I S-釣りバカ日誌-   作:ソーダガツオ

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この私射止めるのなら油断はダメよ(´・ω・`)


第20話 仲直り大作戦〜キュウセン編〜

「ふぃ〜、今日も大漁大漁!」

 

「うん、沢山釣れたね」

 

 夏休みが始まってから早三日、何時もの様に俺、一夏、そして簪の3人で釣りに出かけた。なんでもセシリアは1週間程イギリスに帰省中で、ラウラは生憎の風邪気味、シャルはその看病である。箒は朝から部活で、今は部屋でぐったりと眠っているらしい。

 

『簪さんは今日のアジ、どう調理なさるんですか?』

 

「うん、本音と一緒に南蛮漬け⋯⋯⋯かな?」

 

「お!良いんじゃないかな、食欲が落ちる夏場にはぴったりだと思うぞ」

 

「また余ったら持って行くね」

 

「ありがとうな」

 

 何気ない一時、その時間を仲間達とすごす。なんて素晴らしいんだろうか。そんな思いを俺は噛み締める。

 

「あ!そういえば簪、I Sの方はもう完成したのか?」

 

「それはまだ、でもラウラや海神のお陰でもうすぐ試運転は出来ると思う」

 

『はい、今の所システムに異常は見られません。このまま行けば問題なく稼働出来る筈です』

 

「フフッ、海神もありがとうね」

 

『私は何もしてません。ただ簪さんの背中を後押ししただけですよ♪』

 

 そんな会話を続けながら、いつの間にか学園まで帰ってきていた。

 

 

「じゃあお疲れ啓吾!また明日な!」

 

「バイバイ」

 

「あぁ、二人とも気をつけて帰れよ!」

 

 二人を見送った後、俺達も帰路につく。空は既に薄暗く、茜色の太陽が沈んで行くのが見える。

 

『さて、今日は何を作るんですか?」

 

「そうさな、取り合えず一匹塩焼きにして後は庭で干そうか⋯⋯⋯⋯あ、暑かったし冷や汁も作ろう!」

 

『良いですね!夏バテも解消出来ますよ!

 

「ハハハ、そこまでへばってないよ⋯⋯⋯と、ただいまーーーー」

 

 

  ガチャリっ

 

 何時もの様に部屋の鍵を開け何時もの様に夕食を食べる。そう思っていた⋯⋯⋯⋯そう思っていたはずだったーーー

 

 

「おかえりなさ〜い♡」

 

 

 

 

 

 

『「⋯⋯⋯⋯⋯⋯!?」』

 

 誰が想像出来よう、そこにいたのは

 

「御飯にします?お風呂にします?⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯それとも、わ⋯た⋯し♪」

 

 裸エプロンで此方を艶っぽく見つめる一人の少女の姿があった。

 

「⋯⋯⋯⋯⋯( ゚д゚)」

 

『⋯⋯⋯⋯⋯( ゚д゚)』

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯あ、あの〜⋯⋯何か反応してくれないと困るかな〜」

 

 暫くの沈黙の後、俺達は漸く我にかえる。そしてーー

 

 

 

 

『「⋯⋯⋯⋯ヘ」』

 

 

 

「へ?」

 

 

 

 

 

『「変態だーー!?」』

 

 恐らくこんなに大きな声を上げたのは生まれた時以来であろう叫び声をあげる。

 

「えぇ!?」

 

 俺は真っ先にI Sを展開して臨戦態勢をとった。

 

「う、動くなよ、そのまま織斑先生の所までしょっぴいてやる!」

 

「ちょ、待って!?私は別に怪しい者じゃないの!」

 

『お黙りなさい!変質者は皆そう言うんだから!』

 

「とにかく話を聞いてー!?」

 

 もはやお互いパニック状態である。此方は臨戦態勢だし、彼方は顔を真っ赤にして涙目だ。

しかしそこに一人の救い主が現れた。

 

「お待ちください!」

 

「へ!?」

 

「あ、虚ちゃん!助けて〜!」

 

 眼鏡に三つ編み、いかにもお堅い感じの女性がこの状況に介入する。

なぜだろうか?初対面の筈なのに何処かで出会った様な印象を受けていた。はて、一体どこで⋯⋯⋯?

