どうも、ふぁもにかです。今回から未来編に突入します。ふふふ、未来編で描きたいシーンがたくさんあったからこそ、私はこの二次創作を始めたと言っても過言ではありません。いやはや、今後の執筆活動が楽しくなりそうです。……しっかし、未来編はどれぐらい話数を使うでしょうね。ヴァリアー編で13話でしたし、最低でも26話は超えますかね?
風紀31.†思考を整理して風紀を守ろう†
VSヴァリアー編が終わり、リング争奪戦の勝利を祝うパーティーを終えた翌日。
僕は恭華さんモードで並盛町を徘徊していた。特に目的地はない。並盛町はそこまで大規模な都市でない以上、テキトーに歩いていればその内、会いたい人物に会えるだろうからだ。
「あッ! 恭華ちゃん!」
「ん、ハル? どうしたの、そんなに血相変えてさ?」
「恭華ちゃん! 大変です! リボーンちゃんがいなくなっちゃったんです!」
ほい、さっそくエンカウントだね。そう、僕が会いたかったのはハルか、ツナくんか、獄寺くんだ。この3人の共通点は、10年バズーカにより失踪したリボーンを捜索していること。要は、リボーンがいなくなったという話を聞くことで、未来編が始まった確信を得たかったのだ。
本気で未来編の始まりを確信したいのなら、パーティーが終わり家路に就く途中のリボーンが実際に10年バズーカを喰らって消えるシーンに居合わせれば確実なのではないかとの意見はわかる。しかし、原作にない僕の勝手な行動により、10年後の未来にツナくんたちを送っている入江正一くんの一般人メンタルに変な影響が発生し、予期せぬイレギュラーが発生しては困るため、こうして人伝でリボーン失踪の情報を得ることにしたのだ。
「え、本当かい? 僕も探すの手伝うよ」
「ありがとうございます!」
「それで、ハルは今までどこを探してたの?」
「山本さん家に行きました! ツナさんは公園に、獄寺さんは並盛中に向かってます!」
「了解、じゃあ僕は並盛山の方でも探そうかな。ハルは……そうだね。商店街方面をお願い」
「わかりました!」
ハルと手早く情報交換を終えると、僕は駆け足で並盛山に向かう。もちろん、真剣には探さないけどね。ハルには悪いけど。何せ、今リボーンは10年後に、厳密には約9年と10カ月後の未来にいる以上、どう足掻いても見つけようがないからね。さて。今の内に改めて未来編へのスタンスを定めておこうかね。
未来編とは、原作15巻分ほどを使用した、リボーンの中で一番長い長編である。
この未来編は、10年後の未来で盛大に力をつけたミルフィオーレファミリーのボスかつマシュマロ大好きっ子の白蘭が世界征服と新世界創造を目的に、マーレリング7つ、ボンゴレリング7つ、アルコバレーノのおしゃぶり7つで構成された
特に未来編序盤の、ボンゴレ狩りが行われている絶望っぷりや、匣兵器やリングの炎の影響によるパワーインフレっぷりに、どう物語が展開されていくか予測のつかないことが加わって、未来編にワクワクが止まらなかったといったリボーン読者は多いはず。かくいう僕もその1人だ。
さて。未来編における僕の方針だけど、まず未来にいかないのは論外だね。原作を知っている以上、僕に10年バズーカを命中させるために僕の昼寝中にこっそり接近するであろう正一くんを咬み殺して僕の未来行きを阻止するのは簡単だけど、10年後のメローネ基地に全てのボンゴレリングがそろってなければ白蘭が起動させた超炎リング転送システムによりツナくんたちがメローネ基地ごとどこかへと飛ばされてしまう。転送先次第ではロクに後々のチョイスへの準備ができず、真6弔花に皆殺しにされかねないからね。
しかし。未来編における雲雀さんって実にハードモードなんだよね。
何せ、ツナくんたちは88から始まるのに、僕に至ってはEasy goからの参戦だ。
しかも、10年後に飛ばされたと思ったら、いきなり未来編前半のラスボスポジションの幻騎士との戦いが待っているのだ。
例えるなら、マインクラフト初心者にゲリラVSコマンドーMODを勧めるようなものだ。
全然 Easy goで行けない件。ルナティックすぎて悲しいです。
となると、僕がすべきことは幻騎士と戦うその時までに膨大な雲の炎をボンゴレリングに灯せるようにすることだ。原作では圧倒的な力量差のある幻騎士を、雲雀さんは膨大な雲の炎を匣兵器に注入し、偶然ながらも雲ハリネズミを暴走させたことで戦闘を回避したのだから。
とはいえ、今すぐには行わないけどね。ディーノさんからリングに炎を灯せることを聞いてからじゃないと、僕の行動に違和感が出ちゃうから。
