どうも、ふぁもにかです。この作品はあんまり伏線を用意するつもりはなく、あくまでノリと勢いで突き進むつもりです。その結果、色々と矛盾が発生してこの作品が壊れるかもしれませんが、それはそれで一興かなって。ね?
5月のゴールデンウィークが終わり、ごく一部の生徒が五月病を発症する中。
ついに原作が始まった。凄腕の殺し屋で赤ん坊なリボーンが並盛町を訪れ、ツナくんと接触したのだ。その影響で、ツナくんが並盛町で色々と暴れるようになった。
パンツ一丁でクラスメイトの笹川京子に告白したり。
男尊女卑思想を持ってるっぽい剣道部主将の髪を乱暴にむしったり。
バレーボールで小さな巨人顔負けの超人的なジャンプ力を見せつけたり。
校内でダイナマイトを繰り出す獄寺隼人を手懐けたり。
自殺を試みて屋上から飛び降りた山本武を死ぬ気で救ったり。
わかってはいたけど、何というかもうやりたい放題だ。
若いって、いいね。僕にはとても真似できないよ。
そして、物理的におかしくなったツナくんを周りの人たちは特に気にしていない。
まるで麻帆良の認識阻害の結界の中にいるかのように、ツナくんの存在を日常として受け入れている。これがギャグ時空の効果か、さすがだね。
さて、そんなこんなで月日は流れ。家庭科実習で女子がおにぎりを作る日が訪れた。
僕はこの日を待っていた。その理由は、毒サソリことビアンキと出会うためだ。
なぜ僕がフリーの殺し屋たるビアンキとの接触を目論んでいるのか。
理由は単純明快。この世界が原作同様の展開を刻むとは限らないからだ。
この世界ではいずれ、雲雀さんはボンゴレ雲の守護者となるのだろう。
僕が並盛町から失踪するとかいった、変な暴走をしない限り、間違いない。
その時、問題となるのは約1年半後に控える、ヴァリアー編の大空戦だ。
大空戦ではツナくんとザンザスが戦う間、お互いの守護者はデスヒーターとかいう、野生の象すら歩行不能となるらしい猛毒で身動きを封じられてしまう。
しかし、ザンザス側のレヴィやベルフェゴールはザンザスの施しでデスヒーターを解除できてしまい、ツナくんの他の守護者を殺そうとしてしまう。
これを防ぐには、原作通り、ツナくん側の僕こと雲雀さんが自力でデスヒーターに抵抗して毒を解除し、他の守護者を毒から解放しつつ、ザンザス側の敵と対峙しないといけない。
しかし、今の僕が憑依しているのは雲雀恭華。雲雀恭弥でない、女の子だ。
男だった雲雀恭弥と同様の体力を持ち、毒に抵抗できるとの楽観視はしない方がいい。
性別の差でデスヒーターに対抗できず、「くっころ」となる可能性は十分に考えられる。
そうなると、ツナくん側の守護者はレヴィやベルフェゴールに惨殺されてしまう。
そんな胸糞な全滅エンドは絶対に回避しないといけない、絶対にだ。
そのために必要なのは、雲雀さんの毒への抵抗力の強化だ。
ゆえに、ビアンキと接触し、彼女のポイズンクッキングを日常的に摂取し、少しでも毒物への耐性をつけようと考えたのだ。
これはある種の賭けだ。
一般に、毎日のように毒を摂取することで、毒に耐性をつけるというのはおとぎ話の類いだ。
何せ、毒は体内に蓄積すれば蓄積するほど将来的に体に牙を剥くのが普通だからだ。
水銀や放射性物質を毎食ごとに摂取したらどうなるかを考えればわかりやすいだろう。
でも、獄寺くんはビアンキの料理でトラウマにはなっても死ななかったし。多分大丈夫。
それにリボーンの世界って割と滅茶苦茶だしね。平然とマグマ風呂に浸かってる人もいるぐらいだから、僕のいた世界の常識はある程度無視しても問題ないはず。
ビアンキって何気に元彼を毒殺してるっぽいけど、大丈夫大丈夫。
雲雀さんボディがある程度はデスヒーターに抵抗できるとわかっている以上、ビアンキのポイズンクッキングで即死する心配はしなくていいはずだ。
リボーンの世界なら、僕もキルアみたいに、日々是精進で毒耐性がつくって信じてるから。
生き残るために、自分を痛めつけるというのは何か違う気がしないでもないけれど。
特に雲雀さんの体に憑依して、体を借りている状態で毒を喰らうのは気が引けるけれど。
やるしかない。全てはリボーンの世界が後々物騒になるのがいけないんだ。
ということで、今日から始めようか。
下手したら命にかかわるかもしれない、毒物摂取ライフを。
雲雀さんがデスヒーターに負けない、屈強な体を手に入れられると信じて……!
ご愛読ありがとうございました!
