ちょっと海の人になってました
ライザーとのレーティングゲームをライザーを前衛的な氷のオブジェに変えることで終えた後、リアス眷属に久遠兄妹を含め、お偉いさん方が観戦していたVIPルームに招待されていた。
「やぁ、まずは勝利おめでとう」
そう声をかけてくるのはリアスと同様な紅の髪を持ち、後ろにグレイフィアを侍らせている男。
「お、さっちゃん。おひさ」
「やぁ、須臾くん。久しぶりだね」
「え、お兄様!?」
そう、リアスの実の兄、サーゼクス・ルシファー。シスコンである。
「リーアたんが結婚しないでよかったな、さっちゃん」
「うん、それは良かったんだが…今は公務のようなものだから少し待ってくれないか?本当は喜びのあまり踊りだしたいんだが、そうしたらグレイフィアに殺されてしまうんだ」
「妻帯者も大変だな」
「その点君は妹が妻のようなものだから楽そうだね」
「あぁ、極楽だ」
「サーゼクス様」
「さて、妻がおこだから話を進めていいかい」
「大変だな」
シスコンで現四大魔王最強でありながら妻には勝てないサーゼクス。男尻にひかれるくらいがちょうどいいのである。
「それではまずリアス、初勝利おめでとう」
「いえ、お兄様。今回は須臾と永久がいなければ負けてました。私の勝利とは口が裂けても言えないものです」
これは事実であり、リアスとその眷属だけではライザーには勝てなかっただろう。
「それでも勝利は勝利だよ。そして須臾くんに永久さん。今回はありがとう。今回の参加の対価として君たちには何らかの褒章を与えなくてはと思うのだが、何かあるかい?」
イッセーだったら真先にハーレムを要求しそうな魅力的な質問。しかもシスコンでも魔王の一人。例えばそんな願いだとしてもかなえる力があってしまう。
「いや、ライザーボコったから満足してるよ」
「私も兄さんが私のためにその力を振るってくれたってことだけで満足なので特にいりません」
「君たちは無欲と言うか…お互いに対してしか欲がないんだね」
つまりお互いがいれば他に何もいらない。世界はこの2人で回っている。そんな兄妹なのである。
「次にだが、フェニックス卿」
そのサーゼクスの言葉に前に出てきたのは金髪でダンディーなおじさんだった。
「どうも。このたびは天狗になっている私の息子の鼻をへし折ってくれてありがとう」
要はライザーの父親、現フェニックス家当主である。
「あんな実力で天狗になるとか笑えますね、兄さん」
「そうだな、永久ならまな板だけで勝てるな」
容赦がない兄妹と言うか…まな板でどのように戦うのだろうか?
そしてあの程度と言うがあれでもライザーは公式のレーティングゲームでも勝利を重ねてるなかなか優秀な悪魔ではあるのだが。
「ははは、戦いといい容赦がないね。君たち兄弟は」
自分の息子がぼろくそ言われたことを笑ってすますフェニックス卿。
「妹を大切にしないやつには当然の報いだ。何より俺の永久に触ろうとしたんだ。許せる案件じゃない」
そう言いながら永久の頭をなでる須臾。そのとても大切な宝物を愛でる手つきにご満悦らしくぽわぽわとオーラを発する永久。絶対零度のオーラ以外にも使えるらしい。
「ははは、ならレイヴェルも貰っとくかい?あの子は性格も器量もいい。つくしてくれるいい花嫁になるぞ」
「妹キャラならリアスもそうだよ。婚約を壊したわけだしこの際貰っとくかい?」
「いや、永久だけで満足なので遠慮します」
「兄さんに私以外に嫁ができるなんて…壊して毀してコワシテ殺して殺し尽くしてもイインデスヨネ?」
兄の発言にリアスが怒鳴る前にきっぱり断る須臾に使用頻度ナンバーワンの絶対零度のオーラを発する永久。それでも笑って冗談だと言えるサーゼクスとフェニックスは流石の大人の男性と言うとこだろうか。嫁の殺気と言うもので経験豊富なのだろう。
「さて、それは置いといて、須臾くんに永久さん。君たちは悪魔に転生する気はないかい?リアスの眷属として」
その言葉に真先に反応したのは久遠兄妹でもリアス眷属でもなく、部屋にいた別の人である。
