どうも、ふぁもにかです。早速ですが、今回から少しオリジナル展開に突入します。いやいや、引き伸ばしじゃないっすよ? むしろこの辺は大切なシーンですからね。気合いを入れて執筆しちゃいますぜ。なお、今回出てくるイタリア語は翻訳ソフトに頼った結果ですので、もしも変なイタリア語になっていたらごめんなさい。
閑話休題。2019年4月20日19時22分時点のアンケート結果を以下に表示します。
『(340) 『雲ハリネズミ』こそが原点にして頂点』→ 70.2%
『(34) 『雲カバ』だとワイトも思います』→ 7.0%
『(39) やっぱり『雲アリ』がナンバーワン』→ 8.1%
『(13) 『雲ケムリ』のことも忘れないでください』→ 2.7%
『(58) 『霧シラス』を選ばないやつおりゅ?』→ 12.0%
圧倒的な雲ハリネズミのロールさんMVP。まぁそうですよね。凡人憑依者が考えた、幻騎士攻略のための策には、裏・球針態の中で時間稼ぎをすることが必須だったわけですしね。でも個人的にはもう少し雲ケムリが健闘してくれるものと思っていたのですが……やはり動物系じゃない、感情移入しにくい匣兵器は票が伸びにくいということですかね。
ミルフィオーレファミリーの6弔花の1人にして、晴のマーレリング保持者にして、ただいまミルフィオーレ日本支部たるメローネ基地の指揮系統の頂点に君臨する入江正一は、彼の側近である、チェルベッロ機関に属する女性2名とともに、コントロールルームにいた。
メローネ基地という名の匣兵器に入江の晴の炎を注入し、己の都合のいいようにメローネ基地の各区画の配置を変更するためのコントロールルーム。入江とチェルベッロはそのコントロールルームから、メローネ基地各所で発生するミルフィオーレとボンゴレとの戦闘を、監視カメラを通して一方的に観察できる立場にいた。
「あ、あの幻騎士が10年前の雲雀恭弥に敗れた……?」
「まさか、幻騎士は死んでしまったのでしょうか?」
ゆえに。チェルベッロ2名は驚愕していた。幻騎士と雲雀恭弥との戦闘の一部始終を視聴していたチェルベッロたちは、幻騎士が10年前の雲雀恭弥などに敗北するわけがないとの己の想定を覆されたことに驚きを隠せない。
「まさか。あの程度で幻騎士は死なないよ。……けれど、このまま幻騎士を雲雀恭弥と戦わせるのは得策ではなさそうだ。雲雀恭弥には本当に幻術が効かないようだからな。敢えて相性の悪い相手と戦わせることはないだろう。彼には雲雀恭弥の代わりにボンゴレ10代目と戦ってもらおうか」
「しかし入江様。幻騎士に雲雀恭弥の相手をさせないとなると、誰を雲雀恭弥と戦わせるつもりですか?」
「今のメローネ基地に、あの雲雀恭弥を止められる可能性がある者は幻騎士以外にいません。たとえ雲雀恭弥との相性が悪くとも、幻騎士に雲雀恭弥を倒してもらう他はないのでは――」
「……本当にそう思うかい?」
「と、申しますと?」
幻騎士が死んでしまったのではないかとのチェルベッロ2名の推測を入江はあっさりと否定する。その上で、幻騎士と沢田綱吉とを戦わせる方針を定める入江に、チェルベッロ2名は異を唱える。雲雀恭弥を止められるとすれば、それは幻騎士しかいない。そのような考えに基づいたチェルベッロの意見は、入江の意味深な問いかけにより遮られた。
「レシア・アルノルがいるだろう。彼女は今、どこにいる?」
「第9ジラソーレ隊のレシア・アルノルですか。……端末の情報によると、第四格納庫にいるようですね。入江様の研究室とも非常に近いです」
「よし、運がいいな」
「しかし、レシア・アルノルはボンゴレ強襲部隊に選抜されていたはず。その彼女がなぜ第四格納庫にいるのでしょうか?」
