I S-釣りバカ日誌-   作:ソーダガツオ

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知床の岬にハマナスの咲く頃(´・ω・`)


第10話 三人目は男装の麗人!?〜イサキ編〜

  

    〜都内某釣具屋〜

 

「ふっふふ〜ん♪」

 

 待ちに待った週末、私こと山田真耶は先輩を連れて釣具屋まで来ています!ようやく⋯⋯⋯⋯⋯ようやくアレを買える時が来たなんて先輩には感謝ですね!

 

「ほ〜、釣具ってこんなに種類が有るのか⋯⋯⋯⋯」

 

 先輩は何とも呑気な事を言ってますね。

 

「当然です!大まかに分類してもウキ釣りにミャク釣り、投げ釣りに胴突き釣り、将又ルアーに毛バリなんかもーー」

 

「わ、分かった!分かったから。それで、いったい何を買うんだ?」

 

「よくぞ聞いてくれました!私が今回買ってもらうのはこの竿です!」

 

 そう言って私は今日買うべき釣り竿を取り出す。

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯なぁ真耶」

 

「はい、何でしょう?」

 

「この竿の値段、一桁0が多い様な気がするが⋯⋯⋯」

 

「何を言ってるんですか!コレでも安い方ですよ」

 

 そう言うと先輩は無言になってしまった。何をこの位で驚いてるんでしょうかね?

 

「な、なぁ。あっちの方にしないか?ほら、三千円で買えるぞ」

 

「何でも一品買ってくれるって言ったのは先輩ですよ!約束を違えないのが大人でしょう!」

 

「う⋯⋯⋯⋯⋯分かった、分かったよ。はぁ⋯⋯⋯⋯⋯⋯今月の酒代が⋯⋯⋯⋯」

 

 そう言ってトボトボとお会計を済ませる。

 

「たまの休日で私がこんな目に遭っていると言うに、アイツらは何をしてるんだろうな⋯⋯⋯」

 

「あぁ、何でも今日は金城くん達、イサキ釣りに行ってるみたいですよ」

 

「イサキ?」

 

「えぇ、今から夏になるこの時期が一番美味し魚ですね!」

 

 本当は一緒に行きたかったな〜。でも今度はこの竿で一緒に行きますよ!

 

 

 

 

 

 

 

    〜第三あかつき丸船上〜

 

 梅雨時にしては珍しく晴天に恵まれたこの日、俺と一夏はシーズンが始まったであろう魚『イサキ』を狙って海の上にいた。

 

「どうだ一夏、船酔いとかは?」

 

「全くないよ。昨日はイサキ釣りに行くって考えただけで中々寝付けなかったもんな!」

 

「おいおい寝不足は良くないぜ?まぁ、初めての船釣りだから分からなくもないけどな」

 

「おーい、ボウズ達!そろそろポイントに着くから準備しろ!」

 

 そうそう俺たちに声をかけたこの人は『三宅やすし』さん、何でも親父の小学校の頃の同級生らしい。中学を卒業してからこっちに上京して、かれこれ30年今の仕事をしてるんだとか。俺は親しみを込めて『ヤっさん』と呼んでいる。

 

「さてと、じゃあ始めるか」

 

「おう!えぇと、コマセは⋯⋯⋯」

 

「一夏くん、コマセはアミエビを使え!ただしあまり詰め込むと餌の出が悪くなるから気持ち余裕を持たせて入れるんだ」

 

 

 

 

    〜イサキのコマセサビキ釣り〜

 

 サオは一日手持ちでコマセを撒いたり誘ったりするので、持ち重りのしない2メートル前後を選ぼう。リールのラインはPEの2~3号が目安だけど、タナが取りやすいように1m表示がされているPEラインを使うと良いぞ。

釣り場にもるけど、イサキ釣りはそれほど水深はないと思いますので100m巻ければ十分だ。 片テンビンの長さは40~45cm、コマセビシはM~Lサイズの80号程度を使うとOK。また、ハリスと片テンビンの間には、太さが1.5~2mm程度で長さが50cmのクッションゴムをつけておいた方がいいだろう。 3〜4号のチヌ針に『イカ短』と呼ばれる餌を使って釣るぞ!

