ジュピター放浪記   作:らりるれリッター

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~カントー地方~
1日目


キッサキシティを出港した船は一夜かけクチバシティに向かっていた。私は途中で眠ってしまっていたようだった。目が覚めるとカントー地方のクチバシティに着いていた。

 

船を降り、まず目に入った看板には、

 

”ここはクチバシティ クチバはオレンジ夕焼けの色 夕焼け色の港町”

 

と書かれていた。

 

「ここがクチバシティ…。なるほどね、確かに港町だわ」

 

私はさっそくポケモンジムに向かうことにした。クチバ港からクチバジムまではそこまで距離はなく簡単に見つかった。

 

(考えもなしにポケモンジムの前まで来てしまったけど、どうしようかしらね。いきなり挑戦するっていうのもアリだけど…)

 

悩み始めてから有に10分経ったと思う。しかし私は結論が出せずにいた。

 

(私って案外優柔不断ね…いやいやそんなことを考えている場合ではないわ…)

 

「ヘイ、ユーどうしたんですカー?ミーのポケモンジムの前で」

 

すると背後から英語と日本語混じりの言葉で声をかけられた。振り返ると大柄の男が立っていた。その見た目からしてまるで軍人のようだと思った。

 

「い、いや…私今朝クチバシティに着いたのだけれど、いきなりジムに挑戦するか迷っててね…」

 

「オウ!ユーは挑戦者ですカー!」

 

「え、ええ…ところであなたは誰なの?」

 

「ミーの名前はマチスと言うネー!このジムのジムリーダーネー!」

 

「……!!」

 

(この外国人がジムリーダー…?)

 

「ユーの名前はなんと言うネ?」

 

私はその時少し焦った。私が普段名乗る”ジュピター”はギンガ団内でのコードネームであった。しかしシンオウであれほどのことをした、いわゆる【悪の組織・ギンガ団】その幹部ともなれば他の地方へ知れ渡っていても不思議ではなく”ジュピター”と名乗るわけにもいかなかった。

 

「私の名前は…キコト…と言うわ」

 

我ながらセンスがない偽名だと思った。まあ、それも”ジュピター”と名乗るわけにも本名を名乗るわけにもいかないこちらの事情が災いしているのだけれど

 

「オウ!キコト言うネー」

 

(このジムリーダーなんか絡みずらいわね…)

 

「どうするネ。挑戦するネ?」

 

「…ええ、もちろんよ」

 

「じゃあ、ミ―についてくるネ」

 

その後はジムリーダーのマチスにジムの中に案内された。中に入るとさっそくバトルフィールドに案内された。広さはざっとテニスコート2面分と言ったところだろうか

 

「ルールは簡単。先にミーのポケモンを3匹ダウンさせたらユーの勝ちというルールネ!」

 

「いいわ。そのルールでやりましょう」

 

そして旗を持った審判らしき男が高らかと叫んだ。

 

「それではこれより、ジムリーダーマチスと挑戦者キコトのバトルを始める!」

 

「レッツゴー!ビリリダマ!」

 

「ドータクン!」

 

マチスはビリリダマ、ジュピターはドータクンをそれぞれ繰り出した

 

「オウ!カントーじゃ見かけないポケモン使うネ!」

 

「ええ、私はシンオウ地方から来たのよ。ドータクン”トリックルーム”!!」

 

その瞬間バトルフィールドの時空が歪み始めた。

 

「ビリリダマ、気にせず”チャージビーム”デス!!」

 

ビリリダマが電気を溜め始め、輝き始めた。そして電気のビームが放たれた。

 

「ドータクン、守る!!」

 

ドータクンは守りの態勢に入り攻撃を防ぎ切った。

 

「オウ!なかなかやるネ!!ビリリダマ、続けていやなおと!!」

 

言葉で言い表せない音がその場に響く

 

「ドータクン、”ジャイロボール”!!」

 

ドータクンは回転しビリリダマにたいあたりした。ビリリダマはその攻撃を受けダウンしてしまった。

 

「ビリリダマ戦闘不能、ドータクンの勝ち!」

 

「ふう…」

 

(まずは一体目…このまま何とか押し切れるかも)

 

「オウ、ノー!まさかビリリダマがダウンされるとは、ユーなかなかやるネ!」

 

「それはありがとう。私はこのままドータクンで戦うわ」

 

「それじゃあミーは、このポケモンで勝負シマース!」

 

そう言いマチスはモンスターボールを投げた。

 

「レッツゴー!ピカチュウ!」

 

マチスはそのまま叫んだ。

 

「ピカチュウ!”でんじは”デース!」

 

ピカチュウのでんじはによりジュピターのドータクンはまひ状態になってしまった。

 

「ドータクン、もう一度”ジャイロボール”!」

 

ジャイロボールを繰り出そうとしたドータクンだったが、体が痺れてしまい動くことができなかった。

 

「ピカチュウ”10まんボルト”デース!!」

 

体が痺れていたためドータクンは攻撃を避けることができずに攻撃を急所に受けてしまった。

 

「ピカチュウ!連続で”でんげきは”!!」

 

マチスは間髪を入れずに技をドータクンに叩き込んだ。ピカチュウの”でんげきは”を受けたドータクンは倒れしてしまった。

 

「…ドータクン戦闘不能!ピカチュウの勝ち!」

 

「くっ…」

 

