■ふぁもにかの法則(原則)
・感想に対する返信がスピーディー→次話が近々更新されるので、ワクテカしておこう
・感想に対する返信がやたらと遅い→次話の更新はまだまだ先なので、ゆったり待っていよう
どうも、ふぁもにかです。今回は正直、拍子抜けで消化不良な展開になるかと思います。もうちょっと何とかできた気がしないでもないですが、このまま突き進ませてもらいます。未来編、未来編に早く突入したくて仕方ないんじゃあ……!
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
あぁ、気持ちいい。超気持ちいい。最高だ。
デスヒーターの煩わしさから解放されるのって爽快だね。
ありがとう、10年後の秋田くん。君が近くにいてくれて良かったよ。
今回はロクに話せなかったけど、またの機会でお茶でも飲みながらゆっくり話せるといいね。
レヴィアたんを倒した後。僕は内心で秋田くんへの感謝の念を抱きながら、運動場へ足を運ぶ。
ザンザスのせいで吹っ飛ばされた雲のボンゴレリングを回収するためだ。
(お、見つけた)
ザッと運動場を軽く一瞥して、見つからなかったら近くの山本くんのデスヒーター解除を優先しよう。そう考えていた矢先に無造作に転がる雲のボンゴレリングを発見した。この広い運動場から速やかにリングを見つけるとか、さすがは雲雀さんのハイスペック視力。
僕は雲のリングを拾い上げると、さっさと校舎B棟に向かう。そして。校舎B棟内のポールをトンファーで軽く破壊し、雨のボンゴレリングを入手すると、苦しそうに荒い呼吸を繰り返す山本くんのリストバンドの凹みにリングを差し込み、デスヒーターの解毒薬を投与した。
「……ふぅ、いやぁまいった。サンキュー、雲雀。助かったぜ」
「別に。校内で死なれると風紀が乱れて面倒だからね」
「あはは、何だそりゃ」
息を整えつつ、ひょいと立ち上がる山本の感謝の言葉に僕はすげなく返答する。
さて。次はクロームを助けに体育館へGOだね。獄寺くんがベルフェゴールを倒していれば体育館でマーモン&ベルフェゴールと戦う必要はなくなるけれど、十中八九ベルフェゴールは獄寺くんとの戦闘から逃げて、マーモンのデスヒーターを解除しているはずだからね。
だって、獄寺くんにはナイフ&ワイヤーを用いたトリッキーな戦術を知られている上に、嵐の守護者戦のハリケーンタービンのようなベルフェゴールに有利な機械が校舎に設置されてないわけだからね。血を流すと冷静な判断力を失う縛りもあるわけだし、逃げ一択で間違いない。
「ッ!?」
「雲雀!? 大丈夫か!?」
「……」
と、その時。僕の視界が二重にブレるとともにB棟内の瓦礫に足を引っかけて転びかける。
山本くんが僕を心配する中。僕は平然とした表情を心掛けつつ、歩を進ませようとした。
が、足が進まない。思わず首を傾げた瞬間、強烈な脱力感が襲いかかり、僕は思わずガクッとその場に膝をついた。体の調子がおかしい。確かに秋田くんの匣兵器で治してもらったはずなのに。どうして。わからないまま、僕は為す術もなくうつ伏せに倒れる。
(ま、さか……あの晴ヒトデじゃあ体力までは回復できないとか?)
ここで。ふと僕の脳裏にあり得そうな理由が思い浮かぶ。確かに10年後の世界で僕は猛毒と大怪我を治してもらった。でも、今までに失った体力はそのままで、回復していないとしたら。ここで動けなくなるのも当然だろう。それだけ、僕は雲雀さんの体を酷使しまくったのだから。
だけど、これはマズい。凄くマズい。せめてクロームを助けるまで、この体には意地でも動いてもらわないと困る。何せ、僕には
だけど、もし僕がここでダウンしてしまったらどうなるか。おそらく、原作通りに事が運ぶのだろう。守護者を助けつつ、リングを回収した獄寺くんと山本くんがまだ助けていない唯一の守護者たるクロームを助けようとして。しかしマーモンの幻術により晴、雷、雨、嵐、雲のリングを奪われて。獄寺くんと山本くんはマーモンの幻術で殺されかけるが、了平くんが
でも、何もかもが原作通りに進むとは限らない。了平くんの助けが間に合うとは限らない。マーモンの幻術による死を待たずにベルフェゴールが獄寺くんと山本くんに速やかにトドメを刺すかもしれない。皆が死ぬ姿は見たくない。僕が、僕が頑張らないと。
動け、動けよ! さっきデスヒーターに抗ったように、もう一度動いてくれよ!