 

 

 俺達が釣りを始めて暫くしたら一夏の竿にアタリがあった。

 

「⋯⋯乗ってきた⋯⋯⋯!ってあれ?スズメダイ?」

 

「焦るな一夏くん。イサキはタナの取り方が釣果を左右する魚だ。正しいタナを取っておかないと外道が掛かり易くなるぞ」

 

「そう、正しいタナで釣ってこそ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ほ!()()()()の良いスタートになるってね♪」

 

 そう言って俺は30cmクラスのイサキを釣り上げてみせる。

 

「すげぇ⋯⋯⋯⋯⋯⋯そうか正しいタナか⋯⋯⋯いつまでも外道って訳にはいかないな」

 

「そうだその息だ、一夏くんも挑戦してみろ!」

 

 

 

 

 

 

 

   〜1時間後〜

 

「どうしたんだ一夏?」

 

 お互いの竿にイサキが掛かる様になると、一夏にはまた一つの疑問が湧いたようだった。

 

「んー、確かにイサキが釣れる様にはなったけど、どうして啓吾の竿には大物が掛かって俺の竿には小さいサイズしか掛からないんだ?」

 

「それは大きいイサキはタナの上の方にいるからよ」

 

「「?」」

 

 俺達が声のした方へ向くと、同じく乗船していたのであろう一人の女性がいた。

 

「君はずっと下の方のタナを探ってるでしょう?イサキは「タナ」を釣れといわれるほど、タナが重要になる魚なの。だから上のタナを探ってみなさいな。そのPEラインの色の変化を見ておく事も重要になるわよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 一夏は照れくさそうにお礼の言葉を言った。

 

「ええと、お姉さんは外国の方?随分日本の釣りに詳しいんですね」

 

「あら、別にお姉さんなんて歳でもないわよ」

 

 女性の方もお姉さんと言われて嬉しかったのだろうか、少し照れている。

 

「そういえばお名前は?」

 

「名前は⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯そう仇名ならあるわ」

 

 女性は、かつて流行った昭和歌謡の名曲の一節を拝借しドヤ顔で言った。

 

(なんだか苦い目をしてブランデーを空けてそうな人だな)

 

(啓吾と似た様な古くささを感じる⋯⋯⋯⋯)

 

「『スコール』、仲間からはそう呼ばれているわ」

 

「スコールさん⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯そっか、じゃあ『スーさん』だな!」

 

「へ!?」

 

「ちょ、啓吾!」

 

 俺の命名に二人とも驚いているようだ。

 

「す、スーさん?」

 

「ほら、なんだか『スコール』ってあだ名って言うよりは仕事上の名前みたいな感じがしたからさ」

 

(⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯中々鋭い子ね)

 

「でも初対面の人にスーさんはちょっと⋯⋯⋯⋯」

 

「あら、良いんじゃない?私は気に入ったわよ」

 

 スコールと名乗った女性はクスクスと笑いながら言った。

 

「ほら二人とも、あんまり時間もないわよ!」

 

「あ、ヤベ!おい啓吾!」

 

(フフフッ、面白い子達に会っちゃった♪)

 

 彼女の言葉で俺達は釣りを再開する。それにしても不思議な人だな、一体何者なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

   〜I S学園自室〜

 

 あの後、釣りを終えてスーさんと分かれた俺達は学園に戻って夕食の準備をしていた。今日はイサキが大漁だから豪華な食事になるぞ!

 

「さてと、今日は洋食風でせめてみるか」

 

「洋食?何を作るんだ?」

 

「そうだな⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯今ある材料だとアクアパッツァにするか」

 

 

 

 

 

    〜アサリとのハーモニーが絶妙!イサキのアクアパッツァ〜

 

 前日の内にアサリは洗って3%の塩水で砂出しをしておこう。イサキはウロコとエラ、ワタを取って全体に塩コショウする。次にフライパンにオリーブオイルを入れて、みじん切りしたニンニクで香りをつけるんだ。そこに、イサキを入れよう。中火で、両面焼き色をつけたら、白ワインをフライパンの3分の1ぐらい入れておこう。最後にあさりや、プチトマトを入れて、蓋をして、弱火にして、蒸し焼きにする。あさりが、パカッと開いたら、火を止めて完成!イタリアはカンパニアの郷土料理、是非皆も食してくれ!

