2人で1人の略奪者   作:bakabakka

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珍しく兄の方がキレるお話し


Qあなたは何者ですか? Aただの兄です

 

あの戦いからもう三日経とうとしており、学園内の関係者も落ち着きを取り戻したかに見えたのだが…

 

 

「ねぇ、朱乃。なんで須臾はあれから学校に来ないのかしら?不登校かしら?引きこもりかしら?なんなのかしら?」

「うふふふ…ホント何のつもりなのでしょうか、もう勢い余って須臾君の家に雷落としてもいいですわよね?不慮の事故ですよね?」

 

 

あの日から待てを食らってる2人は若干黒くなっていた。

周りのクラスメイトも冷や汗ものである。ほら、2人の周りになぞのサークル形成されちゃってるし。

だがここに救世主の声が届く。

 

「すいません、遅刻してしまいました~♥」

「…すみま…せ、ん。遅刻しま……した」

 

つやつやした様子の永久にしおしおした様子の須臾である。

現在時刻は三時を回ったころ。今日の残す授業は1つだけである。こんな時間に出勤とは重役出勤もいいとこである。

 

そして求めていた人が来たことで2人のダークサイドの住人が食いついた。

 

「ちょっと須臾。事情も説明せずに何をしてたのかしら?」

「須臾君、殴ってよろしいですか?よろしいですよね」

 

すさまじい勢いで迫ってきた二人を置いといて須臾は一言も話さずに机に倒れこんだ。

 

「すみません、兄は今少し疲れているので後にしてもらえませんか?」

「少しって…今にも死にそうなんだけど」

「いったい何があったのですか?」

「何ってナニがあったんですよ」

「何って何よ?」

「何ってナニですよ」

「あらあら、お元気ですね」

「朱乃分かったの?」

「リアスはわからなくても大丈夫よ」

「ひどくないかしら」

 

少しの会話で分かったのは、リアスが意外に純であるということである。

 

「それにしてもここまでになるなんて…いったいどのくらいヤったのですか?」

「それはもう、ずっとですよ」

「ずっと、ですか?」

「ずっと、ですよ」

「そんなには無理なのでは?」

「無理無茶は私たち二人には通用しませんので」

 

リアスを放置しあっちの話を続ける2人。

朱乃はお年頃らしい。

 

閑話休題。

 

「それで、永久。あなたのお兄さんに話があるのだけど…どうすればいいかしら」

「兄さんは今真っ白に燃え尽きてますので、また明日にしていただけますか?明日になれば再燃すると思いますので」

「そう、なら明日オカルト研究部の部室に来てくれるよう伝えてもらえるかしら?」

「はい、兄さんともどもお邪魔させてもらいます」

「あら?あなたも来るの?」

「はい、兄さんと私は2人で1人ですから」

「そう…わかったわ」

 

こうして二人の疑問は一切解決することもなく、後日に回されることになったのであった。

と言うより須臾はなにしに学校に来たのだろうか。ピクリとも動いてないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんで後日の放課後。

 

「いや~悪いなイッセーに木場。案内してもらって」

「いえ、いいですよ。部長からの指示でもありますし」

 

放課後になったとたんリアスと朱乃は急ぎ部室に行き、部室への案内にイッセーと木場が教室までやって来た。なんという二度手間。

 

「んでなんで案内がお前らなの?」

「部長たちは今日他にも来客があるらしくてそちらに向かってます」

「え、そうなのか木場?俺そんなこと聞いてないんだけど」

「よかったなイッセー仲間外れだ」

「よくねーよ!」

「まあまあ落ち着いてください、イッセー君」

「はい!落ち着きました!」

 

一緒に歩く永久と言う美少女に反応してすぐ機嫌をよくするイッセー。だが永久に近づくのを許さない兄鬼・須臾がいる。

 

「なぁイッセー君。ちょっとプールに行こうか。何、すぐ終わるさ」

「すいませんでしたぁ!!」

 

トラウマを刺激されすぐに頭を下げるイッセー。木場はただただ苦笑するのみである。

そうして部室の入り口まで来たのだが、そこで木場が立ち止まった。

 

「参ったな。この距離になるまで気づかないなんて」

「どうしたんだ木場?」

「いや、入ればわかるよ」

 

そうして扉を開けた先に広がっていたのは如何にもなオカルトチックな置物や魔法陣が書いてある。そして、ソファーに憮然とした態度で座るリアスにその後ろに控える朱乃、別のソファーにはおろおろしてるアーシアにおやつをぱくつく学園のマスコット、子猫が座っていた。

そして最後に明らかに別格な空気を纏った銀髪のメイドがたたずんでいた。

 

「お、さっちゃんの嫁さんじゃん」

「どうもご無沙汰しています」

「「「「「知り合い!?」」」」

 

まさかの知り合いであった。

 

「ちょっと待って、ねぇ待って。私に状況を理解できる時間をくれないかしら?」

 

さっきまでの様子はどうしたのか、手を額に当て当惑しだすリアス。

 

「あ、グレイフィアさん。お久しぶりです。」

「永久様もご無沙汰ですね」

「こんなところでどうしたんですか?」

「ええ、少し用事がありまして」

 

と、そんなリアスを置いて仲良く談笑を始める久遠兄妹と銀髪のメイド、グレイフィア。リアスとリアスの眷属は最近入ったばかりで詳しい事情を知らないイッセーとアーシアだけでなく他の眷属も同様に驚いている。

 

「ちょっとどういうことなの、グレイフィア!この2人天使か堕天使じゃないの!?」

 