仮にもボンゴレ最強の守護者の体に憑依してるんだから、もっと――
「雲雀。後のことは俺に任せて、休んでくれ」
「……山本武?」
「毒で意識が朦朧としてたけど、雲雀の活躍はこのリストバンドから見てたのな。毒が回って、メチャクチャ辛いのは雲雀も同じはずなのに、すげぇ無茶して、皆を助けてくれてさ。本当にカッコよかったぜ。ありがとな」
「……」
「だから、選手交代だ。もうとっくにMVPを獲れるぐらいの活躍をしたんだ、そろそろ雲雀は高みの見物で頼む。俺だってツナの守護者だ、俺にもカッコつけさせてくれ」
グギギギと、歯を食い縛って体に力を込めようとする僕に山本くんがトンと己の胸を叩いて選手交代を提案する。あかん、何これ山本くんが眩しい。何か後光が見える気がががが。これ雲雀さんが憑依中じゃなかったら、堕ちたな状態になってもおかしくないのでは。何という破壊力だ。
「……これ」
僕は返事の代わりに服から雷と雲のボンゴレリングを取り出し、山本の手に握らせる。
雲雀恭弥のキャラが抱えるプライドに配慮した山本くんの提案を断る理由はない。あれだけ気合いを入れても動く気配がない以上、本当に体力が限界だろうから。ここで無理して肝心な所で倒れて足手まといでは意味がないのだから。
「仮にも僕の代わりを買って出たんだ、醜態を晒したら咬み殺すよ」
「ははは、気をつけるのな」
僕が山本くんをギンと睨むも、山本くんは何ともなさそうに朗らかに笑う。
そして。山本くんが校舎B棟を後にしたのを見届けた後、僕はスッと目を瞑る。
選手交代の提案を大人しく受け入れた僕だけど、これで終わらせるつもりはない。
少しだけ。ほんの数分だけ体を休めたら。再び活動を始めるつもりだ。
大丈夫かって? まぁ大丈夫でしょ。雲雀さんの規格外スペックなら、ほんのちょこっと仮眠を取っておけばきっとある程度は体力を回復できるはずだしね。
ふふふ、今こそ3時間睡眠で元気を取り戻せるソード・ワールドの冒険者たちも真っ青の体力回復力を発揮する時だね。僕の本気を見せてあげよう。いざ、南無三ーー!
◇◇◇
……
…………
あ、ありのまま今起こった事を話すよ! 『僕は少しだけ休眠するつもりが、目覚めたら大空戦が既に終わっていた』。な、何を言っているのか、わからないと思うけど、僕も何が起きたのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだったよ。夢オチだとか死亡エンドだとかそんなチャチなもんじゃない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったよ……。
というわけで、次に起きた時には全てが終わってた件。
病室のベッドで朝日を拝んだ時は内心、パニック状態だったよ。呆然と目を見開いてたよ。
ちなみに、僕が気絶した後の大空戦の行方はほぼ原作通りだったようだ。つまり。危ない展開こそあれ、ツナくんたちは誰も死なない形で大空戦に勝利したわけだ。あ、9代目も一命を取り留めたってさ。良かった良かった。以上のことは僕が尋ねるより早く、大空戦の途中から観戦を始めたらしいディーノさんが全てを懇切丁寧に教えてくれました。毎度、ご苦労様です。
しっかし、クロームを助けつつ、ツナくんの零地点突破・改や零地点突破・初代エディションを生で見てみたかったのになぁ。うぅ、なんで仮眠なんて選んだんだ、昨日の僕。
氷漬けのザンザスとかも見てみたかったのになぁ。もったいないことしたなぁ。
…………ま、嘆きに嘆いた所でどうしようもないし、引きずるのはここまでにしよう。
「――にしても、僕までランボくんの退院祝いに参加してよかったの? 僕、あの子と今まで面識なかったのに」
「前にオレの誕生日にも来たんだ、今さらだろ」
「リボーンとは面識があったじゃないか。恭華としては初対面だったけど」
「それに、ぱーちーは人数があってこそだからな。大歓迎だ」
「……そう言ってくれるのは嬉しいけど、ランボくんと接点のなかった僕が今こうしてタダでお寿司をいただくことにそこはかとない罪悪感があるんだよね」
「損な性格だな」
「あはは……」
そんなわけで。僕は今、恭華さんモードで表向きはランボの退院祝い、実質はヴァリアーとのリング争奪戦への勝利祝いのために山本くんの実家の竹寿司に来ている。
竹寿司を貸し切り、山本くんのお父さんこと山本剛さんが無料で色々な種類の寿司を振舞ってくれる中。雲雀恭華としてランボと仲良くしたり、リング争奪戦に参加していないがために、己の存在を場違いに感じた僕は偶然隣にいたリボーンに心情を吐露する。
