RAIL WARS!~警4にもう一人少年が居たら~ 作:鶴雪 吹急
東京から大宮の所要時間なんて調べてないからどのくらいかかるか分からない。こんな格好してるもんだから、お客様の前で平然とスマホも弄れないし、犯人が近くにいるから身動きもロクにとれない。
何もできないので、車内の様子を観察することにした。
平日のお昼過ぎとなると、みんな仕事に戻ってしまうのか閑散としていて、疎らに座席に人が座っていて逆に立っている人が目立つ感じだった。現にこの車両の中では立っているのは犯人の二人組と桜井と俺ぐらいだ。
桜井は流石に長い時間何もしていないでいるのは怪しまれると思ったのか、スマホを弄っている素振りを見せて時折犯人の方を睨んでいた。見るたび見るたび相手を撃ち殺してそうだ。
桜井はスマホを弄ることにしたようだが、俺は外を眺めることにした。丁度日暮里を出発するところで、窓の外には山手線と京浜東北線南行のホームそして、大量の線路と京成の日暮里駅が見えた。京浜東北線は大宮から大船まである路線のうち、大宮から横浜までほとんど何かしらの別路線が並走している。今は山手線と東北本線が並走している。山手線は次の西日暮里駅から離れていってしまうが、東北本線はこのまま大宮まで一緒だ。また、赤羽駅では少しだけ埼京線と一緒になる。
何かと京浜東北線は線路が近くに沢山あることが多くて立って視線を下げてばかりいると気付かないでしまうが、顔を上げて外を見ていれば色々な車両を見ることが出来るだろう。まあ、一番よく見ることになるのは脇を走るカボチャだろうが。
駅に着くたび人の数は減っていき、埼玉県に入る頃には片手に数えられる程度には人の数が減っていた。扉上の路線図を見てあと少しで大宮というときに、桜井が電話に出た。
相手は多分高山だろう、何回か会話を重ねた後驚いた表情で電話の相手を睨むように携帯に視線を向けた。そこから少し話した後に通話を切り、そのまま今度はこちらに通話を繋げてきた。
「久里浜、移動するわよ」
「へ?なんで?」
「話は後。最後尾の車両に行ってから話すわ。久里浜は先に最後尾に向かって、少ししたら私も向かうから」
わかったと返事して悩んだ。この制服を着たままだと公安隊員と分かられ、警戒されかねない。考えていたとき、ちょうど反対側にある座席でスーツを着ていた男性が暑かったのか、上着を脱いで畳んだ。上はワイシャツ姿になり、少し胸元をパタパタさせている。
その姿を見て思い付いた、上着だけ脱いで犯人の後ろを通り過ぎれば特に怪しまれもしないで行けるだろうと。本来なら、しっかり制服を着ていなければいけないのだろうが、今回は仕方なしだ。腰に身に付けている警棒は目立つので、護身には役立たなくなるが上着に隠して持つことにしよう。
動きが目立たないようにこそこそと支度を整えて、犯人の後ろを通り抜けた。
一瞬こちらを見られたが、紺のズボンにワイシャツだとただのサラリーマンと思ったのかすぐに外に視線を向けてしまった。そのまま、車両を渡り貫通扉を閉めたところで一息ついた。ちょっとした後に桜井がやって来た。
「高山たちが大宮に先回りしてるわ。向こうが職質を掛けるから後ろから挟み撃ちの位置に居ろだって」
ドアに移動しながら、桜井はあいつらどうやって先回りしたのかしらと愚痴をこぼした。
電車は減速を始めおそらく先頭車側はすでにホームに入り始めているだろう。ここからが山場だろうが、先に動くのは高山たちだし雑談がてら桜井に俺の推理を話すことにしよう。
「きっと、新幹線を使ったんだろう」
「新幹線?そんな都合よくあるものなの?」
「東京から大宮の間なら東北方面の他に北陸や上越の方に行く便もあるから、在来までとは言わないけどそれなりに本数はあるはずだよ。見てはないかもしれないけど、何本か新幹線が抜いて行ったしね」
