やはり俺が青蘭学園で青春をおくるのは間違っている。   作:キール

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日常

その日の夜のこと。

 

「いい加減、どんなαドライバーなのか教えなさいよ」

 

「何でそんなに気になるん?」

 

「そ、そりゃ…あんたの相方だし、さ、先を越されたらいやだし…」

 

だから何でそこで顔を赤くするんですかね。

 

「一言で言うなら、変わり者かな」

 

「変わり者?」

 

「孤独を愛し、考え方がひねくれてて、目が死んでいる。そんな人かな」

 

「ぜんぜんイメージができないんだけど…」

 

おかしいな…八幡の個性をわかりやすく伝えたのに。

 

「相方は兄貴と似てるかな」

 

「歩のお兄さんと似ているとなると…なんとなくイメージができてきたわ」

 

兄貴と似てるっていうと、伝わるんだな…

 

「そ、そいつとはいい感じなの!?」

 

「いい感じってパートナーとして?」

 

「それもあるけど、お互いを異性として意識してるとか」

 

「ああ、ないない」

 

八幡の異性として認識はさすがにしてない。

 

異性というよりは相棒という認識のほうが強いからだ。

 

「ほ、ほんとよね!?信じるわよ!」

 

「うん」

 

美奈ちゃんは一体何を心配しているのだろう…

 

「強さを求めるために私はあそこに入ったんだし、恋人ごっこをしている余裕はないからね」

 

「あまり無理をしないでね…」

 

「わかってるよ。無茶はしない」

 

それにしても、八幡は今頃何をしているのだろう。連休中は一度も顔をあわせてないし、話してもいない。

 

少しの間話していないと、どうしても声が聞きたくなってくる。

 

「ごめん。ちょっと電話してくるわ」

 

「誰によ?」

 

「相方に」

 

そういって携帯をもって部屋を出ようとしたとき、すばやい動きで美奈ちゃんが私を取り押さえた。

 

「や、やっぱりそういう感情があるんじゃない」

 

「だからないって。会ってないから電話しようかなって思って」

 

「でもそれって声を聞きたいってことよね?」

 

うっ…正論。

 

「何で何もいわないのかしら?」

 

(無言の逃走)

 

「あ。こら。待ちなさい!」

 

こうして、本日二回目の追いかけっこが始まり、屋敷内の人たちはそれをほほえましそうにみていたという。

 

学園side

 

私は一人で先日のバトルの様子を録画したものを見ていた。

 

「彼女は強くなったか?」

 

「はい。一年生の中では強いと美海さんもいってました」

 

私はバトルしている人間の動きに注目してみていた。

 

「動きも早いし、パワーもあります。それにαドライバーとの相性も悪くないです」

 

「間違いなく、即戦力だな」

 

ミハイルと私は彼女の戦っている映像を見ながら一つ、一つの動きを目で追った。

 

「才能と努力でここまで強くなったんだろうな」

 

「剣を振るうときの腕の使い方がいいですね」

 

「武田は他のやつらと違って、関節がとても柔らかいと聞いてくるからな。だからあれだけ激しい動きもできるわけだ」

 

一つ、一つの動きが正確で見てて思うところが沢山ある。

 

「たが、それを自覚していなのか、体を強引にひねろうとしているときがあるな。あんな使い方をしては、怪我をする元になる」

 

本人はまだ体の使い方がまだわかってないのかもしれない。今はいいけど、あんな動きを続けると、肩や肘に影響が出てくる。

 

「そうですね。ですが、こちらがいろいろと手を加えた結果、本来の良さが消えたら困りますし」

 

「そこが難しいところだな。素材は一級品、それを私たちが壊してしまうのはあまりにも惜しい」

 

彼女はまだ一年生、動きが悪いからといってこちらがいろいろと手を加えるのは早すぎる。

 

「武田は今帰省中だったな?」

 

「はい。そのように聞いてます」

 

「それなら、GWが終わったら一度実戦を想定したものをやらせてみるのも面白いかもな」

 

「実戦というと…ウロボロスとの戦闘に出すということですか?」

 

私がそう聞くと、ミハイルはそれはないと否定した。

 

「日向と戦わせてみようとおもう。あいつならいい実戦の相手になるからな」

 

「武田さんはまだ一年生ですよ。それにいくら強いといっても、生徒会長である美海さんと戦わせるのは早すぎるのでは」

 

彼女がここで負けてしまって、今まで積み上げてきた自信をなくしてしまう可能性もあった。

 

「確かにまだ一年生でエクシードの使い方もまだまだ未熟だ。だが…それを除いた実力は互角だ。それにまんがいち、日向に負けたとしても得る物は沢山あるからな」

 

「それはそうですけど…」

 

「それに武田の本能は…思った以上にやっかいかもしれない」

 

「やっかいというと?」

 

「餌を求める狼が標的をめがけて襲い掛かる。周りなんて関係なしに、相手を食らうために力の全てを使う。私には武田がそう見えてしょうがない」

 

確かに映像でみる武田さんは相手を標的として見ているところがある。

 

「つまり、美海さんに武田さんの本能を引き出してもらおうってことですか?」

 

「ああ。厄介といっても、敵になるわけではないし、使い方によっては大きな戦力になるからな」

 

「なるほど、今わかってるのは、闘争本能と獣の本能ってことですよね」

 

「ああ。戦闘で両方を引き出せるといいんだけどな」

 

そう簡単に本能って引き出せるだろうか…それに獣のような本能を引き出したら、彼女はどうなってしまうのだろう…私はそんな不安が頭の中をよぎった。

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