とある休日、リビングにて。
「暇だなぁ…」
普段が忙しくて休みが欲しいといつも思っていたが、いざ何も予定がない休みが出来ると本当に何をしようか全然思いつかない。
洗濯物もすべて干し終わってしまっている。
ゴロゴロするだけで終わる一日というのは、どうも一日という沢山の時間を無駄にしているような気がしてならない。
「もー食べてからすぐにゴロゴロしてたら牛になっちゃうよー」
ゴミ出しから紀美子ちゃんが戻ってきた。ふと紀美子ちゃんの足元を見る。
「…どうかした?」
紀美子ちゃんが不思議そうにしている。
気になったのは紀美子ちゃんの靴だ。
僕のお古なのでボロボロになっている。
「紀美子ちゃん!」
休日を充実させる方法を思いついた。
「靴を買いに出かけよう!」
流石にあんなぼろい靴はかわいそうなので靴を見に行く。
寒くなってきたのでコートも持っていたほうが良いだろう。
さっそく近くの靴屋へと向かった。
「好きなのを選びなよ。遠慮しなくていいから」
「ありがとう。彼方くんは本当に優しいね…」
そう言って紀美子ちゃんは靴を選び始めた。
紀美子ちゃんはどんな靴が似合うのだろうか。
あまりファッションに興味がないので想像がしにくいが…
「彼方くん!これ!これがいい!」
キラキラした目で僕に紀美子ちゃんが駆け寄ってきた。
紀美子ちゃんが持っていたのは…
「…スニーカー?」
白のスニーカー、とってもシンプルなものだった。
「それでいいの?あそこにあるもっとおしゃれなブーツとか…」
僕は別の棚にあるブーツを指さした。
「いいの。私は動きやすい方が好きだから」
「昔からそうだったの?」
「そう…だったのかな…」
「あっ…ごめん…」
「どうして謝るの?気にしなくていいよ。本来それが目的なんだから…」
僕たちは白いスニーカーを買って、コートを買いに別の店へ向かった。
コートが置かれたエリアに着いた時、紀美子ちゃんは僕にこう言った。
「コートは…彼方くんに選んで欲しいな…」
「えっ、僕が?」
「駄目かな?」
「いや…別にいいけど…」
まさか紀美子ちゃんの着るコートを僕が選ぶことになるとは思いもしなかった。
紀美子ちゃんは僕がコートを買うまでカフェにいる。
くどいようだが、僕は洋服に対するこだわりはなく、流行りも全く知らない。
紀美子ちゃんは僕の好きなように選んでくれていいと言っていたが…コートが置かれたエリアを見て回っていると、一着のネイビーのコートを見つけた。
「なにかお探しですか?」
女性の店員さんだ。
いきなり声をかけられ少々びっくりしたが、思い切って聞いてみる。
「あのコートは人気なんですか?」
店員はニコッと笑って答えた。
「あのダッフルコートは女性向けですが…彼女へのプレゼントですか?」
「えっと…そうです」
嘘をついた。店員にこんな嘘をついても支障はないが、なんだか気恥ずかしい。
どうやらそのコートはそこそこの人気のようで、店員の勧めもあって購入を決意した。
僕はコートが入った袋を持って、紀美子ちゃんの待つカフェに向かった。
「おまたせ。買うものも買ったことだし帰ろうか」
「うん!」
僕たちはカフェを出て、家に帰った。
「さっそく着てみせてよ」
「もちろんだよ!私も早く着たかったんだー彼方くんが選んでくれたコート」
紀美子ちゃんはまるで子どものようにウキウキしながら袋を開け、着て見せた。
「すごく似合ってるよ。気に入ってくれた?」
「うん!すっごく気に入った!ありがとう彼方くん!大切にするね」
どうやらコート選びは成功したようだ。
紀美子ちゃんの笑顔が見られてよかった。
これで冬も安心だろう。ただ…
「当分は…節約しなきゃな…」______
これから少し、投稿ペースが遅くなるかもしれません…出来る限り間隔を開けすぎないようにするので、これからもよろしくお願いします。