 

「金城啓吾さん、ひとまず武装を解いて頂けますか?」

 

「は、はぁ⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 

 俺は女性の言われるがままに、武装を解いた。

 

『え、ええと、貴女は?この変質者の関係者とお見受けしますが?』

 

「だから変質者じゃないってばー!?」

 

「いえ御嬢様。その格好では誰が見ても変質者です」

 

「そ、そんな〜⋯⋯⋯⋯」

 

 女性のキッパリとした物言いに変質者はガックリと項垂れる。

 

「自己紹介が遅れました。私、布仏虚と申します」

 

「え あ、これはどうもご丁寧に⋯⋯⋯⋯自分は金城啓吾と言います」

 

 女性の丁寧な挨拶に俺も思わず頭を下げた。

 

「えぇ、存じていますよ。何時も妹がお世話になってます」

 

「えっと⋯⋯⋯妹さんが?」

 

「はい、私は金城さんのクラスメイト、布仏本音の姉に当たります」

 

『まぁ!本音さんのお姉さん!』

 

 姉と妹の違い海神が驚いた様な声をだした。確かに俺も驚きだ。面影が似ているとはいえ、正確は真反対である。

 

「その、布仏さんはこの人とは、どういった御関係で?」

 

「そんなゴミを見る様な目で見ないでよ〜⋯⋯⋯」

 

「あの⋯⋯⋯厚かましいとは思うのですが、部屋へお邪魔しても宜しいでしょうか?」

 

 たしかにこのまま会話をして誰かに見られたらまずい。そう思った俺は二つ返事で布仏さんともう一人を部屋に匿った。

 

 

 

 

 

 

 

 

    〜自室〜

 

「生徒会長〜!?」

 

「はい、この方こそI S学園の生徒会長にして簪様の姉にあたる更識 楯無です」

 

 もはや自分の誕生日でもここまで驚かない。さっきまでほぼ全裸だった彼女は生徒会長で、なんと簪の姉だと言うのだ。

 

『こんなのが生徒会長なんですか!?』

 

「はい、こんなのでも生徒会長です」

 

 等の生徒会長は先程からの辛辣な言葉に意気消沈している。

 

『それで⋯⋯⋯その生徒会長殿が私たちに何の御用ですか?』

 

「それは⋯⋯⋯そうですね、直接本人から聞いてみてください」

 

「はぁ⋯⋯⋯」

 

 そう言われたので生徒会長の方に向き直る。さっきまでとは違って彼女は真剣な表情を作っていた。

 

「それで、頼みとはいったい⋯⋯⋯」

 

 

 

 

 

      「その⋯⋯⋯⋯⋯私に⋯⋯⋯⋯⋯私に釣りを教えてください!」

 

 

「へ?」

 

 意外な言葉が出た.なんと彼女は俺に釣りを教えて欲しいと言うのだ。

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯理由を聞いても?」

 

「実は⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 

 簡潔に話すと、なんでも妹の簪との仲があまり良くないんだとか。最近になって偶然、簪が釣り竿を持って俺達と釣りに行くのを見て、後をつけてきたらしい。そこで楽しそうに釣りをする簪を見たから、釣りを覚えたら昔の様に仲の良い姉妹に戻れると思ったそうだ。

 

「話は分かった。でもやっぱり腹を割って話した方が良いんじゃないか?」

 

『私も御主人と同意見です。釣りを覚えてからじゃ随分と回り道のような気が⋯⋯』

 

「それが出来たら良いんだけど⋯⋯⋯⋯長い間こんな感じだから、私も話を切出す勇気が無くって⋯⋯⋯それに共通の趣味が出来たら、前みたいに仲良くなれるんじゃないかって⋯⋯」

 

「生徒会長⋯⋯⋯」

 

「少しでも可能性があるならそれに賭けたいの!だから⋯⋯⋯⋯だからお願いします!」

 

 再び彼女が頭を下げる。そこに嘘偽りが無い事は明らかだった。

 

「金城さん、私からもお願いします。私は昔から長い間、二人の関係を知っています。それ故に今の状態を見ているのはとても忍びない思いです」

 

「う〜ん⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 俺は暫く考える。そしてーー

 

「分かった、釣りを教えよう!」

 

「ほ、ホントに!?」

 

 会長の顔がパっと明るくなった。

 

「ただし条件が有る」

 

「えっと⋯⋯⋯⋯条件?」

 

「あぁ条件。布仏さん、アンタにも参加してもらう」

 

「わ、私もですか?」

 

