やはり俺が青蘭学園で青春をおくるのは間違っている。 作:キール
GWが明け、数日がたった朝の登校時。俺は憂鬱な気分で学校に向かっていた。
(何でこうも憂鬱な気分になるのかねぇ……)
休み明けというのはどうも気分が乗らない。どうせならもう少し長いほうがよかったとおもうからだ。
(それにしても、休みの間、あいつから連絡はなかったな)
歩は休みの前に気が向いたらメールするねといっていたが、休みの間に来たメールは一件もなし。電話もなかった。
(几帳面なあいつにしては珍しいな)
いったことは必ずやるという性格なだけに俺は若干不思議に思いながら教室に入った。
「噂のαドライバー様がきたぞ」
「休み明けなのに、相変わらず目が腐っているわね…」
クラスの連中が俺を見て何か言っているが、孤高のボッチである俺は気にしない。
好きなやつには好きな風に話させればいいんだ。
俺は自分の席に座ると、プレイヤーを取り出し、イヤホンを両耳にさし、HRが始まるまで机に突っ伏した。
「ねぇ…比企谷」
何だ?誰がしゃべってる?まぁ、俺には関係ないか。
「こいつ、寝てるんじゃないの?いつもこうだし」
「でも…伝えないとまずいでしょ」
何やら俺の周りに人が集まっているようだ。
「うん…生徒会長と…比企谷の相方が模擬するっていう噂だし…」
「あの一年、もうそんなレベルまできてるのかよ…」
「なんかこの前のバトルを見て、急に決まったらしいよ」
「急激に成長してるよな…前はゆったりとした動きだったけど、今は躍動感が出てきたし」
「前に話を聞いたら、肘の使い方を変えたらしいよ。中学まではあの使い方だったけど、エクシードの授業中にそれを指摘されてから、肘の位置を前より高くして、力を伝わりやすくしたんだって。無駄な動きを減らすことで前より体の動きをよくしたって感じだよね」
「センスの塊だな…俺、あの子と組めばよかったかも…」
何やら周りが騒がしくなっている。
「比企谷、起きてるんでしょ?寝てるふりしても無理だよ」
聞き覚えのある声がして顔を上げると声の主はやっぱり起きてたとつぶやいた。
「なんか用か?」
「比企谷はバトルのこと聞いてる?」
バトルって何のことだ?少なくとも俺はそんなこと聞いていない。
「知らん」
「比企谷の相方の武田ちゃんだっけ?その子と生徒会長が模擬バトルするみたいなんだよ」
はぁ!?あいつは前に会長と戦うのは無理って言ってたよう気がするが…
「何でそうなってるんだ?」
「学校側が決めたみたいだよ。あんたらの訓練の成果はいいし、この前のバトルの内容も相手を圧倒してるから。それなら強いやつをぶつけてみようとおもったらしいよ」
確かに俺とあいつがこなしている訓練の内容はいいと記憶しているが、いきなり生徒会長とやらせるのかよ。
「それにあの子…バトルするときに人が変わるでしょ?」
「そうか?」
「変わるわよ。普段はおとなしそうなのに、バトルになると人が変わったように攻撃的な性格になるし」
あれが攻撃的な性格に見えないんだが…
(バトルの時はアドレナリンが出てるからね。相手を倒すために私の全ての技術を使ってるし、それに昔からこうなんだ。私)
前に歩がそう話していたのを俺は思い出した。
「模擬ってことはαドライバーはいらないってことか?」
「どう考えてもいるでしょ」
「めんどくさいから、戦いたくないんだが」
それに生徒会長相手だとダメージの逆流でどうなるかわからないし。
「ほんと…武田ちゃんが不憫に思える。こんなαドライバーをパートナーにして…」
「ほっとけ。もう俺は寝るぞ」
会話を強制的に終わらせ、俺は再び机の上に突っ伏した。