ブレス オブ セブンスドラゴン   作:マチカネ

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 今回も閑話休題的な話で、リュウくんの出番はありません。


第六章 お風呂タイム

 都庁に戻ってきた刀子、ピンクハーレー、力男の13班とキリノ。ガトウとアオイの10班。ダイゴと行方をくらませていた都民たち。

 全員くたくたで、すぐさま都民たちは、それぞれの部屋に戻り、熟睡。

 ムラクモ機関の面々も正直な気持ち、このまま就寝したいが、そうもいかない。やるべきことがある。

 まずアメリカにナツメの裏切りを報告した後、会いに行った人物は初音ミク。

 

 刀子たちの表情を見ただけで、何があり、何を目的に来たのか初音ミクは察した。

「リュウが使ったんだ。あの《力》を」

 刀子もピンクハーレーも力男もキリノもガトウもアオイも真っすぐ初音ミクを見る。

 もう1人、アイテルも来ている。タケハヤのことは心配だが、SKYとして、さらにヒュノプノスとしてリュウのことを聞かなくてはならない。

「解った話す」

 

 

 

 ぽちゃん、水滴が湯船に落ちる。

 話し合いの場所に選ばれたのは都庁の13階にある大浴場。

 ここで裸と裸で話し合おうという心づもり。

 またナツメの件でショックを受けているキリノに、対するショック療法の意味合いもあり。

 

 

 

「これは眼福だな」

 親父モードのガトウ。

 刀子、ピンクハーレー、アオイ、アイテル、初音ミク。あらゆるタイプが揃って、選り取り見取り。

 ガトウとは対照的に、真っ赤なキリノは端っこで縮こまり、ドが付くほどの緊張状態。

「……」

 力男の顔が赤いのは、お湯の温度の所為だけではないだろう。

 

「そろそろ、話を聞かせてもらえるか」

 話を切り出す刀子。何もみんな仲良く、湯浴みするために、ここへ来たわけではない。

「リュウはドラゴンなのか?」

 核心から聞く。

 初音ミクは頷いた。リュウは正真正銘のドラゴン。

「ドラゴンだけど、他のドラゴンと違って、人間とドラゴンの2つの姿を持っている。人に化けているわけではない」

 先にリュウが人間に化けているのではないことを伝えておく。

「地球とは違う、遠い星でリュウは生まれた。幼いころ、人間の姿で森の中で倒れているところをレイという青年に拾われ、同じような境遇のディーポという少年と3人で暮らした。自身をドラゴンと知らず、人の世界で」

 ここで一旦、小休憩に入り、話を続ける。

「リュウは他のドラゴン同じように人間を獲物と見ていし、見下してもいない。それは人の世界で育っただけではない。自分がドラゴンと解った後も、自身のことを知るために、世界を旅をした、心許せる仲間と共に。そこでいろんなものを見た。人の悪いとこも良いところも。いろんなことを知り学んだ、人としてドラゴンとして」

 レイ、ガーランド、ペコロス、モモ、そしてニーナ。悠久の時が過ぎた今でも、リュウはみんなのことを忘れたことなど、一度もない。かけがえのない仲間で親友で、そして………。

「リュウが地球に来たのは、ここを守るため。一番最初に出会ったのが私。地球のことを教えたのも私」

 逆にリュウは自分のことを初音ミクに教えた。

 初音ミクの話に嘘はないことは『山手線天球儀』や『トウキョウタワー』のことで解る。

「どうして……」

 急にアイテルが声を出した。

「なら、どうして、どうして私たちの時には来てくれなかったの。来てくれたのなら、私の故郷は滅ぼされることはなかった!」

 珍しく感情をあらわにする。太古、アイテルたち、ヒュノプノスの星はドラゴンによって滅ぼされた。

「リュウも万能じゃない。今回は間に合った、運よく。宇宙は無限に広がっている。それに星の外に他のドラゴンがいることも、他のドラゴンが星の文明を喰っていると知ったのも、それ程の過去じゃない」