「だって彼女の友人なんでしょ?だったら俺に丸投げはよくない。よって布仏さんにも釣りを覚えて貰います」

 

「は⋯⋯⋯はい、分かりました⋯⋯⋯」

 

 どうやら渋々承諾してくれたようだ。

 

「はい、じゃあ明日埠頭前まで来て下さい。道具はこっちで準備して置きますから」

 

「本当にありがとう、何から何まで⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 

「まぁ俺も姉と仲違いしてる簪なんて見たくはないからな」

 

 

 今日はもう遅いと二人を送り出す。明日の為に準備しながら、俺は助っ人となる人物に一本の電話をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    〜学園埠頭前〜

 

「さてと、定刻どうりだな」

 

「ええと、教えてもらうのは良いのですが、何を釣るのですか?」

 

「そうさな⋯⋯⋯⋯一晩色々考えてみたけど、やっぱりキュウセンを釣ろうと思う」

 

 キュウセン、雄と雌とで体色の違うベラ科の魚である。関西では夏のキス釣り同様に人気が高く、専用の漁船が出るぐらいだ。またフグのような「餌取り名人」としても知られ、小さな口と牙状の歯でうまく餌をちぎるぞ。

 

「それに助っ人も呼んである」

 

「助っ人?」

 

「あぁ、喜んで力を貸すと引き受けてくれた。すこし遅れてくるそうだ」

 

「分かったわ、それじゃあ釣り方を教えてくれるかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             〜キュウセンのチョイ投げ釣り〜

 

 

 基本はキス釣りとほぼ同じ、テンビンと呼ばれる錘を使って跳ばすぞ。場所に寄って違うが今回は8フィートのシーバスロッドを使う。0.6〜1.0号のPEラインにテンビンオモリにハリス、キス針を付ける。この時テンビンとハリスの間に砂ズリと呼ばれる糸を使うと、仕掛けが天秤に絡みにくい 、それに根がかりしたときクッションになって仕掛けを守ってくれるぞ。

 

 

「竿を投げて着底したら、リールを巻いてゆっくりと底を這わせるんだ」

 

「なるほど⋯⋯⋯⋯⋯それで魚にアピールしてるのですね」

 

「お、鋭いな。大事なのは適度なアピール、置竿でも釣れない事は無いけど、やっぱりアピールは大事な事⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯っ!」

 

「あ、掛かった!掛かったよ!」

 

「分かってるよ。後は魚をバラさないように慎重に巻いて行けば、ホラ!」

 

 色合いからして雄だろう、20cm弱程のキュウセンを釣り上げた。

 

「派手な魚ねぇ⋯⋯⋯」

 

「お嬢様、私たちもやってみましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

   〜数十分後〜

 

「あ、啓吾くん私にも釣れましたよ!」

 

「おぉ!虚も初めてにしては頑張ったな」

 

 気が付いたら下の名前で呼び合う程仲良くなっていた。

 

「でもさっきのキュウセンとは違って、色が地味ですね。別の種類なんでしょうか」

 

「いいや、これは雌のキュウセンだな」

 

「なるほど⋯⋯⋯⋯同じ魚でここまで変わってくるのですか⋯⋯⋯⋯これは面白い」

 

 さっきまでとは打って変わって、キラキラと目を輝かせながら自分の釣った魚を見つめる。どうやら釣りをいたく気に入った様だ。

 

「なんとも奥が深い⋯⋯⋯⋯本音が真剣になる理由も分かるわ」

 

「のほほんさんが?」

 

「えぇ、あの子は釣りの話になると何時も嬉しそうに話してくれます。今日は何を釣った、どうやって料理したなど。とっても嬉しそうに」

 

『まぁ⋯⋯⋯』

 

 のほほんさん がそこまで釣りを好きでいてくれてる。それだけで俺も嬉しくなった。一方その頃生徒会長はというと⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つ、釣れない⋯⋯⋯⋯」

 

 初めてかれこれ30分、そろそろ釣れても良い頃だろうとタカを括っていたが、魚が餌を突く気配がなく焦っていた。それにこの炎天下、彼女の気分は相当参っていた。

 

「着底して底を這わせる⋯⋯⋯⋯⋯ちゃんとやってる筈なのにどうして釣れないの?」

 

 汗をダラダラと流しながら粘り続けていたモノの、焦りと暑さで体力の限界が来ていた。

 