「別に私も似たようなものだからいいんじゃないの? 難しいこと考えないで、タダで美味しいお寿司を食べられてラッキーって思えば幸せになれるわよ?」
「そうかな? って、えっと、貴女は?」
「黒川花、笹川京子の友達よ。貴女の話は京子からよく聞いてるわ。よろしく」
「黒川さんね、こちらこそよろしく。僕は雲雀恭華。あの雲雀恭弥の妹だけど――」
「――うぇ!? そうなの!?」
と、ここで。前方から女の子が僕に声をかけてくる。中学2年生にしては非常に大人びている女の子こと黒川さんと軽く自己紹介する中で僕が雲雀恭弥の妹設定を持ち出すと、途端にビクッと肩を震わせ、蒼白な表情を見せる。
「うん。そうだけど、恭弥兄と違って僕は無害だから、そうあからさまに怖がらないでほしいな」
「…………うん、そうするわ。恭華は怖く見えないしね」
せっかく話す機会が生まれたのだから黒川さんに避けられたくないとの心境で、僕はニコニコ笑いながら言葉を続ける。すると、5秒ほど。黒川さんはジーッと僕の顔を凝視した後、僕相手に怯えない方針に決めたようだ。うむ、よきかなよきかな。
「このパーティーに集まってる連中、何か変なのが多いから、常識人っぽい貴女がいてくれて気が楽だわ」
「ま、皆それぞれ個性的なのは確かだよね」
(ごめんなさい、黒川さん。僕もその『変なの』の枠内なんだよね。ボンゴレ雲の守護者だし)
「あ、しっしっババァだ! しっしっババァだもんね!」
「コラ! 何度もババァって言うな! このガキ!」
「がははは! しっしっババァが怒ったぁー! 捕まえられるもんなら捕まえてみろー!」
僕が黒川さんと会話しつつ、内心で己が常識人でないことをこっそり謝罪していると。
カウンター席の上に陣取っていたランボが黒川さんを指差し、自分が勝手につけたあだ名を連呼する。結果、大の子供嫌いな黒川さんはランボにブチ切れ、ランボとの追いかけっこを開始した。ランボと黒川さんとの身長差を考えると、ランボを捕まえるのは難しそうだ。ここが店内で、いっぱい人がいるのだからなおさらだ。
(……ま、頑張って、黒川さん)
年頃の女の子である以上、黒川さんの怒りは察するに余りある。
僕は心の中で黒川さんの健闘を祈った。
かくして。パーティーは賑やかに展開されていく。僕は京子ちゃんと一緒にツナくんにリング争奪戦――ではなく、相撲大会(笑)の勝利を祝う言葉をプレゼントしたり、ハルと一緒に寿司のクオリティの高さに舌鼓を打ったりと、喧騒の中で自分らしく楽しく過ごす。
リボーンが10年バズーカを喰らい、5分が経過しても戻ってこないで失踪する形でスタートする未来編の、ほんの数時間前の出来事だった。
雲雀恭弥→本作の主人公、かつボンゴレ雲の守護者。本名は雲雀恭華。今は凡人が憑依している。10年後の世界で治療を受けたものの、体力的には疲弊したままだったため、この度ダウンした。何だか久々に恭華さんモードになった気がする件。
リボーン→ツナを立派なボンゴレ10代目にするために、イタリアから派遣された凄腕の殺し屋。かつ、黄色のおしゃぶりを持つアルコバレーノの1人。「ぱーちー」など、赤ん坊な体のせいか時折発音がおぼつかなくなる……割には、シリアスシーンでは普通に喋っている不思議。
山本武→並盛中の2-Aに所属する人気者なクラスメイト、かつボンゴレ雨の守護者。カッコいい言葉で雲雀を説得し、選手交代したが、結局は原作と同様にマーモンの幻術で踊らされてしまったため、総合的にはあんまりカッコよくない形に終息した模様。
ランボ→ボヴィーノファミリー所属の殺し屋な5歳児、かつボンゴレ雷の守護者。語尾によく「だもんね」をつける。とにかくウザさに特化しているため、寛容さのパラメータが少なくとも「菩薩級」クラスでないと付き合うのは難しいと思われる。
黒川花→笹川京子の親友ポジの大人びた見た目の女子。何気に10年後の世界で笹川了平と付き合っていたりする。個人的にはかなり意外なカップリングでした。
ふぁもにか「大胆な展開のカットは原作沿いな二次創作を手掛ける作者の特権!」
というわけで、30話は終了です。相変わらず何とも締まらない雰囲気ですが、これでヴァリアー編は終了です。個人的にVS山本戦やVSモスカ戦、VSレヴィアたん戦を濃厚な文章量で描写できたことに満足しています。さて。次回からは未来編、ですが。あくまでこの作品は雲雀さんに焦点を当てておりますので、しばらく未来編という名の日常編が続くだけだったりします。