Re:ゼロから始める素晴らしいオーバーロード! 作:梶本 楓
他二人と違って、最強系主人公のモモンガ様です。
気のせいかもしれませんが、感想を見ているとモモンガ様が一番人気なのでしょうか。それとも強さの異質さから目立っているだけなのでしょうか。
どの作品を優遇とかはしないつもりですが、オーバーロードは強さの次元が違うので、やはりイージーモードに見えるかもしれません。ですが、極力公平な条件で事件に立ち向かうように頑張ります。
鬱蒼とした森の中。
そこで玉座に座すアインズは、自らの支配下―――とはまた違う、言い表すなら子供達を見る。
悪魔のような翼を生やした、純白の衣装を纏う黒髪の超絶美少女『アルベド』。
歴戦の戦士を彷彿とさせる勇ましい漢の顔に、紳士服を纏う壮年の男『セバス・チャン』。
首にチョーカーを付け、特徴的なガントレットを嵌めたメイド服の美少女『ユリ・アルファ』。
二房の赤く特徴的な三つ編みと浅黒い肌を持ち、背中には聖印を形どったような巨大な聖杖を背負っている、こちらもメイド服の美少女『ルプスレギナ・ベータ』。
極めて端正な顔を持ち、黒髪をポニーテールに纏めたメイド服の美少女『ナーベラル・ガンマ』。
翠玉の瞳に、もう片目を覆うアイパッチ、ミリタリー風味の飾り付けに赤金のロングヘアーを持つメイド服の美少女『シズ・デルタ』
光の宿らない瞳に、優れたスタイルで金髪を靡かせるメイド服の美少女『ソリュシャン・イプシロン』。
和服に近いメイド服を羽織り、シニヨンの髪を揺らす可愛らしい美少女『エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ』。
彼ら彼女らは、かつて自分の所属しているギルド『アインズ・ウール・ゴウン』の仲間達が作り出したNPC達だ。
そんな者達が、自らの意思を持って自分の前に跪いている。
その奇怪で愉快な光景を前にしつつ、モモンガは目の前に広がる惨状に目をやった。
自分が何年も過ごした、第二の家と言っても全く過言ではない居城『ナザリック地下大墳墓』。
その影はまるで無く、目前にあるのは堕ちたギルドメンバーの旗と、空虚な輝く柱達だ。
きらびやかながら憂いを感じさせるその残骸を見つめながら、モモンガは沸々と起こる怒りをぐっと沈めた。
(落ち着け。このNPC達が完全に仲間だと決まった訳じゃない。それに現状が分かってないんだぞ。ここは、ギルドマスターとして冷静な判断を下すべきだ)
一瞬、何かが自分を包み怒りが沈静化した気もしたが、それほど気にもならずに、モモンガは偵察の為の指示を出すことを決心する。
これは謂わばテスト。彼らが自らを裏切らないかの信用試験となる。
まずは、この暗い森を探索する事が先決だ。
モモンガは人ではない。
いや、彼の前身『鈴木 悟』は人間だ。だが、モモンガの体は人ではなく、それはアンデッドである。
それもただのアンデッドではなく、『
その中でも、今回有効なのは《
その為には、偵察が必要となるのだ。
「エントマ!」
「はっ!」
シニヨンの髪を揺らすエントマに、モモンガは虚空の瞳を向けて指示を出す。
「偵察として使える蟲は居るな?」
「勿論でございます。何体ほどをご所望でしょうか」
「ふむ...。取り敢えずは16体出せ。それぞれを、ここを中心地点として16方位に散らばせ偵察を任せる。蟲の強さよりも、速さと小ささを優先しろ」
「承知しました!では、早速」
そう言うと、エントマは何処からともなくバッタのような蟲を4匹、蠅のような蟲を4匹、蜘蛛のような蟲を4匹、蜂のような蟲を4匹出現させた。
「行ってらっしゃぁい」
先程よりも僅かに甘い声を出しながら、エントマの元から16匹の蟲が飛び出していった。
「よし。では次は...そうだな。障害物を抜けるアイツと...壁としてアイツを出すとしよう」
そう言いモモンガは玉座から腰を上げ、いつものようにではなく、ただやりたいと思う。
そうすれば、ゲームとは違った、もっと直感的な方法でスキルを行使する術が分かるのだ。
「《中位アンデッド創造―
