どうも、ふぁもにかです。今回、家光パパンを登場させるのですが、彼の口調とか他キャラへの呼び方が全然わからない件。違和感あったらごめんなさい。
僕が雲のハーフボンゴレリングを入手したその日、ディーノさんがやってきた。
その目的は、ヴァリアーが偽物のハーフボンゴレリングを掴まされたと気づき、並盛町へ殴り込むであろう10日後までに、ヴァリアーの雲の守護者を倒せるレベルにまで僕を鍛えること。
……実際にヴァリアーが並盛に来襲するのに1週間もかからないのはここだけの話。
とはいえ、何か特別なことをするわけじゃない。
原作と同様に、ただひたすら僕とディーノさんがガチンコバトルをするだけだ。
僕が、雲雀さんが強くなるのに必要なのは、自分と同格か、それ以上の相手との真剣勝負。
ディーノさんと本気でぶつかり合い、急ピッチで経験値を溜めていくことこそが重要なのだ。
そんなわけで、家庭教師ディーノさんによる、僕の修行が始まった。ロマーリオさんがまるで菩薩のように、ニコニコ笑顔で僕とディーノさんを見守る中。雨ニモマケズ、風ニモマケズ。いかなる天候だろうと関係なく、並盛中の屋上を始めとして、工場跡、海岸、山麓、川辺など、様々な場所で僕とディーノさんは激しい戦闘を行った。時には、互いの武器を捨てて素手で戦ったり、利き腕の使用を禁じたりと、縛り条件を設けて激闘を繰り広げた。
そんな体を酷使したガチンコバトルを5日続けた今日、オデノカラダハボドボドダ!
ちゃんと食事を取っているし、睡眠時間も確保しているから原作より怪我の具合はマシなんだろうが……現状、僕の全身の至る所にディーノさんのムチの打撲痕が青々と刻まれている。これはどう見てもドSな彼氏に可愛がられている(意味深)ドMな彼女特有の体ですね、わかります。ま、僕も負けじとディーノさんをトンファーでボコりまくってるからお相子だけどね。
それにしても、戦えば戦うほどによくわかる。
ムチという一見ふざけた武器が、かなり利便性が高いことに。
基本的にリーチが長く、しかし距離を詰められても即座に対応できる。
青痣を与えるだけでなく、皮膚を切り裂くことも容易にできる。
敵が間合いを図りにくくなり、存分に翻弄できる。
ふむ、ムチ。ムチか。……アリかな。
せっかくムチのスペシャリストがいるんだし、挑戦してみるか。
何事も未知の領域に臆せず、挑戦するユー○ャン精神が大切だろうしね。
何より、雲雀さんにムチってかなり似合う気もするし。
「跳ね馬。君はムチを使いこなすのにどの程度時間をかけた?」
「ん? どうした、恭弥?」
「いいから答えなよ」
「そうだなぁ。ま、一朝一夕のことじゃなかったな。癖のある武器だしな」
そんなわけで。早朝の並盛山中にて。今日も僕を鍛える気満々なディーノさんに問いかける。
きょとんとしているディーノさんに催促すると、ディーノさんは首を傾げながら返答する。
ふむふむ。そう簡単にはムチを使った戦い方をマスターできないと。まぁ当然か。
でも。だからって「あ、そう」と引き下がるつもりはないけどね。独力で『溶解さくらもち』を習得できた雲雀さんの天才スペックならきっとムチマスターにもなれるはず。
「ふぅん。君がその程度なら、すぐに身に付けられそうかな」
「え?」
「跳ね馬。予備のムチぐらい持ってるよね? 僕に貸してくれない?」
「はぁ? いきなり何言って――まさか、今からムチを極めようって考えてんじゃねぇよな? やめとけって。今、武器を変えたらヴァリアーに勝てなくなるぞ。今のまま、トンファーでの戦闘技術を仕上げるべきだ」
「誰がトンファーからムチに鞍替えすると言ったかい? 僕の武器はトンファーのままだよ。ムチを学びたいのはあくまで保険。使える手段が多いに越したことはないからね」
「あぁ、そういう考えか」
僕がディーノさんにムチの貸し出しを要請すると、僕が武器をトンファーからムチに変更したがっていると解釈したディーノさんが真剣な面持ちで忠告してくる。この勘違いはすぐに解消しないとムチで戦わせてくれない。ということで、僕は直ちに己の見解を述べた。
「そういや昨日、ポイズンクッキングで俺のムチを溶かしたよな。トンファーにも色々仕込んでるし、戦い方が多彩というか、パターンがないというか……何つうか、凄ぇ雑食だな、恭弥って」
