IS~インフィニット・ストラトス 失われし青い翼の騎士と平和の歌姫 作:ダークエイジ
遂にやって来た入学式当日。束の新たなる発表により、世界でISが扱える男性の二人目と三人目になったキラとユウイチは女子達の注目の的になっていた。
「それにしても、良かったですわね。同じクラスで。」
「そうだね。」
三人とも、同じ一組。裏で束が操作したのだろう。
「う〜ん、眠い。」
昨日からユウイチは夜更かししていたのか、金髪と一緒にへにゃっとしている。キラは苦笑しながら、1組に入って行った。
「あれが、織斑一夏・・・。」
見ると、教卓の前の席で縮こまっているのが織斑一夏らしい。確かに自分以外全員女子の学校に放り出されたらそうもなる。
「しかし、どんな天のいたづらだ?彼だけがISをつかえるなんて」
「そうですわね。」
厳密にはキラとユウイチの機体はISと言うよりISに限りなく近づけたMSと言った所だ。だから、他の男が乗っても使えるが、キラとユウイチがロックしてあるために、許可した人間以外使えない。
「そうだね。なんでだろうねぇ。」
その点に関しては束も分かっていない。何故、一夏がISに乗れるかは謎のまま。
しばらくしてから、副担任の山田真耶が教室に入って来た。彼女の身長はやや低めで生徒達と殆ど変わらない。しかも、服も大きめのを着ているのかダボっとしていて子供っぽくなっている。
「全員、揃ってますね〜。それじゃあ、SHR始めますよ〜!」
そう言って彼女はIS学園の話をしだした。しかし、このIS学園の設備は本当に凄い。かつてのヘリオポリスのハイスクールと変わらない設備だ。正直、キラは関心していた。
「と言う訳で、皆さん一年間よろしくお願いします。」
「・・・・」
誰からの反応もない。クラスの殆どの視線はある三人組に注がれていたからだ。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で。」
そういえば、このクラスの担任は束の親友は織斑千冬らしいがその姿はない。ユウイチが調べたところによると、彼女は第一回大会『モンド・グロッソ』の総合優勝者で、世界最強の称号である『ブリュンヒルデ』を授けられている。
「ええと・・・」
気づくと、既に一夏のところまで自己紹介が来ていた。
「え〜・・えっと織斑一夏です。よろしくお願いします。」
そう言って彼は座ろうとするが、後ろの席の女子達がそれを許さないでいた。その視線は正しく『もっと何か喋って』である。キラ達三人が見守っていると、一夏は決意した様に言葉を発した。
「以上ですっ!!!」
ズダンっとリアルにクラスの女子がリアルにコケた。確かに、あれだけの決意をしたかと思ったら以上ですと言われれば誰だって転がる。しかし、それを許さない者がいた。
バァンッッ!!!
「イッテっっ!!!」
いきなり背後からの出席簿アタック。その攻撃を仕掛けたのは、あの織斑千冬だった。
「げっ!!関羽?」
さらにもう一発。あまりの痛そうな音にクラスの女子の一部が若干引いている。
「誰が三国志の英雄か?馬鹿者。」
「さ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスの挨拶を押しつけて済まなかったな。」
「いえ、副担ですから、これくらいはしないと・・・。」
そう言う彼女は、どこか熱っぽい。
「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛え抜く事だ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな?」
その鈴とした言葉は確固たる教師としての何かがあった。しかしその瞬間クラス中か黄色い歓声が上がる。やはり、ブリュンヒルデは憧れの的という事だ。
「それでっ?貴様はまともに挨拶もできんのか?」
「千冬姉ぇ、俺は・・・」
バシィッ!!!
「織斑先生と呼べ・・・」
どうやら、今の会話で数人の女子がヒソヒソ話をしている。そんなこんなでキラの順番がやってきた。
「キラ・ヤマトです。ラクスとユウイチを含め年は皆さんより上ですが、全然ため口で構わないので一年間よろしくお願いします。」
パチパチと拍手が上がりながら、クラスの半分の女子が熱っぽい視線を向けていた。まぁ、仕方のないことといえば仕方ない。そして、数人の自己紹介が終わり、ユウイチの番。
「ユウイチ・S・レイヴンっす。俺も、皆より年上っすけど、じゃんじゃん話しかけてくださいっす。」
普段はそんなことはないのだが、彼は緊張するとこういう口調になってしまう。けっして、そう言う人間ではない。けっして。さらにまた数人が進んでラクスの番。
「ラクス・クラインですわ。わたくしも皆さんよりも年上ですけど敬語など使わずに話しかけてきてくださいね。」
クラスの話を聞いてる感じだと、年上三人が高校の一年生にいうのは不思議と言う生徒も何人かいるようだ。
そうキラが思っているとチャイムがなった。そして、一時間目の休み時間にキラ達三人が話していると例の織斑一夏が話し掛けてきた。
「なぁ、今話しかけて大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「いやぁ、やっぱり女子だけだと落ち着かなくてさ。」
確かにそれはわかる気がする。彼の様な人物は男友達と遊び、男友達と育ってきた。女子だらけだと落ち着かないのだろう。そんな彼にとってキラとユウイチはオアシスだ。
「それにしても・・・」
そういって、一夏は微笑み合うキラとラクスに視線を泳がす。本人達は意識してないのだが、周りからはまんまカップルである。
「もしかして、二人は付き合ってるのか?」
「ご明察。」
「へぇ〜。」
はぁ〜とユウイチは溜息を吐く。部隊にいた時からこの二人は人目もはばからずイチャイチャしだすものだから苦労が絶えないのだ。
「とにかく、一年間よろしくな。」
「よろしく。」
「よろしくですわ。」
そういって四人は固く握手を交わした。すると、ある女子がやってきた。束の妹の篠ノ之箒だ。
「すまないが、一夏を貸してもらえないだろうか?」
「うん、いいよ。」
そう言って、一夏を強引に引っ張って行く箒。二人は休み時間ギリギリまで帰ってこなかった。そして、蒼い波乱は次の時間の休み時間にやってきた。
次回はセシリアたん登場。ハァハァ(*゚∀゚*)