四葉響
四葉家の末っ子。楽器職人の父とピアニストの母の影響で姉弟共に楽器が得意。手先が器用で料理が得意な為、主に厨房を担当している。
何時も落ち着いていて、天真爛漫な姉2人を後ろで見守っている。喫茶店を営んでいた叔父の手伝いをしていた為料理はもちろんバリスタの叔母の影響でコーヒーを淹れるのも得意。
担当楽器はバイオリン。趣味はダーツ、小物作り、アクセサリー作り。
四葉奏
クローバーラビットの店長でたまに響と厨房を担当している。何時も笑顔で誰にでも優しく接してくれるマイペースの長女。しっかり者だが、天然でたまに響達も驚く発言をする。またかなりの運動音痴で、学生時代の100mの自己ベストタイムは35秒。担当楽器はフルートで趣味は刺繍。
四葉琴音
四葉家次女。おっとりな奏とは反対にサバサバした性格でスポーツ万能だが、料理の腕は皆無で過去にカレーの材料で爆破物を錬金した事があるため、レジ、ウェイトレスを担当している。ピアニストの母の影響で小さい時からピアノを習っていて、今はピアノ教室の先生をしている。担当楽器はピアノで趣味は体を動かす事。
引越し業者のトラックに揺られ長いトンネルを抜けると、木組みの家が佇む街が見えてきた。
「絵本に出てきそうな街ねぇ」
「そうだね奏姉」
肘を付き掌に顎を載せながら外の風景を眺めていると、運転席と自分の座る座席の間の座席に座る姉の奏が身を少し乗り出し外を眺めている。
「今日からあの街に住むのね!」
興奮した子供の様に両手を勢い良く笑顔で、ブンブンと上下に振る。
「奏姉興奮し過ぎだよ…」
「当たり前じゃない!響!」
隣で興奮しはしゃいでいる姉に苦笑いを向けると、蔓延の笑がかえってくる。
「明後日からあの街で私達のお店がオープンして、新しい生活が始まるのよ!!興奮だってするわよ!!」
「お…落ち着いて…奏姉」
奏姉の言う通り。明日から俺達3人は、目の前に広がる街で喫茶店を営み暮らしていく。
今までとは全く違った生活が始まると思うと、奏姉程では無いが俺も興奮してくる。
「そ…そう言えば琴姉は大丈夫かな?」
興奮気味の奏姉の話題を逸らすため、後方のトラックに乗る姉の心配をする。
「そうねぇ…あの子本当に乗り物酔いが凄いからね…」
ため息混じりに言うと、奏姉のスマホからメールの受信音がなった。
「あら、メール…って琴音からだわ!?」
「え!?琴姉何だって?」
スマホを差し出され、それを受け取りメール内容を見る。
[( 。º﹏º。 )]
「え?…何この…絵文字?」
「あらあらぁ、琴音ったらどうしたのかしら?」
「さ…さあ?…もう少しで着くからその時聞いてみよう…」
「そうねぇ…そうしましょう」
スマホをしまい、大きく息を吐きながら背もたれに寄りかかった。それを見て自分もまた外の景色に目を向けた。
「お疲れ様でした」
『ありがとうございました』
街に着いた俺達は荷物を運び終えた引越し業者
にお礼を言い、遠ざかるトラックを見送った。
「大きな荷物とかは先に送っておいたから案外早く終わったわね」
「そう言えば琴姉、さっきのメールの顔文字はどう言う意味だったんだ?」
トラックを見送った後、大きく伸びをする琴姉に先程の顔文字の事を尋ねる。
「そうそう、私も気になってたのよ」
「まさか2人とも意味解ってなかったの!?」
何故か逆に驚かれてしまった。
「さ…流石に顔文字だけってのは…」
「いくら姉でもあれは解らなかったわよ…」
「え〜…あれは、凄く良い街だね!興奮してきたけど気持ち悪いって意味だよ」
「ながっ!?」
「あの顔文字だけでそんなに長い意味を伝えるのは無理じゃないかしら?…」
「そ…そんな…」
想像以上に落ち込んでしまい、その場にしゃがみ指で地面に円を書き始めてしまった。
「ひ…響…琴音の事は私に任せて、街の探検にいって来たら?」
「え?…でも…」
「大丈夫よ、お姉ちゃんに任せなさい!」
無理やり背中を押され、渋々街を探索する事にした。
「2人とも大丈夫かな?…おッ」
落ち込んだ琴姉が立ち直るにはかなり時間が掛かる為、かなり世話が妬けるのだ。と考えながら街を歩いていると、雑貨屋の商品が飾られたショーウィンドウが目についた。
「すげー…」
興味本意で中に入ってみると、アンティーク風に作られたマグカップやキーホルダーなど様々な物が売られている。
「結構色々売ってるんだな」
特に買うものはないが店内の商品を見ていると、ペアのワイングラスに釘付けになった。どうやら最後の一組らしい。勿論未成年な自分にでは無く、酒豪な姉2人の贈り物として考えていたのだ。
「これ姉さん達喜びそうだな…よし!」
購入するためワイングラスを取ろうとした時、同じくこれを取ろうとして伸ばした手を握ってしまった。
『え?』
お互い手を伸ばした人物の方に顔を向け、目が合うと慌てて手を離した。
「ご…ごめんなさい!」
「こ…こちらこそすいません!!」
こちらが頭を下げると、髪を二つに縛った白い制服姿の少女も頭を下げた。
「あ…あの君もこのワイングラスを買うつもりだった?」
「え?…あ…はい…」
「そっか、じゃあどうぞ」
ワイングラスを取り少女に差し出す。
「え…でも」
「俺はただ近くで見ようとしただけだから気にしないで」
「その…ありがとうございます!」
もう一度頭を下げ少女はワイングラスを受け取り、会計を済ませに行った。
「さて…俺は別の物を探そうか…」
「ただいま」
「おかえりなさい」
「…おかえり…」
探索を終えて喫茶店のドアを開けると、カウンター席に座る琴姉と奏姉が出迎えてくれた。
「ただいま、まだ琴音は回復してないんだ…」
「えぇ…そうなのよ…」
「かなり重症だね…」
琴姉の隣の席に座り、雑貨屋で買った商品が入った紙袋を置く。
「響それ何?」
「探索してたら雑貨屋があったから2人のお土産にっと思って」
袋から取り出しカウンターに置いていく。
「これ…アロマキャンドル?」
琴姉が横目で見る。
「そう!黄色がレモンの香りで効能が気持ちのリフレッシュ、赤いのが林檎の香りでリラックスだって」
奏姉には林檎のアロマキャンドルを、琴姉にはレモンのアロマキャンドルを渡す。
「わぁ〜林檎の甘い香りがするわぁ」
「レモンの甘酸っぱい香りが癖になる」
2人ともアロマキャンドルに鼻を近づけ、香りに笑みを零し始めた。
「ありがとう響何か元気出たよ!」
「琴音ったらすっかり元気になったわね!」
「良かったよ、奏姉に琴姉!3人で頑張ろう!!」
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