「やっぱり⋯⋯⋯私には無理なのかしらーー」

 

 楯無が諦めかけたその時⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

「まったく情けない⋯⋯⋯⋯」

 

「え⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯か、簪ちゃん!?」

 

   

 

   

 

 

 そこには仲違いした筈の簪と、クーラーボックスに冷たい飲み物を詰め込んだ本音の二人がいた。

 

「やっほ〜」

 

「本音まで⋯⋯⋯⋯ど、どうしてここに⋯⋯?」

 

「昨日啓吾から電話があった。お姉ちゃんが釣りを覚えたいんだって」

 

「あ、あははは⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はぁ」

 

 今度こそ終わった。そう思って楯無はガックリと項垂れる。しかし簪から出てきた言葉は本人の予想だにしてないものだった。

 

「とりあえず、ハイ」

 

「え⋯⋯⋯?」

 

「スポーツドリンク、こんな炎天下で帽子もかぶらずに外にいるなんて、お姉ちゃん無謀過ぎ」

 

「あ、ありがとう⋯⋯⋯?」

 

「なんで疑問系なの⋯⋯⋯⋯まぁいい」

 

 簪は楯無の横に腰を下ろした。

 

「簪ちゃん?」

 

「とにかく、巻き取りのスピードが速い。それじゃあ魚がビックリして逃げちゃうよ」

 

「え⋯⋯⋯あ⋯⋯はい」

 

「もっとゆっくりで良い、キュウセンは小さなエビとか蟹を食べてるからそれくらいのスピードを想定して巻いてみて」

 

「う、うん!」

 

 巻き取りのペースを落とす。するとすぐ魚が餌を突いてきたのが分かった。

 

「あ、来た!」

 

「まだ待って!釣り上げるのは相手が餌をしっかり咥えてから⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯今!」

 

 簪のタイミングでリールを巻く。すると錦の色の、見事な雄のキュウセンが掛かっていた。

 

「や⋯⋯やった⋯⋯⋯初めて⋯⋯⋯初めて釣れた!」

 

 最初の一匹が相当嬉しかったらしい、楯無はガッツポーズで喜ぶ。

 

「でも⋯⋯⋯どうして簪ちゃんが?」

 

「啓吾から聞いたの、お姉ちゃんが私と仲直りする為に、釣りを覚えるって言い出したって」

 

「そうなんだ⋯⋯⋯」

 

「私、お姉ちゃんのそういう所、嫌い」

 

「ご、ご免なさい⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 妹に嫌いと言われた事がショックだったのか、三度がっくりと頭を落としてしまった。

 

「⋯⋯⋯⋯でも⋯⋯⋯」

 

「⋯⋯⋯⋯?」

 

「私の為に何とかしようと思ってくれたのは嬉しかった」

 

「か、簪ちゃん!?」

 

「ありがとう、そしてご免なさい。私も何時かお姉ちゃんみたいに一人で何でも出来る様になろうと思ってた⋯⋯」

 

「簪ちゃん⋯⋯⋯⋯」

 

「でもそんなプライドより大切な存在が出来た。啓吾や一夏、ラウラや他の皆だってそう。大切な友達ができたの⋯⋯⋯⋯だから」

 

 最後に楯無に向き直り言う。

 

「今まで冷たくあしらって本当にご免なさい。こんな私で良かったら、前みたいに仲良く出来たら嬉しい」

 

 どうやら簪も姉の事を気にかけていたらしい、簪がにっこりと微笑んだ。

 

 

 

「う⋯⋯⋯⋯⋯うぅ⋯⋯⋯⋯」

 

 

「お、お姉ちゃん⋯⋯⋯?」

 

 

 

 

 

 

 

「うええええええぇぇぇぇぇん!!」

 

「へ、へ!?」

 

 黙って聞いていた楯無が突如大粒の涙を流しながら叫ぶ。

 

「ホントに、ホントによ”がっだよ”おおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

 これまで様々な思いが有ったのだろう。それを全て吐き出すかの様に楯無は泣き叫んだ。

 

「びえええええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

   *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、色々有ったがこれで解決だな」

 

「まさか啓吾くんは、こうなる事を予測していたのですか?」

 

「別に分かってた訳じゃないさ。前の様に簪が突っ慳貪な性格だったらこうはいかなかったかな」

 

「と言いますと?」

 