悪魔であるグレイフィアが天敵である天使、または堕天使とは思われるものと親交があることに思わず叫んでしまうリアス。

だがそのようなことグレイフィアも知らなかったらしく、

 

「いえ、須臾様も久遠様も天使でも堕天使でもないはずですが…それよりも、御2人とも天使や堕天使についてご存じなのですか?」

「もちろん」

「悪魔についても知ってますよ」

「そうなのですか」

「「そうなのです」」

 

発覚した事実に絶句するリアス。

 

「それじゃあこの前の光で堕天使を打倒していたのはなんだったのよ!」

「あぁ、あれは…」

 

と、ついに真実が語られようとしたところで急に床に魔法陣が現れ、炎が噴き出た。

そこから出てきたのはホスト風の赤いスーツを着た金髪の男。

 

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

突然の愛しのリアス発言に今までのことが全部ぶっ飛び頭が真っ白になるイッセー。

 

「さて、式の会場を見に行こうか。日取りはもう決まってるんだ、早い方がいいだろう」

「なに、結婚するのか?」

「それはそれは、おめでたいですね」

「おめでたくなんてないわよ」

 

放心してるものもいればなんも気にした様子のない兄妹もいる。

そうしてようやく復帰したイッセーが問い始める。

 

「部長!こいつ誰なんっすか?」

「なんだ、リアス。俺のことを下僕に話してないのか?」

「ええ、話す必要がないもの」

 

そのリアスの言葉に顔を引きつらせながらハハと笑うホスト。

そして口を閉ざしてるリアスの代わりにグレイフィアが告げる。

 

「兵藤一誠様、この方はライザー・フェニックス様。純血の上級あくまであり、フェニックス家の三男にして、リアスお嬢様の婚約者になります。」

 

グレイフィアの言葉にまた空気が凍ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

突然の婚約者登場から暫くたち、客人である久遠兄妹とライザー、主であるリアスはソファーに座り、給仕をする朱乃以外はリアスの後ろに立って控えていた。

 

「いやー、リアスの女王が入れてくれたお茶はうまいものだな」

 

そう下心を浮かべた顔で言うライザーに、にこやかな顔だけは繕い朱乃は感謝を告げる。

 

「うん、やっはり永久が淹れてくれるお茶が一番だな」

「いやいや、兄さんが淹れてくれるお茶が一番ですよ」

「お2人は少しは黙ってくれないでしょうか」

 

こんな空間だろうとマイペースな兄妹に、こっちはイラつきを隠すことなく返す朱乃。

それからはそんな二人を置いて話はどんどん進んでいく。

 

べたべたとくっついてくるライザーにリアスがキレたり。

歴史がどうとか血がどうとかライザーが結婚の意義について語り。

部長がそれでも婚約を無にしようと断り、ライザーがキレたり。

臨戦態勢になった二人をグレイフィアが仲介したり。

その結果、10日後にレイティングゲームという悪魔の遊戯によって決着をつけるということになったり。

ライザーが自分の力を自慢しだしたり。

ライザーが女性で構成されたハーレム眷属を紹介したり。

 

ここまでは兄妹は珍しくおとなしくしていた。ケーキを食べさせあったりしていたがおとなしくしていた。けどついに琴線に触れてしまう。

 

ライザーが永久に向き直り、話し出した。

 

「ねぇ君。君はリアスの眷属じゃないんだろう?なら俺のものにならないか?君ほど美しい女性だ。人間でも俺の妾にしてやってもいい。もし眷属になりたいならレイヴェルを外して君を加えてもいい」

「…レイヴェルさんと言うのは?」

「あぁ、俺の妹だよ。ほら?実の妹にっていうのに憧れたりするやついるだろ?ま、俺は興味ないんだけどな」

 

そう言いながら手を永久の肩を触ろうと手を伸ばすライザー。

だが、その手が永久に触れることはなかった。

 

部屋に響くのは壁が砕ける破砕音とライザー眷属の悲鳴だった。

その音を起こした本人はというと、

 

「永久、殺っていいよな」

「存分に、兄さん」

 

その音を発生させた須臾は拳を振り切った体制で特大の殺気を放っていた。

 

「おいおい、人間ごときが俺に触れるどころか殴るだと?そんなこと、あっていいと思ってんのかぁ!」

 

殴りとばされたライザーはぶちキレ、炎の翼を出しながら怒鳴りつける。

 

「おいおい、お前こそ。俺の妹に手を出してただで済むと思ってんのか?それに…妹を大事にしねぇヤツを俺が生かしてやるとでも思うか?」

 

そう言って拳を構える須臾。

 

一触発のこの空気、誰も声をあげれないなか、待ったをかけれる人物が一人いた。

 

「御二人とも、この場での争いは控えてください」

 

特大のプレッシャーを放ちながら静止の声をかけるグレイフィアに、ライザーは炎を収め、須臾は構えを解きながらも永久の手を取り警戒を強めた。

 

「今回のレーティングゲーム、人数、経験ともにお嬢様が圧倒的に不利な立場にあります。なのでお嬢様のチームに須臾様、永久様を加えたメンバーで戦うということにされたらいかがですか?」

 

「…最強の女王に言われたらしょうがないな。おい須臾とか言ったな。お前は必ず潰す」

「潰されんのはてめぇだ焼き鳥野郎」

 

こうして久遠兄弟のレーティングゲーム参戦が決まった。





ってことで兄弟の本領発揮と焼き鳥フィーバーの時は近い
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