いづなとフェイトがダンジョンに居るのは間違い、です? 作:いづなたん大好き
フェイト
今日はお父さんとお母さんと一緒にバベルに登って来たの。目的はお父さんの装備です。私といづなは要らないので、必要ありません。お金はお母さんが出してくれます。
「出して貰うのは悪いですよ」
「駄目。装備は大事。それに夫婦になるんだから、財産は共有」
「そ、それは……」
「どうしたの?」
「い、いえ」
お父さんが真っ赤になっています。お母さんは不思議そうにしています。天然さん、怖いです。
「ベルは長剣よりナイフとか、小剣の方がいいよね」
「取り敢えず、防具からでいいのではないですか? 命、大事にです。私とお母さんが居れば大概は守れますし」
「そうだね」
「なら、早く強くなってください」
「頑張るよ」
防具はブレストアーマーとガントレット、グリーブだけになりました。作ったのはヴェルフ・クロッゾという人のようです。
「次は剣だね。剣はこことは違うから、こっち」
私達はお母さんについて移動していきます。上の階に移動すると、明らかに高価な品物が沢山置いてある区画です。
「あの、ここって……」
「私の剣を受け取る。ついでにベルのも頼む」
「いやいや、どれだけ高いのですか! 桁が違いますよ!」
「ん、武器はいいのがいい。殲滅速度が違う」
「それはそうですが……」
「そうですね。お母さんの言う通りです。ダンジョンでは敵がいっぱいきますから」
「うぅ~」
そんな話をしていると、部屋の奥から赤髪で眼帯をしたお姉さんとヘスティア様がやってきました。怖いのでお母さんの後ろに隠れます。
「おや、ベル君達じゃないか。どうしたんだい?」
「その……」
「私の剣を受け取りに来た。ベルの剣は買いに」
「ふむ。そっか。それでヘファイストス。彼が言っていたベル君だ。君には彼に短剣を作ってほしい」
「まあ、私は認めたからいいけどね」
「あの、神様?」
「ふふん。ボクだってやる時はやるんだ。子供の為にヘファイストスに頭をさげたのさ。アイズ君とフェイト君、いづな君には悪いけど君達は装備も揃っているからね。ベル君を優先させてもらったよ」
「大丈夫」
「平気です。私もいづなも装備は要りません」
私はシュヴァルツァーとバリアジャケットがありますし、いづなはそもそも強靭な肉体がありますから。
「丁度いい。ちょっと手を見せてくれるかな?」
「は、はいっ!」
「ふむふむ。よし、いいよ。それで武器だったね」
「ベルに小剣とナイフを考えている」
「だったら、ナイフはヘスティアが頼んだ奴でいいでしょう。そっちのフェイトだったよね。君は雷魔法を使えるのよね?」
「は、はい……」
「だったら手伝ってくれないかしら。君のお父さんとお母さんに私が剣を打つのよ。ただし、条件として実験を手伝ってくれたら嬉しいわ」
「は、はい」
「大丈夫?」
「無理しなくていいよ」
「だ、大丈夫です。それにお母さんもお父さんも欲しいですよね?」
「それはもちろん……」
「欲しい。凄く欲しい」
「わかりました、頑張ります」
「じゃあ、こっちよ。ヘスティアは店番を頼むよ」
「大丈夫なんだよね?」
「私が失敗するとでも? と言いたいけれど、実験するのだから仕方ないわよね。でも、大丈夫。二人来てちょうだい」
私とお母さんは鍛冶場に連れていかれました。
「じゃあ、この鉱石と魔石に徹底的に雷を叩き込んでくれないかな?」
「自然な方と魔法の方、どっちがいいで、すか?」
「そうだね。魔石は雷の魔法を込める感じで、鉱石は自然の雷が出来ればいい。しかし、出来るの?」
「出来ます。でも、ここじゃ駄目ですから屋上を使っていいですか?」
「ああ、いいわよ」
まず、バリアジャケットに着替えます。シュヴァルツァーを持つと、ヘファイストス様が興味深そうに見てきます。だから、そっと預けます。
「なるほど、などほど。面白い作りだ。異界の技術か。ふむ、これは使える。ありがとう。返すよ」
「はい」
そこから、私はジュエルシードを封印する時みたいに、魔石を両手で掴んで雷の魔力を込めていきます。余り込めると壊れてしまいました。
「はい」
「はいです」
「頑張って」
大量の魔石に魔力を込めたあと、案内されて屋上に出ました。そこで魔法を使います。
「アルカス・クルタス・エイギアス 煌きたる天神よ 今導きのもと降りきたれ バルエル・ザルエル・ブラウゼル 撃つは雷 響くは轟雷 アルカス・クルタス・エイギアス」
局所的に天候を操る儀式魔法を使って、付近の雷雲を作って集めて雷を鉱石に落とします。
「これは凄い。私がいいというまで、やってくれるかい?」
「大丈夫です」
「では、頼む」
それから、何十発も落としてようやく終わりました。後には帯電する黄色い鉱石がありました。
「ふ、まさか雷鉱石を作れるとは素晴らしいわね。これはいい武器が作れる」
「わくわく」
「う~疲れました」
「定期的に依頼したいが、いいかな?」
「大丈夫ですけど、日はこちらで決めます」
「ああ、それで大丈夫だ。とりあえずこれを飲むといい。魔力ポーションだ」
「うぅ…苦いです」
「悪いね」
それから、ヘファイストスさんが鍛冶を行っていきます。凄く楽しそうです。私はお店で留守番して、お父さんとお母さん、ヘスティア様が鍛冶を手伝っていきます。お母さんとお父さんは交代で私といてくれました。ニ、三日かかるそうで、私達は帰されました。残念ながらダンジョン行きは延期です。その間、訓練です。
後日、ヘスティア様がお母さんとお父さんに武器を持ってきました。そのどれもが黄色い剣身で、鞘か引き抜くと帯電しています。持ち手の底の部分には何か弾丸みたいなのを込める所がありました。気のせいでしょうか?