「どうせ夜は起きられないだとか、今日は人に命令されて従う日じゃないだとか、そんなふざけた理由でボンゴレアジトへの強襲をサボったのだろう。人の命令に気分次第で従う、めんどくさがり屋。レシアらしい行動だな。しかし……本来なら処分もののレシアの行動が今、雲雀恭弥を倒す切り札へと繋がるとは……全く。世の中、何がどう転がるかわかったものではないな」
入江からレシア・アルノルの現在位置の探知を求められたチェルベッロはミルフィオーレ隊員に携帯を義務付けている端末情報からレシアの居場所を割り出す。レシアの現在位置たる第四格納庫が匣兵器実験場とほど近いことに入江は口角を吊り上げる。その後、チェルベッロの素朴な疑問に、入江はレシアの性格からボンゴレ強襲に参加しなかったのだろうとの見解を示した。
「しかし入江様。レシア・アルノルはCランク戦士です。幻騎士すらも手玉に取ってしまうような雲雀恭弥の相手としてはあまりにも力不足ではないでしょうか」
「いいや、彼女以上の適役はいないさ」
「そうなのですか?」
「あぁ。戦闘には相性がある。相性さえ良ければ、多少の実力差なんて簡単にひっくり返すことができる。さっきの幻騎士と雲雀恭弥との戦いのようにね。……僕は幻騎士と雲雀恭弥との戦闘を見たからこそ、
入江は暗く揺蕩う笑顔を浮かべる。彼の両眼には、コントロールルームの空間に投影された、幻騎士を倒したばかりの雲雀恭弥と、アイリス・ヘプバーンとジンジャーブレッドを倒し、入江の研究室へと直行する沢田綱吉の映像が、映し出されていた。
◇◇◇
僕こと雲雀恭弥は今、両肩にそれぞれ山本くんとラル・ミルチさんを担ぎながら、匣兵器実験場から離れつつ入江くんの研究室へと向かっている。
今はメローネ基地に潜入し、クロームの幻術でミルフィオーレ隊員に化けていた時に奪取した端末の地図が頼りになるけど、いずれ入江くんがメローネ基地の配置を変えてしまえばこの地図も役立たずとなり、研究室へたどり着くのは難しくなってしまう。
さて。そんな現状を踏まえて、ここからどうしたものか。考えられるルートは2つ。1つはどこかで草壁さんたちと合流した後、メローネ基地の配置換えの際に入江くんの策略により、逃げ道を失いあわや迫る壁に押しつぶされそうになる、からの睡眠ガス噴射で(˘ω˘)すやぁと眠りについちゃう、原作寄りのルート。もう1つはこのまま特に何も問題なく、研究室に到着するルート。
どっちがいいかと言われれば断然、後者のルートだ。入江くんに僕たちを壁で圧死させる気がないとはいえ、迫る壁に押し潰されるかもしれない恐怖を好き好んで味わいたいとは思えない。なら、ここは。今頃はもう戦闘不能の獄寺くんと了平さんを回収し終えているであろう草壁さんたちには悪いけど、僕は草壁さんたちとの合流は目指さず、このまま研究室へと向かってしまおう。……黒曜中の件といい、僕って草壁さんを見捨ててばっかりだなぁ。いつか埋め合わせしないと。
「ッ!?」
と、ここで。突如、床がガコンと大きく揺れたかと思うと、僕を中心とした一帯が地響きとともにどんどん上へと上昇していく。まるでエレベーターにでも乗ったかのような感覚だ。僕は床が揺れた衝撃でつい落としそうになった山本くんを担ぎ直し、体勢を整える。
ちょうど今、入江くんがメローネ基地を動かしているようだね。結局は草壁さんたちと合流しようがしまいが僕もまた催眠ガスでぐっすり熟睡ルートは避けられないのか、などと考えて、ふと僕は違和感を覚えた。僕のいる区画の動かし方から、入江くんが僕を睡眠ガスで戦闘不能にするのではなく、どこか別の場所へと連れていき、誰かと戦わせようとしているように感じられたからだ。
誰か、誰か。入江くんには、僕と戦わせたい相手がいるのだろうか。
幻騎士以外にも、まだ強敵が残っているのだろうか。でも、原作にはそんな描写はなかったはずだけど……。ハッ!? まさか、雲の6弔花!? 原作では全く示唆されてなかった雲の6弔花がこの先に待ち受けてたりする!? どうだろう、ありえるかな?
