「前書き雑過ぎじゃね?幾らネタが無いからってよ…あ、俺ちゃんのDVD&ブルーレイも宜しくな!」
バーサーカーの虚空へと放たれた言葉に対して、ランサーは首を傾げる。
「あぁ悪い、こっちの話だ。んで…実際何しに来たのよ?」
「お主と先程まで話していた小僧が居ただろう、どうにも私の師としての勘が騒いでな」
「するってーと、アイツを鍛えてみたいって事かい?」
問われた事に対してランサーは肯定の意味を示す様に頷く。それを見たバーサーカーは肩を竦めつつ溜め息を吐き出した。
「士郎も厄介な奴に目ぇつけられちまってまぁ…俺ちゃん知ーらね!って出来りゃあ楽なんだが、どうにもアンタを見てると古い知り合いを思い出してね。はいそうですかと通す気にはなんねぇんだわ」
「ほう、ならば私を止めてみせるか?」
「冗談キッツいぜ、誰が好き好んでアンタなんかとガチで殺り合うってんだよ。まだハルク殺す方が数千倍マシだぜ!」
「そのハルクとやらの実力は知らんが、私の力は知っているようだな?」
「そりゃそうさ、ケルト神話に名を残す英雄達を鍛えあげた不死身の紫バ…お姉さんだろ」
バーサーカーの言葉に一瞬眉尻が跳ねるも、訂正した途端にうむうむと抑揚に頷くランサー。内心肝が冷えたと思いながらも更に言葉を紡ぐ。
「でだ、提案なんだが今から30分以内に俺ちゃんを殺せたら士郎の奴を煮るなり焼くなりしょっぴくなり好きにしていい、ってのはどうだい?」
「神をも殺す私がお主如き殺せないと言うのか?馬鹿げた話だが…面白い、乗ってやろうではないか!」
その言葉を皮切りにランサーは跳躍し左手の槍を投擲。
狙うはバーサーカーの胸部、並の英霊であれば回避すらままならぬ速度で放たれた槍──だが、それは虚しく空を斬り屋根に突き刺さる。
「わお、流石は槍の名手だ。テレポートが無ければ死んでいたかも知れない!でも当たらないんじゃ意味が無いぜ。あぁ、もしかしてポールダンスでも見せてくれんのかい?」
気が付けばバーサーカーはランサーの背後に居た。
反撃を想定してすぐ様振り返るも、バーサーカーは刀を肩に置いたまま微動だにしない。
「お主、私ですら追えぬ速度で…?いや、その様な実力があるようには見えんが」
「はん、見た目で判断してるといつか痛い目見るぜ。声がみゆきちだから女かと思ったら男キャラだったとか、ショタっぽいのに声がオッサンだったとかな!」
「訳の分からん事をぶつくさと…少しは戦士らしく真面目に戦えんのか?」
「俺ちゃん戦士じゃねぇもん。つか気になったんだけどさ、ケルト神話の連中って何で皆ボディライン強調したがんの?」
「やかましい!来ないのならばこちらから行くぞ!」
軽口ばかり叩くバーサーカーに業を煮やしたランサーは後ろ目掛けて蹴りを放つ。それを身を捩り躱したバーサーカーのお喋りは留まることを知らない。
「いやほら、アンタとクーフーリンはまだ分かんだよ。師弟だからな?でもあの大門先生に至っては半裸じゃん?だからケルト神話の奴らって露出癖か何かあんのかなってさ」
頭部への蹴り、振り返り様の突き、胴体への薙ぎ払い。
それらをバーサーカーは刀でいなしつつ既の所で躱してゆく。
かつそれでいて相手の無駄口が止まることはなく、ランサーとしては非常に集中力を掻き乱されるやりづらい戦いだった。
「師匠、そろそろ時間になっちまうけどどうする?」
バーサーカーは腕時計を見ながら首を傾げる。確かに既に時間ギリギリである、ならばとランサーは手にした槍先を相手へと向ける。
「私としては使いたく無かったのだが、こうも小馬鹿にされては仕方あるまい…」
そう言い放たれた直後、ランサーの槍から魔力が迸る。それに対してバーサーカーは僅かばかり身構えた。
「さらばだ、狂戦士よ」
ランサーがそう告げた次の瞬間、バーサーカーの頭上を囲む様に現れた無数の槍。それらが一気に降り注ぎ、屋根にバーサーカーの身体を縫い付けていく。
その様を見届けたランサーは踵を返し屋根を降りようとした───が。
「おい、ふざけんな!宝具かと思ったのに単なるバスターじゃねぇか!」
確実に体を貫いていたにも関わらず、背後から飛んできた怒声に思わず振り返る。
見れば確かにバーサーカーは無数の槍に体を串刺しにされているのだが、依然としてぎゃあぎゃあと喚き散らしているではないか。
「まさかお主…不死身なのか?」
「見りゃ分かんだろ?つまりアンタは俺ちゃんの挑発に乗った時点で負けてたんだよ」
些か反則に近い気もするが、口約束とは言え交わしてしまった物を反故にするのは戦士としての矜持が許さないと諦めたランサーは潔く負けを認めた。
「つまりだ、聖杯は使い物にならないと言うのか?」
「そゆこと、アンタにわかり易く言い替えるなら水瓶の中にありとあらゆる糞が詰め込まれてる様なもんだ」
バーサーカーの言葉にランサーは顔を歪める。あの後バーサーカーから共同戦線について持ち掛けられ、更に冬木の聖杯の現状についても説明を受けていた。
ランサーからすれば聖杯等元より興味が無い為気にはしていなかったのだが、その様な状態であるならばマスターには伝えておいて損は無いと踏んだためより詳しく聞き出していたのだ。
「なるほど、表現方法については何ともあれだが…一応私のマスターにも話してみるとしよう」
「ん、最悪手ぇ組めなくてもこっちに喧嘩吹っかけなきゃなんでもいいんだがな」
タイツのいたる所が穴だらけのバーサーカーは何やら携帯端末を弄りながら答える。この男の思考は読めた物じゃないと考えながらランサーは立ち上がると、屋根を蹴って夜空へと舞い上がる。
「ではな、狂戦士よ。何れまた相見える事があると良いが」
「俺ちゃんとしては今度は水着で頼むわ、パラオ忘れんなよ!」
最後の最後まで理解の範疇外だと思いながらも、ランサーは拠点へと戻るのであった。
グダグダ戦闘模写で申し訳ないです…後デッドプールの台詞量を増やすとどうしても地の文が減りますね