「並盛の風紀を守るために手段を選んでないだけだよ」
「なるほどな。けど、ムチの扱いは厄介だぞ。俺だって今みたいに馴染ませるのにメチャクチャ苦労したんだ。そう簡単に習得できると思うなよ?」
「なら、1日でマスターして君の悔しそうな顔を拝むとするよ」
「ホント、どこからその自信が出てくるのやら。ムチの世界を思い知らせて、泣かせてやる」
売り言葉に買い言葉な応酬の後、ディーノさんから予備のムチを投げ渡された僕は、トンファーを仕舞いつつムチをキャッチする。雲雀恭弥らしく振舞うために積極的にディーノさんを挑発しているが、言葉とは裏腹にディーノさんが大人の余裕を保った態度でいてくれるのはありがたい。険悪な関係になっちゃうと、僕の精神がストレスでマッハだからね。
「そんじゃ、いくぜ――恭弥!」
「今日こそ君を咬み殺す」
はてさて、今日はこの恭華さんボディにどれくらいの青痣が増やされるのだろうね。
◇◇◇
沢田家光はボンゴレ10代目候補の沢田綱吉の父親である。
同時に、ボンゴレファミリーに属しながらも独立した諜報機関
ボンゴレNo.2の地位を持つ門外顧問の権限は大きい。
ボンゴレの後継者選びにおいてボスと対等の権限を所持しているのがその証左だ。
家光は今回、ハーフボンゴレリングを息子のツナとその知り合いに配布した。
対して、ボンゴレ9代目はハーフボンゴレリングをヴァリアーに分配した。
この不一致から先ほど、ヴァリアーとツナたちが一触即発の状態にまで陥った。
が、家光がもたらした9代目の勅命により、ヴァリアーとツナたちの全面戦争は免れた。
代わりに、ヴァリアーとツナたちは9代目直属と自称するチェルベッロ機関の監修の元、明日よりハーフボンゴレリング争奪戦に参戦することとなった。
同じ種類のリングを持つ者同士が互いのリングを賭けて命を削るのだ。
家光はボンゴレNo.2でありながらチェルベッロ機関のことを知らない。
遅かれ早かれ、チェルベッロ機関について探りを入れる必要がある。
しかし、何よりも優先するべきはツナの守護者の修行状況を逐次確認することだ。
そう判断した家光はこの度、雲雀とディーノ(+ロマーリオ)のいる並盛山に足を踏み入れた。
「調子はどうだ、ディーノ?」
目的の人物はすぐに発見できた。夜の山は暗く、一見人探しは困難なように思われる。
しかし、明かりが乏しいゆえに、最近並盛山で寝泊まりしている雲雀たちが灯した焚き木の炎を見つけ出すのは、家光にとってそう難しい事ではないのだ。
「おっと、家光か。神出鬼没だな」
「知己をちょっとばかり驚かせるのが俺の中で流行っててな」
「趣味の悪いマイブームだな」
ディーノに背後から声をかけ、少しディーノを驚かせた所で家光は雲雀に視線を向ける。
雲雀は少々太めの木の枝に座り、木の幹に背中を預けてすやすやと眠りについていた。
「で、雲雀の実力はどんなもんだ?」
「正直、見込み以上だ」
「というと?」
「恭弥は憎らしいほどの天才だぜ。大して強敵との戦闘経験なんてないはずなのに、俺の本気に喰らいついてくるし、必死に考えた初見殺しな技も平然と最小限の被害に抑えてくる。俺の手札を全て見透かされてんじゃねぇかって疑いたくなるレベルだ」
「ほう」
「何より恭弥は、使えそうな技術は何でもかんでも吸収しようとする嫌いがある。今日もあっさりムチで戦えるようになりやがったし……あの貪欲さは、恭弥をどんどん強くするぜ」
「そいつは良かった」
「あ、これ恭弥には話さないでくれないか? 下手に調子に乗られると困るからさ」
「あいよ」
ディーノから忌憚なき意見を聞いた家光は安堵の言葉を零す。
これだけディーノがべた褒めするのなら、雲の守護者戦の心配は杞憂になりそうだと。
「ところで、何かあったのか? 険しい顔してるぜ?」
「あぁ、実はな――」
家光はディーノに先ほど決定したリング争奪戦についての一切を伝える。
端的に現状を伝え終えた時、ディーノは神妙な顔つきで正直な感想を呟いた。
「チェルベッロ機関が仕切るリング争奪戦か……妙なことになってるな」
「ま、お前たちはこの調子でひたすら戦っておけばいいさ」
「――へぇ、面白いことになってるね」
と、その時。家光とディーノの上から唐突に声がかけられた。
