ーーーサイドーーーアッシュ・ブレイク
俺はノアと共に森の奥で二人の謎の人物達と遭遇していた。
その中の一人、男の手には「単機関銃」が握られている。
(下手に動けば蜂の巣だな……。)
俺は動かないで様子をみていた。
銀色の仮面を装着した男は俺に向かって言った。
「賢明な判断だな、少年。」
「お前……帝国軍人なのか?」
と問いかけると……
「そう思うか?」
と逆に質問を返してきた。
俺は判断に苦しむ。
男が構えているのは明らかに帝国製の銃器。
だが、帝国人にしては訛りがないのが気になった。
いや、それどころか、男が話すシェプロン語は極めて洗練されている。
いわゆる「キングス・シェブリッシュ」と呼ばれる、完璧なシェプロン語なのである。
俺は今、自分が極めて微妙な状況に陥っているのかを自覚していた。
もし、目の前の男が帝国人であれば、一体なんのためにアンサリヴァン市の周囲でこそこそしているのか?
もしや、帝国軍人の情報部員なのか?
今は、帝国と王国は冷戦状態にあるが、帝国軍人が物騒な銃器を構え、騎士国の領内を嗅ぎまわっているという事態は、決して許されないことだ。
だが、自分では目の前の男をどうにかすることはできない。
「ところで少年。歳はいくつだ?」
とそんな中、男が聞いてきた。
「十六だけど……それがどうした?」
「妙だな。その歳でまだ幼竜を宿しているとはな……」
「なっ……わかるのか?」
「私にはわかるのだよ……この身に浴びた呪いゆえにな。」
「呪い……だと?」
俺は呪いの意味を聞き出そうとした時、少女の怒鳴り声が聞こえた。
「ミルガウス様から離れろ!!」
褐色肌の少女は鞭を手に襲いかかってきた。
俺は回避して距離をとるが少女は執拗に襲いかかってきた。
「糞……訳がわからねぇよ。
っていうかノア見てないで助けてくれ……」
友人を見るが手を降って頑張れ~~などと言ってきた。
あの野郎……あとで覚えてろよ。
「そこまでよ……」
俺は断崖絶壁の端まで追い詰められていた。
「あたし達に出会ったのが運のつきね……」
そう言い近寄ってくる少女。
俺は回避して後方に退いていた。
「ちょこまかと鬱陶しい……」
「今だ!うぉぉぉ……」
俺は少女の襟首を持つと反動を利用して投げた。
「かはっ……」
背中を打ち付けて苦悶の表情をする少女。
俺は少女に近寄って顔の仮面を剥ぎ取ろうとした……。
――――――ぴしっ!
その時だった。
何かが裂けるような音がして俺達を乗せている地盤が崩壊を始めている。
――ドン。
俺は少女を安全な地面に突き飛ばすとそのまま、落下していった。
そして、左腕が熱を浴びて光出すと裸の少女が出てきた。
「う………………ん………………」
「ほわぁ………………………………」
「ふぎゃあああああああ………………………………」
「ちょっと寝ているレディの顔を覗きこむなんて無粋にもほどがあるわ!
あたしを誰だと思っているの?」
「服なんてものはね……人類が己の醜い本性を隠すために作ったくだらないアイテムなのよ」
「あんたがあたしを飼うんじゃないわ……あたしがあんたの飼い主なのよ!!」
「踏み潰すわよ!!」
――――――これが俺、アヴァロンの騎士……アッシュ・ブレイクとアヴァロン聖竜皇の末裔エーコとの衝撃的な出会いだった。
そして、もう一組同じ時刻に誕生していた。
――――サイド――――ノア。
『噛み砕くわよ!!』
そう言った少女は俺の元に近寄ると襟首を掴んで首を締め上げてきた。
「名前……わたしの名前を教えなさい。」
苦しい……首が絞まる。
タップを数回するとようやく手を離した。
「ケホケホ……あ~死ぬかと思った。
お前力強すぎ……嘘です、指をならして近寄らないで……
お前の名前はトメ……嘘です、ゴメンナサイ。
イヴ……君の名前はイヴだ!!」
そう答えると少女……イヴは笑った。
満面の笑みで……ね。
はい、ついにヒロイン登場。
私の作品では珍しいツンデレ系ヒロインなので……書くのが難しい。
ヤンデレも得意ではないですが……。