僕がむむむと唸っていると、上昇していた足場が動きを止め、前方の扉が自動で開かれる。
その先にあったのは、広々とした空間と、所々をコンテナで埋められた大部屋。ツナくんがデンドロ・キラムと戦った第二格納庫とよく似た場所である。さしずめ、第◯格納庫といったところか。そして、その格納庫の中にやる気のなさそうな面持ちでたたずむ、黒のミルフィオーレ隊服に身を包んだ、紫髪の女性がいた。
「あふ……うー、寝みぃ」
当の女性は雲のリングが嵌められた右手で隠しながら大あくびをしていて、眠気を一切隠そうとしない。原作では見なかった人だ。いや、小説版やゲームには登場しているのかもしれないけれど、少なくとも漫画やアニメには登場していなかったはずの女性だ。しっかし、初対面の時点で個性の強い女性だということはよくわかる。
「ねぇねぇ。あんたが雲雀恭弥で合ってる?」
「だったら、何だい?」
「あぁ、それは良かった。入江隊長には雲雀恭弥と戦えって言われているのに、別の侵入者と戦うハメになったんじゃ、骨折り損もいいところだからねぇ」
(ん? これ、もしかして『いや、人違いだよ』って答えてたら戦闘を回避できたパターン? いや、入江くんがわざわざ僕をこの人とエンカウントさせた以上、入江くん的にこの人が戦闘不能じゃないと都合が悪いってことだろうから、戦わないなんて選択肢はないけどさ)
「しっかし、入江隊長も酷い人だよね。ニゲラ隊長がいつの間にやら死んじゃってて、あたしはただいま絶賛傷心中だってのに、入江隊長ってばここで雲雀恭弥と戦わなければあたしをクビにするだなんて宣告してきちゃってさぁ。あたしのようなただのCランク戦士がボンゴレ雲の守護者なんぞに勝てるわけないのに、勝てない戦いを強いるとか、マジあいつ鬼畜メガネの中の鬼畜メガネだわ。弱々しそうな見た目で油断させておいて鬼畜行為に走るなんて、ホント酷い人だよ。ねぇ、あんたもそう思わなぁーい?」
「知らないよ、そんなこと。僕は君の長話に付き合うつもりはない。僕の行く先を阻むのなら、咬み殺すまでさ」
ブラックスペルの女性が抑揚の乏しい声色でつらつらと言葉を紡ぎ続ける中。僕は担いでいた山本くんとラル・ミルチさんをそっと下ろし、匣に雲の炎を注入してトンファーを取り出して両手に構え、戦闘態勢を整える。先ほど、幻騎士を相手に時間稼ぎという戦法を選んだ僕からすると、眼前のブラックスペルの女性もまた、僕という強敵を前に時間を稼ぎ、その間に何かを仕掛けているように思えてならないからだ。
「せっかちだねぇ。まぁいいけどさ。……あたしは第9ジラソーレ隊のCランク戦士:レシア・アルノル。まぁどう考えても負けるのはあたしだろうから、あたしを殺さない程度に、お手柔らかに頼むよ。あたしはまだ死にたくないんだ」
「君の生死がどうなるかなんて、僕の知ったことじゃない」
「ま、そうだろうね。知ってたぁー」
戦闘前にも関わらず、相変わらずレシアは間の伸びた口調で、あくび交じりに言葉を紡ぐ。僕は少々毒気を抜かれつつも、雲のボンゴレリングを通してトンファーに雲の炎を纏わせ、レシアに攻撃するべくレシアへと駆ける。と、その時。
「
「ッ!」
唐突に。なんの前触れもなく。僕の頰に切り傷が生じた。不意に頰に痛みを感じた僕は思わず後方へとジャンプしてレシアと距離を取る。
(今、僕は攻撃されたのか? いつ、どうやって?)
「
動揺冷めやらぬまま、僕が頰の切り傷に手の甲をあてがう中。レシアは歌うように一言、呟く。直後、僕の左足に次々と切り傷が刻まれる。
(え、待って!? 何これ、何これ!?)
レシアは何もしていない。いかにもやる気のなさそうな棒立ちのままで、ただ僕を見つめて、短い言葉を呟いているだけだ。なのになぜ、僕は傷ついているのか。レシアが放っているであろう、この見えない斬撃の正体は一体何だというのか? 幻術ではないことは確かだ。だって、僕の
「
――でも、じゃあ何なんだ。幻術じゃないというのなら、今僕の体を斬り刻んでいる、この見えない、幻術でもない謎の攻撃は一体何なんだ!?
僕がレシアの攻撃を一切掴めない間も、僕の全身には次々と切り傷が刻まれていく。レシアの近くに匣兵器は存在しない。彼女は匣兵器を使っていない。ただ演奏記号らしき言葉を発しているだけだ。そのはずなのに、どうして僕の体は傷ついているんだ!? 全くもって、わけがわからない。けれど、今は謎の攻撃の正体を看破することが最優先ではない。正体不明だけど、レシアが何かをやっているのは間違いないんだから、彼女を止める。これが最善だ。
「
「ヴォォオオオオ!!」
「うわぁ、迫力あるなぁ。んじゃあ――
僕は匣に炎を注入して雲カバを召喚する。僕の意思を汲み取った雲カバは雄叫びとともにレシア目がけて突撃する。対するレシアは雲カバのインパクトに棒読みで感想を零しつつ、雲カバに優しく語りかける。刹那、雲カバはピタリとその場に立ち止まり、そのまま床に座り込み、目を瞑り、いびきをかき始める。
(なん、だと……!?)
