ビリヤードのように飛来してくる銃弾に銃弾をぶつけて逸らす銃技だ。

普段の俺ではできないが、今の俺なら。

普段のヒステリアモード以上の力を発揮できるこの(・・)俺ならば余裕で出来てしまう。

 

____ギィィィン、と弾かれた銃弾はセルゲイが放った別の銃弾に当たっていく。

 

それが連鎖的に続き、セルゲイが放った全ての銃弾が俺に命中することなく、見当違いの方向へと飛んでいく。

このヒステリアモードなら、こんなことも余裕で出来るんだな。

ただのビリヤードでは、複数の銃弾を防ぐことなどできない。

だから俺は、銃弾を銃弾でぶつけ、それを何度も連鎖的に繰り返すことで被弾するのを防いだ。

セルゲイが放った8発の銃弾は、俺が放ったたった一発の銃弾により防がれたのだ。あっけなく。

 

____連鎖撃ち(キャノン)

 

一発の銃弾で複数の銃弾を弾く、銃技。

それを使った。

今度はこっちの番だな!

セルゲイに向けてコルトSAA(ピースメイカー)を連続して撃つ。

しかし、()使いを自称するだけあって、セルゲイは俺が放つ銃弾を華麗なステップで躱してしまう。

 

「死ね死ね死ね死ね」

 

「なかなかやるな、小僧」

 

「殺す殺す殺す殺す殺す、必ず殺してやる」

 

セルゲイの相手など、本来はしてられないがこの時の俺は目の前のセルゲイに対する怒りで奴を攻撃することしか考えられなくなっている。

攻撃して、いかに相手を殺すことしか考えられなくなっていた。

 

「反射神経は比較的向上しているようだが……攻撃が単調過ぎるぞ小僧!」

 

ガガガ、連続して放たれた銃弾を俺はその身に浴びてしまう。

 

「ぐはっ……」

 

全身を激しい痛みが駆け巡る。

メチャクチャ痛え。こんなに銃弾浴びたら……俺死ぬのかな?

……。

……。

……あれ?

自身の身体に起きた異変に気づく。

痛い。痛みがある? 俺、まだ生きてるのか?

何で俺生きてるんだ? 何十発も銃弾浴びたはずなのに。

何で死んでないんだ?

ヒステリア・ベルセだから、か?

いやいや、いくらヒステリアモードでも生身の身体に銃弾が何十発も直撃すれば死ぬはずだ。

ヒステリアアゴニザンテを発症したのか?

血流の流れが強くなっている。

死に際のヒステリアモード(アゴニザンテ)になっているが、それだけじゃない気がする。

なんていうか、全身が暖かい。

まるで、布団の中にいるみたいに、何かに包まれている感触を感じるんだ。

これは……一体?

 

『どうやら成功したみたいね』

 

突然、俺の頭の中に声が響き渡る。

これはテレパシー?

声の主に聞き覚えがある。

その声は……セリーヌか?

 

『ええ、あの子の意識が消失したから私が表に出てきたのよ。私の役目はあの子を教え導き、そして見守ることだから。ああ、安心しなさい。竜族は生命力強いからこのくらいの怪我じゃ、死んだりしないわよ。ただ、このまま時が過ぎればマズイわ。……だから私もサポートするわ』

 

そっか。よかった。生きてるのか。……今、どこにいるんだ?

 

『教会の方へと向かっているみたいね。

あと、数分もすれば教会に辿り着いてしまうわ!』

 

教会かぁ。『弓使い』の他に仲間らしき人物はいるか?

 

『いいえ。一人よ。どうやら、教会に仲間がいるみたいね』

 

教会……そこにいるのは、シルヴィアやジェシカ、人質達を除けば、アヴドーチャ率いるテロリスト達だけのはずだけど? ……少なくとも原作では。

原作通りに進まなくなってるってことか。

なあ、セリーヌ。『弓使い』を雇った雇い主が教会にいると思うか?

 

『さあ、現時点ではわからないわね。ただ……』

 

ただ?

 

『いえ……憶測で決めつけるのはよくないわ。

それより、身体の調子はどう?』

 

あっ! そうだ。なんか変なんだ。

身体が熱いだ。ううん。熱いは熱いんだけど、全身を包むように心地よい暑さなんだ。

何十発も銃弾浴びたはずなのに、何で俺生きてるんだろうな。

 

『ああ、それはイヴが気を失う前に咄嗟に『聖騎甲(アーク)』を献呈したからよ』

 

えっ?

……いやいや! それはありえないって。『聖騎甲(アーク)』献呈? 俺は今、『聖騎甲(アーク)』を纏ってる?

何も見えないんだけど?

確かに強大な魔力は感じるけど。

 

『といっても、無意識のうちに……だけどね。『聖騎甲(アーク)』を捧げるということは本来、竜族が竜騎士(ドラグナー)に対して『身も心も捧げる』ということ。まだ貴方達の絆ではそこまでには残念ながら至っていないわ。だから、姿形なんてない。『見えない聖騎甲(アーク)』なのよ』

 

無意識で『聖騎甲(アーク)』を献呈できるものなのか?

疑問に思う俺にセリーヌは笑いなから告げる。

 

『あれ? 言わなかったかしら? あの子は特別(・・)な存在なのよ』

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