 ドラゴンが絶大の力を持っていても、なんでも出来るわけではない。

 突然、アオイが立ち上がる。慌ててキリノが目を覆い、力男も顔を背ける。

 アオイはアイテルに親しげに微笑みかける。

「まっ、リュウくんが味方だっていうのは間違いないんだから、それがはっきりしただけでも良し。細かいことを気にしてたら、損しちゃうよ」

 

 

 

「おとなしくしていろ、ちゃんと、洗えないじゃないか」

 抑えつけたキリノを刀子は洗う。

 今、行われているのはキリノに対するショック療法。すなわち、女性陣で洗ってやること。

「や、やめてくれ」

 泡まみれでのキリノの抗議も受け付けず、無言で初音ミクはタオルでごしごし。

「あらあら、恥ずかしがって、初心ね~」

「キリノさん、隅々まで綺麗にしてあげるからね」

「早く元気になって、タケハヤに協力してあげて」

 女性たちは容赦など、する気はない。

 

 自分の背中を洗いながら力男は気の毒に思いながら、助けようとはしなかった。デストロイヤーの彼でも巻き添えはごめん。あの組み合わせは、ある意味、ドラゴンよりも怖い。

 風呂に浸かったまま、ガトウは笑っていた。

 

 

 

 自室のベットの上でぐったりしているキリノ。

「やりすぎたか?」

 少々、刀子は自己反省。

「キリノさん、大丈夫ですか―」

 アオイが呼びかけても、答え無し。

「返事がない、ただのしかばねのようだ~」

「縁起でもないことは言っちゃダメ」

 ボケるピンクハーレーに突っ込む初音ミク。

 

 

 

「本当に大丈夫なのか?」

 少し離れたところで力男は心配そう。

「大丈夫さ、このぐらいで参ってしまうような奴じゃねぇよ」

 希望的観測な意見ではない、ガトウの経験による、深い大人の観測。

「ナツメがああなっちまった以上、ムラクモ機関を背負うのはキリノなんだからな」

 

 

 

 ベットに腰かけているタケハヤ。『国分寺・灼熱砂房』の時より、随分、顔色は良くなっている。

 ネコ、ダイゴともにアイテルから、初音ミクから聞いたリュウのことを聞く。

「なるほど、育った環境が違えば考え方や感性も変わるか……」

 納得したように、ダイゴは頷く。

「ドラゴンでも、リュウは良い子ちゃんだよ。私たちのこと助けてくれたし、それにかっこかわいい」

 ペロペロキャンディーを嘗めるネコ。

「お前は良いのか?」

 タケハヤ自身はリュウを敵とは考えていない。戦士だからこそ、認める相手。

 しかし、アイテルの生まれ故郷はドラゴンによって滅ぼされた。簡単に割り切れるものなか心配。

「全く憎しみがないと言えば嘘になる。でもリュウは味方だということも理解している。それにこれを教えてくれた」

 トプリフを唱える。首都高1号線でリュウにアジトまで来てもらった時に、教えてもらった。おかげで何度もタケハヤを治療することが出来た。

 アイテルだけでなく、ネコは毒や麻痺などの状態異常を治癒するヤクリフ、ダイゴは味方の防御力を上げるミカテクトを教えてもらった。どれも役に立つ。

 タケハヤは敵の攻撃をキャンセルさせる、ガンとばしを教えてもらった。

 窓の措置を見るタケハヤ。今、リュウはどこにいるのだろうか。

「人間の中にも、あのババァ(ナツメ)がいたように、ドラゴンの中にもリュウのような奴がいたんだな」

 

 

 




 リュウくんも、他のドラゴンと同じように星の外から来ました。
 師匠システムで教えたスキルはタケハヤ、アイテル、ネコ、ダイゴにぴったりだと思ったものを覚えさせました。
 特にタケハヤのガンとばしは効果がありそうだったので。

 質問があります。タケハヤは人間のままがいいでしょうか、それても半竜になる方が良いでしょうか。
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