その男は気が付いたら何もない白い部屋にいた。
白い部屋の中心にある対になるようなイスに座っていたのだ。
「ここはどこだ」
男の言葉は白い部屋へとけるように消えていく。
混乱しながらも男は冷静に考えていた。
ここはいったいどこだ、なんで俺はこんなところにいるんだ。
この部屋には扉がないみたいだな、ならどうやって俺はこの部屋に入ったんだ。
いや、その前に俺は誰だ、記憶がはっきりしない。
ちょっとまて、今なんとなく名前がうかんでいたな。
だがそれでも名前しか思い出せないな。
今、何かできそうにもないな、少しの間待つか。
男は不思議なほどに冷静だった。
そんな男がいる部屋に変化がおきた。
男が座っているイスの正面の壁にドアができたのだ。
そのドアが開き、人がでてくる。
でてきた人は女だった、美しいの一言しかでないような女だった。
百の人が見ても全員が美しいと言うだろう。
しかし男は違った。
「あんた誰だ」
「いや、今はそんなことはいいか」
「俺に何の用だ」
美しさなどどうでもいいというように男は質問した。
「私はエリステリアといいます」
「あなたには転生してもらいたくてここに来てもらいました」
「転生?何で俺をわざわざ?」
「それから、あんたはいったい何者だ」
「職業とかを聞いてるんじゃない」
「どういう存在かを聞いてるんだ」
「・・・」
「あなたも気づいていると思いますが、私は神と呼ばれるものの1人です」
「しかし、私はあなたの居た世界とは違う世界の神です」
男はこの言葉に少し驚いた。
「・・・じゃあなんでその異世界の神が俺を転生させたいんだ」
「それについてはまずこちらの世界のことを話さないといけません」
「わかった、話してくれ」
「こちらの世界はアストリアルと呼ばれています」
「アストリアルには魔力が存在していて、同時に魔物も存在しています」
「そして、5つの大陸がありそれぞれ、人族、魔族、森人族、亜人族、龍人族が住んでいます」
「それで、何で俺がけっきょく呼ばれたんだ」
「ことの始まりは1年前、ある魔人と龍人が会ってしまったことです」
「その魔人と龍人はとても仲が良く穏やかな日々が続くと思われていたのですがある日2人の家族が殺されてしまったのです」
「殺した犯人は2人が仲良くするのを嫌ったとある魔人です」
「その魔人は魔人こそが最高の存在だと考えている者でした」
「だから龍人と仲良くしているのを嫌い家族を殺したのです」
「それがどうして俺を呼ぶ理由になる」
「話しが長いから短くまとめて話せ」
「分かりました、では短くまとめます」
「その後の2人と魔人との闘いが激しくて、その余波が世界を越えてあなたを殺しました」
「俺が死んだのは分かったが、その世界に転生するのか?」
「はい、そうです」
「そんな奴らがたくさんいるのか?」
「いえ、彼らはアストリアルの中でも最強クラスの力の持ち主でした」
「それならいい」
「では、転生していただけますか?」
「ああ、別にいいぞ」
「もう死んじまったらしいしな」
「転生していただくにあたり、そちらの世界の二次小説にあるいわゆる特典というものをわたせますが、どうしますか?」
「それはどんなのだ」
「スキルでしたり能力値であればある程度は」
「だったら応用がきいて、かといって凡庸にならない攻撃スキルと防御スキルを2つずつと武器とかを自分のところに転移させるスキル、あと物を入れておける異空間的なものをくれ」
「それではそのスキルをもって転生してもらいます」
「わかった、たのむ」
そうして男は転生していったのであった。