IS~インフィニット・ストラトス 失われし青い翼の騎士と平和の歌姫 作:ダークエイジ
キラとセシリアが対決した翌日、SHRにて一夏にとってあり得ない事が起きていた。
「では、一年一組のクラス代表は織斑一夏君に決定しました!!」
嬉しいそうに発表する真耶と一斉に拍手をするクラスメイト。しかし、一夏は絶句した後、反論する。
「先生!?なんで俺がクラス代表なんですか?」
「だって、最初から決まってたじゃないですか。」
そう言えば、セシリアが反論する前はキラとユウイチの一票で一夏に決まっていた。そして、セシリアとキラの決闘はクラス代表とは全然関係ないものだと思い出せる。
「し、しまった!?セシリアとキラの決闘で忘れてた・・・。」
ガクンとうな垂れる一夏を見ながら、ユウイチがコーラを差し出して来た。
「ドンマイ、飲むか?」
「サンキュ、ゴクッ。」
渡されたコーラを一気に飲み干そうとする。しかし、それを当然許さない千冬が一夏を出席簿でぶっ叩く。だが、タイミングが悪かったのか一夏はコーラを盛大に吹き出してしまった。吹き出されたコーラは綺麗に真耶と千冬に直撃した。
「きゃぁぁぁぁっ!!!」
「織斑!貴様っ!!」
「す、すいませーんっ!!!」
差し出したユウイチと飲んだ一夏はこの後に地獄を見たのは言うまでもない。
そして、四月も下旬、遅咲きの桜の花びらがちょうど全部なくなった頃、いつもの様に一年一組の面子が千冬に実践授業を受けていた時の事。
「ではこれより、ISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、レイヴン、ヤマト、クライン。前に出ろ。」
「「はい」」
「「はいですわ。」」
「うい。」
次々と自らの機体を呼び出して行く。しかし、一夏だけはモタついていた。
「早くしろ!!熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ。」
急かされた一夏は意識を集中する。しかし、まだ時間が掛かっている。
「集中しろ。」
二回言われた一夏は更に集中する。そして、やっとこさっと白式を呼び出した。
「よし、飛べ!」
千冬の号令と共に、キラとユウイチはVPS装甲をオンにする。フリーダムはいつも通りの色。アイズフリーダムはストライクフリーダムと同様に青、白、黒に彩られて行く。しかし、アイズのデスティニーの同型の翼の色は白である。
「わぁ!色が変わった?」
「綺麗。」
ラクスのエターナルウィンドはやっぱりピンク。鮮やかなピンクだ。とにかく、専用機四機は一気に飛び上がって行く。そして、また一夏が出遅れる。
「何をやっている。フリーダムとアイズ、エターナルは仕方ないとは言え、ブルーティアーズに比べたらスペック上の出力では白式の方が上だぞ。」
とは言え、またISの知識があまり無い一夏は飛ぶ事さえ苦労していた。
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ。」
「そう言われてもなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体があやふやなんだよ。何で浮いてるんだ。これ?」
「説明しても構いませんが、長いですわよ?反重力力翼と流動波干渉の話しになりますもの。」
「わかった。説明してくれなくていい。」
「そう、残念ですわ。ふふっ。」
一夏は溜息を吐くと、遥か前を飛行している三人組を見つめた。三人はそれぞれの機体から光の翼を煌めかせながらアクロバティック飛行をしている。
「しかし、あの三人は凄いなぁ。」
キラはドラグーンまでパージして物凄いスピードで飛行して追随を許さない。ユウイチは下にいる生徒達に見せ付ける様に危険で尚且つカッコ良く、ラクスはピンクの光の翼を煌めかせてまるで、蝶の様に綺麗に飛んでいた。
「全員、急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ。」
「お先っ!!」
いきなりアクロバティック飛行を楽しんでいたユウイチがバレルロールをしながら地面に向かっていった。そして、完全停止に成功する。
「もう、ユウイチは危ないな。」
「キラ、待ってください。」
「あっ!キラさん!?」
続いて、キラ、ラクス、セシリアと次々に降りて行って完全停止に成功して行った。
「みんな、すげぇな。」
一夏も負けじと地表に向かって行く。どんどんと地表が大きくなって行き、そして。
ちゅどーーーーんっ!!!!
