Fate/CrazyRed   作:仲人

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誤字報告ありがとうございます、確認不足で申し訳ございません。

何やらとてつもない勢いでお気に入り登録が増えていって正直驚愕しています、デッドプール人気すごいですね


聖女様

「クソッタレ、とんでもねぇ奴出してきやがったなガイアの野郎!…アラヤだっけか?」

 

バーサーカーの吐き捨てるような叫びは夜空へと消えていった。その声を隣で聞いていたアーチャーは小首を傾げつつバーサーカーへと問い掛ける。

 

「なんじゃ、そんなに手間取る奴らなのか?」

 

「手間取るってもんじゃねーよ、お前に分かるように説明するなら言う事聞かねぇ森長可が二人居るって言えば満足か?説得して聞くような連中じゃねぇぞ」

 

「…是非も無いよネ!」

 

白目で答えるアーチャー、心なしか頭身も縮み服まで脱げているようである。バーサーカーは背に担いだ二つの刀を諸手で引き抜くと刃を打ち合わせて音を響かせる。

 

「さぁて、お前はどっちが良い?モツ抜き大好き鬼娘か未来のお友達か」

 

「ふむ、ならばワシはお友達とやらを選ぼうかの!臓物を抜かれるのは気が乗らんからな」

 

バーサーカーとアーチャーは互いの標的を定めれば不敵な笑みを浮かべて腰を深く落としてゆく、その姿を見やれば山門の上に立つ影もするりと降りて待ち構える。

 

「聞いとったんとちゃう気がするけどまぁええわ、うちは鬼やし長ったらしい言葉より力づくの方が好みそやしね」

 

「鬼って皆そうなんですか?ちょっと理解に苦しみますね、真正面からのぶつかり合いなんて草臥れるだけだと思うんですが」

 

着物をはだけさせた少女は恍惚とした表情で全身タイツの男を待ち構える。額から伸びた二対の角はまさしく鬼のソレ、手にした得物を振りかぶればバーサーカーの頭蓋を叩き割らんと振り下ろす。

自身の頭蓋目掛けて接近する大剣を、眼前で交差させた刀で受け止めるとバーサーカーは小さく溜息を吐いた。

 

「藪も突いてないのに鬼が出るってこの山はどうなってんだ、少しでも歩けばジャガーノートが転がってんじゃねーのか?」

 

「ふふ、面白い人なんやねぇ。鬼を相手にしてこないにべらべらと喋るんは早々居らんかったさかいに」

 

バーサーカーは力づくで大剣をはじき返すと石段を蹴り後方へと飛び退く、クラス補正があるにも関わらずアサシンの大剣を弾くのに手間取るとは。内心では若干の焦りを感じつつ次の一手を拱いていた。

 

「さて、お主の相手はワシな訳じゃが…その剣、セイバーじゃろ?」

 

「いいえ、私はセイバーではありません。この世のあらゆるセイバー(無駄に増えたアルトリア顔)を誅殺すべく舞い降りた暗殺者なのです!」

 

踊り場へと突き刺さった剣を引き抜き天へと掲げるもう一人のアサシン、頭上からは不思議と光が降り注ぎその姿を照らしていた。

その姿を眺めつつアーチャーは独り考えていた、バーサーカーと同じ臭いがすると。

 

 

 

 

息つく暇もない程の剣戟を繰り広げるアサシンとバーサーカー、傍から見ればバーサーカーが圧されているのは明確であった。だがしかし、当の本人は微塵もそのような気配は感じさせることなく大剣を捌いていく。

 

「ヒュー、流石は酒呑童子様だ。気ぃ抜いたら俺ちゃんバッサリやられちゃいそ―!」

 

「相変わらず余裕のようやねぇ、ほんならもう少し本気出して相手しよか?」

 

「はっ、勘弁してくれよ。俺ちゃんこの後聖女様の説得イベントが待ってんだぜ?ここでAP使い切ったら黄金のリンゴ齧らなきゃだろ!」

 