見上げると、そこにはふわぁ~とあくびをしている雲雀の姿があった。
「恭弥!? 起きてたのか!?」
「知らないの? 僕は葉が落ちる音でも目が覚めるんだ」
「マジかよ!? え、待て。恭弥、いつから起きてた?」
「『恭弥は憎らしいほどの天才だぜ。大して強敵との戦闘経験なんて――』」
「最初からかよ!」
「君が嫉妬するほどの才を僕は持っているようだね。これなら君を容赦なくサンドバッグにできる日も近いかな?」
「やっぱこれ調子に乗ってるよな。明日こそは絶対叩きのめしてやる」
「期待してるよ」
家光は、雲雀とディーノとのやり取りを微笑ましく見守る。言葉だけを捉えるなら仲が悪そうに見えるが、その実、2人にはしかと信頼関係が築かれているとわかったからだ。
「それはそうと、そのリング争奪戦。観戦させてもらうよ。並盛の風紀を揺るがすヴァリアーとやらがどの程度なのか、興味があってね」
「リング争奪戦に興味を持ってくれるのは嬉しいけど……恭弥、大丈夫か?」
「何が?」
「リング争奪戦の舞台は並盛中だ。下手したら、並盛中が戦闘で壊されるかもしれない。その中で、理性を保てるか? 1対1の守護者戦に乱入なんてしないよな?」
「暴れてほしいの?」
「やめてくれ。雲のハーフボンゴレリングを没収されかねない」
「なら暴れないでおくよ。リングがないせいでヴァリアーと戦えなくなるのはつまらないし」
「お、明日来てくれるか。いやぁ、助かるぜ。明日、何の守護者が戦うかわからないから、観戦する守護者は1人でも多い方が安心ってもんだ」
リング争奪戦の観戦に関して会話を繰り広げる雲雀とディーノを前に、家光は意外そうに言葉を紡ぎ、笑みを浮かべる。雲雀が観戦に来てくれれば、明日が雲の守護者戦になった際にヴァリアーの不戦勝とならずに済むからだ。
「君、誰?」
「俺は沢田家光、ツナの父親だ。息子が世話になってるな」
「別に。……眠い、おやすみ」
朗らかな笑みで自己紹介する家光から雲雀はぷぃと視線を逸らし、その後あくびとともに目を瞑る。夜間に目覚めたばかりなせいか、まだまだ寝たりなかったようだ。
「恭弥はホント、マイペースだなぁ」
「面白くていいじゃねぇか」
「気楽なもんだな、家光は」
雲雀の様子にディーノはやれやれとため息を吐き。家光はニカニカ笑う。
かくして。リング争奪戦前日の夜が過ぎゆくのであった。
雲雀恭弥→本作の主人公。本名は雲雀恭華。今は凡人が憑依している。あっさりとムチの使い方を習熟させた模様。家光との会話を早々に断ち切ったのは、あまり長々と話していると、家光に原作知識や憑依のことを悟られそうだと警戒したから。
ディーノ→ボンゴレファミリーの同盟ファミリーの1つ、キャバッローネファミリーの10代目ボス。雲雀の凄まじい才能にほんの少しだけ嫉妬しつつも、ツナの頼れる守護者とするべく、今日もムチを振るって修行を課している。未だ、雲雀の真の性別には気づいていない。
沢田家光→ボンゴレ門外顧問機関CEDEFのトップに就任中の門外顧問。部下からは「親方様」とよく呼ばれる。ツナくんと違ってとにかく豪快で、シモン編を終えたツナくん相手に優位に立てるぐらいには強い。
というわけで、19話は終了です。修行シーンを長々と描写しようかどうか悩みましたが、全然執筆意欲が振るわなかったので早速次回からリング争奪戦に突入します。ま、雲雀さんが戦わない守護者戦はサクサクカットで進める所存ですけどね。仕方ないね。
~おまけ(ほのぼの)~
雲雀、ディーノが並盛山中で修業した日の夕刻。
ディーノ「恭弥! そこでイノシシ狩ってきたから料理してくれ!」
雲雀「草食動物らしく食材を献上するのは勝手だけど、どうして僕がわざわざ君の分まで作らないといけないの?」
ディーノ「そう言わずに頼むぜ! 恭弥の料理、凄ぇ美味いじゃねぇか! 身近に凄腕の料理人がいるのに頼まない手はないだろ! な?」
雲雀「……他に山菜や魚も採ってきたら、僕の料理のおこぼれにあずかれるかもね」
ディーノ「サンキュー! いくぜ、ロマーリオ!」
ロマーリオ「へい、ボス!」
ディーノ(口ではああだけど、結局3人分用意してくれるんだよな。恭弥って)
雲雀さん、ちゃっかりディーノの胃袋を掴むの巻。