後チョコ食べてるばらきー可愛いですね!
イリヤが目を覚ますと、そこは衛宮邸の居間とは正反対の洋風なインテリアの部屋だった。
辺りを見回すと部屋の中央に草臥れた合成皮革のソファーが一つ鎮座しており、その前には型式の古いテレビが向き合う様にして置いてある。
更に壁紙は黄ばみ所々剥がれ落ち、地面には食べ掛けのピザの箱やビールの空き瓶に卑猥な表紙の雑誌が散乱していた。
しかしイリヤはその光景に顔色一つ変えることなく、勝手知ったる我が家の如く壁際に据え付けられた棚から一枚のDVDを取り出す。
そして、テレビに繋がれたデッキにセットすれば画面に映し出されるのはFate/zeroのタイトルだった。
始まったオープニングを食い入るように見つめテレビの前で座り込むと、そのままアニメ鑑賞を続ける。
他陣営の召喚シーンが終わり遂に切嗣がセイバーを召喚するという所で唐突に画面がブラックアウトする。
「ちょっと、邪魔しないでよ!」
「うるせぇ、なーに人の夢ん中に転がり込んだ挙句アニメなんざ見てんだ!つーかFate/zeroもう5回以上見ただろ?」
振り返れば其処にはコック帽を被ったバーサーカーが立っていた、手には以前教わったチミチャンガが握られている。
「別に良いじゃない、切嗣とお母様の活躍は何度見ても嬉しいもの。それに敵を知る勉強でもあるのよ?」
「へいへい、雇い主様の仰る通りにー…ラスト部分は初見で泣いた癖に」
そう返せばバーサーカーは徐にマスクの顎部分に手を掛け捲り上げ口元を晒す、そして手にしたチミチャンガを一口頬張るとソファーに腰掛けた。
「いやぁ、士郎の和食も良いけどやっぱチミチャンガも美味いわ…日本じゃ材料揃えらんねぇからな」
そのまま黙々と咀嚼し平らげればイリヤの事などお構い無しにソファーでだらけるバーサーカー、漸くお気に入りの椅子が出来たと喜ぶイリヤはバーサーカーの膝上に腰掛ける。
「ロリコン大歓喜」
「ロリコンって何?」
「あぁん?青髭の旦那の事さ…あ、ありゃぺドフィリアか?」
「あぁ、あのギョロ目のキャスターね。アレがロリコン…」
他愛無い会話をしながらイリヤは再度テレビの電源を立ちあげる、すると場面はアサシンがアーチャーに倒される場面へと変わっていた。
そのシーンを眺めながらバーサーカーは口を開く。
「そういや今回の聖杯戦争のアサシンはハサンじゃ無いらしいぜ」
「そうなの?バーサーカーが言ってた佐々木小次郎って事?」
「さぁな、ただ今までの流れから行きゃあ佐々木小次郎も変わってる気がするがな」
「ふぅん…」
イリヤからすればどの様な英霊であれ説得出来るか否かの部分のみが肝であるためあまり気にはしていないのだが、実際に説得する立場のバーサーカーからすれば一大事である。
話が通じなければ最悪倒さねばならず、倒すと聖杯起動の鍵になってしまうので極力避けたいのだ。
「まぁ、残るクラスはキャスターとアサシンだけだからな。上手いこと行くことを願っててくれよ?」
「勿論よ、なんたって私のバーサーカーは最強なんだから!」
「おい馬鹿やめろ!それ完全な負けフラグじゃねぇか!」
そんなやり取りを繰り広げつつアニメ鑑賞は続く、そして一通り見終わると唐突にイリヤが口を開いた。
「バーサーカーは、恋人とかは居なかったの?」
「はぁ?なんだよいきなり」
「んー…何となく」
要領を得ない返事に眉を顰めながらもバーサーカーは考える、過去の恋人について。
「あー、何だかんだ俺ちゃんモテるから居たには居たぜ?ただ、もう女医だけは絶対に勘弁」
心底嫌そうな声音で放たれた言葉に対して、イリヤは何も言えなかった。
その後もなんだかんだと話をして、お互いの意識は現実へと引き戻されていったのだった。
◇◇◇◇◇
バーサーカーが目を覚ますと、そこは瓦葺きの屋根の上だった。
「はい、イリヤはマトモな扱い受けて俺ちゃんだけ屋根の上。これってあんまりじゃない?マジ最悪なんですけどー」
寒空の下で寝ていたにも関わらず寝起きからいつも通りの軽口を叩き、勢い良く滑り降りると片膝をついて着地する。
「スーパーヒーロー着地!この高さならあんまり腰に負担掛からねぇから良いな。さてさて、今日のご飯はなんだろなー?」
そんな事を言いながら衛宮邸に入ると、中にはアーチャーとセイバーが居り朝食後のお茶を啜っていた。
「何じゃ、バーサーカー。今頃起きおったのか?他の者は皆既に出て行った後じゃぞ」
「すみません、バーサーカー。貴方が起きて来ないので朝食は全て頂いてしまいました」
さらりと告げられたご飯ありません発言に固まるバーサーカー、だが次第に体を震わせると口を開いた。
「んの腹ペコライオンクイーンが!豹を見習って多少なりとも残すとか出来ねぇのか!?」
「私は出された物を残すのは不躾だと教わりました、それに私は女王では無く王です!つまりライオンキン──」
「ウルセェ、気遣いも出来ねぇ癖に何が王だ!後それ以上言うと色々版権とか危ないから言うな!」
ぎゃあぎゃあ喚き散らす二人を他所に、アーチャーは棚から取り出した煎餅を片手にテレビを眺める。それから暫く言い合いが続いた後に諦めたらしいバーサーカーは台所へと向かった。
「なんぞ作るのか?」
「仕方ねぇからパンケーキ焼くんだよ、絶対にセイバーには分けてやらねぇからな!」
それから数十分の内に焼き上げられたパンケーキ10枚の内5枚はバーサーカーが食べたものの、1枚はアーチャーが食べてみたいとの事で奪われ4枚は気が付いたら無くなっていた。
「あー、昔らんま1/2でこんな奴居たわ…気が付いたら食われてんだよなぁ」
「美味でした、おかわりを所望します」
「ねぇよ!」
食べ滓の付いた口元を拭いながらセイバーは凛々しい顔付きで告げるも、ばっさりと切り捨てられていた。
「そうじゃ、バーサーカー。儂な…服が欲しいんじゃ」
腹ごなしも済み居間で寛いでいると、アーチャーが唐突にそんな事を口にした。
しかしそれに対してバーサーカーはつっけんどんな態度で返す。
「あぁ?んなモン1人で買いに行けよ、ガキじゃあるめぇし」
「いやほらな、こんな超絶可愛い美少女が街中を1人で歩くのは危ないじゃろ?じゃから、現代慣れしておるお主を抜擢したのじゃ!」
バーサーカーはその言葉に何言ってんだコイツとでも言いたげな雰囲気を漂わせつつも、あくまで言葉を選んで返す。
「お前みたいな貧乳ロリババア攫うやつなんざ早々居ねぇよ、それに俺ちゃんこの後
直後バーサーカーの眉間に風穴が開く、見ればアーチャーの背後には火縄銃が展開されている。
「お主が不死身なのはとうに知っておるが、死ぬまで撃ち抜いても良いんじゃぞ?」
「だーもう、分かったっつーの!その代わりにセイバーも付いてこいよ?」
半ば強制的にセイバーも連れ立ってアーチャーとバーサーカーは新都へと向かうのであった。
最近中々筆が進まず悩んでいます。
何かモチベーション上げる方法とか無いですかね?