ブレス オブ セブンスドラゴン   作:マチカネ

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 13班と最後の『帝竜』ゼロ=ブルーとの戦い。


第八章 最後の『帝竜』

 人竜ミヅチによって、アメリカ合衆国は破壊された。

 国民をシェルターに避難させた後も、たった一人、ミュラー大統領はホワイトハウスに残り、自らの命を捨てて、最後の最後まで戦い抜く。勝てる見込みはないと解っていながらも。

 

 

 

 アメリカが破壊されても、ムラクモ機関のやることは変わらない。『帝竜』を討伐する。それを行う。

 

 最後のドラゴンを討伐すべく、13班はお台場へ。

 お台場はあちらこちらが凍り付いている。リュウのブレスを喰らった『山手線天球儀』を彷彿とさせるが、リュウはみんなを助けるためにやったこと。

 しかし、ここは違う。『帝竜』は悪意を持ち、お台場を凍らせた。

 

 

 

 氷のダンジョン『お台場/拾参号氷海』に突入する13班。『帝竜』ゼロ=ブルーが出現する前は、シュッピングモールや遊園地があり、人の賑わう場所だったが、今はどこもかしこも凍り付いていて、人は13班以外は見当たらない。

 凍り付いた観覧車を横に、先に進む。

 『山手線天球儀』の時とは違い、お台場がこうなっていると、解っていたから、防寒対策はしっかりとしてきている。寒いことは寒いが、十分に耐えきれるレベル。

「化け物やドラゴンがいなかったら、スケートが出来るのにね~」

 のんびりと言いながら、進むピンクハーレー。

「甘酒」

 小さな声でボソッと言ったのは刀子ではなく、力男。

 刀子は、

「私は鍋だな」

 寒い時には鍋が恋しくなる。たとえ、野菜の値段が高くとも。

 のんきにやっているように見えるが、13班は襲い来るモンスターやドラゴンを片付けながら、『お台場/拾参号氷海』を進んでいる。今の13班にとって、モンスターやドラゴンは敵ではなかった。

 歴戦を経て刀子、ピンクハーレー、力男の力はかなり高い。人類最強と言っても過言ではないかもしれない。

 

 

 

『その先に『帝竜』がいます。それが最後の一体。13班、頑張ってください』

 ミロクの励まし。

 最後の『帝竜』ゼロ=ブルーとの勝負。嫌でも闘争心が呼び起こされる刀子たち。

 

 通路を進んだ先に、いた。青いドラゴン。青いと言ってもリュウとは違い、禍々しい青の『帝竜』ゼロ=ブルー。

 13班を確認するなり、口を開け、冷気のプレスを吐く。しかし、リュウのブレス程の威力は無し。

 簡単に13班は躱す。

「熱いの行くわよ~」

 コンセントレートで威力を高めたイフリートベーンをピンクハーレーは放つ。

 気合と共に刀子はモミジ討ちで斬り付け、力男は深度を高めたダブルフックを叩きこむ。

 怒りの咆哮を上げ、周囲を吹雪で包み込んだ。急激な気温の低下と冷気のダメージ。

 受けたダメージはピンクハーレーは自分と刀子の負傷をキュアで治癒。

 力男は与えたダメージの何割かを回復させるドリルクロウラーを使い、自力で回復。

 吹雪の攻撃でも、倒れない13班。『帝竜』ゼロ=ブルーは冷気圧縮を使用して、防御を高めてくる。

「たあっっっ」

 影無しを刀子は討ち、『帝竜』ゼロ=ブルーをスタンさせた。

 スタンしたチャンスを見逃しはしない。ピンクハーレーと力男は連携を組んで、ボコボコに攻撃。

「とどめだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 刀子は深く、刀を『帝竜』ゼロ=ブルーに突き刺す。

 一度、頭を上げ、反撃を試みるも『帝竜』ゼロ=ブルー。そこで力尽き、倒れた。

 ついに最後の『帝竜』を討伐した13班。

 

 

 

「「「来たぞ、ムラクモ13班だ!」」」

 都庁に帰ってくると、玄関前にキリノ、ミイナ、ミロク、ガトウ、アオイ、ムラクモ機関のメンバーたちや都庁の住人たちが、全ての『帝竜』を倒した13班を歓迎してくれた。

「お疲れ様」

 キリノは笑顔で出迎えてくれる。裏切られた心の傷は、随分、癒えた模様。

「見違えるように、立派になりやがって」

 嬉しそうなガトウが拍手する。それを合図に全員が拍手。

 そんなことをされては気恥ずかしい13班。でも悪い気はしない。

「このまま、みんなでパーティでパッと騒ぎたいんだけど……」

 アオイの見ている先にあるのはトウキョウタワー。

 刀子も同じ方向を見つめる。

「ああ、パーティはお預けだ。最後の仕事が残っている」

 

 

 

「何か用?」

 いつの間にか、後ろに立っていたナツメに声を掛けるリュウ。今夜は人竜ミヅチの姿ではなく、日暈ナツメの姿をしていた。

 少々、時間がかかったが『帝竜』スリーピーホロウとの戦闘の傷は、すっかり治っている。

「久しぶりでいいのかしら、人竜になってから、時間の感覚が変わってしまってね」

 それはリュウにも経験がある。ドラゴンだと自覚し、仲間との冒険を 終えたころから、時間の感覚が変わってきた。

「前にあった時の私は、何一つままならない。持たざるもの、凡人に過ぎなかった。でも、今は違うわ。私は自らの力で、無力を克服した!」 悦に入っている。

「あっはははっ、全ては『力』……。『力』とは、なんて素晴らしいの」

 笑いながらナツメが思い浮かべたのはアメリカを破壊した時のこと。何故、そんなことをしたのか?

 それはそれが『力』を持つ者に許された、最高の喜びだから。

「ねぇ、リュウ、私と一緒に来ない。あなたにも、その権利があるわ、その『力』があるわ」

「あなたは『力』を手に入れていない」

 悦に入っているナツメにきっぱりと言い放つ。

「あなたは『力』に使われているんだ。『力』を支配しているんじゃない、『力』に支配されている」

 ナツメの表情が、凍り付くようなものになる。

「そう、それはとても残念だわ」

 ナツメの表情だけでなく、場の空気そのものが冷えていく。

 間合いを計り、睨み合う、リュウとナツメ。

 スーッと影のように、ナツメは後ろへ下がる。

「もうすぐ、あの子たちとの戦いが始まるわ。リュウ、君とは、その後……」

 人竜ミヅチの姿に変じて、宙に浮かぶ。

「出来れば、その時までに考えが変わっていることを期待してるわね」

 トウキョウタワーに向かって飛び去って行く。

「『力』の恐怖を知り、それに打ち勝たなければ、支配されたままだよ」

 その言葉は、果たしてナツメに届いたのだろうか。

 

 

 




 ゲーム『お台場/拾参号氷海』では『帝竜』の反応は2つあり、その一つは人竜ミヅチ、ナツメでしたが、ナツメはリュウの方に行っていたので、反応は一つでした。
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