所はウブモ村、その雲多き地の静かな集会場に、ドタバタと雰囲気にそぐわない足音が鳴り響く。
「沼地に!金火竜と銀火竜が現れました!」
この世界の一般的な呼び名で「ジォ・テラード湿地帯」という湿原の近くに位置するこの村は、必然的に沼地に生息するモンスターの襲撃を受けやすいため、人々は滅多なことでは焦ったりしない。
しかし、
「
遥か昔から、この村には数十年周期で金色と銀色の火竜の番いが来襲し、その時に限って村自体にも不可思議な現象、例えば
「人が突然失踪する」
「村から出ようとして、どのようなルートを通っても村に戻ってきてしまう。」
などの怪事件が、番いが両方倒されるまで続く、ということが起こっていた。故に、金銀の火竜は只のモンスターとしてではなく、魔物として恐れられていたのだった。
集会場に居るほとんど全員が絶望から深刻な表情をしている中、明らかにそれとは異質の、だが真剣ではある表情の青年が一人。
「
彼はそう呟いて立ち上がり、騒ぎを聞きつけてやはり深刻そうに考え込む村長のもとへ真っ直ぐ向かっていく。村長は彼の姿を見ると、その場で紙に何かを書き始めた。そしてそれを青年に渡す、と同時に抑えきれぬ本音を漏らす。
「この任務、できれば早く終わらせて欲しいものではあるが…独りで大丈夫か?ヒカル?」
「ハンターは自信が無いのに依頼なんか受けやしませんよ。ただ、此方も少し準備したい事が有りますので、出発は少し待っていただきたいのですが。」
書いてある内容さえ見ずに紙を無造作に掴み、依頼を承諾するヒカルのその強気な姿勢に、村長は何も言えなくなる。この村は確かに急を要する事態に陥っている。しかし、それだけの都合で、この若者を碌な準備もさせずに単独で送り出すのは村長の良心が咎めた。自分のできることと、彼の実績と、村の状況を天秤に掛け続けたのち、しばらくの沈黙を破ったのは村長の方だった。
「…できる事があれば、積極的に支援させてもらう。三日あれば、此方も色々と手を廻す事ができるが?」
「ありがたき幸せ。では、三日後に村の門で。」
ヒカルはそう告げると、踵を返して足早に村長のもとを立ち去った。
ヒカルは、未来の自分と思われるハンターが死んだのを見て、一層剣の腕を磨く事に一所懸命になった。気づけば、沢山の飛竜を倒し、気づけば、地元ポッケ村のハンターの中でも上位の腕前を持つに至っていた。全ては、あの銀竜と戦うために。しかし
「立てば疾風、座れば静林、歩く姿は侵略火。彼の者纏うは、不動山。」
これだけの評価を貰う実力をつけて尚、未来の彼を死に至らしめた銀色の竜と戦うことはなかった。そんな中、彼はある噂を聞く。
「ポッケ村のハンターがよく行くクルプティオス湿地帯の沼地には銀竜は居ないが、『旧沼地』まで行けば銀竜が現れる。しかもその銀竜は曰く付き。」
彼はこの事を耳にするや否や情報を集め出し、
「ポッケ村では、旧沼地は上位ハンターならば村長から行く許可を得られること」
「旧沼地は、ポッケ村からかなり遠い『ジォ・テラード湿地帯』にあること」
を知った。断られることは十分承知していたが、彼は村長に、旧沼地の近くに移住したいと何回も頼み込んだ。始めは、村長どころか村全体が、まだ若く実力あるハンターが居なくなることに難色を示した。しかし彼のこれまでの村に対する貢献と、本人の熱意を鑑みて、遂に村長の方が折れて、彼は「一時的に」という条件付きでウブモ村に移住することとなった。
移住してまでも成し遂げたいその目的が、果たされようとしている。否が応でも、ヒカルの心は昂ぶっていた。
はあ( ;´Д`)本当にM.H.DESTINYの筆が進まない
単語一つ一つに気をつかってたらマジで保たない…
許して、ってこっちで言っても伝わらないだろうな、うん、割り切ろう(錯乱)。外伝の方が筆が進むとかどういうことやねん!