 

 

「どうせだ、俺がもう一品作ってる間にシャルルも呼んできてくれ。男同士だから気兼ねなく話せるだろう」

 

「わかったよ」

 

 さてと、一夏も行った事だし何かもう一品作るか。そろそろ暑くなってきたから刺身でも造るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    〜15分後〜

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯遅いな、一夏の奴」

 

 早くしないとアクアパッツァが冷めちゃうじゃないか。俺がブツクサと文句を言っていると一夏が慌てた様に部屋に入ってきた。

 

「け、啓吾!大変なんだ⋯⋯⋯⋯!シャルルが裸で⋯⋯⋯⋯⋯男が⋯⋯⋯⋯⋯女で⋯⋯⋯」

 

「落ち着け、何だか河島○五みたいになってるぞ。まずは深呼吸だ」

 

「ふぅ⋯⋯⋯⋯⋯⋯とにかく来てくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     〜一夏の部屋〜

 

 

「それで、本当はシャルルくんじゃなくてシャルルちゃんだったと⋯⋯⋯⋯⋯」

 

「う、うん⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 彼もとい彼女が言うにはこうだ。。元々デュノア社の社長の実子だが、愛人との間に生まれた娘であるため、2年前に母親が死亡した後はデュノア家に引き取られたが、事実上居場所がなかった。その後、偶然IS適性が高いことが判明したことから、の意志と関係なくIS開発のための道具として扱われてきた。IS学園へ転入したのも、デュノア社がIS開発の遅れによる経営危機に陥ったため、数少ない男性の操縦者として世間の注目を集めることで会社をアピールするとともに、俺と一夏に接近して「海神」と「白式」のデータを盗め、という社長命令によるものであったらしい。

 

「それで、ボクが女だって事を先生に言うかな?ハハハ、そりゃそうだよね。せっかく親切にしてくれた二人を騙していたんだから⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 シャルルは全てを諦めた様にぶっきらぼうに言う。

 

「シャルル⋯⋯⋯⋯⋯」

 

「ふむ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯取りあえず飯にしよう!」

 

「「え!?」」

 

「まぁ色々思うとこはあるけど⋯⋯⋯⋯⋯せっかく夕食も作ったんだからさ。シャルルも来るんだぞ?」

 

「ちょっと待って!今言った事聞いてなかったの!?ボクは二人の事をーーー」

 

 シャルルが言いかけた言葉を一夏が遮る。

 

「ハハハ、まぁそうなるか。落ち着けよシャルル。俺も腹減ったしさ。啓吾の飯、美味いぞ」

 

「一夏まで⋯⋯⋯⋯⋯」

 

「ほら、キビキビ歩く!」

 

 いつまでもウジウジしているので俺はシャルルの服の裾をつかんだ。

 

「うわ、自分で歩くから引っ張らないで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    〜再び自室〜

 

「うん、今日も良く出来てるな」

 

「たまには洋食も悪くないな!ほらシャルルも食ってみろよ」

 

「う、うん⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯あ、美味しい」

 

「だろ?」

 

 結局、シャルルが折れて俺達は部屋で夕食を取っている。

 

「それに今日釣ってきたばかりだからな。刺身も新鮮で美味いぞ」

 

「そうなんだ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯でも、どうして?」

 

 唐突に彼女が話を切り出してくる。

 

「どうしてボクの正体を知ったのにこんな事を」

 

「なんだそんな事を気にしてるのか?」

 

「そんな事って!?啓吾、ボクは真剣に!」

 

「じゃあシャルルはどうしたいんだ?」

 

「!?」

 