「そんなものなのね」
「まあドンピシャでこの電車を追い越して待ち伏せできる便を見つけられたのは不思議だけどね」
桜井はそうねと言いながら開いた扉から跳ねて降りた。
「なんでそんな降り方してるんだ?犯人確保が楽しみなのか?」
「そうじゃないわ!…少し、電車とホームの間にトラウマがあるだけよ」
少し恥ずかしいのか、そっぽを向きながら桜井は答えた。
顔は別の方向を見ながらも、足は犯人の後を追うように歩を進めていた。その向こうには高山と岩泉が並んでこちらに向かっていた。男が2人歩いて来ると学生でも迫力がある。公安隊の制服を着ていれば学生とも分からないかもしれない。ってか迫力のほとんどは岩泉の体格から現れてたりするんじゃないか?高山とかおっかなびっくりに犯人の方を見てるし…。
あのぉっと高山は恐る恐る犯人に声を掛けた。言葉の姿勢は弱腰だが、体はしっかり犯人たちの正面を塞ぐように立っていた。
金髪の方が高山に吠えるように答える。それに合わせて高山の顔は引きつった笑顔に変わっていった。確かにチンピラというかめんどくさい部類の絡まれ方だ。
國鉄の犬とか叫んでるし、話もそう簡単に通じ無さそうだ。高山も手をフルフルしながら諭すように話しているが、それでも金髪男は顔を突き付け声を張り上げる。今度は令状を持って逮捕すればいいと。
高山はそれを聞きながらも今度は一言一言間延びさせながら話し始めた。時間稼ぎのつもりだろうが、隣の
「おぉ?!誰が何見たってんだ!俺たちが何したってんだ!こらぁ!」
金髪が声を張り上げた瞬間、桜井がにぃっと口角を上げた。どうやらスイッチを入れてしまったみたいだ。
高山が言いかけた言葉を遮り、桜井が大声で注目をこちらに向けてしまった。
「私が見たって言ってんのよ!このひったくり犯!」
高山は口裂け男になるってくらい口角を上げた。顔にやめてくれって書いてある。
そんなんでこっち見られても、俺も同じ気持ちだ!金髪がこっちに向いちまったら、後ろ固めるだけでいいのが対応しなければいけないだろうが!急いで上着を羽織り、振り返るのに備える。
「関係ないやつはすっこんで…ろ?!」
こっちを振り返った男は桜井を見て声を張り上げたんだろうが、隣の俺を見て驚いた。
「國鉄の警備員が取り囲んで何のつもりだよ!」
「東京中央鉄道公安室!第四警戒班、桜井あおい!」
ポケットから公安手帳を見せる彼女の横顔は生き生きとしていた。
俺も彼女にならって公安手帳を見せる。
「同じく久里浜長門だ」
「この動輪にかけて、お前らが東京駅で女の子からカバンを奪い取ったこと、私が証明する!」
「大宮公安室で話を聞かせてもらおうか」
「お前らも公安かよ!そんな身内の言った証言を信じるのかよ!」
「私も見たよ。そいつらを東京駅のコインロッカーでな」
声の方を見ると、黒いスーツの男が1人で立っていた。
お客様からの証言は重要だ。信用性が少しは上がるし、犯人にとっては逃げ道が塞がれるようなものだ。
高山がお礼を言うと、ニコニコ笑って答えた。
「私も鉄道が好きでね。あまりこういう下品なのは好かんだけさ」
応援と受け取ったのか、高山は安堵の表情で犯人を公安室へ促そうとしていた。
しかし、俺は今まで静かにしていたジーンズの男が動き出したのを見逃さなかった。ずっとポケットへ突っ込んでいた右腕から光って見えたのは刃物だった。
すぐに警棒を構えて男の腕に当てようと、腰を触るが警棒が無い。そこで先ほど上着に仕舞い直したことに気付いた。ワンテンポ遅れてしまったことで相手に行動を許してしまう。
高山はよろけながらナイフを避けた。刺されてしまうという最悪の事態は防げたが、岩泉が高山とジーンズ男の間に入ったことで悪い方向へは事が進んでいるようだ。
「相手がナイフを出したら、多少やっても正当防衛だよな?」
