いづなとフェイトがダンジョンに居るのは間違い、です? 作:いづなたん大好き
ロキ
豊穣の女主人という店にやってきたうちの目の前には、いけすかないドチビがおる。というのも、可愛い眷属の事でや。
「で、よくもうちのアイズたんを傷物にしてくれたなぁ?」
「それはこっちの台詞だよ! よくも
もう何度も同じ感じで言い合っているんや。
「まあまあ、そろそろ現実的な話をしましょうよ」
「ちっ、フィンがそう言うなら仕方ないなぁ」
「ふん。それで、どうするんだい?」
「そんなもん、あのベルって小僧をうちのファミリアで娘ごと引き取るんや」
「却下だっ! ボクのたった一人のファミリアだぞ! 君こそ、アイズなにがし君を寄越したまえ!」
「ふざけんなっ!」
「そっちこそっ! そっちはいっぱいいるじゃないかっ! 一人ぐらい居なくなっても問題ないだろ!」
「おおありじゃ、ぼけぇっ!」
あんな可愛いアイズたんを寄越せるか! ましてや、あの可愛い子供までついてくるんやでっ!
「まあ、ヘスティア様の意見がもっともだろうね」
「ちょっ、フィンっ!」
「ふふん」
「一人だけのファミリアを渡す訳はないだろう。かといって、アイズを渡すというのも困るな」
リヴェリアがやってきた。
「彼女はエースだからね。だから、僕から提案だ。当事者である彼女達の意見も聞こうじゃないか。それに本当の娘という訳ではないんだ」
「まあ、そうやな」
やけど、問題はそれが他の奴にも認識されとらんのと、本人達が娘や親やと認めてしまっとる事や。
「それは確かにそうだね。じゃあ、あの子供がどちらのファミリアに行くか、というのが争点になるかな? どこのファミリアにも所属していないんだよね?」
「そうです。そのくせ、力はとんでもないです。どちらに所属するかはあの子次第じゃないですか?」
「ちっ、まあええやろ。本人に聞きに行こうやないか」
「いいだろう」
ドチビと一緒に宴会会場の一角にある、テーブルへと向かう。そこには大量に積まれた料理がある。近くのテーブルの上には数十枚にも及ぶ皿の塔が置かれとる。
「どんだけ食べてんねん」
「まったくだね」
そのテーブルには三人が居る。一人はアイズたん。その横にいづなたん。珍しくアイズたんが甲斐甲斐しく、口を拭いたり次の料理をあげたりと世話をしとる。その横にはドチビの眷属である白いのが座って料理を食べている。こっちもいづなたんに食べさせたりしておる。どっちにしろ、いづなたんの前に積まれた料理はどんどんなくなっていっとる。
「おい、どちび」
「なんだよ」
「お前んとこであんだけ払えんのか?」
「そっ、それは……問題ないとも!」
「ほぅ。まあ、ええやろ」
少し視線をはずせばベートの奴がふんじばられて転がされとる。その上にティオネとティオナが座っとる。まあ、こっちはええやろ。ややこしい事になるさかい。
「ベル君、ちょっといいかい?」
「神様? もちろんいいですよ」
「それで、その子の事なんだけどね」
「どっちのファミリアに所属するか、決めて貰おうと思ったんや。うちのとこやとアイズたんと一緒にいれんで?」
「ボクの所だとベル君とだね。さあ、どっちがいい?」
「そんなの、いづなが言うのは一つに決まってんだろうが、です」
「「?」」
「二人と一緒がいいぞ、です」
いづなたんが二人の腕を掴んで引き寄せる。
「「っ⁉」」
「「ななななななっ」」
思ったよりもいづなたんの力が強かったのか、二人が引き寄せられて……
「ごごごごごっ、ごめんなさいっ!」
「ん、別にいい。減るもんじゃないし事故だから」
「よくないわぁあああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ! おんどりゃぁっ、アイズたんに何をしてんねんっ!」
「ボクもまだしてないのにぃいいいいいいいいいいぃぃぃっ!」
「うちもじゃっ!」
「はいはい、落ち着こうね」
「暴れないでくれ」
うちとどちびがフィンとリヴェリアに取り押さえられる。顔を赤くした二人と、楽しそうに笑ういづなたん。明らかにわざとや。
「まあ、神様達はおいておくとして、どちらかのファミリアに来てほしい」
「なら、二人共ロキにおいで」
「いや、それは無理です」
「いづなは一緒ならどこでもいいぞ、です」