……え、他にやるべきことはないのかって? うん、ないよ。
というか真面目な話、未来編は現時点で既に詰んでる可能性があるんだよね。
だって、無数のパラレルワールドの内、白蘭に支配され滅ぼされてない唯一の、たった1つの世界でツナくんが白蘭を倒して世界を正常に戻すのが未来編の結末だけど、この世界はそのパラレルワールドの1つだって考えた方が自然なんだよね。だって、雲雀さんやレヴィアたんが女体化してるし。その場合、僕のやれることは白蘭がやりたい放題し始める中、トゥルールートのツナくんが白蘭を倒すまでの間、少しでも長く並盛を、知り合った皆を守るぐらいしかない。
だから。僕はこの世界が白蘭に支配されないトゥルールートの可能性に備えて、リングに覚悟の炎を灯す練習に取り組むのみだ。……いやはや、未来編ってホントスケール大きいよね。
結局。この日の僕はリボーン捜索をテキトーな所で切り上げ、家路に就いた。
もう今頃はツナくんと獄寺くんが未来へ飛ばされているだろう。そして。明日には山本くん、ランボ、イーピン、京子ちゃん、ハルも強制的に未来へ旅立つはずだ。
10年後の世界は残酷だけど、どうか心を強く持って生きてほしい。
きっと、10年後の僕もフォローするはずだしさ。
◇◇◇
10年後の未来の並盛神社にて。獄寺は後悔していた。
眼前には、ミルフィオーレのブラックスペル。第3アフェランドラ隊の隊長たる電光の
傍らに倒れているのは、ガンマの匣兵器・エレットロ・ビリアルドから放出された、宙に浮かぶビリヤード球同士を繋ぐ雷の炎により体を焼かれた山本。
「さぁ、教えてもらおうか。なぜボンゴレ10代目が生きている? そして今、どこにいる?」
ガンマが何としてでも情報を引き出すべく、拷問を始めようとする中。獄寺もまたガンマの匣兵器・電狐の強烈な電撃をまともに喰らったため、仰向けに倒れたままロクに動けない中。獄寺は深く後悔していた。
ラル・ミルチから事前にガンマが危険であると聞いていたのに。それでもなお、山本と共に戦うことを拒否してガンマと1対1で挑んだこと。山本の説教を受けて、心を入れ替え、山本と連携してガンマに一撃入れるも、これでガンマを倒せたと慢心したこと。慢心した隙を突かれてあっという間に形勢逆転され、さらにはこの時代では既に射殺された10代目の存在をガンマに教えてしまったこと。様々な後悔が獄寺の脳内を支配する。が、何を後悔した所で時は巻き戻せない。唐突に未来へ飛ばされ、心に余裕がなかったことを言い訳にした所で、後の祭りだ。
「誰、が……てめぇ、なんかに」
「それともう1つ気になるんだが」
「ぐぁ!」
「お前らの付けているリングには見覚えがある。どういう冗談だ?」
「あぁああああ!」
だからこそ。今の俺にできることは。絶対にガンマに情報を渡さないこと。例えガンマに手を踏まれ、指が折れるほどに強く手を踏みつけられたとしても。激痛に耐え抜くこと。情報を話さなければ、もうしばらくは殺されないはずだ。その間に何かイレギュラーでも起きれば、俺や山本が死なずに済むかもしれない。わずかな希望でしかないが、縋る以外の選択肢は今の獄寺に残されてはいなかった。
が、ここで。ガンマがふと獄寺の指をグリグリと踏む力を弱める。何事かと獄寺が焦点の定まらない眼を細めると。気絶していたはずの山本が時雨金時でガンマに斬りかかり、ガンマのキュー(※ビリヤードで使う棒状の用具)で防がれるシーンが獄寺の両眼に映った。
「……ハァ、ハァ……」
「バカ、山本……」
もはや立っているのもやっとなのだろう。山本は何も言えずにただ荒い呼吸を繰り返す。
自分を守るために、山本がガンマに立ち向かっている。その姿に獄寺は思わず顔を歪めた。
そのまま倒れていれば。気絶したフリを続けていれば。
例え俺が拷問の果てに殺されても、山本だけでも一命を取り留めたかもしれなかったのに。
「拷問には、1人いれば十分だ。お前は無用なんだ」
ガンマが煩わしそうに山本を見下ろすと同時に、ガンマの電狐がじりじりと山本に迫る。
2匹の電狐の纏う雷の炎が互いに共鳴し、雷の炎をどんどん増幅させる。
「や、め……」
ガンマはこの一撃で確実に山本を殺すつもりだ。
獄寺は必死に口に力をかき集めて、かすれ声でガンマに懇願する。
が、雷の炎がバリバリと響き渡る現状では、ガンマの耳に獄寺の声は届かない。
仮に届いたとしても、ガンマが止まらないのは目に見えていた。
(ちく、しょう……!)