「神様、魔剣なんですか?」
「ん~魔剣というより、魔導剣かな。使い捨てはあくまでも魔石で、それ以外は普通の剣で同じで壊れないらしいからね。不壊属性を付与してあるそうだ。使いこなすには慣れないといけないらしいけど、とっても強い武器になるよ。ボクとヘファイストスが神字も刻んだし、君達と一緒に成長する武器になっているから、ちゃんと使いこなしてくれよ」
「はい! ありがとうございます!」
「任せて。凄く嬉しい」
お母さんもお父さんもとっても笑顔です。お父さんは短剣とナイフ。お母さんは長剣です。私にはありません。
「そうかい。それならいい。フェイトちゃん達には申し訳ないが、これを渡しておくよ」
「ペンダントですか?」
「うん。余った鉱石で作ったんだ。雷を蓄えておける性質があるらしいから、いざという時の切り札にしてくれたまえ。使い捨てだけど、気にしなくていいからね。本当に命が危ない時に使ってくれ。それと外してから投げて使うんだよ。至近距離で使うと溜まっていたらやばいらしいから」
「わかりました。ありがとう、神様。とっても嬉しいです」
「君だけ、プレゼントをあげない訳にはいかないしね。さて、ボクはロキに挨拶してから寝させてもらう。もうすぐ教会が完成らしいから、引っ越しの準備も忘れないでね」
「はい」
「わかりました。お疲れ様です、神様」
「うん、ありがとう。ゆっくりと休んで」
「ふふ、どうだロキ。ボクもちゃんと神様できるんだぞー!」
その後、ロキさんの部屋で怒声が響きました。
「なんつーもん与えとんねん! お前らは自重という言葉を知らんのかぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!」
「ボクは悪くない! ヘファイストスだって大喜びで作って渡したんだから!」
「アイツは絶対、高位素材が手に入ってハイテンションで作るだけ作って、なんも考えとらんわ! どうせ今頃、後悔しとるやろうな!」
「えー!」
「ヘスティアぁああああぁっ、もう渡したりしてないわよねっ!?」
「もう渡したそうやで、ファイたん」
「遅かっのね……やばい、どうしよう?」
「知るか、といいたいところやけど……アレでいいんとちゃう? もう、迷宮から発見された新素材という事にするんや。迷宮の深い階層でフェイトたんに作らしたらええんやし」
「なるほど」
「それでいきましょう」
「そうやな……口止め料としてうちの主力連中にもそれを作ってくれるだけでええで? むろん、タダで」
「待ちなさい。それは流石に無理よ。お金は払ってちょうだい。それと、神字はつけられないからね。アレは流石に認められない」
「ちっ、安くしてくれたらいいで」
「相場はおそらく、これぐらいになるわ」
「たかすぎやろ! 不壊よりも圧倒的やないか。5倍以上やん」
「魔剣の上位版だから……それでも普通に売るなら10倍じゃきかないわよ」
「……やすくならん?」
「それはヘスティアの領分だからね。私は打って作るだけだから……」
「ん~流石にボクでもフェイト君に無理強いはできないから、彼女に頼んではみるけど期待はしないでくれよ。お金をいっぱい借りているから、それの返済にあてられるからボクとしては歓迎だけどね」
「じゃあ、とりあえず幹部連中のだけは欲しいから、なんとか頼むわ」
「うん、わかったよ。お願いしておく。鉱石はヘファイストスが出してくれる?」
「ああ、いいわよ。そういえば今度遠征に行くのよね。その時、鉱石も渡すから作って来てちょうだい。帰りやいきしでいいから」
「いや、それだったら何もない日がいいよ。まあ、フェイト君次第だけど」
「とりあえず頼むで。これで攻略が進むから」
「うん。それと、これを安全に容易く使えるのは多分、フェイトと仲の良い者だけだよ。この鉱石に宿っている雷はフェイトのだから……おそらく、敵と判断している者には手ひどい攻撃を与える可能性があるわ。手に入ったら、必要な者達は送ってきてちょうだい。個人に合わせて調整するからね。しないと……使用者が怪我をするから使い物にならないわ」
「それはやばいなぁ」
「つまり、使用者を選ぶって事だよね」
「そんな感じね」
「うん、一人は確実に無理そうやなぁ~」