あーあ。これは戦闘になるか。
高山は状況が飲み切れてないのか、反射的に大丈夫だと思うよと答えていた。
岩泉は警棒を2本、腰から引き抜いて胸の前でクロスさせた。ガシャンという音と共に五十センチにもなる黒い棒が現れた。
遅れながらも俺も警棒を引き抜いた。2本も持ってるのは岩泉ぐらいなもんで、俺は一本だけだ。引き抜いて低く構える。
岩泉はジーンズの男に狙いを定めていた。こいつなら一人でも相手を抑えることができそうだ。桜井は金髪の男と対峙していた。桜井のことだから大丈夫だろうが、念のため援護に付けるようにしておきたい。
一人あぶれた俺は両方へ助太刀できるように間で、犯人の動向を見ることにした。
「あんたもナイフださないの?そうしたら銃殺できるのに!」
こいつはすぐに銃殺しようとしやがる!日本でそんなスパスパ撃たれたらたまったもんじゃない。
金髪の男は相当怒っているのか、ごちゃごちゃうるせーとかなんとか言いながら、桜井に殴りにかかった。
ジーンズの男に比べれば、隙のある動き、桜井は寸でのところで拳を交わすと無防備な懐に入り込み足を振り払った。くるりと宙に弧を描いて金髪の男は背中からホームに倒れた。
「ぐぁっ」
息を吐きだしもがく金髪男、痛みに耐えきれず左右に揺れていた。あれではすぐには起きてこれまい。
一方のジーンズの男は、ナイフを持っているもんだから中々岩泉も動けず、牽制が続いていた。
「あおいっ!みんな!」
その時、コンコースへ続く階段から小海が大宮公安隊員を4名程連れて降りてくるのが見えた。
「…!」
岩泉がその声につられて一瞬目を離した時、ジーンズの男が動いた。隙をつくように繰り出したナイフ。
「させるかっ!」
しかし、その攻撃は失敗に終わる。岩泉の隙は付けても周りは見えていなかったようだ。
俺が振り下ろして警棒がジーンズの男の手に当たると、男は初めて声を上げた。怯み固まったところへ、岩泉が距離を詰めていく。
ガスッと鈍い音がした。激痛に顔をしかめながら、男は膝から倒れた。
犯人を行動不能にした。大宮の公安隊員がもうすぐ到着する。これで一件落着!
高山が桜井の方へ向かったので俺は岩泉とジーンズの男のもとで大宮の公安隊員が連れて行くのを待った。
「たくっ。わざわざ遠くまで逃げやがって」
おかげで東京にいたはずが気付いたら大宮である。おまけに工場がある高崎よりではなく逆側の東京よりにいるもんだから大宮といえばの工場の様子は全然見えない。
ジーンズの男が持っていたナイフを回収していると、後ろから鈍い音がした。振り返ると桜井に覆いかぶさるように高山が頭を押さえて倒れていた。高山の背後には金髪の男が立っている。
「…ガキのくせに…ふざけやがって…」
高山たちを蹴り飛ばそうと足を振りかぶる金髪の男。その顔面に飛来物が衝突する。
「あがっ」
俺は手に持っていた警棒を小さくして男に向かって投げた。ただでさえ振り回せば危ない警棒なんて身体に当たればただじゃすまない。
「うっ…」
そこに今度は後ろから衝撃が加わる、後ろからスーツの男がどこからか持ってきたAEDケースで殴っていたのだ。
それぞれが頭部にクリーンヒットしたものだから。男はそのままそこに倒れ込んでしまった。これ以上の抵抗はもう無理だろう。
すぐに俺たちのもとに大宮の公安隊員がやってきた。
俺はジーンズの男を岩泉と共に公安隊員へ引き渡した。ジーンズの男を連れて行った公安隊員と入れ替わりで少し装飾が入った制服を着た男がやってきた。名札を見ると室長の文字が書かれている。
高山へ案内しようと視線を向けるとさっきの男と話している。
「國鉄、好きなんですか?」
「それはちょっと違うな。鉄道は好きだが、今の國鉄はちょっと…」
高山の質問に男はそう答えた。確かにOJTを受けている身ではあるがそれについては分からなくもない。