電撃が山本を襲い始め、獄寺が己の無力を呪った、まさにその時。
風を切るようなスピードで何かがガンマ目がけて突撃してきた。
攻撃に直前に気づけたガンマはその何かに2匹の雷狐をぶつけて、攻撃を相殺する。
「――おっと、奇襲失敗。ま、不意打ちワンパンで仕留められるほど、ミルフィオーレの6弔花は甘くないか」
ガンマが攻撃の飛んできた方向へ体を向けると。攻撃に使用した匣兵器を匣に仕舞いつつ、何とも場違いな明るい口調でスタスタと近づいてくる1人の女性の姿があった。パーマの入った艶やかな黒髪に理性的かつ鋭めな瞳が特徴的な、スレンダーな体躯をした女性だった。
「な…ぁ…!?」
獄寺はその女性を見て、すぐに正体を悟り、驚愕した。いくら10年の月日を経て成長していても。女性の身に纏う雰囲気や口調が、明らかに雲雀妹のそれだったからだ。
「誰だ、あんた? こいつらを守るってことは、ボンゴレ関係者か?」
「そうなるね。僕は雲雀恭華。ボンゴレ10代目の雲の守護者こと雲雀恭弥の妹だよ。君たちが進めてるボンゴレ狩りの対象に思いっきり入ってると思うけど、知らないの?」
「ん? あー。そういや、そんな名前もあったか……。で、その妹とやらが何の用だ?」
「簡単な話だよ。今忙しい恭弥兄の代わりに、君を倒しに来たのさ」
「……ほぅ、面白い冗談だ。本気で俺に勝てると思ってるのかい、レディ?」
「確かに僕があんまり強くないのは認めるよ。だけど、恭弥兄から借りた匣兵器におんぶに抱っこスタイルでいけば……ま、何とかなるんじゃないかな? 君程度、余裕余裕♪」
10年後の恭華はふふんとどや顔を浮かべつつ、これ見よがしに匣を掲げる。
どこまでも飄々とした態度を崩さず、ちゃっかり煽りを入れる10年後恭華を前に、舐められていると判断したガンマの機嫌が徐々に下降していく。
「ククッ、そうか。なら、身の程知らずなレディに現実を見せてやるよ。存分に痛めつけてやれば雲の守護者が釣れるかもしれないからな」
そして。ガンマは獄寺への拷問を後回しにして、10年後恭華を潰す方針を定めた。
「……ひ、ばり、いもう、と?」
「安心して眠ってなよ、獄寺くん。山本くんと一緒にさ。ここは大人の僕がどうにかするから」
10年後の雲雀妹は戦えるのか。大丈夫なのか。ガンマに勝てるのか。
獄寺の脳裏に疑問と不安が湧き上がり、獄寺は消え入りそうな声で彼女を呼ぶ。
すると、10年後恭華は慈愛に満ちた微笑みを浮かべて獄寺の不安を払拭しにかかる。
獄寺の疑問は何も解消されていない。なのに、なぜか安心できる。雲雀妹にガンマとの戦いを全て委ねていいと思えてしまう。雲雀妹の声色には、そのような不思議な力があった。
結果、安心した気の緩みのせいか、獄寺の意識はここでプツリと途絶えるのだった。
雲雀恭弥→本作の主人公、かつボンゴレ雲の守護者。本名は雲雀恭華。今は凡人が憑依している。幻騎士戦に備えてボンゴレリングに膨大なサイズの雲の炎を灯せるように練習する方針に決めた。
10年後雲雀→並盛中学風紀委員を母体とした秘密地下財団:風紀財団のトップに就いている。10年後もなお、雲雀恭弥と雲雀恭華とを使い分けているようだ。
獄寺隼人→スモーキン・ボムとか人間爆撃機とかいった異名を持つマフィア関係者、かつボンゴレ嵐の守護者。残酷な未来を前に心の余裕をなくした影響か、ガンマ相手に命の危機に瀕するも、10年後雲雀の介入でひとまず一命を取り留めた。
山本武→並盛中の2-Aに所属する人気者なクラスメイト、かつボンゴレ雨の守護者。気絶したフリをしていれば自分だけは生き残れるかもしれないとわかっていても、それでも拷問に苦しむ獄寺のことを無視できなかった模様。
γ(ガンマ)→ミルフィオーレのブラックスペルかつ、第3アフェランドラ隊の隊長かつ、6弔花かつ、雷のマーレリング所持者の中年男性。後々、ロリコ――フェミニストだと判明するが、今はただの怖い敵である。
というわけで、31話は終了です。未来編では雲雀さんが10年後へ行くまでは、基本的に今回のように現在サイドと10年後サイドで同時展開させるつもりです。当然、例外もありますがね。