『5番勝負!?』
「そう!5番勝負!私達、喫茶店連合軍対クローバーラビットで勝負するの!先に3勝した方が勝ちだよ、順番はくじで決めるよ!」
勝手に話を進めていき、ポケットから紙のくじを取り出した。
「でもココアやるにしても2対5じゃあ向こうの方がフリじゃないか?」
「私達を甘く見てると痛めみるわよ?」
タレ目の店員な口を開くと、続けてつり目の店員も口を開く。
「そうそう、君達は見たところ学生だね?大人の私達からしたらちょうどいいハンデよ?だからさっさとくじを引きなさい!」
そう言われリゼは少しムスッとしながら、ココアが持っているくじを引いた。
「えっと…1番がシャロちゃんで2番が千夜ちゃん、3番がチノちゃんで4番が私で最後がリゼちゃんだね」
「巻き込まれて無理矢理連れてこられた挙句に…1番最初だなんて…」
「ここは長女の私が相手をするわ!」
「それでです、一体何で勝負を決めるんですか?」
「ま…まさか決めてない訳じゃないのよね?ココアちゃん?」
「大丈夫だよ!ほら!」
4つ折りの紙を掌に載せて差し出してきた。
「この紙に書いてある事で勝敗を決めるよ!ちゃんと平等の内容だから安心して!さぁクローバーラビットから引いてください」
「じゃあ…これ!」
ココアの掌から紙を1枚取り拡げる。
「姉さん何引いたの?」
無言のまま開いた紙を見せてくる。
「ひゃ…100m走!?」
「大丈夫よ琴音!相手は年下だし私達だってウェイトレスやってるから体力付いているはずよ!」
「シャロちゃん100m走だって!」
「おー頑張れシャロ!」
「が…頑張るわ…」
(私達…脚余り早くないんだけどなぁ)
「あの木と木の間が100mだってお店を作ってくれた大工さんが言ってたから早速行きましょう!」
「お客さんが来る前に返り討ちにしてやる!」
店の前の木を指差し、奏を先頭に店を出ていく。
「奏姉、琴姉もう少しで焼けって…あれ?いない」
厨房から出てくると、カウンター席に座っていた姉2人が居なくなっていた。
「家の方に行ったかな?」
お客さんが来る頃には戻って来るだろうと思い、また厨房に戻る。
「さてシャロ、クローバーラビットさん準備できたか?」
「大丈夫よ」
「だ…大丈夫よ…」
スターターのリゼが、100mのゴール付近でストップウォッチを持ったココアに準備が出来た事を知らせる。
「よし!じゃあ行くぞ!位置についてよーい…」
スタートまじかに後ろから視線を感じ振り返ると、そこには兎がこちらに近づいてきていた。
「う…うさ…」
「スタート!」
「兎は嫌ぁぁ!!ー」
リゼの合図と共に、兎から逃れようと必死で走った。
「シャロちゃん早いわねぇ!」
「流石シャロさんです!」
「凄いシャロちゃん1番!こんなに差があるならストップウォッチいらなかっね!」
兎から逃げる事に夢中になっていて気づかなかったが、いつの間にかココアのいるゴールまで走りきっていた。
「私…勝ったの?…そうだ兎は!?」
振り向くと兎の姿は無く、未だに100mを走るクローバーラビットさん?が大きな胸を大きく揺らし息をきらせながらゆっくり走っている。
「負けたわ…」
自分に無いものを持っているクローバーラビットさん?を見て、思わずその場にヘタレこむ。
「え!?どうしたの?シャロちゃん!?」
「いや…何でも無いわよ…いや私には所詮無いわよ…」
「どうしたんですかシャロさん?」
「大丈夫?」
「ほっておいて…試合に勝って勝負に負けた気分よ…」
「ハァ…ハァ…ゴ…ゴール…疲れたよぉ…」
かなり遅れてクローバーラビットさんもゴールした。
「お疲れ様…姉さん…ナイスファイト!仇は私が取るから!」
「ま…任せたよ…琴音…」
「任せて…さぁ次は私が相手よ!」
「じゃあ次引いてください」
「これだ!」
引いた上にはストップウォッチ5秒ゲームと書かれていた。
「ココアちゃんこれストップウォッチを見ないで5秒計って5秒に近い人が勝ちなんだよね?」
「そうだよ千夜ちゃん、クローバーラビットさんは大丈夫ですか?」
「勿論!余裕よ」
「では、トップバッターでどうぞ」
笑顔で駆け寄る新人狩りさん?からストップウォッチを受け取る。
「じゃあいくよ!」
スタートボタンを押し心の中で5秒数え、ストップボタンを押し確認する。
「あっちゃー…3秒68…早すぎた」
「2番手は千夜!頑張って!」
黒髪の少女にストップウォッチを渡す。
「頑張るわ!エイッ」
黒髪の少女もスタートボタンを押した。
「こう言うのは焦っちゃ駄目お茶を淹れる様にゆっくりじっくり待つの、急がば回れよッ!ほら5秒ジャストよ」
「な”っ…」
「千夜ちゃん!流石!」
「千夜は焦るの苦手そうだもんな」
「確かにそうですね」
「焦るの苦手って…まぁ確かに…」
これで2敗0勝。あと1回勝たれれば負けてしまう。
「ど…どうしましょう…琴音!?」
「どうしよう…姉さん!?」
「奏姉、琴姉こんな所でなにしてるの?」
絶望感に包まれたが救世主の登場で、一気に絶望が希望に変わった。
『響!丁度いい所に!!』
「え?なに?」
「あのね!この街の喫茶店の従業員さん達がね!?」
「クローバーラビットに攻め込んできたんだ!!新人狩りだよ!?5番勝負してるんだよ!」
「ん?新人狩り?」
姉達が何を言っているのか解らず新人狩りといい指を指す方を見ると、5人の女の子達が何かを話していてそのうちの見覚えのある少女と目があった。
「君は!?」
「雑貨屋の!!」
向こうも俺の事を覚えていたらしく、目が合うと驚きの反応をした。
「昨日はワイングラスを譲ってくれてありがとう」
「いえいえ、家族の誰かにプレゼントしたの?」
「親父に…」
「そっか、凄く喜んでくれたかな?」
「とっても!」
お互い話をしていると、不思議に思った姉達に話しかけられた。どうやら向こうも色々聞かれてるらしい。
「響あの子と知り合いなの?」
「あんな可愛い友達がいたのか?」
「可愛い…確かに…」
そんな事を言われたら意識してしまうのが男のサガである。
「で、今何勝?」
『そ…それは…』
何故か姉2人が小さくなる。
「まさか…」
「お察しの通りよ…」
「負けてます…後1回負けたら…」
「ハァ…後は俺がやるよ」
(中途半端で両者終わらせないだろうし…何とか上手くやらないと…)
「いいよ!でも私達喫茶店連合軍が勝つけどね!さぁ引いてください、これに対決方が書いてあるから」
「えっと…まずは自己紹介しない?…俺は四葉響、後ろのタレ目が1人目の姉四葉奏、つり目が2人目の姉の四葉琴音だよ」
俺の後ろの姉2人が軽く頭を下げる。
「えっと、私は保登心愛」
紙のくじを持つ少女が名乗ると、順番に名乗り始めた。
「私は香風智乃です」
「天々座理世…です」
「宇治松千夜よ、よろしくね」
「桐間紗路よ」
「よろしく、じゃあ早速第3ラウンドを始めようか」