……うん、アレだね。フラグ立てるのって割と楽しいね。
◇◇◇
女子生徒がおにぎりを作る家庭科実習の最中。ビアンキは並盛中に潜入していた。
かつてのように殺し屋仲間のリボーンと共に仕事をするため、愛するリボーンを無駄に並盛町に拘束する、にっくきボンゴレ10代目候補である沢田綱吉を殺したいからだ。
愛のためなら人は死ねる。この持論を元に、ビアンキは笹川京子のおにぎりをポイズンクッキングにすり替え、ポイズンクッキングを拒絶できない状況に持ち込み、沢田綱吉の毒殺を画策した。
しかし、ビアンキの目論見は失敗した。リボーンに死ぬ気弾で頭を撃たれた沢田綱吉が死ぬ気になり、女子が作ったおにぎりをポイズンクッキングごと食べつくしたからだ。
一時は毒殺が成功したとビアンキは顔を綻ばせたものの、沢田綱吉はへそにも撃たれた死ぬ気弾により一時的に毒の通じない鉄の胃袋を手に入れたため、沢田綱吉は死ななかったのだ。
結局、得意なポイズンクッキングで沢田綱吉を殺せなかったビアンキはリベンジを誓い、並盛中を後にする――ことはできなかった。
唐突に、背中に鋭い殺気とトンファーを突きつけられたからだ。
(背後を取られた!? いつの間に!?)
「ねぇ、君。大人しくついてきてもらえるかい? でないと、校内に無断で侵入し、生徒を殺そうとした不審者として咬み殺す」
背中に突きつけられる殺気は紛れもなく本物だ。並盛中にトマゾファミリーが所属していることは知っているが、トマゾのお調子者こと内藤ロンシャンが放てる殺気ではない。
ビアンキは動揺を隠せないまま、今はひとまず、背後の男の命令に従い、移動した。
◇◇◇
ビアンキが連行された先は応接室だった。
ビアンキを応接室に向かわせた張本人は、応接室の奥の椅子に座る。
ここで初めて男の顔を見たビアンキは、目の前の男の正体に気づいた。
ここ並盛町を暴力で支配する人物――雲雀恭弥――であると。
「君のことは知ってるよ、毒サソリ」
「ッ!?」
「驚いたかい? 部下に調べさせたんだ」
「……ええ、驚いたわ。風紀委員会ってのは仮の姿で、実際はマフィアだったりするのかしら?」
「君の想像に任せるよ」
裏社会の存在を知るはずのない中学生に自身の正体を知られている。
ビアンキは内心冷や汗ながらも探りを入れてみる。しかし、雲雀にはまるで通じない。
「ところで、殺し屋である君の素性が並盛町に知れ渡ったらどうなるだろうね?」
「……そうね。ほとぼりが冷めるまで、並盛町で過ごしにくくなりそうね」
「そうだね。さて、そのほとぼりが冷めるのはいつだろうね。1週間後か、1か月後か、1年後か、10年後か……」
「でも、並盛の人たちが、私が殺し屋だって信じると思うのかしら? こう見えて、私って殺し屋には似つかわしくない容姿だけど」
「僕がそう命令すれば、嫌でも信じ込み、君を町から追い出そうとするよ」
雲雀の物言いにビアンキはサァァと血の気が引いていくのがわかった。
もしも自分の正体を吹聴されたら、沢田綱吉を立派なボンゴレ10代目に育てるために並盛町に留まるリボーンに、容易には会えなくなるからだ。
「雲雀恭弥、何が目的なの?」
「君のポイズンクッキングを毎朝、僕に配達してほしい。もちろん、相応の報酬は用意する。そして、このことは他言無用だ。これを破ったら、わかるね?」
「自殺志願者? それとも毒殺したい人がいるの? それならそうと、依頼すればいいのに」
「君の想像に任せるよ」
ビアンキの詮索をあくまではぐらかし、雲雀は不敵に笑う。
ビアンキは想定より遥かに厄介な男に目をつけられたと辟易としつつも、応接室を後にした。
その際、ビアンキの耳にわずかに雲雀の声が届いたが、内容は残念ながら聞き取れなかった。
「……自殺志願者、ね。否定はしないけど、死ぬつもりはないよ。近い将来、死なないために今、命を削るのさ」
雲雀恭弥→本作の主人公。本名は雲雀恭華。今は凡人が憑依している。この度、ビアンキのポイズンクッキングを日常的に摂取して、ヴァリアー編のデスヒーターに備えることを決意した。
ビアンキ→リボーンをこよなく愛するフリーの殺し屋。毒サソリの名の違わず、ポイズンクッキングによる毒殺を得意としている。この度、ツナくんを殺すために並盛中に潜入したことを利用され、雲雀と半ば強制的に取引を結ばされた。
というわけで、5話は終了です。今回も今回で意外な組み合わせとなりましたね。とりあえず、雲雀さんが原作では考えられない人脈を着々と築く様を楽しんでくれているのなら幸いです。