「あ!サーゼクスちゃんずるい!須臾君たちはソーナちゃんの眷属にこそふさわしいのよ!」
そう声をかけてきたのは黒髪ツインテールの魔法少女の格好をして、女性を一人その豊満な胸に抱きしめた女性である。
「お、セラたんじゃん。セラたんも来てたの?」
「ヤッホー久しぶり☆須臾君」
「「「「「知り合い!?」」」」
その女性の名はセラフォルー・レヴィアタン。四大魔王のもう一人にして、
「姉さん…もぅ、はなして、ください…」
その胸に抱えられグロッキーになっている駒王学園の生徒会長・支取蒼那ことソーナ・シトリーの姉である。そしてシスコン。
「須臾、なんでセラフォルー様と知り合いなのかしら?」
「"集え!シスコン‼愛を語れ‼"ってオフ会で知り合って、それからメル友」
魔王のくせになんてものに参加してるんだろうか。
「他にも高坂さんとか赤城さん、阿良々木さんとかいろんな人と知り合ったな」
シスコンとはそんなに全国に繁栄していたのかと、その事実におののくリアス。
「それで須臾君!須臾君もソーナちゃんの眷属の方がいいよね!よね‼」
「いや、リーアたんの眷属として迎えるべきだ。なんせリアスの婚約破棄のためにここまで頑張ってくれたのだしね」
「むぅ~。でも!ソーナちゃんの婚約だって須臾君がソーナちゃんに下着を送ったせいで流れたんだからこっちだって!」
「「「ちょっと待って。何が起きた」」」
「姉さん!!」
セラフォルーの言葉に理解が追い付かない周りに顔を真っ赤にして叫ぶソーナ。
そしてそのあとに頭をよぎるのは永久というブラコンの前で、兄が自分以外の女性に下着を送ったという事実を知って、いったい何が起きるかである。
大多数の人が思ったのは全滅エンドだろうが、その予想はいい意味で裏切られた。
「そういえばプレゼントしましたね、兄さん」
「あぁ、それで婚約が流れたというのが理解できないがそんなこともしたな」
平然としているのである。
「大人の女性っぽくレースをあしらった結構イケイケなものと、大人し目のストライプのものを選びましたけどそれでどうやったのでしょうか?どうやったんですか、蒼那さん?」
「俺も気になるところだそーたん」
そう言いながらソーナに詰め寄る兄妹。
「し、知りません‼」
そう顔を真っ赤にしてさっきまで嫌がっていた姉の胸に顔を沈めるソーナ。
それを不満げに見る久遠兄妹に、ホクホクした顔でふおぉぉぉぉとか言っている姉。
話が全く進まないメンツである。
「それで、眷属はどうするんだい?」
「その眷属っていうのはどうやってなるんです?」
話を戻したサーゼクスに問いかける須臾。
そうして説明されるのは転生のメカニズム。
悪魔の駒と呼ばれるチェスの駒を模したものを与えられることで悪魔になること。
チェスの駒の種類によって価値が違うこと。
主の、キングの実力により駒の価値が上がること。
そして駒により特性があり、転生者の能力を与えること。
それらの答えを受け、出した返事は
「うん、無理」
なんとも単純なものであった。
そして理由もまた単純であった。
「王の実力から考えて、もし仮に女王の駒が余っていたとして女王の駒を用いても永久を転生させることはできない」
それだけ永久が規格外の存在であるということだった。
「おや、その言い方だと須臾くんは転生できるようだが?」
その永久だけに注目した発言に疑問を覚えたサーゼクスに須臾は
「できますよ」
これまたさっぱりと答えた。
なぜなら、永久と違って須臾は莫大な力も持てないし、器用なレベル最大、フル強化された一般人的な人外だからである。
「なら、須臾くんだけでも転生する気はないのかい?」
須臾に対し、サーゼクスは答えの分かり切っている質問をした。
「永久と違う種族になって永久と違う寿命で生きるなんてありえないね」
「君ならそういうと思ったよ」
理由は簡単。なぜならシスコンだからだ。
シスコン多いなぁ
次回からまた三話くらい原作外のことやってから三巻の内容かな?
予定は未定だ!