Re:ゼロから始める素晴らしいオーバーロード!   作:梶本 楓

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お久しぶりです。ようやく時間が取れましたので、投稿しようと思った所存です。

今回はクロスオーバーしてると思うので、是非、ご覧ください。










6話 集結の者達

―――カズマ―――

 

 

 

場を包むのは静寂。

 

明らかに自分が悪い状況でバカデカイじじいに殴られそうになった自分を助けた少女が目の前にいる。

 

靡く髪の色は金。覗く顔は見事な美形。

 

純白の鎧も相まって、聖騎士と呼ぶに相応しいような美少女が居る。普通なら、ときめき展開の1つや2つ起きても可笑しくない程の美少女。

 

だというのに、それを全て表情が台無しにしていた。

 

目を爛々と輝かせるまではいい。だが、涎を垂らしながら頬を赤く染めてニヤケる姿は、変質者のそれだ。

 

 

 

「さぁどうした!殴ってみろ!さぁさぁさぁ!」

 

 

 

両手を広げて老人を誘惑するが、全く動く気配の無い老人。カズマも、助けてもらって何だがドン引きから戻れないでいる程だ。

 

誰も身動きが取れないという混沌の中、ふと傍らのアクアが呟いた。

 

「な、何この人...変質者かしら?」

 

酷く怯えた顔で彼女を見るアクアの声に、ピクリと反応した金髪の彼女は、首を勢いよく曲げて此方を見てくる。正直、こわい。

 

「なななっ、し、失敬な!私は誇り高きクルセイダー!聖なる騎士である私に、そのような事などあり得ん!」

 

そう格好つけて言い切った後に、こう付け足した。

 

「だっ、だが、その醜き者を見る目...それだけには抗えない魔力を感じるっ...!くっ!仕方ない、仕方ない事なのだ...さぁ、その目で私を見続けてみろ!警戒を解かず侮蔑の意味を込めて私を見るのだ!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!カズマぁぁぁぁ!!」

 

「うるせぇ!!俺だって怖いんだよ!近寄んな!」

 

「んふぅぅぅぅぅぅっ!」

 

「な、何じゃコイツら...」

 

混沌とした場には、三人の絶叫と、一人の困惑した声が流れている。

そして、その混沌とした空間に更なる混沌が押し寄せるのであった。

 

 

 

―――スバル―――

 

 

 

リィジー・バレアレの提案で貧民街の盗品倉へと来たスバル一行を待ち受けていたのは上記の空間である。

 

スバルとしても、突っ込まざるを得ない案件であるのだが、それよりも見逃せない物を見つけた。

 

 

 

「お、おいおい...あれは...ジャージだよ、な?俺以外にも異世界に召喚された奴が居るってことか?」

 

 

 

そう、スバルが見たのは、茶髪がかった男―――カズマの着る緑色のジャージだったのだ。

 

何かの偶然か、自分も着用している物がジャージであることに、僅かな親近感を感じる。が、青髪と金髪の美少女に挟まれてワイワイしているカズマに、少し苛立ったのも事実である。

 

スバルの眉間に僅かな皺が寄ったのに気付かないサテラは、ずんずんと進んでいく。

 

「仲が良いのは構わないけど、私には用事があるの。悪いんだけど、通してくれないかしら?」

 

そう青髪の美少女―――アクアに話し掛けたサテラを見て、アクアは希望を見た顔をする。

 

「丁度良い所にエルフはっけーん!さぁ、そこのエルフ、この私...女神アクア様の為に働きなさい!」

 

「へ?ア、アクア様って...アクシズ教団の...?」

 

「そうよ!あったりまえじゃない!」

 

自分が転移する筈の場所と違うのにアクシズ教が有ることに一切の疑問を感じない駄女神アクアに指摘するか迷うカズマだったが、取り敢えずこの金髪の変態と、ハゲのジジイ、更に新手の銀髪エルフの出現と頭が一杯だったカズマは、アクアを無視することに決めた。

 

「むむっ!あ、あの鋭い目付き...あれは、間違いなく私を性的に虐げる者の目だ!」

 

「うるっせぇよ!?目付きに関しちゃ散々言われてきたけど、初対面の奴にそこまで言われたのは初めてだわ!引きこもり加速しちゃうぞチクショウ!」

 

一方スバルはスバルで、金髪の変態に絡まれていた。

スバルは目付きの悪さを自覚していたが、まさかここまで言われるとは思わなかった。ハッキリ言えば相当なショックを受けていたのであった。

 

 

 

「今すぐあの金髪とハゲのオッサンを倒してきなさい!そしたらこのアクア様がアンタをそこそこ幸せにしてあげるわ!」

 

アクアはサテラに変わらず勧誘をしている。と言うか、店主であるジジイも店内に歩いて行っているし、金髪の変態はスバルに絡んでいるので必要ないのだが、視野が狭い彼女はそれに気付かない。

 