今の國鉄は赤字続きだ。過去に一度大規模に不要用地を売却することで黒字に転換したことがあるが、今では再び赤字経営に逆戻りしている。原因はいくらでもあるのだろうが、一つ上げるなら地方路線だろう。首都圏は毎日満員電車であるから黒字なのだろうが、地方はもっぱら赤字だろう。本当ならそんな路線は切り捨てて廃線にしてしまうのがいいのだろうが、人員確保の基に存続させている。
黒スーツの男が何を持ってそう言ってるかは分からないが、抱く感情には同意できる。しかし、それでも将来安泰の職である國鉄職員を目指してる自分がそれに同意しきっていいものなのだろうか。
あまり良くないことを聞いてしまったと思ったのか、高山が謝ると。
「いや、君が悪いわけではないさ、それに――」
そこまで言いかけていた高山とスーツの男のもとにも公安隊員がやってきて金髪の男を連れて行った。
それを見送って仕切り直しで高山がスーツの男に事務所を案内するが。
「それには及ばんよ。私は自分が正しいと思ったことをしてるまでだ」
とやんわり断られてしまっていた。
室長に挨拶して高山に案内する。こういうのは『長』と付く役が締めるのが道理だろう。
高山たちとタイミングを合わせて室長へ向けて敬礼をする。
「高山直人班長代理以下、東京中央鉄道公安室第四警戒班五名。ひったくりの現行犯を追ってまいりました!」
「ごくろうさん。警四といえばまだ研修生なのにすごいな」
「いいえ、たまたまです」
班名だけで研修生と分かるとは、例年中央公安室の研修先はこの部署なのだろうか。
「飯田班長からすべて聞いているから、あとは任せてくれ」
飯田さんの根回しもありがたい。
しかし、いくら飯田さんが手助けしてくれたとはいえやる事はやらなければならない。調書や聴取はあるのだ。
それらを片すために室長に続いて公安室へ向かうことになった。
そういえば、スーツの男はどうしたと思って先ほどまで居たところを見ると、そこにはAEDケースだけが置かれていて、男の姿はなかった。
一見普通のサラリーマンのような男だったが、何となくこれからも会うような気がした。
まあ、普通のサラリーマンなのだから、東京駅の構内で見かけるかもしれないしそんなの当たり前か。
東京駅に着く頃には18時になってしまっていた。京浜東北線を半分乗ればそれはその位の距離になるだろう。後処理もあったし。
前を歩く高山は公安室の入り口を見ると溜息を吐いた。何か話しかけようとしたが、それより前に高山がガラスの戸を開いてやけくそに大きな声であいさつをした。
『おかえり!!』
出迎えはとてもやさしかった。第一から第三までの隊員がみな拍手で迎えてくれた。それぞれ歓迎の言葉を掛けてくれる。
今の國鉄という企業体はどうであれ、その現場で働く人たちはこうもまで温かいのかと改めて感じた瞬間だった。
それに囲まれながら俺たちは警四に戻って飯田さんの前まで行った。
「高山、岩泉、久里浜、桜井、小海、ひったくりの現行犯をとらえ、大宮公安室へ引き渡してまいりました」
飯田さんは静かに席を立って、にこりと笑って迎えて言ってくれた。
「よくやったわね。ケガはないかな?」
元気なことを高山は答えた。
「そっかぁ……鉄道公安隊はスリを捕まえられれば一人前って言うのよねぇ。だから、君たちはもう一人前ってことねっ」
スリを捕まえられれば一人前とはどんだけ平和なのか公安隊っ。RJがいる今ではそうそう平和とは言えないだろうが。
「いえっ!まだまだ半人前ですので、今後ともよろしくお願いします!」
高山の言葉に飯田さんはにっこりと笑って言った
「は~い分かりましたぁ。で~も…研修期間中に犯人を逮捕した学生は、過去に一人しかいないんだからねっ。君たちはよほど優秀なのかぁ、それともぉ…変な奴って事ねっ」