 そう言うとまた暗い顔になって彼女は黙ってしまう。やれやれ、これは相当な陳情だな。

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯そりゃボクだって⋯⋯⋯⋯まだまだ皆と一緒に居たいよ⋯⋯⋯でも⋯⋯⋯⋯でも⋯⋯⋯!」

 

「⋯⋯⋯⋯別に居る事ぐらい出来るぞ?少なくとも三年は」

 

「⋯⋯⋯⋯へ?」

 

 そう言って一夏は生徒手帳の一部を見せる。

 

「ほらここ、IS学園特記事項の第21項 『本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家⋯組織⋯団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする』だってさ」

 

「本当だ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 知らなかったらしいな。本人は目をパチクリさせて驚いている。

 

「さぁ、後はシャルル次第だな。このまま本国に帰るもよし、秘密を暴露して親と決別するもよし。これからは自分で決める事だ」

 

 俺がそう言うと、すこし悩んだ様に彼女が答えた。その瞳には決心の色が伺える。

 

「ボクは⋯⋯⋯⋯⋯もっと色んな世界を見てみたい⋯⋯⋯。IS開発のための道具『シャルル⋯デュノア』じゃなくて一人の人間『シャルロット』として生きて行きたい!」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯何だ、勇気を持って言えたじゃないか!」

 

 彼女の決意に、俺は一切の偽り無く賞賛する。

 

「シャルロットか⋯⋯⋯⋯綺麗な名前だな!」

 

「えへへ⋯⋯⋯⋯⋯/////。本当にありがとう、二人のお陰だよ」

 

「俺達にとってもシャルル⋯⋯⋯⋯いや、シャルロットは大切な友達だ。やすやすと売り渡す様なまねはしたくないからな」

 

「そうそう⋯⋯⋯⋯⋯まだ三年あるんだ。これから一緒に頑張っていこうぜ『シャル』!」

 

「し、シャル?」

 

 シャルロットは突然のネーミングに困惑してまう。

 

「ほら、シャルロットってちょっと長いからさ。俺達だけでもこうやって呼ぼうかなと思って⋯⋯⋯⋯⋯嫌だったか?」

 

「シャル⋯⋯⋯⋯⋯ううん、全然嫌じゃないよ!とっても嬉しい。ありがとう一夏!」

 

 三年か、会社と決別するとして、困難が沢山待ち構えている筈だ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯そうなるとやっぱり出来る限りの手助けをしてやりたいな⋯⋯⋯。

 

「なぁシャル」

 

「?どうしたの?」

 

「とりあえず今の家と決別するとして何かアテは有るのか?」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ないかな」

 

「おい啓吾、せっかくシャルが決心した所なのに⋯⋯⋯」

 

「いや、そういうつもりじゃないんだ。もし良ければこの一件、暫く俺に預けてくれないか?」

 

 俺がそう言うとシャルは少し驚いた様な顔をする。

 

「啓吾に?でもどうして⋯⋯⋯」

 

「とりあえず悪い様にはしないさ⋯⋯⋯⋯⋯おっと、すっかり遅くなっちまったな。二人とも、今日はもう部屋に戻った方が良さそうだ」

 

 そう言って俺は二人を部屋に帰した。

 

 

「さてと⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 二人が帰ったのを確認して俺はとある人物に電話をかける。

 

pippipi.......

 

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯はいモシモシ金城です」

 

「親父か?」

 

「なんだ啓吾か⋯⋯⋯⋯沖縄はそろそろ初ガツオの季節だぞ」

 

「それは良いな!⋯⋯⋯⋯⋯⋯じゃなくて頼みたい事があるんだ。正直これを一生の願いにしても良い」

 

「お前がそこまで言うなんてな⋯⋯⋯⋯⋯何かあったのか?」

 

 

 

 

               「実は⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯助けてほしい奴がいるんだ」

 

 

 




「なんだか物語が動いてるのか動いてないのか分からないな」

「魚釣りはしてるじゃないか」

「でもわたくし達の出番がありませんでしたわ・・・・」

「そこまでラブコメしてないしね・・・」

「・・・・・・・・・(´・ω・`)」

「と、とりあえず次回もお楽しみに!」
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