サテラはサテラで困惑が隠せない。仮にも神であるアクアをなのるなど、どれだけ罰当たりなのかと。しかし、その後にすぐ理由に思い付いた。

しかし、内容が内容だけに言って良いのか迷っていると、パックがサテラの傍に出現した。

 

「あのー、女神アクア様」

 

「喋る猫!?こ、これは売れるわ!」

 

「ちょっ!僕は売り物じゃない...ですよ!うぅ、精霊として神に下手な態度取れないよっ...!」

 

「んふーっ!モフモフしてて良い毛触りね!特別にペットにしても良いわよ!」

 

「ちょっと、困ります!パックは私の大事な相棒なんですよ!」

 

アクアに確保されたパックを救出するために動き出すサテラ。しかし、数度のやり取りでは全く靡かなかったアクアを前に諦めそうになる。

 

しかし、そこにめぐみんが近付いて決定的な一言を放った。

 

「パックを放してあげてください!頭の可笑しいアクシズ教団の人はこれだから!」

 

「...なっ!」

 

驚愕するアクアに、サテラはホッと一息ついた。

 

そう、アクシズ教団とは、この世界でもトップクラスにヤバい宗教団体なのである。

 

この世界で最もイカれた宗教団体は“魔女教”であるが、次点にはアクシズ教が君臨すると答える者は多い。

 

そんな宗教の神を自ら名乗るとは、中々にクレイジーな人物である。

 

 

 

(まぁ、私だって...同じ、か)

 

 

 

サテラはワイワイ騒いでいる外の集団とは別に、静かな悲しみを心に宿していた。

 

ちなみに、アクアはめぐみんにボコボコにされるまで心ない言葉を言われ、意気消沈していた。

 

「良いですか?アクシズ教団はですね―――」

 

「いやぁぁぁ!やめてぇぇぇ!聞きたくないっ!聞きたくないのよぉーーーっ!」

 

 

 

 

 

 

そんな彼女達を余所に、彼らは邂逅を果たしていた。

 

 

金髪の変態を、アクアを罵るめぐみんに仕向ける事に成功したカズマは、サテラとめぐみんと同行して来たジャージの少年を見つめた。

 

一方スバルも、金髪の変態が離れた事から、落ち着いて自分以外のジャージの少年を見つめた。

 

「まずは質問だ」

 

「?お、おう」

 

カズマが質問すると言い、ファーストコンタクトが此れなのか?と疑問に思うスバルだが、即座に疑問は解消された。

 

 

 

「海と言えば」

 

「―――!... ...山」

 

 

 

「人はなぜ山に登るのか?」

 

「そこに山があるからさ...」

 

 

 

「ぱん、つー」

 

「まる、みえ」

 

 

 

数度の質疑応答を繰り返した二人は、ニンマリと笑って顔を見合わせた後、手を何度も打ち合う行為をする。

 

 

 

『Yeah!』

 

 

 

ビシッバシッグッグッと言われる例の行動をやり終えた二人は、固い握手を果たした。

 

何だかんだで唐突に異世界に来て寂しかった二人は、同胞が居た事に安心しつつ、歓喜した。

 

「いやぁー!まさか俺以外にも転生する奴が居るなんてなぁ!」

 

「なはは!俺もだ...って、ん?転生?」

 

気軽にスバルの肩を叩くカズマの言葉に違和感を感じたスバルは、クエスチョンマークを頭に浮かべる。

 

それはカズマも同じのようであった。

 

「何言ってんだよ?一回死んで、天界で女神からチート貰って転生するんだろ?」

 

「いや、俺はコンビニ行ってたら急に...チートも無いし...」

 

「何だと...ど、どういう事だってばよ!俺の転生とは別の異世界転生―――いや、異世界転移なのか?」

 

「もしかしたら、このコンポタがチートアイテムかもしれない...ってのは、さすがになぁ」

 

 

 

両者に齟齬がある事に気付いた二人が、情報の整理を始めようとするが、そこに新たな来客が現れる事により、それは中止される事になった。

 

 

 

「あらぁ?今日はこんなに人が沢山いるのねぇ」

 

 

 

黒系統の衣装に身を包む、巨乳の妖艶な美女が現れた。

 

彼女を知る者なら誰もが怯えるであろう程の彼女の存在を、不幸にもここに居る誰もが知らなかった。

 

 

 

「取引相手が来るまで暇だし...邪魔されても厄介よねぇ」

 

 

 

口角を怪しく上げる美女―――もとい、絶望がカズマやスバルに襲い掛かろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




てんやわんや、会話だらけの第6話です。

次の話は腸狩りのエルザさんVSこのすばリゼロの合同ドリームチームです。どれくらい強いんだろう、この人...。いまいち分かりにくい所ですね。



一方で進軍しているモモンガ様一行の同行にも注目してくださいね。近いうちにまた出ますので。11巻が面白すぎたので、早くキャラを動かしたいですしね。
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