モモンガが唱え、手を伸ばした先には、全長2m程の巨大なタワーシールドを持った巨大なアンデッドの騎士《
モモンガが使ったスキル。それは、一日に創造できる数に限界はあるものの、ノーコストで味方を作り出せるスキル《アンデッド創造》である。
これこそが、死を支配し生を飼い慣らす死の支配者、オーバーロードに許された力である。
モモンガの指示により、5体の
そうして偵察の下準備がある程度済むと、モモンガは今度はスキルではなく魔法を行使するために力を込め始めた。
「よし...行くぞ。《
感知能力を増幅させる魔法と、完全に認識されなくなる魔法を使ってから、連絡を取る為に《
『私が今から空からこの周囲を見渡す。一応不可知化の魔法は掛けたが、念には念を入れる。飛べる二人には私の周囲を護衛して貰おう』
『はっ!』
跪く二人の肩に手を起き、それに歓喜する二人を見る間もなく《
周囲に並ぶ木々を越え、上空に出てみると、森を抜けた先に城壁に囲まれた都市、また森の近くに村や草原、街や屋敷を発見した。
(取り敢えずの敵影無し...。スナイプして敵を狙う感じのプレイヤーによる干渉も無いか...。探知系の魔法を使ってもいいが、探知にカウンターを張るのは基礎中の基礎。そこまで馬鹿な事は出来ないな...。やはり目視による確認が安全か)
作戦を練り、確実に敵を倒す。
それが、ユグドラシルでも中の上くらいしかないモモンガの戦術だった。
周囲を黙視していると、蟲を偵察に出していたエントマから合図を貰う。
中空に待機したまま、《
『モモンガ様。5時の方角にモンスターと思わしき生物を発見致しました。犬型のモンスターであり、推定体長は大型犬程度と思われます』
『犬型...ケルベロスの近隣種のモンスター程度だったら楽だな...。よし。ナーベラル。エントマが指定するポイントに《
『畏まりました』
そのメッセージを皮切りに、ナーベラルの両手には激しく閃光する二つの蒼い稲妻が纏い出した。
ユグドラシルにおいて、魔法には位階という物が存在する。
第一位階~第十位階、そしてそれを越える超位魔法。
モモンガは勿論、超位魔法を使えるが、レベルの低いナーベラルではそうは行かない。彼女は第八位階までしか使えない。そして今から放つ魔法は第七位階の魔法だ。
モモンガ達、レベル100のプレイヤーが使う最低限の位階は第八位階。それ以下の魔法で死ぬ程度の敵ならば、つまり敵ではないという事になる。
「《
ナーベラルの中では高威力の魔法。そして、モモンガからすれば雑魚クラスの魔法。
しかしそれは、蒼い龍を纏った雷として森を駆け抜け、木々を破壊しながら死を撒き散らす。
そして、魔法がモンスターと思わしき影に触れた瞬間には、最早そのモンスターは欠片も残さず消えていた。
モモンガは、それを見てからほくそ笑む。
「よし!各自偵察と警戒を緩めず、このまま10時の方向へ行進する。エントマは蟲を更に配置し、ナザリック跡地に待機!
それ以外の者の目標は、この森を抜けて進んだ先にある小さな村だ!」
地面に降りたモモンガが、そう指示しエントマ以外の者達は玉座の跡を背に歩き出す。
此処はナザリックの最後の残滓。
故に、ここが彼らの拠点となる。
ナザリックは、アインズ・ウール・ゴウンの仲間達と汗水流して作った素晴らしき宝。
こんな森の中に放置して良い物件ではない。
まず最初の目標は、玉座の間を仮に置くに足る場所を探し出す事だ。
それからナザリックを、アインズ・ウール・ゴウンの仲間達を、探していく。
それこそがモモンガの目的。モモンガが目指す物。
モモンガは知る由も無かった。
先程のモンスターが、ナーベラルどころか、
モモンガは森を進む。その歩を止める事なく。
死の支配者が、今、確実に人里へと近づいていた。
あの魔物ってスバルで倒せるんだから、めっちゃ弱いですよね?でもレムもペテルギウスも苦戦するから、ちょっと強さの基準が分かんないです。
そんなこんなで、オーバーロードでした。魔法多すぎて『オーバーロード大百科』さんにお世話になりっぱなしです。ありがとうございます。
次回は...『リゼロ』メインじゃないかなぁ。多分、そうだと思ってください。ではでは。