幾度目かの振り降ろしを弾き返すとアサシンの腹部目掛けて蹴りを放つが、大した手応えは無くアサシンは身軽な動作で距離を取る。

互いに碌なダメージを与えられず無駄に時間ばかりが過ぎていた。僅かばかりの睨み合いの後バーサーカーは不意に両手に持つ刀を背中の鞘へとしまい込む。

 

「おや、降参でもしはるん?ほんならうちの勝ちって事やねぇ、骨の髄まで確りと味わわせてもらいまひょか」

 

バーサーカーの行動に小首を傾げつつにんまりと笑みを浮かべるアサシン、それに対しバーサーカーは鼻を鳴らして眉を顰めた。

 

「おいおい、何勘違いしてるんだ?俺ちゃんは降参した覚えはねぇぞ、このままやり合ってても埒が明かねぇから秘密兵器を使う事にしただけさ」

 

そう言うなり器用に口笛を吹くバーサーカー、しかしその口笛に対して何かが起こる気配は微塵も感じられない。

 

「ふふ、大仰な事言うた割には何にも起きひんやないの…?」

 

アサシンは歩みを止めずバーサーカーへと更に近付いてゆく。そして自身の手が相手の心臓を貫ける程の距離へと到達した瞬間、バーサーカーへと迫る紅き閃光を目にした。

瞬時にあの閃光は危険だと察知したアサシンは横へと飛び退く、その直後バーサーカーの身体を穿つ閃光。それは深紅の槍(ゲイボルグ)であった。

 

貫かれたバーサーカーはそのまま槍と共に吹き飛び、山門の扉を撃ち抜いて衝撃音を響かせていった。

 

「ふむ、加減はしたつもりであったが…些かやりすぎたか?」

 

吹き飛んだバーサーカーを見やるアサシンであったが、突如として現れた声の主の方へと振り返る。そこには二振りの槍を携えた女性が一人佇んでいた。

 

「なんや伏兵さんがおったんかいな、いけずやわぁ」

 

「ふん、彼奴の言う通り少しは骨のある相手の様だな。行くぞ!」

 

鬼と神殺しの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

石畳で整えられた参道の上に転がるバーサーカーだったモノ、捩じり折れた四肢は所々骨が剥き出しになり頭は百八十度回っている。

 

「ぅう…予想以上に効いたぜ、質の悪いマリ○ァナでもキメた気分だ。ハイライトの消えたぐだ子が俺ちゃんを呼んでやがる」

 

次第に人間の形へと復元を始めたバーサーカーはぶつぶつとぼやきながら胸部を貫いていた槍を引き抜いた。それを放ると共に首を捻り戻せば、漸く辿り着いた柳洞寺の境内をゆっくりと見回す。

 

「さて、葛木先生の言う通りならあの聖女様が居る筈なんだがな。こんだけ爆音ぶちかましといて気付かれてない訳ねぇよな」

 

肉体の違和感を確かめるかのように肩を回しつつ歩き出せば、先程収めた刀を抜き取り構える。

参道を中程まで進んだ所で歩みを止めるバーサーカー、数瞬の後飛来した何かを弾くとそれは黒い霧のような物も纏った槍だった。

 

「おーほー、葛木先生め…俺ちゃんのこと上手く騙しやがったな。何が聖女様だっつーの」

 

憎々し気に呟いたバーサーカーは気配のする方へと向き直る。そこには黒のタイトドレスの上に黒のファーコートを羽織った黒き竜の魔女が居た。

 

「こんな時間に参拝とは、礼儀知らずも甚だしいわね?私は神なんて下らない物信じてはいないけれども、もし仮に居たとするならば迷惑千万でしょうね」

 

「おいおい、ちゃっかり新宿衣装着てんじゃねーの。プロット版から挿げ替えるのは勘弁だぜ!」

 

地を蹴り駆け出すバーサーカー、迎え撃つは黒き聖女(ジャンヌ・ダルク・オルタ)

決戦の火蓋は落とされた。




ノリと勢いで書き上げたので、誤字等ありましたらご報告下さい。
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