まさか、注入した雲の炎が足りなかった? だから雲カバは眠ってしまった? いや、いやいやいや。そんなわけがない。仮に雲の炎の量が足りないのなら、雲カバはその場で眠るのではなく、匣の中に戻ろうとするはず。なのに、どうして。
「ねぇ、まさかあんたはこの程度の実力者なの?」
「……何が、言いたいの?」
「あたしはねぇ。あんたが幻騎士を倒したって入江隊長から聞いたから、割と覚悟決めてたんだけど。ここがあたしの墓場かって思ってた所なんだけど。今の時点であたしに傷一つつけられないとか、これじゃあ拍子抜けだよ。……ねぇ、あんた。本当に、雲雀恭弥なの? 嘘ついてない? 雲雀恭弥じゃないって、嘘を白状して命乞いをするなら今の内だよ? あたしにゃ、弱い者いじめの趣味はないからさ。あんたが雲雀恭弥じゃないのなら、見逃すよ?」
「……僕は正真正銘の雲雀恭弥だよ」
「ふぅん。ま、あんたがそう思うんならそうなんだろうね。あたしはもう、あんたは雲雀恭弥の偽物だって決め打つことにしたけどぉ」
雲カバが熟睡し、僕の匣の中に戻る気配を一切見せない中。レシアは胡乱げな眼差しを僕に注ぐ。レシアの言葉は僕に突き刺さった。僕の体は雲雀さんで間違いない。だけど、その雲雀さんの中身は偽物だ。そして今、僕のせいで。凡人な僕が敵の良いように踊らされているせいで。僕が貶められている。雲雀さんごと、僕が貶められている。……とても、とても悔しい。僕はギリリと歯噛みをする。
「
レシアの言葉に呼応して放たれる、正体不明の見えない攻撃は止まらない。僕は、レシアの不可視の攻撃を止められない。どういう因果関係の元、この見えない攻撃が生じているのかはわからない。けど、このまま突っ立っていただけじゃ、良い的だ。だから、ここは守勢に打って出る。少しでも時間を稼ぐんだ。そのための手段を、僕は持っているのだから。
「
「キューイ!」
僕の炎で匣から召喚された雲ハリネズミは、その場に球針態を構築し始める。僕はその球針態の中に一旦入り込み、直後。球針態は完成した。雲の炎で構築された球針態は、内外問わず、攻撃に対して頑丈だ。ここならば正体不明のレシアの攻撃だって防げる。今の内に考えるんだ、僕! レシアの謎の攻撃には必ずタネがある。仕掛けがある。それを見抜くんだ。レシアの攻撃で、雲ハリネズミの球針態が壊されてしまう前に!
「ざぁーんねん。
レシアの攻撃が届く時は、雲ハリネズミの球針態が壊された時。そのことを前提に、必死にレシアの攻撃手段について考えを巡らせていた僕は直後、腹部を深く斬られた。球針態は壊されていないのに。僕は今、球針態の中に籠っているはずなのに。レシアの斬撃は当然のように球針態をすり抜けて、僕を斬ってきた。
(なん、で……!?)