案の定、地表に激突。大きなクレーターが作られた。でも、一夏の身体は白式に護られているので無傷だ。しかし、クラスメイト達のクスクスと言う笑い声で心に大ダメージ。
「おいおい、大丈夫か?」
「一夏っ!?」
「一夏、大丈夫?」
「あ、ああ。」
姿勢制御をして、上昇。穴から離れる。その後、武装の展開や色々な事をして授業は終了した。
そして、その日の夜。なにやら、食堂でイベントがあるのでセシリアとユウイチは食堂に向かっていた。
「ところで、ユウイチさん。キラさんとラクスさんは付き合ってますの?」
「ああ、そうだよ。」
すると、なにやら落ち込んだ感じになったセシリアはハハーンと言う顔になる。
「まさか、キラの事好きなん?」
「そっ、そんな訳ありませんわっ!!」
しかし、ユウイチに見つめられて諦めるセシリア。
「はいですわ。しかし、キラさんにはラクスさんが・・・。」
勝ち目が無いみたいな顔をするセシリアにユウイチは溜息を吐く。
「諦める気かよ?別にイイじゃねぇか。好きな奴に恋人がいたってよ!!一夫多妻でもいいじゃん!?俺にはな、恋人は一人とか相手を変えたらビッチとかセフレがいたら駄目とかの考えがわかんないだよな〜?」
「せっ、セフレ・・・。」
大人な単語にセシリアは顔を真っ赤にする。
「俺が言いたいのは一人に限定しなくてもいいじゃないかって事。逆に羨ましいよ!それにそんな事を日本は気にするから少子化とか高齢化とかで悩むんだぜ?」
妙な迫力で迫るユウイチ。そのせいでセシリアは折れた。
「そうですわね。頑張ってみますわ!」
張り切って足を速めるセシリアを眺めながらユウイチはニヤける。
「頑張れよ。」
食堂に到着するとパーティーみたいな感じな場所になって行た。壁を見ると『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書いた紙がかけてある。
「と言うわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!!」
「おめでとう!!」
パンパン!とクラッカーが鳴らされる。そのパーティーの中心人物の一夏は暗い顔をしているが。
「やれやれ・・・。」
気付くとユウイチの近くにいたセシリアはいつの間にか、先に来ていたキラの横に座っていた。ラクスとセシリアに挟まれているキラの額には嫌な汗が滲み出ていた。
「ふっ、羨ましいよ。」
適当に飲み物を飲んでいると新聞部の部長らしき人物がやってくる。
「はいはーい!新聞部でーす!話題の新入生、織斑一夏君に特別インタビューをしに来ました〜!」
オーと一同盛り上がる。
「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね。新聞部副部長をやってまーす。はいこれ名刺。」
そう言って彼女は一夏に名刺を渡す。
「では、ズバリ織斑君!クラス代表になった感想を、どうぞ!」
「え〜と。まぁ、なんとか頑張ります。」
「えー、もっといいコメント頂戴よ〜。俺に触ると火傷するぜ!とか。」
「自分、不器用ですから。」
「うわっ!前時代的!じゃあまあ、適当にねつ造してくから。」
その後も、他の専用機持ち達にもインタビューを貰いに行くが大したコメントは貰えなかった様だ。
「まぁ、いいわ。専用機持ち達はここに来て!写真を撮るから。」
すると、急に何故かセシリアはイソイソとし出す。
「あの、撮った写真はいただけますわよね、
」
「勿論!さぁ、並んで並んで!」
そう言って薫子は専用機持ち達五人を一箇所に固めた後、カメラを向ける。
「それじゃあ、撮るよ。35×51÷24は〜?」
「え?2?」
「ぶー!74・375でした〜!」
バシャっとデジカメのシャッターが切られる。すると、その瞬間に一組の全メンバーが五人の周りに集結していた。
「なんで全員入ってるんだ?」
「あ、貴女達ねぇっ!?」
「まーまーまーっ!?」
怒るセシリアにそれをなだめるクラスメイト達。キラ達は久しぶりに賑やかな夜を過ごしたのだった。
今、思うと今の時点で専用機五機って多いな。