今回はちょいと真面目なお話かな~?
今、国木田花丸と黒澤ルビィは買い物を終えてハンバーガーチェーン店で一休みしていた。ルビィは月一で発売されるスクールアイドル雑誌を買って読み、花丸は新刊である本や小説を何冊も買いその内の一冊に目を通す。…そして暫し時間が通り過ぎ、ルビィが残念そうに小さく溜め息を吐いた。
「ハァ…。」
その溜め息に気付いた花丸が読んでいた本に栞を挟んで閉じ、ルビィに聞いてみた。
「どうしたズラ、ルビィちゃん?」
「雑誌記事にラブライブの最新情報が載ってるかな…って、思ったんだけど…。
やっぱり開催未定で真新しいお話がないの…。」
ルビィの話を聞いて花丸も残念そうな表情を取り自分も買っていたスクールアイドルの情報誌を出してパラパラとページを捲った。ラブライブの開催予定の記事は彼女の言う通りで新しい情報はなく、現在番付上位の人気スクールアイドルが特集されていた。その掲載記事にもインタビューされたスクールアイドルがラブライブの開催未定への思いを残念そうに語ったものが書かれていた。花丸は雑誌を仕舞い、買った本も皆仕舞うとルビィに笑いかけた。
「ルビィちゃん、果南さんのお店に行こうズラ。」
ルビィは花丸の提案を聞くと直ぐにゴジオを思い浮かべ笑顔となり、「うんっ。」と頷いて花丸に同意した。
津島善子は自宅の自室でちょうど占い動画を撮り終えて動画サイトへの投稿も終えた所であった。真っ黒な自前のローブを脱ぎ、外出着であるゴスロリファッションに着替えるとくるりと回り右手で“V”を作りビシッと横にして右目にあてて左手は何故かノートパソコンを真っ直ぐにビシッと指差しポーズを取った。
「今、正にこの“堕天使ヨハネ”に魔王よりお告げ(占い)が下されたわ!あの地獄より喚ばれし“魔獣”が我が軍門に下るのだとっ!
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今日こそゴジオを我が手にする、絶対に撫でてやるう!!」
そう意気込みながら善子は果南のダイビングショップへと急いだ。…堕天使ヨハネ…、桜内梨子とは別の理由でAqoursの中では未だにゴジオと触れ合う機会が掴めずに触ってもいなかったのであった。
浦の星女学院にいる黒澤ダイヤは生徒会の仕事を終え、下駄箱にて靴を履き替えていた。
「ダイヤさん!」
大声で呼ばれそちらへ振り向くと制服姿の渡辺曜が立っていた。
「あら曜さん、水泳部は終わりましたのね。」
「はい、それじゃ行きますか、千歌ちゃん達の所に。」
「フフ…、皆考える事は同じなのかしら。これでは久し振りにバラバラなメンバーも集まって来るかも知れないわ。」
「きっと集まりますね♪」
二人は楽しげに会話をしながらバス停留所に向かい、待っている間にダイヤは松浦果南に連絡を入れる。スマホが鳴ること数回…果南の声が聴こえてきた。
《ダイヤ、生徒会は終わったの?》
「えぇ、今曜さんと一緒でそちらに向かう所なんですの。」
《此方は調度海に入った所だから店に戻るのに一時間もしないかな。》
「なら着くのは私達の方が先ですわね、お帰りをゆっくりと待ちますわ。」
《うん………、ねぇ、ダイヤ。》
果南の口調が急に曇り、ダイヤも少し表情を硬くする。
「どうされたの?」
《貴女は正直…、ゴジオの事をどう思う?》
「それはゴジオちゃんの“存在そのもの”に対して…と言う事かしら?」
ダイヤの言葉に果南は《えぇ。》と返事をし、ダイヤの側で話を聴いている曜は少し不安を顔に滲ませた。
「そうですね…、ハッキリ言うなら…“非日常の体現”でしょうか。
あのコの存在は私達の生活を大きく変えてしまう危険性を秘めていますわ。」
《そう、やっぱりダイヤもそう思うよね。
私一度…志満さんに何故ゴジオを面倒見る事にしたのかを聴いてみたのよ。そうしたら…
“この出会いは私達にとってきっと忘れられないモノになる”
…って…、そう言ったの。まぁ、確かに色んな意味でそうなるのは解るんだけど…、私はゴジオがもたらすモノが楽しい日々だけだとは思えないのよ。》
果南が言わんとしている意味はダイヤにも解ってはいた。千歌があのコにゴジオと名付け、誰も突っ込まなくはなったがゴジオは明らかに東京都心部を瓦礫の山に変えたあの“ゴジラ”と関係している筈であった。この内浦にゴジラと瓜二つの生物がいると知れたなら日本全土が大騒ぎとなり政府は確実にゴジオを回収しようとするだろう。きっとどんな手口を使ってでも…。
何より来年から東京より疎開してくる人達が生きているゴジオを見たなら高い確率で恐怖し、住む場所や大切な誰かを奪われた憎しみを向けて来るかも知れない。その矛先はゴジオを匿う自分達にも向くやも知れない。ダイヤは今改めて自分達の置かれている状況に戦慄した。実は既に11月にある浦女の文化祭で疎開して来ている転入予定の生徒の文化祭参加と男子より先に女生徒数人の先行転入が決定しているのだ。
「やはり一度、Aqoursのみんなで話し合った方が宜しいですわね。」
《私もそう思う。…じゃあ、家のお店で待っててねダイヤ。》
「果南さん、鞠莉はゴジオについてはどう言っておられますの?」
《鞠莉は様子を見ましょうって…。少し志満さんと似たり寄ったりかな。》
「そうですか。…ではお店でお待ち致します。」
其処でダイヤはスマホの通話を切り、少し俯き小さく溜め息を吐いた。