ここまでデコボコなんだから、優秀と言い切れるのか?それを考えると多分変な奴…だろう。
少なくとも俺は別に優秀ではないしな。
「今日は大変だったでしょう?もうみんな上がっていいわよ~」
飯田さんのありがたい言葉に岩泉はガッツポーズを見せた。桜井と小海は学生服だからそのまま上がれるが、野郎たちは公安制服だから着替えるためにロッカー室へ移動しようとした。
あっそれから…とその背中に飯田さんが思い出したように付け足して話しかける。
「高山君は、しばらくそのまま班長代理ねっ」
「おっ、俺には…」
驚いたように高山は振り返ると手を胸の前で振った。
「うまく出来たじゃない」
「たまたま、今日はうまくいっただけで…」
高山の脇で日報を書きながら桜井が顔も上げずに言葉を遮って言った。
「私はいいわよ……それで」
「うん。私も賛成です」
小海も桜井に同意のようだ。
岩泉もサムズアップして答える。
「俺も賛成だ。任せたぞ高山班長代理」
このチームを指揮しれる自信は無いし何より長というのは面倒だからなるべくほかに任せたいという本音は隠しておこう。
「はぁ~あ」
「班長代理をやったとなれば、研修評価も高く書かれるから悪くないわよ~」
おっ流石飯田さん、何を言えば心が動くかをよくわかってらっしゃる。
「分かりましたよ!高山直人。つつしんで班長代理をお受けします!」
「は~い。じゃあよろしくねぇ~」
その言葉の後に高山以外の四人は拍手をした。リーダーが決まったら拍手これ学生の基本ね。
着替えてる間も高山は時々溜息をもらしていた。「おさき~」とあっという間に着替えた岩泉が一番にロッカー室を出て行った。
「それじゃ、おさきに。高山」
「あぁ、また明日な」
高山に挨拶をして俺もロッカー室を出る。廊下に出ると桜井が壁に持たれて携帯を弄っていた。
「桜井もおさき。高山ならもうすぐ出てくるぞ」
「なんで高山の名前が出るのよ!」
桜井は関係ないでしょとばかりに怒ったが、何となく理由は分かる。
「だって俺が出てきても反応しなかったし、まだここに居るってことは岩泉への用でもない。小海への用事ならここに居る必要もないしな」
「っ!ち、違うわ!今後連絡するのに誰かの携帯を借りるのも手間だから、連絡先を聞きたかっただけよ。そうだ、高山のついでに久里浜のも聞いておくわ、携帯貸しなさいよ!」
捲し立てるように喋る桜井。これ以上言ってヒートアップしてもしょうがないから大人しく携帯を渡した。
桜井は何回かそれぞれのスマホを操作して、背合わせにすると、画面を確認する。
「はい、これで終わりねっ」
そういうと、思いっきりこちらに向かってスマホを投げた。
「おっつ、あっぶねぇな」
「ちゃんと取れるように投げたんだから感謝なさい!」
「はいはい、ありがとうございました~。じゃあお疲れさん」
「もう!そんな減らず口が叩けないくらいあんたの身に大変な事態が起きればいいのに!」
そんなのはまっぴらごめんだ。安全一番でこの研修が終わればいいと思っているのに。
「そんなの御免だね。大変な事態は今回だけで十分さ~」
振り返りもせずに手を振りながら廊下を出た。桜井が後ろから何か言っていた気がするが気のせいだろう。
高山昨日祈ってた神がここに居るなら、俺はこれからの『安定した』生活を願うことにしよう。
――解説――
・大宮の工場
大宮にある工場。現実ではもともと一部が鉄道博物館になっている。
憶測ではあるが、桐生鉄道高校がここにあるのでは?
・大宮駅
京浜東北線の終点。
東北方面では宇都宮線と高崎線の分岐地点でもある。
埼京線は地下にホームを持っているが、この世界にもあるかな?(そこまで調べてない)
――――――
誤字脱字等ありましたらご報告くださると有り難いです。
ご感想ご意見等ありましたら、お気軽にどうぞ。