「初めて会った時に比べて、口数も増えて笑顔も多くなったそれに⋯⋯」

 

「それに?」

 

「実は今回の一件、真っ先に簪に連絡したんだ。そしたら向こうから頼み出てきたんだ。私もお姉ちゃんと仲直りしたいと」

 

 俺は嘘をつかずに、有りの侭を言った。

 

「貴方は不思議な人ですね」

 

「⋯⋯⋯⋯?どうして」

 

「貴方の周りには織斑くんを始め、代表候補生や学園の先生方、さらに国代表の操縦者まで慕っているじゃありませんか。その誑しの手ほどきを是非、教えて欲しいですね」

 

「たらしって⋯⋯⋯⋯⋯⋯別にそんなんじゃないよ?」

 

「あらあら、ではそういう事にしておきましょう♪」

 

「まったく⋯⋯⋯⋯ほら続けるぞ」

 

「は〜い⋯⋯⋯⋯あ、それと」

 

「どうした?」

 

「今度は妹も連れて一緒に行きましょうか♪」

 

 

 

 

             ここに新たな釣りバカがまた一人⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   〜自室〜

 

「ヘぇ〜、そんな事があったんだな」

 

「あ、あんまり話さないでね⋯⋯⋯」

 

 釣りを終えてから帰宅した俺達は一夏やのほほんさんと合流して夕食の準備をしている。

 

「そういえばあれから楯無は何処に行ったんだ?」

 

「うん、少し事務作業を残してたみたいで⋯⋯⋯それの片付け」

 

「大変なんだな、生徒会長って」

 

「でも終わったらこっちに来るんだろ?」

 

「うん、そんなに時間は掛からないって言ってたからそろそろ来ると思う」

 

「そっか、じゃあ今のうちに夕食の準備を仕上げよう」

 

「お〜⋯⋯⋯⋯⋯でも何を作るの〜?」

 

「最近揚げ物ばっかりだったし⋯⋯⋯⋯⋯じゃあ煮物にするか。良いよな啓吾」

 

「ああ、それで構わないよ」

 

 

 

 

 

 

 

      〜関西だけじゃ勿体ない!キュウセンの煮付け〜

 

 キュウセンは滑りの多い魚。最初に塩で滑りをとってから鱗を落とそう。それから内蔵を取って素焼きにするぞ。こうする事で余計な水分が抜けて旨味も凝縮するんだ。

次にフライパンに酒、醤油、砂糖を適量、焦げ目の着かない様に水でのばしてから、スライスした生姜をいれて沸騰させる。沸騰したらさっき素焼きにしたキュウセンを投入して、キッチンペーパーで落し蓋をし強火~中火で煮汁があめ色になり、とろみがでるまで煮たら完成だ!疎遠になりがちな魚だけど調理次第でどこまでも美味しくなるぞ!

 

 

「ごめーん!待たせちゃった?」

 

「すいません、少々手間取ってしまいました」

 

 丁度料理も出来た時に楯無と虚がやってきた。

 

「いらっしゃい、ナイスタイミングだよ」

 

「ほ〜、この人達が簪とのほほんさんの⋯⋯⋯⋯」

 

「あんまり似てないですか?」

 

「まぁそんな事ないけど⋯⋯⋯⋯⋯性格が全然違うっていうか」

 

「オリム〜、いいから早く食べようよ〜」

 

 確かに全然性格が違うな⋯⋯⋯⋯

 

「まぁいいや、それじゃあ夕食が冷める前に食べちゃいますか」

 

「そうそう、カンちゃんと楯無御嬢様の仲直りを祝してね〜」

 

「ちょ、本音⋯⋯⋯////」

 

「そういう言い方は恥ずかしいかな〜////」

 

「ハハハ、じゃあ皆、手を合わせて」

 

 

「「「「「いただきま〜す!!」」」」」

 

 

  雨降って地固まる。今まで続いていた姉妹喧嘩という名の大雨は、二人の仲をさらに強い物へと変えた。二人がこれから仲睦まじく送る日々を考えると、不思議と笑みが溢れる俺なのであった。

 

 

 

 

 

 

 




「何この水戸黄門みたいな終わり方・・・・」

「実は先日、水戸黄門を観たらこういった終わり方も良いかな〜って」

「ダメとは言わないけどちょっと古くさいぞ?」

「・・・・(´ω`)」

「じ、次回もお楽しみに!」
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