(さすがはジムリーダー…そう簡単には勝たせてもらえないわね…)

 

「さあ!ユーの次のポケモンは何デスカ?」

 

「……」

 

(ゴルバットでは、電気タイプと相性は最悪…ここは…)

 

「スカタンク!」

 

「オー!これもシンオウ地方のポケモンですカ?」

 

「ええ、そうよ!スカタンク!”えんまく”」

 

スカタンクは口から煙を吐きバトルフィールド全体を包み込ませた。

 

「オウ、ノー!これではユーのポケモンがどこにいるか分からないネー」

 

「スカタンク!”どくづき”!!」

 

「ピガッ!!」

 

ジュピターの声とともに煙幕の中からマチスのピカチュウの声が聞こえてきた。その直後煙幕の外に目を回し戦闘不能状態のピカチュウが飛び出してきた。

 

「”えんまく”があったとはいえ、ミーのピカチュウが躱すこともできずに一撃で…」

 

「ピカチュウ戦闘不能!スカタンクの勝ち!!」

 

ジュピターは一つの山場を越え額の汗を拭った。

 

「ふう…これで相手の手持ちはあと一匹ね…」

 

「ミーのラストポケモンはライチュウデース!!」

 

「ライチュウ…確かピカチュウの進化系のポケモン…」

 

「ライチュウ!!”でんこうせっか”!!」

 

「スカタンク!!受け止めて”どくづき”!!」

 

スカタンクはライチュウ”でんこうせっか”を受け切り、カウンターでライチュウのお腹辺りに”どくづき”を食らわせた。

 

”どくづき”を受けたライチュウは空中で態勢を整えきれいに着地し”でんげきは”を繰り出した。

 

「スカタンク”かえんほうしゃ”!!」

 

ライチュウの”でんげきは”とスカタンクの”かえんほうしゃ”がぶつかりあい、小さな爆発が起きた。

 

「またスモーク…」

 

爆発によって発生した煙は再びフィールド全体を覆い尽くした。

 

「ライチュウ!全ての方向に”かみなり”!!」

 

ライチュウはすべての方向に同時に”かみなり”を繰り出した。意図的に作り出した煙ではなかったためスカタンクも反応が遅れてしまい、その中の一つを受けてしまった。

 

「スカタンク!!」

 

煙の外まで吹っ飛ばされてきたスカタンクはフラフラになりながらも立ち上がった。

 

「スカタンク、大丈夫!?」

 

スカタンクはジュピターの方を見ることなくまだ戦えることを示した。

 

「スカタンク!!”えんまく”をして”かえんほうしゃ”!!」

 

スカタンクは”えんまく”でフィールドを見えなくしてから”かえんほうしゃ”を繰り出した。

 

「ライチュウ!攻撃を躱して”かみなり”デス!!」

 

ライチュウは”かえんほうしゃ”を避け空中に飛ぶと同時にスカタンクがいると思われる場所に”かみなり”を繰り出した。”かみなり”は”えんまく”の中に入ったと同時に爆発した。

 

「スカタンク!!」

 

「これでミーのウィンデース!!…ッ!?チャレンジャーのスカタンクが…」

 

その時になってマチスは”えんまく”の中にスカタンクがいないことに気が付いた。

 

「…まだよ!スカタンク!”あなをほる”!!」 

 

「シット…!!」

 

マチスがそう呟いたと同時に地中より現れたスカタンクの”あなをほる”攻撃がライチュウに直撃した。

 

そのまま地面にたたきつけられたライチュウは目を回し戦闘不能になった。

 

「…ラ、ライチュウ戦闘不能!!スカタンクの勝ち!!ジムリーダー・マチスの残りポケモンは0!!よってチャレンジャー・キコトの勝利です!!」

 

「ふぅ…なんとか勝てたわね…」

 

「…ミーのルーザーデス。ミーにウィナーした証としてユーにこの『オレンジバッジ』を渡すヨ!」

 

「あら、ありがとう。それじゃあ、私はこれで失礼するわ」

 

「グッドラック!キコト!」

 

 

 

 

 

マチスとのバトルに勝った私は傷ついたポケモンを回復させるために真っ先にポケモンセンターへ向かった

 

「ふぅ…」

 

ポケモンセンターに設置されたソファに腰を掛けた私は先ほどのバトルを振り返っていた。

 

(…カントー地方のジムリーダー・マチス…さすがに手強かったわね…今回は上手くいったけど、次もそうとは限らないし私の手持ちをもう少し考える必要があるわね…)

 

そこまで考えに至った私は疲れていることもありその日は休むことにした。

 

「さてと、それじゃあポケモンセンターの宿を使わせてもらうとするかね」

 

その時ポケモンセンターから出て行った二人組が気になる話をしていた。

 

「アポロ様が再結成を呼び掛けているらしいぞ」

 

「遂にロケット団が復活するのか…!!」

 

「ああ…!!」

 

【ロケット団】という名前に私は聞き覚えがあった

 

「ロケット団…?確かかなり前に解散したと聞いたはずだけど…」

 

【ロケット団】は私たち【ギンガ団】が事を起こす前に他の地方に私たちの妨害ができそうな組織がないかを調べた際にホウエン地方の【アクア団】【マグマ団】と同時期に解散したと当時の部下から報告を受けた記憶があった。しかし疲れていたこともあり私は特に気にすることもなく寝床に入り私の旅1日目は終わりを告げた。

 

 

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