「僕のファミリアは僕一人なので、抜けるのは神様が路頭に迷うことに……」
「わかった。じゃあ、私がそっちに行く」
「「「えぇええええええええええええええええっ!?」」」
「よっしゃああああああああああ」
「アイズたぁあああああああああああんっ!」
アイズたんのまさかの言葉にうちら全員が驚愕の表情を浮かべる中、どちびだけは歓喜の雄たけびをあげておった。
「考えなおすんや! なんか悪い事したか!」
「セクハラ?」
「っ⁉」
「うむ。これはロキが悪いな」
「そうだね。これは改宗の理由にされても仕方ないか」
「愛情表現やん! スキンシップやんっ! 家族やで!」
「パワハラだ、です?」
「まさにその通りだね」
「何度も止めてって言った。でも、止めない」
「ギルティ」
「有罪」
「死刑」
「ちょっ!?」
何時の間にうちが女性陣に囲まれて無茶苦茶いわれる。確かに少しやりすぎやったかもしれへんけど。添い寝したり、お風呂に入り込んだり。
「それで、本気かい?」
「ん、親がいないのは悲しい」
「それはそうだね」
「それとロキは教育上、よくない」
「それもそうだね」
「フィン!?」
「事実だし」
アイズたんがいずなたんを膝に乗せて頭を撫でている。気持ち良さそうに目を細めながら、頭を擦りつけとる。更に尻尾はぱたぱたと振られとる。
「しかし……しかしやで……」
そこで回りをみると、一つやばい現実を知らしめられた。これ、うちが拒否したら、幼女から親を引き離す外道やん! こんな幸せそうな幼女から……あかん、これファミリア崩壊の危機やで。他の連中もいづなたんの可愛さにメロメロや。可愛さだけで崩壊させられちまうっ! こうなったらっ、やる事は一つや!
「ええやろ、アイズたんをドチビ……ヘスティアの所に渡したろ」
「本当かい!?」
「ただし、条件があるで!」
「むむ、なんだい?」
「うちのファミリアと同盟を組んでもらう」
「それは……」
くっくく、ドチビのとこは弱小や。同盟さえ組んでしまえばうちの所が主軸になるのは必然や。
「うちのエースがいなくなんのも困るんや。同盟やったら、ダンジョンの遠征に連れていっても問題あらへんやろ」
「確かにそうだね。むしろ、戦力的にアイズがいなくなるのは困るのだし、それがないだけで随分ありがたいね」
「それにいづなだったか。彼女も力になってくれるだろう」
「いい?」
「? 一緒にダンジョンを潜るのか、です?」
「うん。皆で深い所までいくの」
「ほら、どうすんねん? うちはファミリアと子供達の為になくなくアイズたんを手放すで? で、ど……ヘスティアはどうするんや?」
これでうちの立ち位置は反対する外道から、涙をのんで巣立ちを見送る母親になった。ここで断るなら、逆にドチビが窮地にたたされるだけや。
「くぅ~~」
「あの、神様……」
「いいだろう! た、だ、し! 同盟なんて生ぬるい事じゃない! 合併しちゃおうじゃないか!」
「なっ!? 正気か!」
「もちろんだとも! それとロキの主軸で別にボクはいいからね。なに、規模から考えるとそれは当然だからね!」
コイツ何を考えて……待てよ、確かドチビはヘファイストスのことろでニートをしていやがったな。まさか、うちのファミリアに寄生する気かっ!
「(にやり)」
っ!? こいつ、まじや! これ、断ったら今度はうちが悪もんやん!
「そんなん、鶴の一声じゃないか」
「……せや、ちょっと耳かしい」
「なにさ?」
ヘスティアの耳元で、ささやいてやる。
「お前の目的はわかっとる。やから、合併は今はなしや。同盟は表に出さずにこっそりとや」
「何か悪い事を考えているね?」
「おまえんとこにアイズたんを入れると、そら他の連中が大喜びやろ」
「確かに」
「そこでや……」
「なるほど。面白い。ふふふ、君も悪だね。流石はロキだ」
「いやいや、御代官様ほどでは……」
「いいだろう。それでいこう!」
「おう!」
互いにあくどい笑みを浮かべながら握手する。
「……談合の現場を目撃したぞ、です」
耳がええみたいやね。さて、色々と忙しくなるで。しっかりと準備して稼がなあかんな。
ちょっと他にもない感じにしよう。という事でアイズをヘスティアに入れてみた。
なお、神様二人は和解(?)をしているもよう