腹部からダラダラと血が溢れ出る中。僕は狼狽を隠せなかった。僕は、何をされた? 球針態の中に籠っているはずなのに、僕はどうしてレシアの攻撃を喰らっている? わからない。わけがわからない。わからないことがこんなにも脅威だったなんて。これは、マズい。このままじゃあ僕は、レシアに殺されてしまうんじゃないか。……どうして。どうして僕はこうも劣勢に立たされている? Cランクの相手なんて、ミルフィオーレのボンゴレ強襲部隊と戦った時に大量に相手取ったじゃないか。なのに、どうして。
「これで、おしまい。
「か、ふ」
僕は雲ハリネズミの球針態の中に隠れることで、レシアの攻撃を防げるものだと思い込んでいた。だが、実際にはレシアの攻撃は全く防げていない。ならば、このまま球針態の中に居座り続けることは自殺行為に他ならない。ゆえに、球針態を解除しようとした、その時。僕の胸部に容赦なく斬撃が刻まれた。僕は胸から血を噴出させ、両手のトンファーを取り落とし、ガクリと両膝をつき、うつぶせに倒れた。僕が覚えていたのは、ここまでだった。
◇◇◇
雲雀恭華は敗北した。ただのCランク戦士に過ぎないはずの相手に、雲雀恭華は敗れた。
恭華の敗因は2つある。1つは、レシアが恭華の戦い方を入江正一を通して知っていて。逆に恭華が、原作やアニメに一切登場しないレシアの戦い方を一切知らなかったこと。そして、もう1つは――
恭華は失念していた。今まで、恭華の
人が幻覚を。ありもしない、現実と食い違う光景を見る時、その原因は何も幻術だけとは限らないというのに。古今東西、人を欺き騙し、現実には存在しない虚構の光景を見せる手段なんてものは、幻術以外にも枚挙に暇がないというのに。
「入江隊長から聞いたよ。あんたは幻術が効かない体質なんだってね。その話を聞いた時、あたしは勝利を確信したよ。だって、幻術が効かないってことは、幻術を経験してないってことだ。幻術に騙された体験を持たないってことだ。それが、あんたの致命的な弱点。だから、所詮Cランクのあたしでも、幻騎士を倒したあんたに勝てるって思った」
雲カバに続き。雲ハリネズミもまた、レシアの手によりぐっすり眠らされる中。
当のレシアは、血まみれで床に倒れ伏す恭華の元へと、ゆっくりと。テクテクと足音を響かせながら、独り流暢に呟く。
「リングの炎が発見され、リングの炎を練りこまれた幻術がますます精巧になればなるほど、戦士は幻術を警戒し、幻術以外の、人を狂わせる手段には目を向けなくなる。だから、今の環境はあたしにとって最適。幻術が効かないチート体質持ちなんて、術士涙目な奴は、あたしにとっては最高のカモ。……年々幻術が高度になり、幻術の躍進が目立つばかりな今だからこそ、幻術以外で人を欺くあたしのやり方が刺さる。つまりはそういうこと」
レシアはブラックスペルの隊服の内に隠していた日本刀を取り出し、鞘を抜く。抜き身の日本刀は鈍い光を放ち、その刀身には恭華の首筋が映し出される。
「――雲雀恭弥、敗れたりぃ」
レシアは恭華の首を落とすべく、日本刀を振るうのだった。
雲雀恭弥→本作の主人公、かつボンゴレ雲の守護者。本名は雲雀恭華。今は凡人が憑依している。原作知識という情報アドバンテージなしにレシアさんと戦い、敗北した。レシアさんは恭華さんの戦い方の情報を入江くんから得ていた辺り、やはり情報の有無は戦況を大きく左右する模様。
レシア・アルノル→第9ジラソーレ隊のCランク戦士のネームドオリキャラ。ゆるふわパーマな紫髪を背中まで伸ばしている、20代後半くらいの女性。基本、あまりやる気がなく、寝ることを至上の喜びとする。演奏記号を技名にする系の彼女は今回、己の攻撃手段を恭華さんに悟らせることなく、上手く恭華さんを倒したようだ。
入江正一→ミルフィオーレの6弔花の1人&晴のマーレリング保持者&ただいまメローネ基地の指揮系統の頂点に君臨する男性。元々はただの一般家庭に生まれた男の子だったが、マフィア関係のあれこれに巻き込まれた結果、今や白蘭が信頼(?)する存在にまで上り詰めた。今回はレシアさんなら恭華さんに勝てると考え、レシアさんと恭華さんをぶつけることにした。
チェルベッロ機関→原作でも結局設定が明かされなかった謎の機関。色黒でピンクの髪の女性がまるで妹達(シスターズ)のように何名も所属している。未来編の現状では、入江くんの側近として彼の仕事をサポートしている模様。
ふぁもにか「†原作知識のない相手でも風紀を守ろう†(守れてない)」
恭華「うぐッ!?(胸を押さえる)」
ふぁもにか「ねぇどんな気持ち? 自分のことを『強敵』とか表現しておいてCランク戦士のレシアさんに傷一つつけられずに惨敗した恭華さん。ねぇねぇ今どんな気持ちぃ?」
恭華「うぅぅぅ……!(赤面&ギリギリと歯噛み)」
ということで、41話は終了です。幻騎士すら退けられた恭華さんがその辺のCランク戦士に負けるという展開は色々物議をかもすかもしれないとは思っています。が、この辺りは本当に大事な所なのでこのまま強行しちゃいました。はたして、恭華さんの運命やいかに。